輸出梱包は商品の安全性を確保する上で重要です。輸送中の衝撃や振動、湿気、温度変化などの影響から商品を守るためです。
しかし、「どの梱包が適しているのか?」「コストを抑えつつ、商品の安全性を確保するには?」と悩む方も多いでしょう。
そこで、この記事では、輸出梱包の基本、貨物の特性、輸送モードに応じた最適な梱包資材の選び方を解説していきます。

基礎的な梱包知識と輸送モード別の適切な梱包資材を理解しましょう!
輸出梱包の種類
輸出梱包とは?その目的(役割)と重要性
輸出梱包とは、海外へ輸送する貨物を保護する包装方法です。主な目的(役割)は、以下の通りです。
- 輸送中のダメージを防ぐ
- 取り扱いやすさを向上させる
- 積載スペースを最適化する
- 高温環境から保護する。
- 高湿度環境から保護する
輸出梱包の基本構成
輸出梱包は、以下の3つの基本構造により保護します。
1.内装(インナー包装)
直接、商品を保護する部分です。
- エアキャップ(プチプチ)
- フォーム材
- ビニール包装など
2.中装(インターミディエイト包装)
輸送中の衝撃を和らげる層です。
- 段ボール箱
- 発泡スチロールなど
3.外装(アウター包装)
輸送用の最外層部分です。
- 木箱、強化ダンボール
- スチールケースなど
輸出梱包の種類と特徴
輸出梱包には、その材質や梱包に使う資材などにより、いくつかの種類があります。主な輸出梱包は、以下の通りです。
- 木箱
- 強化ダンボール
- スチールケース
- パレット
- バリア梱包
- 真空梱包
上記の内、どの梱包を選ぶか?は、輸送する商品の種類や輸送方法によって決めます。
木箱梱包:耐久性が高く重量物に最適
木箱梱包は、最も一般的な輸出梱包です。特に重量物や精密機械の輸送に適しており、外部からの衝撃や圧力に強いです。製品の形状やサイズに合わせられるため、さまざまな用途に対応できます。
木箱には、合板製木箱、LVL木箱(単板積層材)、クレート木箱(木枠梱包)などがあります。
- 合板製木箱:軽量ながらも強度あり。食品や医薬品の輸送に最適
- LVL木箱:単板を積層した材質。合板製よりも強度が高く、重量物の輸送
- クレート木箱(木枠梱包):側面が木枠だけで覆われたタイプ。コストが抑えられる一方、防塵・防水性能は低い。
強化ダンボール:軽量でコスト削減に貢献
強化ダンボール(重量用ダンボール)は、通常のダンボールよりも厚みがあり、耐久性がある梱包材です。特に中軽量の製品の輸送に適しており、衝撃を吸収しやすいです。木箱に比べて軽量なため、航空輸送など重量制限がある場合にはコスト削減につながります。
強化ダンボールは、加工もしやすいため、製品の形状に合わせた梱包もできます。ただし、湿気や水分に弱いため、海上輸送には防水対策が必要です。
スチールケース:高額商品の輸送に最適
スチールケースは、強度が高い梱包材の一つです。特に高額な精密機械や機密性の高い製品の輸送に使われることが多く、強い衝撃にも耐えられます。防水・防塵性能にも優れており、過酷な環境での輸送にも対応できます。ただし、コスト面を考慮する必要があります。
パレット梱包:輸送と保管の効率を向上させる必須アイテム
パレットは、最も一般的な梱包方法です。パレットの上に貨物をのせることで、積み下ろしや保管時の作業効率が大幅に向上します。
※フォークリフトでの運搬も容易。
パレットには、木製とプラスチックの2種類があります。
木製パレットは、コストが安く、耐久性も十分です。しかし、湿気や害虫の影響を受けやすいため、輸入国の植物検疫規制(ISPM 15)に注意します。
プラスチックパレットは耐水性に優れ、衛生管理もしやすいため、食品や医薬品の輸送に適しています。
バリア梱包
バリア梱包は、防湿性・防酸化性に優れた特殊なフィルムを使用し保護する方法です。主に、アルミラミネートフィルムやポリエチレンフィルムを使用。これらを使い、内部の湿気を最小限にすることで、電子機器、精密機械、金属製品などが錆びることを防ぎます。なお、乾燥剤と組み合わせて使用することで、内部の湿度を一定に保つこともできます。
真空梱包
真空梱包は、貨物を密閉したフィルムの中に入れ、内部の空気を抜いて真空状態にする方法です。酸化・湿気・カビ・錆びを防ぎ、製品の劣化を防ぎます。特に金属部品、電子機器、食品の輸出に適しており、長期間の保管に向いています。
輸出梱包材の選び方
輸出梱包材を選ぶときの基準は、以下の通りです。
- 輸送する製品のサイズ
- コスト感
- 輸入国規制(木製)
- 輸送モード(海上又は航空)
1.輸送する製品のサイズ
輸送する製品の重量やサイズから考えます。
- 重量物なら、木箱やスチールケース
- 軽量物なら、強化ダンボール
などです。また、輸送距離と手段によっても選択が変わります。
例えば、海上輸送では湿気対策、航空輸送では軽量な梱包材が好まれます。
2.コスト感
コストと環境負荷も考慮します。コストを抑えつつ環境負荷を抑えるなら、強化ダンボールやプラスチックパレットが最適です。
3.輸入国規制
輸入国の規制や基準に適合しているか?も重要です。特に木材を使用する場合は、輸入国の植物検疫規制を確認しましょう!
4.輸送モード別
輸送手段によって、求められる梱包要件は異なります。適切な資材を選ぶことで、貨物の安全性を確保し、コスト削減につながります。
- 航空輸送向けの梱包
- 海上輸送向けの梱包
- LCL(混載輸送)向けの梱包
1.航空輸送向けの梱包
航空輸送では、軽量でコンパクトな梱包が求められます。また、爆発物検査の規制が強化されているため、Known Shipper制度(KS貨物)に適合した梱包が必要です。
推奨資材:
- 軽量強化ダンボール
- 発泡スチロール
- アルミバリア袋(湿気対策)
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2.海上輸送向けの梱包
海上輸送では、長期間の輸送と潮風・湿気への対策が必要です。コンテナ輸送では、コンテナ内の積載効率を考慮し、パレット梱包が一般的です。
推奨資材:
- 木箱(燻蒸処理済み)
- 耐水性ダンボール
- スチールバンド(固定用)
- 乾燥剤(湿気対策)
3.海上輸送×LCL(混載輸送)向けの梱包
LCL輸送は、他の貨物と混載されるため、耐衝撃性と耐圧縮性が重要です。
推奨資材
- 強化ダンボール
- 木枠梱包
- ストレッチフィルム(防汚・固定用)
FCL・LCLの輸送に適した梱包とは?爆発物検査の影響を小さくする方法
爆発物検査対策とコスト削減のための梱包戦略
航空輸送の爆発物検査の規制強化により、貨物の梱包方法が大きく影響を受けています。Known Shipperに登録されていない貨物は、カートン単位での爆発物検査が義務付けられるため、輸送コストが増大する見込みです。
この問題に対処するには….
- 強化ダンボールを活用し、貨物を一体化させる
- 木箱梱包を導入し、検査対象の単位を削減する
- パレット梱包を工夫し、カートン単位での検査を回避する
などの方法があります。
まとめ
- 輸出梱包は貨物の安全確保だけでなく、輸送コストの最適化にも直結
- 輸送モードに応じた適切な梱包資材の選択が重要
- Known Shipper制度の影響を受ける場合、強化ダンボールや木箱が有効
- 梱包戦略を見直すことで、輸送コスト削減とスムーズな国際物流が可能
- 木箱、強化ダンボール、スチールケース、パレットなど様々
- 木箱は耐久性が高く重量物に適している
- 強化ダンボールは軽量でコストを抑えらる
- スチールケースは強度が非常に高く、高額商品の輸送に適している
- パレットを利用することで輸送と保管の効率が向上する
- 輸送する商品の特性や輸送条件に応じて適切な梱包材を選ぶ



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