航空輸送の特徴と最適な梱包方法
航空輸送は、スピードを重視する際に不可欠な輸送手段です。しかし、海上輸送と比べるとコストが高く、重量やサイズの制限もあるため、最適な梱包が必要です。
この記事では、日本発の航空輸送の特徴、Known Shipper制度の概要、最適な梱包方法について解説します。
航空輸送の特徴
航空輸送は、国際輸送の中でも最も速い手段です。リードタイムを短縮できるため、緊急性の高い貨物や高価な製品の輸出に適しています。しかし、輸送コストは高く、貨物の重量とサイズが厳しく制限される点に注意します。
航空輸送の料金は、重量料金と容積重量(縦×横×高さ ÷ 6000 または 5000)のどちらか大きい方が基準です。つまり、軽量化がそのままコスト直結します。
また、IATA(国際航空運送協会)の規制により、リチウム電池や危険物など特定の貨物には、特別な梱包が求められる点にも留意します。
航空輸送とKnown Shipper制度の関係
Known Shipper(KS)制度とは、航空貨物のセキュリティを強化するために導入された制度です。この制度の下、航空フォワーダーは、荷主を以下の2つに分類します。
- KS(Known Shipper)
- 非KS(Unknown Shipper)
KS認定した荷主は、爆発物検査の負担が軽減される一方、非KSの貨物は厳格なセキュリティ検査を受けるため、輸送コストやリードタイムが増加します。Known Shipper(KS)制度は、航空輸送の最適な梱包戦略とも密接に関連します。

日本での正式名称は、特定荷主制度です。詳細は、こちらの記事をご覧ください。
航空輸送のコストと重量制限
航空輸送の料金は、貨物の実重量と容積重量のどちらか大きい方を基準として決まります。商品サイズと梱包サイズが不適切だと、その分、輸送費がかさみます。
例えば、大きな段ボールに軽い製品を梱包するなどです。この場合、実重量は軽くても、容積重量で計算するため、予想以上に輸送費が高くなります。
- 貨物サイズと梱包材サイズが適切であること
- 梱包材の強度高い。
この2つの条件を満たすと、航空輸送の最適な梱包方法になります。逆にいうと、これら条件を外れると、コストが高くなり、輸送リスクも高まります。
航空輸送における最適な梱包方法
航空輸送で求められる梱包材は、以下の通りです。
- 軽いこと
- 強度があること
- 衝撃を吸収すること
- 防水・防湿性があること
特に軽さが最も重要です。強度がありながらも軽量なダンボール
を使うことが多いです。これこそが「強化ダンボール」です。
強化ダンボールとは、断面が何層にもなり、強度が高められているものです。この多層構造により、木箱と比較して軽くて、強度が高いです。ご存じの通り、木箱は、検疫上の問題があるため、その点でも強化ダンボールに魅力があります。
その他、航空輸送では…..
衝撃対策の梱包
貨物の衝撃対策として、発泡スチロールやエアクッションなどの緩衝材を使用し、貨物の形状にフィットする内部固定を施します。
例えば、二重箱詰め法などがあります。段ボール箱内にちょうど収まるように、厚さ5cm(2インチ)以上の気泡緩衝材等で個別に包装します。
防水・湿気対策ができる梱包
航空機内は気圧変化があり、温度差による結露が発生することがあるため、防湿シートや密閉梱包をすることもあります。
危険物を輸送するための梱包
リチウム電池などの危険物を輸送する場合は、IATAの規制に従い、UN認証梱包を使用します。危険物ラベルの貼付や適切な書類の準備も欠かせません。

航空輸送中の貨物温度は、4℃~27℃の範囲で維持されます。
航空輸送におけるトラブルと対策
2025年3月からは、セキュリティ検査の強化により、事前準備が不十分な場合に出荷が遅れるケースが増えています。今後の航空輸送は、さらにKnown Shipper(KS)制度の理解と対策がより重要になります。

貨物の搬入締め切り時間は、出発の3時間前までが一般的です。
また、思わぬ輸送コストの上昇に悩まされるケースも多いです。貨物サイズを最適化し、梱包を軽量化することで少しでも輸送コストを減らせるように工夫します。
安全とコスト感のバランスが良いところを見つけましょう!
まとめ
- 航空輸送は、スピード重視の輸送手段。適切な梱包と事前準備が必要
- 爆発物検査の負担を軽減し、コストと納期を最適化しましょう。
- 容積重量を抑えた軽量化梱包を行うことで、輸送費を削減できる。
- 3層ダンボールを活用し、軽量かつ耐衝撃・防水性の高い梱包を実現する。
- リチウム電池などの危険物を輸送する際には、IATA規則に従った梱包が必要
- 日本発の航空輸送をスムーズに進めるためには、梱包の工夫と航空フォワーダーとの連携が必要です。


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