ベトナム国内の免税制度まとめ
日本からベトナムへ輸出したとき(ベトナム輸入時)に免税になる品目は、次の通りです。
関連記事:ベトナム側の輸入税率の調べ方を解説
- 免税範囲の手荷物
- ギフト
- 一定価格以下の商品
- 条約に基づく商品(EPA)
- 輸出商品を製造するときに使用する原材料や部品
- 再輸出のために一時輸入した物品(再輸出免税)
- 見本市、展示会、スポーツイベント、芸術、試験、研究などの為に一時的に輸入する機械、設備、専門工具など
- 外国の船舶や航空機を修理する為の機械や設備(予備部品)
- 修理や交換のために一時的に輸入された商品
- サンプル品、写真やフィルムなどの広告出版物
- 国内で生産が難しい建設資材
- 国内で生産が難しい肥料や農薬類
- 国内で生産が難しい原材料、部品
- 石油やガス事業に関する部品や機械
- 造船に使用するための機械、設備、消耗品や部品、半完成品
- 印刷や鋳造に使用する設備、原材料、消耗品
- 環境保護に役立つ製品(国内で生産できない特殊機械、設備、工具、消耗品など)
- リサイクル製品
- 教育に役立つ輸入品(国内生産ができない)
- 社会保障に役立つ製品(自然災害、伝染病など)
出典情報:Law Net(https://lawnet.vn/vb/Luat-thue-xuat-khau-thue-nhap-khau-2016-44875.html)
リストからの考察
日本からベトナムに輸出する場合、ベトナム側の輸入税が気になります。ベトナムでは、関税の他、付加価値税などの様々な輸入税が設定されています。この輸入税は、ベトナム側のバイヤーが支払う為、日本側から輸出する者としては、あまり関係がないようにも感じます。
しかし、ベトナムのバイヤーは、輸入税を含めた価格で国内販売する為、ベトナムの輸入税は、ベトナム国内での売れ行きにも影響を与えます。
もし、ベトナム国内の売れ行きが悪ければ、当然、輸出者である、あなたにも影響を与えるでしょう。こう考えると、ベトナム側の輸入税の有無は、日本側の輸出者にとっても重要です。
免税リストから見えること
ベトナム側の免税リストを確認すると、いくつかのキーワードに気が付きます。
- 国内生産が難しいこと
- 教育や社会発展に役立つこと
- 環境保護商品
現在、ベトナムは、人口や可処分所得が爆発的な勢いで増加しています。国が発展すると、それに比例して諸問題が出てきます。
例えば、汚水問題です。以前、バンコクの水上ボートに乗ったことがありますが「水しぶきはできるだけ触れるな!」と強くアドバイスされたことがあります。事実かは別として、バンコクでは、水処理が追い付かず、非常に危険な汚水が流れているとのことです。これと同じことがベトナムでも発生する可能性が高い絵です。まさにこのような社会問題を解決できる製品であれば、ベトナム側も喜んで買ってくれるでしょう。
ベトナムの水質汚濁状況
- ハノイ、ホーチミン市は、水質汚濁が深刻
- ハノイは、約35万~40万立方メートルの廃水が出ている
- 廃棄物の内、処理されるのは10%。残りは、川や小川に排出される。
- ホーチミン市: タンルオン工業地帯が最悪
- 人口増加、家庭廃棄物、医療廃棄物による水質汚染
- 農業生産による水質汚染
情報元:Nguyên nhân, giải pháp khắc phục tình trạng ô nhiễm môi trường nước
ベトナム国内の環境問題解決型消費、環境保護製品、災害対策品、教育系商品など
ベトナム側は国内生産が難しい商品を求めている。
もう一つのキーワードは「国内生産が難しい」です。要は、ベトナム側の技術力や生産設備等を考えると、ベトナム国内での生産が難しい商品は、海外から入れたいとの思惑が見て取れます。逆に言いますと、ベトナム国内でも生産ができる代替性がある商品は、できるだけ入れたくないとも考えられます。
国内生産が難しい商品は、上記リストでいうと、11や12ですね! なんと国内生産が難しい建設資材の他、農業関連品についても、免税を適用できる可能性があります。
ベトナムに輸入しやすい商品から輸出商品を検討
「ベトナム市場に商品を輸出したい!でも、何を輸出すればいいのかわからない!」と考えている方は、少し違った視点で商品を検討してみるのも良いと思います。おそらく、以下の3つの条件が重なる製品ほど、成功確率が高まると思います。
- ベトナム国内で生産が難しいこと
- 必要性が高いこと(ないと困る)
- ベトナムの暮らしを向上させること
実は、2023年12月にサイエンス・スクエアつくばに行ってきたのですが、改めて日本の最先端技術に驚きました。非常に面白い技術がいくつも紹介されています。気になる方は、ぜひ、行ってみてください。上記3つの条件は、日本企業のお家芸ともいえる商品に当てはまる場合が多いです。
海外への輸出を検討すると、どうしても「わかりやすい物」ばかりを連想してしまいます。しかし、実は、表立っていない物。ライバル不在で、ほそくなが~く輸出し続けられる商品はたくさんあるはずです。
例1:タワーマンション増加による諸問題
*ベトナム国内の法律上、可能かどうかは不明。
今後、さらに人口が進むと、必ずタワーマンションなどへの居住者が増えてきます。その際、何が必要になるのか?を考えても面白いです。日本は、世界でも類を見ない程の「災害大国」です。となると、それ関連品で優れた物は、いくつもあるはずです。
例えば、タワーマンション居住者向けの防災グッズなどはいかがでしょうか?
例2:掃除のニーズに応えるための洗浄製品
所得が上がれば、生活レベルの向上へとニーズが移り変わります。
例えば、自身が居住する家を少しでも、できるだけ早く、簡単に掃除がしたい方も増えてくるでしょう。その場合に応えられる製品も面白いですね! 参考サイトをご紹介します。
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