海外からお茶を輸入し販売許可を得るには、どのような手続きが必要なのでしょうか?
まずは、食品に関係する規制を受けそうです。お茶を植物と考えるなら、植物に関係する法律もかかわってきそうです。
そこで、この記事では、商売目的でお茶を輸入するポイントをご紹介していきます。
商売目的でお茶を輸入し販売許可を受けるには?
海外からお茶を輸入するときは、輸入目的が個人使用か、商売使用か?が重要です。
個人使用とは、個人でお茶を楽しむことです。この場合、個人使用目的として手続きするため、輸入したお茶を販売はできません。あくまで、ご自身が楽しむだけです。
一方、商売用とは、販売する目的で輸入することです。輸入時に商売用として申請しているため、輸入許可後に自由に販売できます。
あなたの輸入は、どちらを言っていますか? この記事では、商売目的でお茶を輸入する方法をご紹介していきます。
お茶の基本知識
海外からお茶を輸入する時は、関税、消費税及び輸入規制の知識が必要です。また、これらは、HSコードと呼ばれる数字を使い調べます。
- HSコード
- 関税・消費税
- 輸入規制
HSコード
HS条約で決められている数字と品目の対応表です。日本への輸入又は日本からの輸出は、すべてこのHSコードを活用しています。つまり、輸入するお茶のHSコードと原産国が湧ければ、後述する日本側の輸入規制や関税率がわかります。
HSコードは、実行関税率表で調べます。また、この実行関税率表の中にお茶の関税率や輸入規制が記載されています。
関税・消費税
日本にお茶を輸入する際は、関税、消費税の輸入税がかかります。税率は、関税の場合、輸入原産国で異なります。他、消費税は、2024年現在、軽減税率を適用して8%です。(飲用のお茶、食品表示法の食品の定義を満たす物)
関税の平均率は、無税から10数パーセントです。
輸入法令
お茶を輸入する場合は、植物防疫法及び食品衛生法が関係します。
お茶のHSコードを調べてみよう。
下の図をご覧ください。ウェブタリフを使って、お茶の情報を調べた画面です。
赤枠に「0902.20」や「0902.30」などの数がありますね。これらの数字がHSコードです。次に青枠をご覧ください。各数字に対応する商品の特徴が書いてあります。
例えば、0902.10 000のHSコードであれば、緑茶(発酵していない+正味重量が3キロ以下の物)です。青枠に記載されている特徴と、輸入するお茶を見比べて「最も適切な物」を選びます。赤枠は、商品のHSコードです。右側の緑枠は、対応する商品の関税率です。これがお茶のHSコードと関税率の調べ方です。
ワンポイント:輸入するお茶の価格が20万円以下のときは、「少額輸入貨物の簡易税率(しょうがくひんに対する関税率)」が適用されます。この場合は、一律15%の税金です。
お茶の輸入規制を調べてみよう。
次にお茶の輸入規制の調べ方です。同じくウェブタリフを見ると、右端に以下の部分があります。FD=FOOD食品衛生法、PL=PLANT植物防疫法の略です。
- 食品衛生法
- 植物防疫法
- 薬機法
ただし、一般的な製茶の輸入であれば、ひとまず食品衛生法だけを考えれば良いです。
食品衛生法とは、人に有害な食べ物が口に入らないように規制する法律です。海外からお茶を輸入する場合は、価格とあわせて、食品衛生法の基準を満たすかを確認しましょう。
植物防疫法と薬機法が関係するときは?
以下の法律もお茶の輸入に関係する可能性があります。
- 植物防疫法
- 薬機法
1.植物防疫法
植物防疫法の目的は、海外からの病害虫の侵入を防ぐ事です。お茶で言うと、次の基準により規制対象になるのかが決まります。
ポイントはお茶の加工具合です。単なる乾燥状態のときは、植物防疫の対象です。一方、加熱や虫処理などをした物は対象外です。
2.薬機法
薬や効能に関することを規制する法律です。お茶を輸入するときは「薬効成分がある茶葉に指定されていないのか?」を確認します。茶葉に薬効成分の指定されているときは、薬機法により、輸入できないと考えた方が良いです。
輸入時と販売時 2つの手続きがあり!
お茶を輸入するときは、大きく分けると、次の2つのプロセスがあります。それぞれのタイミングによって必要になる法律や手続きが変わります。
- お茶を輸入するときの手続き
- 販売するときの手続き
1.お茶を輸入するときの手続き
海外のお茶のサプライヤーは、どのように選べばいいのでしょうか?価格、品質の他、日本側の通関(食品検疫)で必要する書類を用意してくれるのか?が重要です。
お茶を輸入するときは、税関や食品検疫所に「お茶の内容を説明する資料」を提出します。お茶の資料は、基本的に輸出者に作成してもらいます。輸入資料は、輸出者が作成した書類を食品検疫所などに提出します。
お茶の仕入れ先が決まったら、次は日本側での手続きです。お茶の輸入は、主に税関、食品検疫所、植物防疫所などが関係します。それぞれの機関の役割は、下記の通りです。なお、通関業者と呼ばれる業者を利用すると、輸入手続きを代行してくれます。
所管 | 根拠法 | 意味 |
税関 | 関税法 | お茶の関税についての手続きをするところです。 |
食品検疫所 | 食品衛生法 | お茶が安全であるのかを確認する所です。 |
植物防疫所 | 植物防疫法 | 輸入する植物に害虫がついていないのかを確認する所です。お茶の場合は、単純に乾燥させたものを輸入するときは、植物防疫法が関係してきます。一方、熱を加えたり、蒸したりしているものは、その作業の中で「害虫は死んでいる」との前提があり、植物防疫は関係なくなります。 |
上記1~3の中でも特に重要になるのが「食品衛生法」です。次にこの食品衛生法について詳しく説明していきます。
食品衛生法で必要な書類
食品衛生法で必要な書類です。商売目的で輸入するときは、以下の書類をそろえます。
- 食品輸入届
- 原材料表
- 製造工程表
- 商品カタログ
1.食品輸入届
食品を輸入するときに食品検疫所に提出する書類です。以下で説明する三つの書類は、この食品届の内容を証明するための付属書類です。
2.原材料表
お茶の原材料と添加物の一覧を提出します。(含まれているとき)このとき、農薬に関する基準(0.01pm以下であること)などもチェックされます。
主な観点:カビ、ダニ、残留農薬、着色料、漂白剤、医薬に分類されるもの、酸化防止剤など。
書類の形式&作成する人:形式は決まっていません。また書類を作成する人は、輸出者です。ただし、どうしても難しいときは、輸入者が作成してもいいです。ただし、レターヘッドには、製造者に関する情報(国や所在地、連絡先、会社名など)が必要です、
書類の言語:日本語または英語で作成します。これら以外の言語で作成されている書類は、和訳が必要です。
3.製造工程表
お茶を採取してから、加工するまでの工程を図で説明します。加熱、蒸すなどの工程を経て完成品になるまでの流れを図にします。こちらも決まった形式はございません。原材料表と同じルールで書類を作成します
4.商品カタログ
上記の原材料表や製造工程表の内容を補うために、製品のカタログなどを用意します。こちらも日本語、英語以外で書かれている物は、和訳します。
以上がお茶を輸入するときに必要になる書類とポイントでした。もちろん、輸入するときは、税関への手続きも合わせて必要です。ただし、税関は、お茶の安全性を審査しているわけではなく、関税徴収の観点での審査です。したがって、お茶を輸入するときのポイントは、食品衛生法に関する手続きです。
関連記事:知識ゼロからの食品の輸入手続き
2.お茶を販売するときの手続き
お茶の輸入許可が下りたら、日本国内で販売ができます。ここから先は、輸入後の販売時に関係する法律です。
- 食品表示法
- 計量法
- 景品表示法
- 健康増進法
1.食品表示法
- 商品につけるラベルの内容を規制するための法律
- 管轄官庁:消費者庁
- 食品表示法の詳細
2.景品表示法
- 製品内容を誤認させて販売することを防ぐ法律
- 管轄官庁:消費者庁
- 景品表示法の詳細
3.健康増進法
- 健康に関する効果・効能を誤認させて販売することを防ぐ法律
- 管轄官庁:消費者庁
4.計量法
- 内容量の測り方について決める法律
- 管轄官庁:経済産業省
5.その他
有機やオーガニック表現:輸入したお茶を販売するときに「有機」などの表示をする場合は「有機と表示できる条件」を満たすこと求められます。何でも有機品とは表示できないため、ご注意ください。
効果・効能の表現規制:「このお茶を飲むと痩せる~」など、何かしらの効果効能をうたうことはできません。日本では、この効果・効能をうたえるのは「薬品」に指定されている物だけです。その他の物を販売するときに、効果効能をうたうと「薬機法違反」になるため、注意しましょう!
お茶を販売するときのリスク対策
ここまでの説明で、お茶を販売するときのポイントをご紹介してきました。これらのポイントと合わせて知っておきたいことは、販売時のリスク対策です。具体的には、PL保険などに加入して、少しでも販売リスクを下げることを言います。
例えば、あなたは、お茶を輸入して国内販売しているとします。このお茶を飲んだ人に、何らかの体調不良が発生したときは、その責任は輸入者にあります。仮に、あなたがお茶を輸入しているときは、その人の体調が回復するまでの治療費はもちろんのこと、慰謝料などを支払うことになります。これが輸入販売するときの販売リスクです。そこで、この販売リスクを少しでも小さくしてくれる「PL保険」が便利です。
台湾のお茶屋さんリスト
台湾で卸売りをしてくれるお茶屋さんです。輸入仕入れ先の参考程度にご利用ください。
翠豐茶業行銷有限公司 | http://www.cuifong.com/ |
林華泰茶行 | http://linhuatai.okgo.tw |
樂菁慈恩製茶廠 | https://tea.madeintaiwan.com.tw |
樂菁茶業 | https://www.leqingtea.com.tw |
さらに一歩リサーチ・どんなお茶が求められている?
アマゾンで台湾茶に対する需要を調べてみました。こちらのキーワードをもとにして、日本では、どのような台湾茶が求められているのかを考えてみてください。
茶器 | 薬膳 茶 | 残留農薬 | 黒糖薑母茶 |
茶梅 | 行天宮 お茶 | ダイエット | 凍頂烏龍茶 |
茶壺 | 健康 | メイクイ茶(バラ茶) | 大禹嶺 |
茶盤 | 効能 | 美人茶 | 林茂森茶行 |
急須 | タンブラー | 便秘 | 林華泰茶行 |
茶こし | に 合う お 菓子 | 百香緑茶(パッションフルーツ味) | 梨山 |
甘い お茶 | ノンカフェイン | 高山茶 | 永康街 茶 |
カフェイン | 水出し | 白牡丹 | 和昌 |
天仁茗茶 |
まとめ
以上、お茶を輸入するときに必要なポイントをご紹介してきました。お茶を輸入するときは、個人用なのか、販売用なのかによって、輸入に関する規制が違います。まずは、どちらの目的で輸入するのかをハッキリさせましょう。販売目的で輸入するときは、輸出者からお茶に関するいくつかの資料を取り寄せて、食品衛生法をクリアできるように準備をする必要があります。
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