韓国と信用状(L/C)の関係 日本が停止するとどうなる?

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    最近「日本が韓国の信用状取引を停止すれば大打撃だ!」とのネット上の書き込みを見ることが多いです。信用状なる言葉に疑問を持つ方も多いのではないでしょう? そこで、この記事では、信用状の基本的な知識、日本による信用状の停止の意味や効果について説明をしていきます。

    韓国と信用状

    貿易取引は、商品の買い手と売り手が離れているため、商品とお金のやり取りをどのようにするのか?が一つの課題です。

    「商品を送ったのにお金が支払われない」

    「お金を支払ったのに商品を送られてこない」

    「商品は送られてきたけど、不良品だった」

    など、商品とお金を交換するまでには、様々なリスクがあります。貿易をする人は「相手が信用できない人間」であることを前提として、これらのリスクに対する様々な対策を考えて取引に臨みます。

    例えば、相手先が倒産したときに支払われる「貿易保険」、海上輸送中の事故による荷物の破損に備える「海上保険」などがそれにあたります。これらの対策と合わせて「L/C決済(信用状)」があります。最近、ネット上で聞くことが多い信用状は、このL/Cを指していると思います。

    信用状とは?

    信用状の仕組みと基本的な解説は、別の記事をご覧いただくとして、ここでは、L/Cの要約をお伝えしていきます。L/C決済とは、輸出者と輸入者の間に、銀行が入る取引です。要は、輸出者と輸入者との間で、直接、お金のやり取りをするのではなく、銀行を経由させることで「安全度」を上げる仕組みです。

    お互い相手のことを信用できない。万が一のこと考えて、銀行を入れておき、確実に代金を決済できるようにしたい

    L/C取引の代表的な形は、次の四者です。これに加えて後述する確認銀行が入る可能性があります。ここでは、詳しいことを説明しませんが、4者の間(場合によっては5者)で、商品と代金をやり取りする方法だと覚えておきましょう!特に決済代金が大きい貿易取引をするときは、このようなL/Cを使うことが多いです。(T/T決済(振込)=リスクが高いです。)

    1. 輸出者
    2. 輸出者の取引銀行(通知銀行)
    3. 輸入者
    4. 輸入者の取引銀行(開設銀行)

    L/C決済のポイントは、開設銀行(発行銀行)の信用力

    では、実際にL/C決済を希望する場合、どのような点がポイントになるのでしょうか? 結論を申し上げると「開設銀行の信用力(輸入国側)」です。先ほど、説明した通り、L/Cは輸出者と輸入者との間に、銀行を挟むことで決済リスクを下げる仕組みです。しかし、そもそも論として、間に入る銀行の信用力が低ければ、リスクが下がる所がむしろ上がります。この部分が「日本が韓国との取引で信用状を停止すればいい」と言われている所以でもあります。

    L/C決済は、最初に輸入者側の銀行(開設銀行)からすべての手続きが始まります。

    L/C決済は、輸入者→開設銀行(輸入国側)→通知銀行(輸出者側)→輸出者→通知銀行→開設銀行→輸入者の流れの中で、貿易書類が売買されて、お金が輸出者、品物が輸入者に確実に届く仕組みです。この中で特に重要になるのが輸入国側の銀行(開設銀行)の信用力です。開設銀行の信用力が低ければ、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性があり、信用状その物の信頼性が失われます。

    L/C決済のポイントは、輸入国側の銀行の信頼度がポイントになる。

    仮に韓国が輸入者の場合は…..

    韓国側の銀行(開設銀行)の信用力がなければ、L/C決済を実行することは厳しいです。では、韓国の銀行の信用力は、どの程度あるのか?について調べてみると、アジア通貨危機などの現実などを踏まえると、国際的には、信用上のリスクが高い(信頼できない)と判断されている場合が多いようです。(この部分は、具体的な資料がないため、あくまで参考程度)

    つまり…韓国輸出する人からすると…

    「この信用状は、開設銀行が韓国なの!? まじ危なくない? なんか万が一のことを考えて、やっぱり韓国企業との信用状取引はやめとこうかな~」

    と、判断する可能性が高いです。要は、信頼できない銀行が開設した信用状などは、多額の貿易取引をやり取りするのに適さないと判断するわけです。すると、韓国の輸入者は、少なくてもL/C決済をする貿易が困難となり、外国から材料を輸入。それを加工して輸出する貿易モデルに大きな支障がでてしまいます。困りましたね。そこで、重要なのが日本の金融機関です。

    欧米や邦銀などが保証する確認信用状

    韓国の銀行だけが保証するL/C(信用状)では、信頼されない可能性が高いです。この問題に対処する仕組みが「確認信用状」です。先ほどの信用状に「確認」が付くことからもわかる通り、誰かが何かを確認するものです。この場合の「誰か」とは、日本の金融機関(メガバンク)、「確認」とは、韓国の開設銀行が債務不履行に陥ったときに、その債務を肩代わりする連帯保証を指します。

    確認信用状= 日本や欧米の診療力が高い銀行が 信用力が低い銀行に お墨付きを与えて、 連帯保証する物

    日本の金融機関などが韓国の銀行発行の信用状にお墨付きを与えることにより「信頼できる信用状」に変化します。ただし、もちろん、韓国にあるすべての銀行がこのような「日本のお墨付き信用状」を用意する必要はなく、実際、韓国の開設銀行だけで発行したL/Cをそのまま扱うことも多いです。(現役でL/C決済を処理する銀行員の情報)

    一般論として韓国の銀行は信用力がないとされている。これを日本のメガバンクなどがお墨付きを与えることで、信頼できる信用状となる=確認信用状

    なぜ、日本のメガバンクは、韓国の信用状に「お墨付き」を与えるの?

    「韓国の銀行が発行する信用状にお墨付き(確認)を与えなければ、韓国は取引ができなくなる」との情報を目にすることが多いです。

    では、なぜ、日本のメガバンクは、韓国にお墨付きを与えるのでしょうか? 一言で言えば「お金になるから」です。実は、銀行がL/C決済をする理由は、書類を左から右に流すだけで大きな手数料収入が入るからです。貿易取引の決済金額は、他の業種と比べて非常に大きいです。最低でも数百万、少し大きくなれば、数千万や数億、数十億の金額が一気に動きます。そのため、たった1%の手数料だとしても、収入的には非常に大きくなるのです。

    メガバンクのお墨付き行為は、世間では「反日」などの理由と憶測が流れていますが、おそらくビジネス的な理由の方が大きい。

    おまけ:一般的な貿易決済

    実際の貿易決済は、貿易取引の金額によりL/Cを利用するのか?が変わります。あまりにも小さい金額の場合「T/T決済」や「ペイパル」「エスクロー」などの仕組みを使い、貿易代金を決済することが多いです。この内、T/T決済は、いわゆる銀行振り込みのことであり、少額取引の場合に多く取り入れられている仕組みです。ビジネスは、政治的な感情よりも「実利」に基づき行動することが一般的です。

    例えば、一般的にT/T決済は、買い手側(送金側)のリスクが高くなりますが、送金を分割するなどの工夫により、リスクを下げることは可能です。実際、ある一部の決済手段(L/Cなど)に制限を加えたとしても、いくらでも決済方法はあり、完全に有効な方法はありません。したがって、別に韓国を応援する気持ちは1ミリたりともありませんが「信用状の停止=すぐに韓国の経済がやばくなる」は、少し短絡的かな?と思います。

    輸出管理におけるホワイト国とは? 一覧とその意味を理解しましょう!

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    おまけ:少し関連する記事

    みずほ銀行と韓国輸出保険公社の関係
    https://www.mizuhobank.co.jp/release/cb/pdf/20100914.pdf

    KOBA(駐日韓国企業連合会)の会員企業一覧
    https://www.koba.or.jp/overview.php

    まとめ

    • L/C決済は大きな金額のやり取りで使われる決済
    • L/C決済のポイントは開設銀行の信用力にある。
    • 開設銀行の信用力が低いときに導入するのが「確認信用状」
    • 確認信用状は、開設銀行の債務不履行に連帯責任を負う仕組み
    • 確認信用状を停止する=韓国にダメージを与えるとの式は疑問が多い。

     

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    この記事の執筆者
    HUNADE

    貿易サイト「HUNADE」の代表。通関業者で勤務した経験をもとにして「もっと貿易を身近に。」をミッションに活動中!難しい貿易をできるだけわかりやすく解説し、貿易の一助になることが目標。基本的には、東海地方に住みながら国内各地、海外などでも活動し、できるだけ柔軟な発想を維持できるように努力しています!

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