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【コンテナ】海上運賃の相場 内訳とサーチャージの調べ方を解説!

 



 

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この記事は、海上運賃の相場、内訳、計算方法、船社立替金の概要、消費税について詳しく解説していきます。海上コンテナの輸送をするときは、海上運賃が気になります。

「日本の〇〇港~タイのバンコクまではいくらだろう?」

しかし、この疑問をすぐに解決することは難しいです。海上運賃は、他の業界のように、検索サイトを使ってすぐに表示されないことが多いからです。

では、海上運賃の相場は、どのように調べればいいのでしょうか? また、その内訳は、どのような構成になっているのでしょうか?

そこで、この記事では、海上運賃が決まる仕組み、内訳、海上運賃の概要を調べる方法(Freigtos等のサイト)を紹介します。なお、かつてHUNADEで紹介をしたWFRは、この記事で刷新することします。

 

■ワンポイント

  • 船社立替金=船会社から請求されるアライバルノーティスの料金の総称
  • 海上運賃の一覧=オーシャンフレイト、サーチャージ、輸入国側費用の合計
  • 海上運賃の消費税=外国貨物につき非課税
  • WFR=2023年現在、機能していないです。
  • 40フィートコンテナの海上運賃例:東京→ロサンゼルス1500~1900ドル

 

 

見積もり依頼例

 

海上輸送費の相場と内訳(世界中の海上運賃を検索する方法)

海上輸送は、独占禁止法の対象外とされていました。各船会社は、海運同盟と呼ばれる合法的な同盟を結び、航路間(〇〇港~●●港まで)の料金表(タリフ)を定めて輸送していました。荷主は、このタリフに基づいた価格で輸送をする必要があるため、非常に割高な運賃を支払っていた時代がありました。(100万円を切るB/Lが無かった時代)

しかし、2023年現在、海上輸送は、相場がない自由競争です。特に昨今は、船会社の各社がコンテナ船の大型化を進めて、一回の輸送で20000TEUのコンテナを輸送できる船が誕生しており、昔より激しい競争環境にあります。

国際送料を支払うのは、売り手?買い手?

ところで、商品にかかる国際輸送費は、売り手、買い手のどちらが負担するのでしょうか? 答えは、インコタームズ(貿易条件)にあります。

インコタームズとは、国際輸送をするときの世界共通のルールです。CIFやFOBなどと三文字の名称の中に、売り手と買い手のすべき事や責任範囲が定義されています。このインコタームズに輸送費を支払う側が決められています。

例えば、あなたが買い手(輸入者)だとしましょう。このとき、インコタームズのCIPCIFで売り手と取引した場合は、日本に到着するまでの輸送費は、売り手が負担します。

一方、FOBFCAで取引する場合は、売り手の国から、あなたの国(日本)までの送料を自身(買い手)で負担します。

海上輸送費=船社立替金

輸送費の部分は、船社チャージ(船社立替金)という言葉でひとくくりにされています。船社立替金とは、船会社が輸送の際に発生する費用を一時的に立て替えるお金です。具体的には、以下のような費用が含まれることが一般的です。

  • 港湾使用料や通関費用
  • サーチャージや追加料金
  • 運賃やその他の輸送関連費用

これらの費用は、本船が到着する間際に発行されるアライバルノーティスに記載されています。関連記事:フレイトコレクトとは?

送料の負担は、インコタームズにより異なります!

海上輸送費の一覧/内訳(船社チャージ=船社立替金)

海上運賃は、以下費用の合計です。

  1. ベースレート(オーシャンフレート=海上運賃)
  2. サーチャージ(○○サーチャージ)
  3. 日本側(輸入国側)でかかる費用(THCやCFSチャージ)
  4. 参考情報:その他の費用例

もし、海外から輸入した商品の送料を求めたい場合は、上記3つの費用を合計した後、輸入数量で割ると求められます。仮に日本港までの”海上運賃”が10万円、数量が1000であれば、一つあたり100円が送料です。

1.ベースレート・海上運賃(オーシャンフレート)

純粋な海上運賃です。A/Nには、「オーシャンフレート」「O/F」と表記されます。船会社は、荷物の需給状況により、ベースレートを変化させています。なお、フォワーダーや大手荷主は、このベースレートを契約(S/C)により固定して輸送費の値引きを受けることが多いです。

その他の一般荷主は、直接、キャリアとは契約せず、フォワーダー等と契約することが一般的です。どの会社(キャリアやフォワーダー)と輸送契約する場合でも…….

  • 一定期間
  • 継続的に
  • ある一定規模間の輸送

の条件を満たすと有利な価格を提案してもらえます。つまり、価格だけを比較して、毎回、別のフォワーダーに依頼をするなど、スポット的な依頼をする荷主さんは、いつまでも高い海上輸送費を支払うことなります。なお、海上輸送費は、輸入許可前の貨物(外貨)にかかる費用の為、消費税は、非課税です。

  • 重量割り増し 一定の重さを超えると割り増し
  • 長尺物割り増し 一定の長さを超えると割り増し

2.各種サーチャージ(燃料系、為替系、危険回避系)

サーチャージは、基本運賃とは別に追加で請求する費用です。主に次の費用があります。

  1. 燃料
  2. 為替
  3. 危険回避
  4. ○○条約を守る系
1.燃料系サーチャージ(BAF)BAFなどは、燃料費の上昇や下降による調整を行う目的があります。基本的には、原油価格の上下に対するリスク分散費用だとお考え下さい。BAF以外にも様々な呼び方がありますが、単純に考えると「燃料調整系の費用」です。

EBS、ECR、BC、BAF、FAF、GBF、LSFS(海洋汚染の防止)、EFAFEなど。

2.為替系サーチャージ(CAF・YASなど)「○○港から○○港までは400USD」など、基本的に船の運賃はUSDで決められています。各国の船会社は、USドルから自国通貨へと切り替えて運賃を回収したいです。このとき、USドルと各国通貨との為替による調整を行うのが「CAF」です。
3.危険回避系サーチャージ(ERSなど)中近東を航行する際の危険回避に関わる費用負担です。

 
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他にCSS(Carrier Security Surcharge)などがあります。

4.条約守る系サーチャージ環境に関する条約に対応する為~の名目で請求するサーチャージです。

3.輸入港における作業料(THCなど)

輸入国側でかかる費用には、次の物があります。

  1. ターミナルハンドリングチャージ(THC)
  2. CFSチャージ
  3. 空コンテナ取扱料金
  4. DO発行費及び書類発行手数
1.ターミナルハンドリングチャージの概要と相場コンテナターミナル内で発生する費用。CY内のガントリクレーンによる荷卸し費用、ターミナル内の輸送、その他、コンテナターミナルの維持・管理の費用にあてられます。

相場は、1M3=2500円前後

2.CFSチャージの概要と相場コンテナフレイトステーション内で発生する費用。いわゆるLCL(混載輸送)で物を輸送してきたときに請求される。相場は、1M3=4000円前後
3.空コンテナ取扱料金(ECHC)空コンテナを取り扱ったときに発生する費用
4.DO発行費及び書類発行手数料D/Oは、貨物をコンテナターミナルや保税倉庫から引き取るための書類です。この書類の発行を受ける費用が「D/O費」です。その他、船が港に着いたことを知らせるアライバルノーティスの発行手数料が「DOC FEE」として請求されます。常識的に考えて、貨物の到着案内書類を有償で発行するなどありえないのですが….貿易業界ではまかり通っています。

  • D/O FEE=デリバリーオーダー(D/O)の手数料
  • DOC FEE(B/L FEE)=B/Lを発行する手数料

4.その他の費用例

その他、中国路線特有や韓国路線特有など、個別の路線ごとに設定されているサーチャージもあります。代表的な物は、次の通りです。

  1. 中国路線特有
  2. 台湾と韓国路線特有
  3. 北米路線特有
  4. 運河系料金
  5. 大阪港特有の費用
1.中国航路特有の費用
  • SPS=上海港の使用料金
  • CRC=香港初アジア域内運賃にかかる割増金
  • CRS=日本初の中国向け輸送にかかる費用
  • DCF=書類作成費用
  • システムチャージ=中国からの輸入貨物に加算される。中国のフォワーダーが中国側の輸出者から取るべき費用を取らず、日本の輸入者から徴収する料金支払いを拒否すると、貨物の留置権を盾にして強引に支払わせようとする。

2.台湾と韓国特有の費用
  • KAC 台湾/基隆港から出す貨物に課される割増金
  • CNTR TAX コンテナへの税金(韓国)
  • Wharfage 埠頭使用料金(韓国)
3.北米方面特有の費用
  • SPSC 北米向け海上運賃に適用される夏季割り増し運賃
  • AMS 北米、EU向けの船積み、24時間ルール対応のための手続き費用
4.運河系通行料金
  • STF スエズ運河を通過する費用
  • PCS パナマ運河の通行料
5.大阪特有の費用
  • 搬出手数料 大阪港の保税地域から輸入貨物を引き取るときに発生する。(大阪のみの特殊料金)

 

海上輸送費の計算方法

海上輸送費の計算方法は、主に2つあります。

  1. 定額制
  2. 従量課金制

1.定額制(コンテナ輸送)

20フィートや40フィートなどコンテナ単位で輸送する場合は、コンテナ一本分に対して費用が計算されます。請求例としては、●●代、○○円/VAN などです。VANとは、コンテナ一本を指します。

→「一本のコンテナ当たり○○円かかりますよ」との意味です。

2.従量課金制(LCL輸送)

コンテナ未満の輸送では、物量単位(RT)に対して計算されます。イメージは、輸送する貨物が4.5M3あるとしましょう。

仮に請求項目が

  • 費用1 30,000円/RT
  • 費用2 20,000円/RT
  • 費用3 10,000円/RT

と示されている場合は、60000円(30000円+20000円+10000円)×4.5と計算します。

  • コンテナ輸送は、コンテナ1本単位で計算される。
  • コンテナ未満輸送は、物量(RT)に応じて計算される。

 

 

海上運賃の相場を調べる方法

海上運賃は、次の3つの方法のいずれかで調べられます。

  1. IT×見積もりサービスを使う。
  2. 既存のフォワーダーや通関業者から見積もりをもらう。
  3. 一気通貫サービスを使う。(中国輸入に特化)

1.IT×見積もりサービスを使う

2023年現在、日本では、アメリカのFlexportを参考にしたIT×国際物流のサービスがあります。もし、海上運賃を調べたい場合は、デジタル技術とフォワーディング業務を組み合わせた会社を利用しましょう!

オンライン上で見積もり依頼をすれば、即時又は、数日内に運賃がわかります。但し、このサービスを提供する会社は、元々、IT分野を専門領域としている業者が多く、フォワーディング業務は、全く価格競争力がない可能もあります。

もっと気楽に調べる方法 WFRで海上運賃を調べたい?

以前、弊社では、世界中の海上運賃を簡単に調べられるサイトとして「WFR」を紹介していました。しかし、2023年現在は、提供していません。もし、WFRと似ているサイトを探している場合は、次のサイトをご検討下さい。

  1. SeaRates
  2. Freightos
  3. Instant Ocean Freight Rates
  4. iContainers
  5. Shipa Freight
  6. Cogoport

2.既存のフォワーダーや通関業者に依頼する

フォワーダー、通関業者又は、HUNADEに見積もり依頼もできます。HUNADEは、中国特化輸送、タイ特化輸送、日米間のコンテナ輸送、全世界のオーバーゲージ貨物の輸送見積もりを得意としています。ぜひ、ご検討をお願いします。

HUNADEに見積もり依頼をする。

3.一気通貫サービス(中国特化)

最近は、一部のフォワーダーは、元々の事業領域である国際輸送とITツールを組み合わせて「一気通貫サービス」を提供しています。一気通貫とは、輸出国から、日本国内の玄関先までの全ての輸送及び通関を請け負い、一貫して輸送することです。

費用は、国際輸送、通関、通関後の国内配送の料金の3つの合計をKG単価で表示してくれるため、非常に便利です。余計な費用、隠れコストが発生しない、宅配便のような海上輸送サービスです。中国からの輸送を行う方は、一度は、必ず検討をお勧めします。

中国輸入通関もお任せ!DIGISHIPで全てがワンストップ!即時、見積可能!

1番のIT×見積もりサービスとの違いは、元々の事業領域です。一番はIT会社です。3番は、フォワーダー(国際輸送業務)です。当然、3番の方が事業領域の一丁目一番地に新たにITを取り入れている為、価格競争力やネットワークがあります。

 

 

よくある疑問&参考情報

参考情報1.海上輸送費に対する消費税について

海上運賃、各種サーチャージ等は、基本的に「非課税」です。課税、非課税を決めるポイントは「輸入許可」です。関税法上、外国貨物又は内国貨物は、輸出許可又は輸入許可により決まるとされています。

  • 輸出許可を受けた貨物は、外国貨物であり消費税非課税
  • 輸入許可を受けた貨物は、内国貨物であり消費税課税

この許可日を基準に考えると、解除運賃やサーチャージが課税なのか? 非課税なのか?を判断できます。海上運賃やサーチャージは、許可日より前にかかる費用の為、外国貨物扱い。つまり非課税です。実は、この制度を利用して、日本国内のドレージ代金を消費税を非課税にすることもできます。

参考情報2.海上運賃は、どこで確認をして、誰に支払う?

海上運賃に関する費用は、輸送を依頼する先に見積もりを依頼をして、価格を取得。価格等があえば、依頼することが多いです。海上運賃の見積もり依頼は、キャリア又は、フォワーダーに対して行います。フォワーダーとは、キャリアと荷主の間に入り、輸送スペース販売する会社です。一定規模以上の荷物がない限り、(月に数十本単位のコンテナ輸送)フォワーダーに対して見積もりを依頼することが一般的です。

そして、実際の海上運賃は、輸入到着間際に発行される「アライバルノーティス」に記載されています。荷物を受け取る人は、アライバルに記載されている価格を支払うことで貨物を引き取れます。

  • 海上運賃の見積もり依頼先=フォワーダーが一般的
  • 海上運賃は、アライバルノーティスに記載されている。
参考情報3.サーチャージは、輸入申告価格に加算する?

輸入申告価格には、商品代金の他、輸入にかかる費用(アライバルノーティスに記載の費用)を課税価格に加算する必要があります。

では、BAF、GRI、EMC、CMD、AMS、CMF、CRC、PCSなど、船会社に追加で支払った費用(サーチャージ)は、加算するべきなのでしょか? この点については、税関が「事前教示」で回答しています。

回答によると….

輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃」に該当し、現実支払価格に加算する必要があります。

つまり、○○サーチャージ、●●サーチャージ等、名前は違えど、船会社に対して支払った費用は、全て現実支払価格として、課税価格に加算する必要があります!

海上コンテナの運賃表(タリフ)はある?

一昔前は、海運同盟の中に運賃表(タリフ)がありました。

例えば、中国、アメリカ、フィリピン、韓国などの路線ならいくら~などです。しかし、現在は、ないと思います。全て自由競争により価格が決められています。特に、最近は、ITと海運を組み合わせて、より需給バランスに応じた価格になりやすい傾向です。

海上運賃諸費用の課金単位は?

船が港に到着する間際に、船会社からアライバルノーティスが発行されます。

アライバルノーティスは、本船が輸入港に到着したことをお知らせする書類です。この中に、輸入者として支払うべき諸費用が書かれています。この費用を支払うと、船会社(代理店)からD/Oが発行されます。その後、無事に輸入許可を受けると、ターミナルに許可書とD/Oを差し入れて貨物を引き取ります。

アライバルノーティスには、請求額を示すに当たり「課金単位」を表示しています。課金単位には、次のものがあります。

名称意味
B/L一つのB/Lに対して課金
RT一トンあたりに課金
VAN一つのコンテナに課金
20’DRY20フィートのドライコンテナ一本に課金
W/M または WM=レベニュートン実重量と容積重量を比較して、大きい方を採用

その他、海上輸送に関する費用の相場例

  • 輸出梱包費用の相場 25000円~/M3
  • 危険物倉庫の保管量の相場 坪単価 5000円~7000円前後
  • 乙仲費用(通関代金) 通関業者の記事で解説
  • バンニングの相場 20000~40000/1VAN

フレイトプリペイドの場合は、買い手は何も払わなくてもいい?

フレイトプリペイトの場合は、売り手が海上運賃を支払っている為、日本側で何も払わくなくても良さそうです。しかし、フレイトがプリペイドでも、日本側では、THCやCFSチャージなどの費用が請求されます。

  1. アライバルノーティスが発行される。
  2. 該当の費用を支払う。
  3. D/Oがリリースされる。
  4. 輸入許可を受ける
  5. 引き取れる

 

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