ブランドバッグや高級時計(ロレックスなど)、金の装飾、宝石などの外国製品を海外へ持ち出すときは注意が必要です。日本へ入国する際、誤って課税される可能性があります。
今回は「外国製品の持ち出し届」を解説します。
根拠資料:税関:出国時の税関手続き
外国製品の持出し届・高級品の持ち出し時に注意!
日本でも外国製の商品がたくさん販売されています。
例えば、高級バッグや、高級スーツ、高級腕時計などがあります。ご存知の通り、これらの製品は、一個数十万円から、100万円以上まで様々なものがあります。これらは、嗜好品に該当するため、海外でもそれなりの価格です。
今回は、高級品(例:ロレックスや貴金属類)を身に着けて日本から出国するときの注意点です。
日本出国時に注意!無申告だと帰国時に課税される可能性あり!
日本から出国するときに、高級時計や貴金属を身に着けているとしましょう。この時、日本側の税関等で何も申告せず、そのまま出国すると、日本に帰国したときに課税される可能性があります。
帰国時の税関とのやり取り例

その腕に着けている時計は、どこで購入しました? 日本ですか? 海外ですか?

日本で購入した物です。

では、日本の出国時に提出した持ち出し届を提出してください。

え!?何それ!?

でしたら、海外で購入された可能性が考えられるため、この時計の価格に対して10%を輸入消費税を支払っていただきます。

え~聞いてないよ..知らなかった。。。
このケースでの争点は、身に着けている高級時計が「日本で購入した物なのか」「海外で購入した物なのか」を判断できないことです。元々、日本で購入した物を海外に持ち出し、そのまま帰国すれば、当然、関税や消費税等は支払う義務はありません。
しかし、帰国時に「日本から持ち出していることを証明する書類」がなければ、税関は海外購入と判断する可能性があります。そのため、免税範囲を超える部分については課税されます。
帰国時に関する免税制度・携帯品免税
一般的に帰国する際は、海外旅行者の携帯品の免税制度を適用できます。お酒なら三本迄~、タバコなら○○本迄~のあの制度です。お酒やたばこ、香水等の商品は、20万円を上限として免税で輸入ができます。当然、20万円を超える部分は課税対象となる為、高級時計や貴金属等を持ち込む場合(身に着けている場合も含む)は、特に注意が必要です。
外国製品持ち出し届はどこにある?羽田空港の場合は?
そこで、日本から出国する際に「○○と●●と○○を持ち出しますよ!」と、事前に届け出をして海外から帰国時に「日本から持ち出していること」を証明します。この証明書を「外国製品の持ち出し届」といいます。これにより、日本に帰国した際、無駄な課税を防げます。
記入用紙は、全国の空港(例:羽田空港等)の税関検査場に用意されています。又は、ネット上に専用のフォームが用意されている為、これに記入して持って行くの方法でも良いです。
外国製品の持ち出し届の記入方法
どのような場合に届け出が不要か?
次のような場合は、基本的に持ち出し届を提出しなくても課税対象になりにくいです。
- 明らかに中古品で長期間使用していると分かるもの
- 海外で購入し、既に現地で長期使用していたことが証明できるもの
- 一般的に高額とはいえない日用品やスマートフォン等
ただし「見た目が新品」「高額」という条件に当てはまる場合は、念のため届け出を出すことをおすすめします。
特に要注意な物品
- ブランドバッグ全般(使用感があまりないもの)
- ロレックスなどの高級時計
- 宝石や指輪、金の装飾品など
高額品と商業貨物の扱いに注意
特に100万円を超えるような高額品を複数持ち出す場合は、個人の携行品ではなく「商業貨物」と判断される可能性があります。その場合は、一般旅行者の制度ではなく、輸出申告の対象となるケースもあります。旅行者であっても「販売目的」と疑われないように、数量や持ち出し理由を説明できる準備をしておくことが大切です。
実際に争いになった場合のポイント
万一、帰国時に税関から課税を求められた場合でも、以下の証拠を示すことで異議を申し立てる余地があります。
- 日本で購入した際の領収書や保証書
- クレジットカードの明細
- 出国時に税関で受け取った「持ち出し届の控え」
異議申し立ては、まず税関長に対して行い、不服があれば国税不服審判所や裁判で争う流れになります。旅行者にとっては大きな負担となるため、最初から持ち出し届を準備しておくことが一番の防止策です。
まとめ
高級な外国製品を海外に持ち出す場合は、もともと「日本国内で使っている商品」であることを証明するために「外国製品の持ち出し届」を提出します。これにより、日本へ帰国する際に誤って課税される心配がなくなります。特に高額品や新品に見えるものは注意が必要です。事前準備をして安心して出国しましょう。


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