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航空貨物KS/RA制度強化:航空フォワーダーが取るべき対応と課題解決

2025年3月、航空輸送の規制が強化された中、非KSの貨物は、爆発物検査、保管などの部分で大きな影響を受けます。当然、航空フォワーダー各社は、荷主のKS/非KSステータスを把握し、適切な手続きを取ることが求められます。

本記事では、航空貨物KS/RA制度強化により、航空フォワーダーが取るべき対応と課題解決策について解説していきます。

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KS・非KS分類強化とは?フォワーダーに求められる対応

規制強化に伴い航空フォワーダーが直面する4つの課題

KS/RA制度の詳細は、以下の記事をご覧下さい。

【KS/RA制度】航空貨物の新規制で小規模荷主が困る?今すぐ知るべき対応策!

1.非KS貨物の爆発物検査対象が増える

KS貨物と非KS貨物の大きな違いは、検査プロセスです。KSに認定されている荷主の貨物は、事前の審査をクリアしているため、通常のセキュリティチェックのみで航空輸送ができます。

しかし、非KS貨物は、爆発物検査の取り扱いが大きく変わります。非KS貨物が爆発物検査を受けることで、輸送スケジュールの遅延が発生するリスクが高まります。特に、開披検査が行われた場合は、再梱包作業に時間がかかるため、予定していた便に貨物を積み込めない可能性が出てきます。

ご存じの通り、航空会社のスケジュールは厳格に管理されているため、遅延が発生すると代替便の手配が難しいです。特に国際貨物の場合は、次の便まで数日待たされることもあり、ビジネスチャンスの損失につながる可能性もあります。

非KS貨物の増加は、フォワーダーにとって大きな負担になり、対応次第では、クライアントとの信頼関係に重大な影響を与える可能性があるでしょう。

2.貨物の保管場所と管理コストの増大

非KS貨物の取り扱いの増加は、保管スペースの増加につながります。航空貨物は、検査完了まで一定の保管が必要となり、国土交通省の指針では、非KS貨物とKS貨物は、明確に分割管理(スペース分割含む)するように記載されています。これは、倉庫のスペースを圧迫し、保管コストの増加につながります。

貨物紛失リスクの増加

保管環境が適切でない場合、貨物の破損や紛失といったリスクも高まります。特に、機械類や精密機器などの高額商品を取り扱う場合は注意が必要です。

3.顧客(荷主)への対応が複雑化する

KS/非KSの分類強化により、フォワーダーは荷主への説明責任が増します。規制強化による影響を理解していない荷主に対し、KS/非KSの違いや、追加検査によるコスト・時間の増加について説明する必要があります。特に、非KS貨物の荷主にとって、突然の規制変更は予想外の負担となり、不満が生じる可能性があります。

フォワーダーは、荷主がスムーズにKS認定を取得できるように、情報提供やサポートを行うことが求められます。また、貨物の梱包方法についても適切なアドバイスを行い、検査対象になりにくい梱包材の利用をおススメするといいでしょう。

4.荷主からの評価が大幅に低下する可能性も!?

万が一、貴社(フォワーダー)がRA認定を受けていない場合、貴社に対する荷主の評価は、大きくマイナスになると考えた方が良いでしょう。

信頼性の低下

信頼性の低下が避けられません。貨物の輸送遅延や、予期せぬ追加コストが発生すると、フォワーダーへの信頼が揺らぎます。特に、高額な貨物や納期厳守が求められる案件では、より対応力の高いフォワーダーへの切り替えが検討されます。

緊急案件での選定除外

緊急案件での選定除外が挙げられます。RA/KS対応が整っていないフォワーダーは、航空輸送のスピードが求められるケースでは避けられる傾向があります。荷主は、より確実に輸送できるフォワーダーを選択するため、取引の機会が減少する可能性が高いです。

長期的な契約の見直しも影響

長期的な契約の見直しも影響します。RA/KS対応が進んでいるフォワーダーと比較し、輸送の安定性やコスト管理ができない場合、取引条件の悪化や契約終了につながることもあります。

課題への解決策

上記の直面する課題に対する解決策は次の通りです。

  1. 荷主が航空輸送で求めていることを理解する
  2. 荷主にKS認定の取得を促す。
  3. 3層ダンボールを検討する。
  4. 事前のチェック体制の強化
  5. 補助金を活用し環境を整備

1.荷主が航空輸送で求めていることを理解しよう

顧客が輸送に求める物は価格だけなの?

フォワーダーは、荷主が航空輸送に何を求めているのかを深く理解する必要があります。単に輸送コストだけでなく、輸送スピード、安全性、確実性など、荷主の優先順位を把握することが重要です。

荷主は価格だけでなく、様々な要素を考慮してフォワーダーを選びます。スーパーの買い物ではないです。自身の大切な荷物を預ける業者です。荷主の「何が核心的な利益なのか?」を理解することで、的確な提案ができ、長期的な信頼関係を築くことができます。

多くの荷主は、開被検査で貨物を開けられたくない。

多くの荷主は、コストだけでなく、開被検査による遅延や貨物への影響を懸念しています。フォワーダーは、開披検査のリスクを最小限に抑えるために、KS認定の取得支援や適切な梱包方法の提案など、様々な対策が必要です。万一開披検査が発生した場合でも、迅速かつ丁寧な対応を心がけ、荷主の負担を軽減します。特に食品や電子機器などの荷主は、開被検査を嫌います。

なぜでしょうか? コスト以外の部分でも嫌う理由があります。

荷主は、輸送コストだけではなく、開披検査の確立を下げて、できるだけ開封による貨物の損傷を避けたいとの想いがあります。ここをしっかりと捉えることが重要です。

2.荷主にKS認定の取得を促す

フォワーダーは、荷主に対してKS認定の取得をおススメすることで、非KS貨物の割合を減らせます。KS認定を受けた荷主の貨物は、爆発物検査の対象外となり、スムーズに輸送できるため、時間とコストの削減につながります。

3.3層ダンボールを活用し、開披検査のリスクを軽減

爆発物検査をスムーズに通過するためには、梱包材の選定が重要です。有効な梱包材は、3層ダンボールです。3層ダンボールは、高い耐久性と軽量性を兼ね備えており、X線透過性も良好なため、検査をスムーズに進められます。

また、強度の高い梱包材を使用することで、開披検査が行われた際の貨物破損リスクを低減し、再梱包にかかる手間とコストを削減できます。貨物が適切に梱包されていることで、航空会社側もよりスムーズな検査を行うことができるため、遅延のリスクも軽減されます。

4.フォワーダーの事前チェック体制を強化

フォワーダーが貨物を受け取る際に、検査対象となるリスクが高い貨物を事前にチェックし、適切な対応を取ることで、検査の手間を減らすことが可能です。

例えば、輸送前に荷主と連携し、貨物の情報を細かく確認し、危険物や規制対象となる物品が含まれていないかチェックすることが有効です。また、輸送書類を正確に準備し、航空会社や税関の審査をスムーズに進めることも重要です。

5.補助金を活用して環境を整備する

荷主側、フォワーダー側、どちらも政府が行う各種の補助金を利用できる可能性があります。補助金には、その種類、対象等により、様々な物があります。ここで紹介する補助金は、必ず使えるとの意味ではないため、予めご留意ください。詳細は、各補助金の説明サイト、税理士等にお聞き下さい。

補助金は、随時、変更されています。必ず、公式サイトで詳細を確認してください。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の経営改善を支援する補助金で、業務効率化や新たな設備導入に活用できる場合があります。

    • RA認証取得のための書類作成支援やコンサルティング費用
    • RA/KS制度対応のための研修費用
    • 新しい梱包資材(例:3層ダンボール)やセキュリティ設備の導入
    • 補助率・上限額:最大50万円(特定枠で100万円)
    • 公式サイト
ものづくり補助金

中小企業が生産性向上や業務効率化を目的とした設備投資を行う際に利用できる補助金です。

    • 爆発物検査対応のための新規システム導入
    • RA/KS対応を目的とした貨物管理システムの開発
    • X線検査機やセキュリティ機器の導入
    • 補助率・上限額:最大750万円
    • 公式サイト
事業再構築補助金

業務の抜本的な改革や新事業の展開を支援する補助金で、RA/KS対応のための大規模な設備投資に活用できる可能性があります。

    • RA認証を取得するための事業再構築
    • 非KS貨物の取扱いを減らすための新規事業開発
    • 貨物の安全管理体制の強化(倉庫のセキュリティ向上)
    • 補助率・上限額:最大1億円(通常枠で7500万円)
    • 公式サイト
人材開発支援助成金(雇用関係助成金)

従業員のスキルアップや専門知識習得を目的とした研修費用の補助を受けられる可能性があります。

    • RA/KS制度に関する社内研修
    • 貨物のセキュリティ対策に関する教育
    • フォワーダー社員向けの規制対応トレーニング
    • 補助率・上限額:研修費用の最大75%
    • 公式サイト

航空フォワーダーが3層ダンボールを活用するメリット

  1. 輸送コストを圧縮できる。
  2. 検査通過率の向上
  3. 取り扱いの効率化
  4. 環境負荷の軽減

1.輸送コストの削減

航空貨物において、輸送コストの大部分を占めるのは貨物の重量です。従来、貨物を頑丈に梱包するためには木箱が多く使用されてきましたが、木箱はその重さが大きなデメリットとなっていました。

3層ダンボールは、木箱と同等の強度を持ちながら、圧倒的に軽量です。これにより、航空運賃が計算される際の重量を抑えられ、全体の輸送コストを大幅に削減できます。

また、従来のダンボールでは耐久性の問題から二重・三重に梱包するケースがありました。しかし、3層ダンボールはそれ自体が頑丈なため、過剰な梱包を省略でき、さらにコストを抑えられます。

2.規制適合と検査通過率の向上

近年、航空貨物に関する規制は厳しさを増しています。特にKS(Known Shipper)と非KS(Unknown Shipper)の分類が強化され、非KS貨物は厳格な爆発物検査を受ける必要があります。

3層ダンボールを採用することで、貨物がしっかりと保護され、検査時のリスクが低減します。たとえば、通常のダンボールよりも強度があるため、X線検査での透過性が向上し、貨物の内部確認がスムーズに行われるケースが増えています。

また、頑丈な梱包によって貨物の安全性が向上するため、開封検査のリスクを減らすことができます。開封検査が発生すると、貨物の積み替えや再梱包が必要になり、手間とコストがかかります。3層ダンボールを使用することで、これらの無駄を削減できるのです。

さらに、航空輸送では迅速な輸送が求められますが、3層ダンボールは検査通過がスムーズであるため、検査遅延による出荷遅れを防ぐことができます。これは、フォワーダーにとって顧客満足度を高める大きなポイントとなります。

3.取り扱いの効率化

フォワーダーにとって、貨物の取り扱いのスムーズさは業務効率に直結します。3層ダンボールは、フォークリフトやパレットへの積み込みがしやすい設計になっているため、倉庫作業の効率を向上させます。

また、梱包がしっかりしているため、貨物の破損リスクを低減できます。輸送中の衝撃による損傷が減ることで、クレームの発生率も下がり、結果としてフォワーダーの信頼性向上にもつながります。

さらに、木箱を使用する場合に必要な燻蒸処理(害虫防止のための処理)が不要になるため、輸出先の国によって異なる規制に対応しやすくなります。これにより、手続きが簡略化され、貨物の出荷準備がスムーズになります。

また、税関での開封検査が発生した場合、木箱では再梱包の手間がかかるだけでなく、荷主からのクレームにつながる可能性があります。しかし、3層ダンボールであれば、開封・再梱包のしやすさに優れており、そうしたリスクを軽減できます。

4.環境負荷の軽減

世界的に環境規制が厳しくなり、サステナブルな輸送方法が求められています。木箱は森林資源の消費につながるだけでなく、廃棄処理の手間がかかるため、環境負荷が大きいとされています。

一方で、3層ダンボールはリサイクル可能な素材で作られており、使用後の処理が容易です。これにより、フォワーダーはエコロジーを重視するクライアントに対して、環境に配慮した梱包材の提案が可能になります。

また、爆発物検査料が高額になることを懸念する荷主も多いですが、3層ダンボールを利用することで、検査のスムーズな通過が期待でき、追加費用の発生を抑えることが可能です。

まとめ

  • KS/非KSの分類強化により爆発物検査の業務負担が増える。
  • 非KS貨物の増加に伴い、保管場所の確保や管理コストが上昇
  • 荷主への説明責任が増し、規制適合に向けたサポートが求められる。
  • 3層ダンボールを活用することで、検査対象の削減や管理負担の軽減ができる
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