CTCルールとは?条件を満たさないと非原産品扱い!?

CTC関税分類変更基準 特定原産地証明書
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「どこまでの加工をすれば、日本の原産品になるのか?」昨今は、一つの商品をつくるために、さまざまな国の原材料を取り入れて作ることが一般的です。EPA(自由貿易)を利用するときは、その産品が日本の原産品であることが条件です。

原産品とは、日本の工場で製造されおり、決められている原産条件を満たす物を指します。では、この原産条件をクリアする上で、原材料の中に「外国産材料」を使っていると問題になるのでしょうか?これを考える上でのポイントは「加工基準」と「変化率」です。

どのような加工をすれば、日本の原産品として判断できるのか?」これが重要です。今回は、この原産品を判断する上で利用する「CTCルール(関税分類変更基準)英語名:Change in Tariff Classification」について詳しく解説していきます。

CTCルールとは? 外国産の原材料を使ってもOK!

EPA(自由貿易制度)で輸出すれば、相手先の国で関税の削減または減少のメリットを受けられます。このメリットを受ける上で「商品の原産国がどこであるのか?」は重要です。この原産国には、次の2つの意味があります。

  1. 日本とEPA(自由貿易を結んでいる国)であること
  2. 輸出する商品がその協定の原産地基準を満たすこと

まずは、輸出先の国が日本とEPAを結んでいることが条件です。2019年現在、日本は、17のEPAを結んでいます。あなたの輸出する先の国は、この17のEPAの中に含まれている国であることが条件です。

2019年3月現在のEPA締約国一覧
シンガポール マレーシア タイ インドネシア ブルネイ
アセアン全体 フィリピン ベトナム インド モンゴル
オーストラリア メキシコ チリ ペルー スイス
CPTPP(TPP11) 日欧EPA
今後増えるかもしれない!?
カナダ ニュージーランド RCEP FTAAP

例えば「日タイEPA」であれば、日本とタイです。日ベトナムであれば、日本とベトナム。日アセアンであれば、日本と東南アジア諸国、TPPであれば、日本と太平洋をぐるりと囲む11カ国が協定国です。必ず利用する協定の加盟国であるかを確認します。

2つ目は、その商品自体に「原産性があるのか?」で判断します。この原産性の基準は、協定事に決められている「原産地規則(原産地基準)」で決まっています。今回は、この原産地規則を判断するための一つのルールである関税分類変更基準を詳しく確認していきましょう!

原産地規則とCTCルール

CTCルールは、完成品を原材料(部品)に分解した後、完成品との間に「差分」が生まれているのか?をもって原産品を判断するルールです。この差分とは、HSコード(世の中にある商品を6桁~のコードで示す物)の変更を指します。

超重要ポイント:CTCルールは、完成品と完成品に使われている原材料のHSコードの変化を見る。逆にいうと、HSコードの変化さえしていれば、使う原材料の原産国に指定はない。

例えば、日本の工場で「カップラーメン=完成品」を製造しているとしましょう。そして、このカップラーメンに使う原材料の内、小麦粉、わかめ、卵などを中国から輸入して使っているとしても、HSコードの変化基準さえ満たしていれば、日本の原産性があるカップラーメンと判断できます。

それでは、より詳しくCTCルールの考え方を見ていきましょう!

CTCルールとは?

CTCルールは、完成品と原材料のHSコードの変化を見る物です。そのため、CTCルールを適用するのかは、次のプロセスにより確かめます。

  1. 完成品を原材料に分解する。
  2. 完成品のHSコードと原材料のHSコードを特定する
  3. 2の結果、完成品と原材料の間に、決められたHSコードの変更があるのか?を確認する

関連知識:HSコードとは?

世の中にある品目を6桁~の数字で示したもの。世界各国で共通で使っているため、HSコードだけで、商品を判別できる。CTCルール上は、このHSコードを「商品の完成品」と、それに使われている「原材料」に分解して使用します。詳細:HSコードの説明書

1.完成品を原材料に分解する。

まずは、完成品を原材料に分解します。

例えば、クッキーであれば、使われている原材料は、次のようなものが考えられます。

完成品(クッキー) 原材料
小麦粉
バター
牛乳

ある機械製品であれば、次の通りです。

ある機械製品 部品
プラスチック製管
プロテクター
ボルト
ばね

このように完成品の中に使われている原材料(部品)を分解していきましょう!

2.完成品のHSコードと原材料のHSコードを特定

次にそれぞれのHSコードを特定していきます。この場合におけるHSコードは、完成品と原材料の2つがあります。

完成品のHSコードは、輸入者を通じて相手国の税関で確認します。このコードは、非常に重要なため、必ず輸入国税関が認めている物を聞き出します。現地税関による正式な回答を得たいときは「アドバンスルーリングシステム」を利用します。

原材料のHSコードは、日本税関が案内する「輸出HSコード」を参考にして特定をします。HSコードは、協定事にバージョンが異なるため留意します。HSコードの特定は、通関士資格を持っている人が望ましいとされています。HSコードの知識がない方がデタラメにHSコードを特定しても、日本商工会議所のチェックでダメ出しをされるため注意しましょう!

HSコードの特定が難しいときは、弊社の「対比表作成サポート」をご検討ください。数万円の費用を支払うだけで、面倒なHSコードの特定もあっという間にできます。

先ほどのクッキーのHSコードを特定してみると、次の通りのHSコードです。

CTCルール HUNADE

ある機械製品であれば、次のような形です。完成品に含まれる部品(原材料)を一つ一つ特定していきます。

もう少し簡単な製品であれば、オレンジジュースやオリーブ油などがあります。オレンジやオリーブを外国から輸入して日本の工場で加工しているときは、HSコードは、次のように変化します。変更基準であるCC(二桁変更)を満たしているため、この製品も日本の原産品です。

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CTCルールのポイント:「実質的な変更がなされたのか?」の変更を具体的に証明するのが原材料のHSコードと完成品のHSコードの差です。相手国の完成品のHSコードを調べた後、次に原材料のHSコードを調べていきます。

3.完成品と原材料のHSコードに決められた変化があるのか?を確認

完成品と原材料のHSコードが特定できたら、次に「完成品と原材料の間には、決められた基準で変更がなされているのか?」を確認します。この基準は「原産地ポータル」で確認します。

例えば、原産地規則ポータルに取得予定の完成品のHSコードを入れると、次の三つの内、いずれかが表示されます。(VA基準も併記されています。)

  • 「類の変更(CC→Change of Chapter)」は、完成品と原材料の間に二桁レベルの変更が必要です。
  • 「項の変更(CTH→Change of Tariff Heading)」は、完成品と原材料の間に四桁レベルの変更が必要です。
  • 「号の変更(CTSH→Change of Tariff Sub-Heading)」は、完成品と原材料の間に六桁レベルの変更が必要です。

関連記事:
CC、CTH、CTSHの意味は?関税分類変更基準に関係!
日欧EPA Customs Authorisation Numberとは何か?

上記3つのルールを厳しさの順でいうと、CC>>CTH>>CTSHです。CTCルールの中にも、必要な変更レベルは、3つあることを覚えておきましょう!

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三つの変更レベルの意味する物は?

CTCルールには、三つのレベルがあります。レベルとは、原材料から完成品にするときの変化の度合いです。最も高い加工レベルがCCであり、最も小さい加工レベルがCTSHです。

例えば、柿を使った商品を作るとしましょう。柿を使うといっても、様々な商品ができます。

  • 単なるペースト状の物を製造
  • 柿ジュースにする
  • 柿のケーキにする

同じ原材料を使ったとしても製造する完成品によっては、柿からの変化の度合いが違います。ちなみに上記の場合であれば、柿を使ったケーキが最も大きな変化をしています。この変化の度合いをHSコードの変化で確認するのがCTCルールです。そして、この変化のレベルを小難しく表現したものがCC、CTH、CTSHです。この三つの変更レベルの違いは「CTHとは?」の記事をご覧下さい。

1にも2にも完成品と原材料の違いをチェック!この違いが決められている変更レベルにあるときに、その商品は、日本の原産品であると判断できます。

品目別規則まとめ

品目別規則に商品がない場合の対処方法

CTCルールの対比表の解説

CTCルールをスムーズに適用するためのコツ

CTCルールは、完成品と材料のHSコードの変化をもって原産品かどうかを判断します。このルールをスムーズに適用するためには、次の2つのポインがあります。

  1. 使っている原材料をすべて原産品にする
  2. 完成品のHSコードは輸入国。原材料は日本の税関に問い合わせる」

1.使っている原材料を非原産品(外国産品)にする。

これから原産品にしようとしているのに、非原産品(外国産材料)として申請するとは、どのようなことなのでしょうか? 先ほどの表をもう一度、確認します。この中の右側に書かれているのが「原材料の材料」ですね。この部分をすべて「非原産品にすること」が第一のポイントです。なぜか? それは、追加資料の提出にあります。実は、材料の部分が原産品であると、それを証明するための「サプライヤー証明書」を添付しなければならないことになっています。

完成品のHSコード(クッキー) 材料のHSコード
1905.90 小麦粉 1101.00
バター 0405.10
卵 0407.21
牛乳 0401.10

サプライヤー証明書とは、その原材料が確かに日本の原産品であると、原料の供給者が証明する資料のことを言います。

例えば、さきほどのクッキーの例でいうと、材料としては「小麦粉、卵、バター、牛乳」などがあります。仮にこれらの産品がすべて日本の原産品であるとすると、少なくても4枚のサプライヤー証明書が必要になります。(厳密にいうと、サプライヤーの数だけ必要)このサプライヤー証明書の作成は、正直なところ、かなり手間です。しかし、これが非原産産品となると、サプライヤー証明書の提出が不要になります。

このような仕組みになっているため、本当は日本産であったとしても「あえて非原産品」とて申請することが一つ目のポイントになります。ここで疑問に思います。「本当は日本の原産品であるのに、外国産とするのは違法じゃないの?」です。これに対する明確な答えが経済産業省の資料の中で説明されています。下の図を見るとわかる通り、明確に非原産材料で申請しても良いと記載されています。

例えば、生産者にサプライヤー証明書を頼んだけれど、発行してもらえない=だから原産性を証明できない=非原産材料で証明するということが通じることになります。

経済産業省

2.HSコードの特定は、税関にお任せする。

関税分類変更基準は、HSコードの変化を基準にしているため、商品や原材料に応じた適切なHSコードを調べることが何よりも大切です。その中で特に大切なHSコードは、完成品のHSコードです。このコードは、必ず相手国の税関へ問い合わせて確定をしてもらうようにします。できれば、口頭ではなく、書面にて行います。現地の税関には「事前教示制度」というHSコード聞く精度があります。これを輸入者(相手側)を通して調べてもらうようにします。

次に原材料のHSコードの調べ方です。こちらも基本的には、相手国税関で確認するのが望ましいです。しかし、多くの場合、かなりの数を調べてもらうことになるため、現地の税関では対応が難しい場合が多いです。そこで一般的には、日本側の関税鑑査官で調べてもらうようにします。もしくは、取引している通関業者などへHSコードを調べてもらっても良いです。ただし、かなりの数になるのが普通であるため、別料金として請求される可能性が高いです。

関税分類変更基準(CTCルール)の対比表

上記1~3のステップが完了したら、その内容を「対比表」に落とし込みます。対比表は、「原産品判定依頼」の後に日本商工会議所に提出してチェックを受けます。対比表は、非常に細かくチェックされて指摘されます。必ず通関の知識がある人が採番するようにしましょう!

対比表のサンプルをダウンロード

その他、ワンポイント

CTCルールを適用するときは、原材料をすべて「非原産=外国産材料」として申請します。これは、本当に日本の原産品であっても適用します。理由:原材料を原産品として申請すると、サプライヤー証明書が必要になるためです。

まとめ

  1. CTCルールは、完成品と原材料のHSコードの変化を確認する。
  2. HSコードの変化は、類、項、号の三つ。違いは産品の変化率
  3. 使う原材料は外国産でもOK! ポイントは、決められたレベルのHSコードの変化
  4. 上記、HSコードの変化は原産地規則ポータルで確認する。
  5. 完成品のHSコードは、輸入国側の税関を基準とする。
  6. 完成品のHSコードを頼りに原産地規則(変更レベルを確認)
  7. 原産地規則を知った上で対比表に落とし込む=CTCルール

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EPAに関するおススメの記事→初心者向けEPAマニュアル

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