コミュニケーションアプリといえば、日本ではラインが圧倒的です。自分の気持ちを文字ではなく「スタンプ(絵)」で表現できるため、文字入力が苦手な人でも楽しめます。ラインは、特に若年層を中心として圧倒的なユーザー数をほこります。しかし「プライバシー部分がしっかりと守られているかわからない」ということで、中にはあえてラインを使っていない人もいらっしゃいます。
コミュニケーションアプリの良い点は、メールと違い「確実にメッセージを届けられること」です。メールで送ると、どうしても迷惑メールフィルタに誤って検知されてしまい、うまく相手に届かないことが多いです。
特に相手が「Gメールの場合」は、迷惑メールフィルタ(迷惑メールかどうかを判断する機能)が強力であり、必要なメールが「迷惑メール」と判定されてしまうことが多いです。このような理由から相手に文章を確実に届けたいのであれば、コミュニケーションアプリをおススメします。
貿易ビジネスにおいては、海外のバイヤーなどと何らかのツールで連絡を取り合うことが多くなります。既述のようにメールで連絡をとれば、迷惑メールに入るかもしれない危険性があります。そうだからといって、ちょっとしたことを伝えるのに、わざわざ電話をするのも大変です。
そこでお勧めするアプリが「WhatsApp」です。ワッツアップと読みます。日本ではラインが圧倒的な支持を集めていますが、海外ではこのワッツアップを利用して、コミュニケーションをとる方が多いのです。むしろ、ラインはこれらの「焼き直し」のアプリですから、ワッツアップの方が本家となります。
この記事では、ワッツアップの概要と、海外ビジネスでの活用方法をご紹介します。
WhatsApp(ワッツアップ)とは何か
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日本では、通話コミュニケーションアプリとして「ライン」が圧倒的な支持を集めています。これと似たアプリが海外にもいくつか存在します。Tango、Viber、フェイスブックメッセンジャーなどです。その中でも最も多くのユーザーを抱えているのが「WhatsApp・ワッツアップ」です。特にヨーロッパ方面の取引相手と連絡するさいは、圧倒的に支持されているアプリです。
基本的な機能としてはラインとほぼ同じです。メッセージをやりとりしたり、音声通話、ボイストークなどを行ったりすることができます。これら機能については、各社似たり寄ったりですから、特別に説明する点はありません。
なぜ、WhatsApp(ワッツアップ)をお勧めするの?
ワッツアップをお勧めする理由は、次の2つです。
- 海外での知名度
- プライバシーに配慮
理由1.海外では圧倒的な知名度があります。
コミュニケーションアプリによる連絡は、相手と自分が同じサービスを利用していると使えます。そのため、日本においては、本当は入りたくないけれど、仕方がなくラインを利用している方も多いはずです。私もその一人ですから、お気持ちはとてもよくわかります。特にITの知識がない方が好んで使うアプリであるため、数の原理により「入らざる負えない状況」になってしまいます。しかし、いざ海外に向けてみると、ラインの支持は「日本やアジア諸国だけ」ということがわかります。
先ほど、コミュニケーションアプリを使うには、相手も同じサービスを利用している必要があるとお伝えしました。つまり、ラインが海外で支持されていないのであれば、そもそも外国人とコミュニケーションをとるツールとしては、適していないことになります。
そこでHUNADEでは。海外で最も知名度があり、浸透している「ワッツアップ」をお勧めしています。しかし、実はワッツアップを利用する理由はそれだけではありません。誰もが気になるプライバシー部分の評価が高いことでも有名です。
理由2.ワッツアップはプライバシーに配慮しています。
貿易ビジネスに関するメッセージに限らず、自分のプライベートなメッセージを第三者に見られるのは嫌ですね。ワッツアップは、この部分についてかなり配慮をしています。
ワッツアップはプライバシー対策として「エンドツーエンド暗号化方式」と呼ぶ仕組みを取り入れています。なんだかとても難しい名前ですが、要は「ワッツアップを通してやり取りしたメッセージは、第三者に一切見られないだけではなく、ワッツアップ自体も確認することができない」仕組みになっています。
メッセージの一つ一つにカギがかけられており、そのカギは相手先しかあけられない仕組みになっています。これで第三者からメッセージが読み取られることはありません。さらにこの読み取りは、ワッツアップでさえもできません。他のコミュニケーションアプリでは、この部分が自由になっていて「情報が筒抜けになっているのではないか?」とも言われています。このような現状の中、ワッツアップのプライバシー配慮の仕組みには共感を抱きます。
ワッツアップのプライバシーに関する取り組みは、この部分に詳しく書かれています。
WhatsApp(ワッツアップ)の導入方法
ワッツアップのメリットが分かった所で早速、導入方法をご紹介していきます。ワッツアップはiPhone、iPad、アンドロイドスマホ、アンドロイドタブレット、ウィンドウズフォンなどで利用できます。iOS版というのは、アップルの製品向けに作られた物です。それ以外のスマホを使われている方は、アンドロイド版をダウンロードするようにしてください。
WhatsAppの使い方
ワッツアップのダウンロードとインストールが終わった所で、初期設定(SMS認証)を行います。この設定が終わると、正式にワッツアップを利用できます。
アプリのダウンロード例:iPhoneの場合
初期設定(SMS認証)
ワッツアップを利用するには、最初に「SMSによる認証」が必要です。SMSは「ショートメッセージサービス」の略で、いわゆる電話番号で送受信する簡易的なメールです。以下の画面が表示されたら、お使いの電話番号を入力して下さい。入力するとすぐにワッツアップから「認証番号が書かれたメール」が到着します。この認証番号を指定画面の中に入力して認証を完了させます。
■認証~初期プロフィールの設定
1.電話番号を入力します。ここに入力する電話番号は、050以外の物です(050はsmsを受信できないため)
2.入力した電話番号に対してワッツアップからメールが届きます。
3.電話番号のメールを確認するアプリを開きます。iPhoneの場合は、緑色のアイコンで「メッセージ」があります。使っているスマホによってアイコンは異なります。
4.メールの中には、認証番号が書いてあります。(ボカシが入っている所に六桁の数字が書いてあります。)
5.ワッツアップが指定する認証画面の中に、認証番号を入力して完了です。
6.初めて利用する方は「スキップ」を押して次の画面に進みます。
7.初期プロフィールの設定を行います。名前(英語が理想)や顔写真や顔のイラストを登録して右上の完了を押します。この情報は後から自由に変更できます。
以上でSMS認証から初期プロフィールの設定は終わりです。SMS認証に関連する疑問を以下でお伝えします。
SMS認証に関連する疑問
最初にSMS認証をするときに、次の2つの疑問が出てくるはずです。それぞれへの回答は次の通りです。
質問1.連絡先の追加は許可していいの?
SMS認証を行う過程の中で「連絡先の追加を許可しますか?」や「ワッツアップが通知することを許可しますか?」という画面が表示されます。これらは、ワッツアップのアプリがスマホの中にある連絡先情報にアクセスしたり、スマホの通知機能を利用したりすることについて「許可をしますか?」という質問です。
例えば「連絡先の追加を許可しますか?」に許可を出せば、スマホに入っている連絡先情報とワッツアップの連絡先がリンクされます。これにより、スマホで利用している既存の連絡先を使って、ワッツアップを楽しめるようになります。許可・不許可はご自分の判断で行ってください。許可しない場合は、手動で追加していく必要があります。
質問2.なぜ、友達がでてくるの?
ワッツアップは、電話番号を使ってSMS認証を行います。これにより、あなたの電話番号がワッツアップのデータセンターに登録されます。実は、同じようなことが他のユーザー(ワッツアップに登録した人)にも行われています。この仕組みがあることによって、ワッツアップがAさんとBさんの連絡先情報を取得したときに「お互いの情報が登録されている」と判断できる場合があります。このとき、ワッツアップはAさんとBさんを「友達として認識」しています。
お勧めな初期設定(プライバシー関連)
先ほどまでの説明で初期設定は完了していますが、あわせて行っておくと良い設定をご紹介します。
1.ステータス部分をオリジナルに変更
ステータスと呼ばれる一文のコメントを入力できる箇所があります。この部分を英語でオリジナルメッセージにしましょう。初期設定では「やあ!WhatsApp、使っています」というメッセージが表示されています。外国人のバイヤーが見つけやすいように、魅力的なメッセージにしましょう。
2.最終接続時間を知らせない設定
初期設定の状態では「最後にワッツアップを利用したのはいつなのか?」という情報が表示されてしまいます。見られて困るわけではありませんが、自分の情報を不必要に他人に教えるのは好ましくありません。そこで、設定項目から、この最終接続時間を表示しないように設定します。この設定を行うと、相手の情報も見られなくなります。
WhatsApp(ワッツアップ)でできること
ワッツアップの初期設定が終わった所で、次に機能部分について説明していきます。ワッツアップでできる主な機能は、以下の6つです。ご覧の通り、他のコミュニケーションアプリと「できることの差」はありません。しかし、プライバシー部分についての仕組みが全く異なるため「他のアプリと同じ」と安易に決めつけない方がいいです。簡単ではありますが、それぞれの機能について説明していきます。
メッセージの投稿・一番多く利用する機会がある機能です。いわゆるメッセージのやり取りをするために使います。
画像やビデオの投稿・画像やビデオを撮影して投稿したいときに利用します。商品の写真を送りたいときなどは、メールで送るよりも気軽にできます。
音声通話・ビデオ通話・インターネット回線を利用した音声通話・ビデオ通話ができます。電話番号での通話ではないため、パケット代金以外は発生しません。このパケット代金さえも微々たるものですからご安心ください。
画像や動画の保存・投稿された画像や動画をお使いのスマホに保存できる機能です。
グループ作成機能・ラインと同じように自分の好きな人たちだけのグループを作ることができます。外国人バイヤー同士で自由にやり取りできるグループを作成してもいいです。
一斉送信機能・ラインでは「ライン@」に搭載されていた機能です。いわゆるメルマガのように、あらかじめ登録した人にメッセージを一斉送信できます。
WhatsApp(ワッツアップ)の操作方法
具体的な操作方法をお伝えしていきます。ここでは、基本的な部分の説明に留めるため、これより詳しいことを知りたいときは、書籍などを購入して情報の収集してください。
全体の画面構成
ワッツアップの全体的な画面構成です。図の通り、画面下にすべてのボタンが集約されています。一番よく使うのは、チャット開始ボタンです。画面下にある「チャットボタン」か、右上にある青枠部分のボタンを押します。
メッセージ入力欄の左側にある+ボタンを押しても各機能を呼び出せます。
新規メッセージの投稿方法
メッセージの投稿方法です。画面下にあるチャットボタンか、右上の赤枠部分のアイコンを押します。そこから三本の矢印がでています。それぞれの意味は、以下の通りです。
靑矢印・自分の友達を検索することができます。外部のユーザー探せるわけでありません。
緑矢印・ワッツアップに友達を招待するときに利用します。
赤矢印・初期設定で連絡先を追加すると、ワッツアップを利用している友達がここに表示されます。メッセージを送りたいユーザーにタッチします。
すると、この画面が表示されます。相手に対して何をしたいのかによって、それぞれ押すボタンが異なります。基本的なメッセージを送りたいのであれば、下図の「メッセージを入力するところ」をタッチした後に、下のキーボードで文字入力をしていきます。画像を投稿したいとき、音声メッセージを投稿したいときなどは、それぞれのボタンを押してください。
吹き出しの背景が緑色になっている物が自分が送ったメッセージ、白色の物が相手が送ったメッセージです。
メッセージは、左側に相手のメッセージ、右側にあなたのメッセージが配列されていきます。また、画面の上から下に向かって情報が新しくなっていきます。過去の投稿を確認したい場合は、画面の上をさかのぼっていけば確認ができます。
音声メッセージを届ける方法
短い音声メッセージを届けることもできます。文字打ちが苦手な場合は、この方法で送ると楽です。音声メッセージと聞くと、電話ではだめなのかと感じてしまいます。しかし、音声メッセージには、相手の都合がいいときに聞くことができるという決定的な違いがあります。
音声メッセージを投稿するさいは、画面下にある「マイクボタン」を押した後、指で画面を押したまま話します。話し終わるまでは、画面から指を離さないことがポイントです。投稿が完了すると、緑色のバーと再生ボタンが表示されます。これで相手が好きなときに、あなたの音声を聞くことができます。
ビデオや動画を投稿する方法
チャットは、メッセージだけではなく、写真や動画なども届けられます。動画を届けたい場合は、撮影開始ボタン(丸い部分)を「長押し」します。すると、ボタンが透明から赤色に切り替わり、ボタンから指を離すまで撮影が続きます。離すと撮影は終了してしまい、写真編集画面または動画編集画面が表示されます。
撮影した画像や動画を編集する方法
撮影した写真や動画は、自由に編集できます。スタンプを追加したり、キャプションを加えたりできます。キャプションとは、写真についての簡単な説明書きのことです。(図は写真編集画面)
動画の編集もできます。無駄な部分をカットする機能(トリミング)も備わっています。動画の左右にある端の部分(黄色)を左や右に動かして調整して下さい。
投稿された動画や画像を保存する方法
チャットに投稿された写真や動画は保存できます。保存する場合は、写真などをタップした後、以下の画面通りに操作をして下さい。この操作が終わると、スマホの写真アプリの中に保存した写真があります。
音声通話・ビデオ通話をかける手順
音声通話やビデオ通話にも対応しています。電話回線を利用した通話ではなく、インターネット回線を使用しています。そのため、この通話の料金は、インターネットの料金(パケットの残量)から消費されていくことなります。消費されていくとはいえ、そこまで大きな消費量ではないため、事実上は無料電話だとお考え下さい。(ビデオ電話の使い過ぎにはご注意ください。)
グループの作成、一斉送信機能を使う手順
自分の好きな人たちと情報を交換したり、メルマガのように特定の人たちに一斉にメッセージを送信する機能もあります。これらの機能をうまく使って海外バイヤーとの情報交換に活用するといいです。
嫌な相手をブロックする手順
このようなコミュニケーションアプリを使っていると「迷惑な人」が出てくるようになります。その場合は、対象人物を「着信拒否」に指定して、これ以上連絡が取れないようにしましょう。設定方法は、画面の下部にある「連絡先」から追加していきます。
WhatsAppのまとめ
外国のバイヤーと気軽な意思疎通を図るため、世界的にシェアが大きい「ワッツアップ」を利用します。このアプリをうまく使って、世界中のバイヤー同士でうまく情報交換をすると、とても力があるネットワークになります。
例えば、日本で〇〇がダブついているんだけど「これを必要としている国ってないかな?」や「〇〇という国で〇〇が流行してきている」などの最新情報を入手することができます。このようなバイヤーネットワークを世界中に展開できれば、誰よりも、どこよりも早い海外展開が可能となります。ぜひ、ワッツアップを利用して、貴社の貿易ビジネスを拡大させてみてください。


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