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一万円以下免税ルールが適用されない商品

日本に商品を輸入するときに、輸入する合計課税価格が1万円以だと、関税・消費税は免税です。当サイトは、これを「一万円以下免税ルール」としています。しかし、輸入する商品によっては、合計額が一万円以下の場合でも免税にならない対象外の貨物があります。そこで、この記事では、この対象外貨物をご紹介していきます。

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一万円以下免税ルールの適用対象外貨物の一覧

一万円以下免税ルールとは?

日本に商品を輸入するとき、課税価格の合計が 1万円以下 であれば、関税・消費税は免除されます。これを一般に「一万円以下免税ルール」と呼びます。ただし、すべての商品が対象ではなく、対象外の貨物もあります。制度を正しく理解しないと「1万円以下だから免税」と思い込んで課税されることがあるため、注意が必要です。

  • 輸入する合計額が一万円以下→商売・個人使用問わず免税
  • 根拠法:関税定率法 14条-18項

しかし、一部の商品には、免税が適用されません。免税が適用されない貨物は、関税定率法施行令16条-3に規定されています。この記事では、この関税定率法施行令16条-3の内容をわかりやすくご紹介しています。

適用されるケースとされないケース

  • ✅ 個人で衣服を9,000円分購入 → 免税
  • ✅ 書籍5,000円+送料4,000円 → 合計9,000円 → 免税
  • ❌ 書籍5,000円+送料6,000円 → 合計11,000円 → 課税対象
  • ❌ 法人が同一商品を複数輸入(販売目的) → 課税対象

このように、単純に「商品価格だけ」で判断せず、送料・保険料を含めた課税価格で判断することが重要です。

対象外の主要品目(関税定率法施行令16条-3)

  • 砂糖や砂糖の加工品(HS1701など)
  • ミルク調製品や小麦粉調製品
  • 革製のバッグ・手袋・靴など
  • ニット製衣類(性別や用途を問わず除外)
  • 肉加工品(ソーセージ、ハム、缶詰など)

これらは国内産業を保護するため高関税が設定されており、1万円以下免税の対象外です。

種類主な品目
食料品砂糖(甘しや糖、てん菜糖、しょ糖など)

HS:1701

砂糖の調製品ミルク調製品健康食品(一部)
ハム・牛肉などの詰め物おたねニンジン小麦粉の調製品米(1006)
カバン(革を使用)スーツケーストランク携帯用の化粧バッグ書類カバン
通勤用カバン一般的なバッグ
スポーツ用品野球ゴローブスキー靴スノーボード靴トラックスーツ
水着テニスシューズバスケットシューズトレーニングシューズ
体操シューズスポーツ用の手袋
衣類(ニット/男性・女性問わず)オーバーコートカーコートクロークアノラック
ウィンドチーターウィンドジャケットスーツアンサンブル
ジャケットブレザーズボン胸当てズボン
半ズボンTシャツ寝具レットジャージ
プルオーバーカーディガンベストトレーナー
衣類(男性用)ポロシャツパンツズボン下ブリーフ
ナイトシャツパジャマバスローブドレッシングガウン
シャツパジャマなど
衣類(女性用)ブラウスシャツスリップペティーコート
ブリーフパンティナイトドレスパジャマ
ネグリジェバスローブドレッシングガウンシャツブラウス
パンティストッキング
乳児用衣類と関連品パンティストトッキング
その他キャンパスシューズ入国時に携帯する貴金属

 

輸入するときの免税・減税制度のまとめ

 

一万円免税ルール除外品の解説

一万円以下免税ルールを理解するために、以下の2つの記事も合わせてご覧ください。

一体、どのような物に、一万円以下免税ルールが設定されているのでしょうか? 商品ごとに特徴を見つけてみます。以下、5つのポイントがあります。

  1. 砂糖や砂糖の加工品
  2. ミルクの調整品
  3. 材質に「革」を使う商品
  4. ニット系衣類(編み物)
  5. 肉系の加工品全般

1.砂糖や砂糖の加工品

沖縄県などの離島の主要産業である「甘しや糖」や「さとうきび」などを保護する目的です。この類の商品は、フィリピンEPAを活用します。

2.ミルクを使った加工品

ミルクや小麦、大麦などを含有して作った調整品を除外しています。特にミルクは、日本の酪農家保護の側面が強いです。これはミルク単体の関税をみても明らかです。ミルクに課される税金は、アセアンEPAを使っても21%の関税が設定されています。

3.革を使った商品

商品の一部に「革」を使っている物は除外されています。

4.ニット(編み物系)ニットは除外

衣類は「編み物(ニット)であるのか?」がポイントです。編み物は、材質などすべての条件に関係なく、免税の除外品です。もちろん、上記のリストに載せきれない衣類品があります。もし、判断に迷ったら「編物であるか?」を確認します。編物であれば、その時点で除外です。

5.肉系の加工品全般

一次産業、食肉関係の加工品も除外リストに加えられています。缶詰、ソーセージ、ハムなどを想定できます。

一万円以下免税ルールの除外リストは、一般税率でも高い関税がかけられています関税の設定は、日本国内の産業と密接に関係しています。つまり関税を見るだけで日本政府の方針などがわかります。

注意点チェックリスト

以下をすべて確認することで、1万円以下免税ルールの適用可否を判断できます。

  • ✓課税価格の計算が正しい?
    商品代金+送料+保険料の合計が1万円以下かどうか(CIF価格ベース)。
  • ✓為替換算レートを確認した?
    税関公示レートで計算しているか(クレジットカードのレートとは異なる)。
  • ✓用途は適正?
    個人使用かどうか。販売・営業用は原則課税対象。
  • ✓対象外品目ではない?
    砂糖、ミルク、革製品、ニット衣類、肉加工品、酒・たばこ・香水などは除外。
  • ✓分割発送のリスクを理解している?
    同じ荷主から短期間に複数便が届く場合、税関で合算され課税される可能性がある。
  • ✓複合品に対象外素材が含まれていない?
    一部に革やニットを使用していると対象外扱いになる。
  • ✓書類の整合性がある?
    インボイス、パッキングリスト、送り状の品名・数量・単価が一致しているか。
  • ✓数量・頻度が不自然でない?
    同一商品を大量かつ高頻度で輸入していないか。
  • ✓規制対象品ではない?
    危険物、医療機器、電気製品などは免税の前に規制適合を確認する必要がある。
  • ✓配送方法ごとの運用を理解している?
    国際郵便と宅配便では通関処理や必要情報が異なる場合がある。

よくあるNG例

  • 「商品代だけ」で1万円以下判定していた(→送料を足すと超過)
  • カード明細のレートで換算(→税関レートでは1万円超え)
  • 同一セラーから“同日別便”で2箱購入(→合算で課税)
  • ニット製の衣類や革靴を対象外と知らずに免税前提で購入
  • インボイスの品名が曖昧(“accessories”等)で審査が長引く

実務へのアドバイス

  • 越境ECでは「送料込み」で1万円を超え課税対象になるケースが多い
  • 複数商品をまとめて購入すると合算され課税対象になる場合がある
  • 税関は不自然な分割発送を認定すると合算課税することがあるため注意
  • 免税対象外品はEPAやFTAを活用して税率を下げることを検討

まとめ

  • 1万円以下免税ルール は便利な制度だが「除外品目」と「課税価格の算出方法」に注意が必要
  • 送料・保険料を含めた合計額で判断する
  • 除外品目(砂糖、ミルク調製品、革製品、ニット衣類、肉加工品など)は必ず課税対象
  • 実務ではチェックリストを活用して事前確認を徹底することが、通関トラブル防止につながります。

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