このツールは、中国製品を日本に輸入するときにかかる関税額の概算を計算する物です。関税率(RCEP含)の調べ方等、商売目的で中国製品を輸入する方はご活用ください。
*使用時は、必ず「利用前の注意点」をご覧ください。
中国商品の関税ガイド(RCEP含む)
中国輸入の関税計算ツール
ツール使用上の注意点
- 業務用×1回の輸入額が概ね20万円を超える輸入を想定20万円以下は、小口輸入の関税計算ツールへ
- 端数処理=なし
- 1ドル=130円で設定
- 各用語の意味は、次の通りです。
各用語 | 解説 |
課税価格 | 関税率や消費税率をかける対象価格です。 |
按分(あんぶん) | 合理的な基準により分けることです。このツールでは、評価部分の按分を示します。 評価とは、課税価格に含めるべき加算要素の総称です。輸入申告価格は、この評価部分を各品目の価格又は数量等で合理的に振り分けて加算します。ツールでは自動で按分します。 例:評価の合計が100ドル。A、B、Cの商品数が10、20、20の合計が40なら、Aには、20ドル、BとCには、40ドルずつ加算(按分)します。 |
海上・航空運賃(無記入可能) | 輸送費をUSDベースで入力 |
保険代金(無記入可能) | 保険代金を支払っている場合に入力する。 |
評価(無記入可能) | 輸送費や保険代金等以外に、輸入申告価格に加算するべき費用を記入する。 例:日本から副資材を送付しているなど。詳細は、加算するべき費用の考え方を参照 |
商品の単価 | 商品1個当たりの価格をUSDベースで入力 |
関税率 | 商品に設定されている関税率を入力します。ご自身で調べる必要があります。 2023年3月現在、中国製品は、WTO協定税率又はRCEPを比較して、低い税率を適用します。 詳細解説は、ページ下の「中国輸入の関税欄」をご覧下さい。 不明な場合は、税関に事前教示又は、輸入相談します。 概算の関税率で計算する場合は、この下の「中国製品の概算関税率」を参照 |
2023年3月時点・中国製品の概算関税率
工業製品は、基本的に無税又は、低率が設定されています。(衣類、靴、陶器関連、革関連は注意)
関税がかかりやすいのは、食品関連、お酒関連です。特に砂糖などの非常に一般的な商品は、高い関税率や保護政策があります。食品関連を輸入する際は、必ず正確なHSコード(関税率)を特定しましょう!
*カッコ内の数字は、HSコードを示す。
| 無税 |
腕時計(9102) | バンド部分が革の物は注意 |
靴(6403) | 材質で変わる。3%~21% |
ワイン(2204) | 物により大きく変わる。13.1%または、109.38円/Lでいずれか低い方 |
おかし(1905) | 6%~20% |
砂糖(1702) | 29.80% |
茶(902) | 無税~12% |
化粧品(3304) | 基本無税、一部3%や7% |
宝石(7101) | 一部の貴金属類を除き無税 |
陶器(6912) | 無税~2%前後 |
衣類(6210) | 無税・6%~10% |
中国製品を輸入する時の2つの税金
中国から日本に輸入するときは、次の2つの税金がかかります。
- 関税
- 消費税(輸入消費税)
輸入時に、日本税関に対して輸入者が支払います。関税は、後述する関税率表に記される税率が適用されます。一方、消費税は、食品とそれ以外に分類されて8%又は10%のいずれかです
- 食品=8%
- 食品以外=10%
中国商品の輸入原価は、商品代金の他、関税や消費税の分を計算に入れておく必要があります。
関税は、いくらからかかる?
関税とは、いくらからかかるのでしょうか? この質問に対する正しい答えは、中国での販売価格換算で、一つの製品単価又は、1梱包の合計額(段ボールをイメージ)が日本円換算で16666円を超えるときです。
但し、この条件を満たしても一部の商品は、関税等がかかる可能性があります。(一万円以下免税ルールの除外品目まとめ)つまり、そもそも価格を基準にして関税がかかるかを判断してはならず、以下の項目を総合的に検討する必要があります。
関税決定には、非常に多くの「要素」が複雑に絡む為、いくらだったら免税。○○だったら、課税。○○だったら、○○円とすぐに正確な関税額を計算するのは難しいです!
■関税を決定するための要素例
- 原産国
- 輸入目的(個人使用・商売使用)
- 何を輸入するのか?(具体的な商品名や特徴)
- EPAの締約国なのか?
- 時限的な関税割り増し等が設定されていないのか?
正確な関税率の特定は、不正確な情報しかない場合は難しいです。必要な情報が揃った上で、初めて最適な関税率がわかります。
関税率は、ざっくり把握でOK!
正確な関税率の特定は、通関士の仕事です。輸入者は、正確な関税率を特定することではなく、その先の「輸入原価」の算出の方が重要です。逆に言うと、その原価をある程度、計算できるなら、多少、関税率に差異があってもいいと思います。(食品類は正確な関税率を特定した方がよい)
何が大切なのかを考えよう!関税マニアでない限り、輸入原価の計算をする上では、必要以上の正確さはいらないです!
説明の前提条件:一回の輸入額が20万円以上×商売ベース
*個人使用目的、20万円以下は、簡易税率の解説記事を参照
中国商品の関税率(HSコード)一覧表の調べ方
中国輸入の商品の関税率は、WEBタリフ又は、実行関税率表を使い調べます。どちらか使いやすい方を選びましょう。
2023年現在、日本と中国との間には「RCEP」が発効されていますので、RCEP又は、WTO協定税率が適用されます。これは、いわゆるアリエクスプレスなどの中国サイトで購入した場合でも適用されます。
中国商品には、RCEP又はWTO協定税率が適用される!
RCEP×中国の関税率はこうやって調べる
webタリフにアクセスした後、以下の手順で設定します。
商品の一覧が表示されます。左側にある列(●●類)から該当する物を選びます!次のページもさらに細分化したリストが表示されます。
一覧が表示されたら以下2つの列(赤と青)を確認します。この2つを比較して、関税率が低い方を適用します。
例えば、中国製品であり….
- コーヒー豆
- 焙煎済み
- カフェインを除いていない物
上記のコーヒー豆は、WTO協定税率で12%、RCEPが10.5%です。RCEPの10.5%の方が安いため、中国からコーヒー豆を輸入する場合は、10.5%の関税率が適用されます。
なお、左側にある0901.21.000がHSコードです。詳細は、新入社員でもわかるHSコードをご覧ください。
参考:関税率は、税関又は、通関業者にも聞ける
もし、適切な関税率がわからない場合は、税関の相談センターに電話をしてみましょう。又は、お付き合いのある通関業者に聞いても良いと思います。
輸入原価を確定する目的で行うための関税分類は、より精度が高く、法的な力がある事前教示制度の利用をお勧めします。各税関の関税監査官に連絡をして、事前教示を申請しましょう(文章回答が有効)
中国商品×商売目的で輸入時の関税額の計算方法
商売目的輸入×輸入税の計算式は、次の通りです。
- 課税価格=商品価格+送料+保険代金+加算項目
- 関税額=1の合計(課税価格)×関税率
- 消費税額=(1+2)×0.1
中国の焙煎珈琲の輸入税を計算してみると
■計算条件
- 原産国:中国
- 商品:コーヒー豆×焙煎済×カフェインを除いていない物
- 関税率:RCEP 10.5%
- 消費税率:食品の為、軽減税率8%
- 商品価格:10万円(計算の都合上、日本円表記)
- 送料:1万円
- 保険代金:3千円
- 課税価格=10万円+1万円+3千円
- 関税額(11865円)=11万3千円×0.105
- 消費額(9989円)=(11万3千円+1万1千865)×0.08
輸入者が支払う輸入税金は、次の通りです。
- 関税額:11865円
- 消費税額:9989円
- 合計額:約2万円
そして、輸入原価は、中国側に支払った商品代金等に上記の2万円の輸入税を足した物です。(日本の輸入港到着価格)
*なお、念のため、 説明をすると、上記の税金の計算には、端数処理が必要です。その点は、存じていますので、ノーツッコミでお願いします。
その他の計算ツール
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