日本国内外の展示会に出展し、海外バイヤーの見込み客を獲得したいですか? 出展費用も掛かる為、一人でも多くの見込み客を獲得したいところですね!
しかし、出展を予定されている方の資料を見ると、海外バイヤーに響かない資料であることが多いです。特に翻訳家などに資料作りまで依頼している方は注意が必要です。その資料の出来ですと、本来、獲得できたであろう見込み客を取り逃すことになりかねないです。
海外展示会用に用意する資料とは、単純に日本語を英語化した物ではダメです。海外バイヤーが知りたい情報が網羅されている資料であることが絶対的な条件です。
そこで、この記事では、これまで数多くの出展機会に携わった国際売り込み人ことK氏の監修の下、海外バイヤーが欲しくなる資料作りのポイントをご紹介していきます。
バイヤーの本質的な欲求を満たす資料作り
例えば、これから海外の見本市に出展するとしましょう。初回の出展であり、何もかもが初めてです。バイヤーへの説明資料も必要です。
このようなとき….
「そういえば、社内の○○さんが英語が得意だから資料を作ってもらえばいい」
「外注の通訳さんに資料を作成してもらえばいい!」
と考えていませんか? おそらく、このような考えから出来上がった資料では不十分です。控えめに言って駄作であることが多いです。
なぜでしょうか? ここでバイヤー向け資料の目的や求められていることを明らかにしましょう!
バイヤー向け資料の目的とは?
バイヤー向け資料の目的は、海外バイヤーに対して、自社又は自社商品に関する適切な情報を提供し…..
- 「この商品について具体的に商談をしてみたい」
- 「この後も具体的にやり取りをしたい」
- 「サンプルが欲しい」
と思わせることです。では、バイヤーにとって、貴社の商品に対する本質的な興味は何でしょうか? 貴社の商品ですか? 実は、違います。答えは商売性(売れるのかどうか)です。
バイヤーの本質的な興味
海外バイヤーの本質的な興味は「儲かるのか?」「儲からないのか?」。この一点です。当然、貴社の商品自体にほれ込む人もいらっしゃるでしょう。ただ、そういう方でも本質的な部分は、貴社の商品を仕入れて、ビジネスとして成立するのか?否か? ここに最大の関心があります。

海外バイヤーもサラリーマンです。売れない物を仕入れたら大目玉です。ここは日本と同じです!相手の立場を考えればわかるはずなのに..ここが欠落する方が多いです。
本質的な興味を理解していない資料は駄作
話を元に戻します。冒頭で申し上げた通り、社内で英語ができる方に資料を作成してもらったり、通訳者に資料を作成したりしてもらうのも一つの方法です。
しかしながら、それは、バイヤーが求める本質的な興味を理解していることが前提です。前提を理解していない場合は、残念ながら、どれだけ英語が堪能であっても、的外れな情報ばかりをまとめた無価値な営業資料が出来上がります。
例えば、「弊社のお茶は新鮮です!」「他社の物より風味が豊です=根拠がないふわっとした表現」など。

資料作成者は、海外バイヤーの欲求部分(どのような情報があれば助かるのか?)を理解し、それに沿う資料を作成することが重要です。
バイヤーは、商品の魅力の他、商売性を判断できる資料を求めている。
では、海外見本市で使う説明資料には、どのようなことを盛り込むべきなのでしょうか? 大きく分けると、次の3つです。
- 貴社商品の特徴、優位性、強み
- 貴社商品を取り扱う場合の具体的な商売情報
- バイヤーとの気軽な連絡ができるSNS情報
1.貴社商品の特徴、優位性、強み
貴社商品が持つ特徴、強み、他社が取り扱う商品との優位性の部分が伝わる資料が望ましいです。
例えば、日本茶の資料を作るとしましょう!
- 他社が取り扱う物の優位性(例:カテキンが2倍以上)
- 生産地の風景(写真や動画)
- 使用時の風景(飲食を連想できる動画)
- 輸出実績

商品に隠れている魅力を表現します。動画や写真を使い豊富な表現方法にします。
2.貴社商品を取り扱う場合の具体的な商売に関する情報
実際の貴社商品を仕入れた場合の商売性を判断する為の情報をまとめてあげましょう!最低限、日本からの出荷価格の用意は必要です。具体性がない資料は無価値です。
- 日本からの出荷価格(最低、FOB東京と大阪)
- MOQ(最小注文数)とリードタイム
- パッケージ例(カスタマイズの柔軟性)
- 相手国が必要とする書類の用意(EPA証明書)
- 組み合わせや関連商品の紹介(関連商売のチャンス)
- 販促グッズの有無
- バイヤーの売り方の提案(相手国での商売方法)
- 相手国での試飲会への協力
- 独占販売権設定の条件(希望する場合)
- 会社案内、商品パンフレット
- 製品一覧、注文書
帰国後、バイヤーが上司に対して報告するために必要な情報を資料にまとめてあげると良いです。
3.バイヤーとの気軽な連絡ができるSNS情報
できることなら、海外のバイヤーとSNS等で直接つながれるようにした方が良いです。
例えば、WhatsApp、WeChatなどです。自社のビジネスをアカウントを開設しておき、いつでも、気軽に連絡ができたり、情報を届けたりできるようにしておくことをお勧めします。

中華圏で人気があるWeChat

欧米で人気があるWhatsApp
まとめ
海外のバイヤーは、慈善事業でやっているわけではないです。儲かるのか? もうからないのか? この部分が全ての行動の根底です。
海外バイヤーも一人のサラリーマンである点を理解して、資料に盛り込むべき情報を今一度、精査してみましょう! 空虚な言葉の羅列、ありきたりな言葉に紙面を割いていてはダメです。
バイヤーが知りたい情報(必要としている情報)ができるだけ簡潔に、わかりやすくまとまっている資料が求められています。

