加工工程基準(SPルール)とは?

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    EPA(自由貿易=関税ゼロで取引ができる協定)は、商品の原産国が重要です。「何をもって原産品とするのか?」この基準は、以下の3つです。

    1. 完全生産品の条件を満たすこと
    2. 原産材料のみで構成している条件を満たすこと
    3. 非原産材料を使い必要な加工条件を満たすこと=PSR

    この内、SPルールは、3番の非原産材料を使った完成品の原産性を判断する仕組みの一つです。SPルールの他には、CTCルールVAルールなどがあります。もし、混乱気味の方は、EPAを全体的に説明する「EPAマニュアル」をご覧になることをお勧めします。この記事では、加工工程基準について解説していきます。

    加工工程基準(SPルール)

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    加工工程基準(SPルール)とは?

    加工工程基準は、協定で定めている加工をした物を原産品とするルールです。産品ごとに具体的な加工方法を指定していることからもわかるように、このルールは、およそ10000品目ある品目の中でも繊維系の製品、化学系の製品のみに適用する物です。その他の分野では、適用対象にしていないがこの「SPルール」です。

    加工工程基準は、特殊なルールです。繊維系と化学系の製品には、使われていない。

    加工工程基準が指定する加工例

    加工工程基準には、どのような加工方法があるのでしょうか。繊維系と化学系の2つで考えてみましょう!

    繊維系

    繊維系の産品の加工を分解すると、以下の4つの工程があります。

    1. 原料をとる。
    2. 原料から糸にかえる。
    3. 糸から生地にする。
    4. 生地から衣類にする。

    そして、これらの工程には、浸染(しんせん)や「なせん」と呼ばれる加工があります。SPルールでは、これらの加工を「どの地点から協定国内で行う必要あるのか?」を規定しています。また、産品によっては、このSPルールと合わせて、関税分類変更基準(CTCルール)を設定している物があります。

    • ファイバーフォワード(原料から域内で生産)
    • ヤーンフォワード(糸の工程から域内で生産)
    • ファブリックフォワード(生地の工程から域内生産を求める)

    化学系の産品

    化学品とは、化学原料品を輸入して、域内において「化学変化」をさせて生産する産品です。品目ごとに非常に細かく具体的な化学変化が指定されています。

    • 化学反応 新たな構造を有する分子を生ずる化学反応
    • 精製 実在する不純物の含有量の80%以上の除去をもたらす精製工程を有すること

    など、約9の工程が具体的な基準とともに列挙しています。産品を輸出する人は、この加工工程をしっかりと得ているのか?を確認し、書面などで証明します。

    加工工程基準の確認方法

    どのように加工工程基準の内容を確認すればいいのでしょうか? 加工工程で指定されている物は「品目別規則」や「原産地規則ポータル」などで確認ができます。品目別規則は、1類~97類までの品目について、一つ一つ原産性の基準を定めている表です。この品目別規則の中に、以下のような表記で具体的な加工方法を示しています。

    *日アセアンEPAの60類の「メリヤス編物、およびクロセ編物」を確認してみます。以下の文章を見ると、以下の2つの条件が設定されていることがわかります。

    1. 産品が完全に「浸染(ひたしぞめ)」されること、または「なせん」されること
    2. 1または2以上の締約国において完全に「メリヤス編み」または「クロセ編み(かぎ針編み)」されていること

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    1.浸染またはなせんされることは?

    具体的な加工方法として「浸染」と「なせん」が指定されています。浸染・なせんとは、繊維を加工する方法の一つです。品目別規則では、これらの内、いずれか一つの加工を施していることが条件Dえす。また、これらの条件に加えて、もう一つ条件があります。

    しんせん,つけぞめともいう。染色技法の一種。糸や布を染液に漬け,さらに媒染剤によって発色,定着させる方法。絞染 (→纐纈 ) ,板締,ろう,糊などを用いて防染し模様をつくる。

     

    なせんともいう。繊維に染着性をもつ染料を捺染糊に混ぜてペースト状にして,印捺する染色法。その歴史は古く,前 2000年頃にさかのぼり,ヨーロッパで行われたと考えられる。主として木綿の染色に用いられ,染料としては直接染料,酸性染料,塩基性染料,ナフトール染料および建染 (たてぞめ) 染料が用いられる

    引用元:コトバンク

    2.締約国内にて完全にメリヤス編みまたは、クロセ編(かぎ針編み)されていること

    1つ目の条件で具体的な加工方法を列記しています。2つめの条件は、その加工を行う「原産国」を指定しています。EPAの条文では、この原産国を「域内」と表記しています。域内とは、日ベトナムEPAであれば、日本とベトナム。日タイEPAであれば、日本とタイなど利用する協定ごとで違います。日アセアンEPAであれば、日本とアセアン全体が域内扱いです。2つめの条件は、指定の加工方法を「域内」で行うことです。

    参考情報:メリヤス編み、クロセ編(かぎ針編)とは以下のような編みぎ技法です。

    棒針編みの基本的な編み方。平面に編む場合、表編みと裏編みを一段ごとに繰り返す。(メリヤス編み)

     

    手編みの技法の一。鉤針1本を用いて編み地を編み出していく手法。鎖編み・細編(こまあ)み・長編みなどがある。(クロセ編・かぎ針編)

    引用元:コトバンク

    1番と2番の条件をどちらも満たした場合に、60類の「メリヤス編物、およびクロセ編物」の原産性が認められます。これによって、EPA税率を適用した有利な貿易ができます。逆にいうと、この1番または2番のどちらかの条件も満たしていないと、締約国で製造された品であっても「原産性が認められない」ため注意が必要です。

    まとめ

    • EPAの原産ルールの一つに「加工工程基準」がある。
    • 加工工程基準は、具体的な加工方法を示し、その加工をもって原産品と判断すること
    • 加工工程基準を適用する貨物は少ない。主に繊維系と化学系の製品のみ

    【EPAマニュアル】関税ゼロ貿易の始め方(発展編)
    ゼロからのTPP!基礎知識から原産地の証明方法までを網羅
    ゼロから覚える日欧EPA 原産地規則、用語の解説など

     

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    この記事の執筆者
    HUNADE

    貿易サイト「HUNADE」の代表。通関業者で勤務した経験をもとにして「もっと貿易を身近に。」をミッションに活動中!難しい貿易をできるだけわかりやすく解説し、貿易の一助になることが目標。基本的には、東海地方に住みながら国内各地、海外などでも活動し、できるだけ柔軟な発想を維持できるように努力しています!

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