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ゼロから覚える「お茶」の輸入ビジネス


 

 

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海外からお茶を輸入するときは、どのような手続きが必要なのでしょうか? 人が飲む物を輸入するため、何となく食品に関係する規制を受けそうです。また、お茶を植物と考えるなら、植物に関係する法律もかかわってきそうです。

そこで、この記事では、商売目的でお茶を輸入するときのポイントをご紹介していきます。

商売目的でお茶を輸入するには?

海外からお茶を輸入するときは、輸入目的が「個人用なのか? 商売用なのか?」が重要です。個人用とは、個人でお茶を楽しむことです。この場合、輸入するときに、個人使用目的として手続きするため、輸入したお茶を販売はできません。あくまで、ご自身が楽しむだけです。

一方、商売用とは、販売する目的で輸入することです。輸入時に商売用として申請しているため、輸入許可後に自由に販売できます。

あなたのお茶の輸入は、どちらのことを言っていますか? この記事では、商売目的でお茶を輸入する方法をご紹介していきます。

お茶を輸入するときの基本的な知識

輸入する「お茶」の関税(かんぜい)や法規制を確認していきましょう。海外からお茶を輸入するときは、日本側での関税の支払いと、法規制の2つを守ります。関税の支払いとは、日本へ外国のお茶を輸入するときに支払う税金です。どこの国から、どんなお茶を輸入するのかによっても異なりますが、おおむね無税~最大で17%ほどの税金がかかります。

次に法規制です。法規制とは、その商品を輸入するときに「守らなければならない法律」です。お茶を輸入するときは、食品衛生法(しょくひんえいせいほう)と植物防疫法(しょくぶつぼうえきほう)の2つが関係してきます。

お茶を輸入するときは、まずは、この関税と法規制があることを覚えておきましょう!それでは、この関税と法規制をもう少し具体的に確認していきます。

関税や法規制を調べるときに重要な物

お茶の関税や法規制を調べるときは「HSコード」を使います。HSコードは、世の中にある商品を6桁以上の数字で表したものです。世界各国で、同じ商品とHSコードを使っているため、HSコードを調べるだけで、それがどんな商品であるのかを理解できます。また、同時に、その商品に関する関税や法規制を調べられます。お茶のHSコードと関税を調べるときは「ウェブタリフ」を使います。

HSコード

HS条約で決められている数字と品目の対応表のことです。使っているバージョンの違いはありますが、世界各国では、共通のHSコードを利用しています。HSコードを調べるだけで「ある国へ輸出したときの関税率」がわかったり、日本へ輸入するときの関税率を調べられたりします。

お茶のHSコードと関税

下の図をご覧ください。ウェブタリフを使って、お茶の情報を調べた画面です。赤枠に「0902.20」や「0902.30」などの数がありますね。これらの数字がHSコードです。次に青枠をご覧ください。各数字に対応する商品の特徴が書いてあります。

例えば、0902.10 000のHSコードであれば、緑茶(発酵していない+正味重量が3キロ以下の物)を指します。つまり、青枠に記載されている特徴と、輸入するお茶を見比べて「最も適切な物」を選びます。このとき、視線を赤枠に動せば、商品のHSコードです。逆に右側の緑枠に動かせば、対応する商品の関税率がわかります。これがお茶のHSコードと関税率の調べ方です。

お茶 HSコード

ワンポイント:輸入するお茶の価格が20万円以下のときは、「少額輸入貨物の簡易税率(しょうがくひんに対する関税率)」が適用されます。この場合は、一律15%の税金です。

輸入するお茶の関税率を調べ方

輸入するお茶に最も適するHSコードを見つけてみましょう!このとき、各項目の表示レベルに注目します。項目が左側からインデント(左側に空白があります。)されています。

下の図で言うと、赤枠、緑枠、オレンジ枠で表示レベルが違います。赤枠が最も上位にあるレベルの項目です。次に緑枠同士のレベルを見比べるという流れで調べていきます。もし、これでもわからないときは「HSコードの教科書」を一読してください。hunade

緑茶のHSコード例 0902.10-000

紅茶のHSコード例 0902.30-010

お茶の輸入規制

ここまでがお茶のHSコードと関税率の調べ方です。次に「お茶を輸入するときの規制」です。外国のお茶を輸入するときは、次の2つの法律が関係します。

  1. 食品衛生法
  2. 植物防疫法
  3. 薬機法

ただし、一般的な製茶の輸入であれば、ひとまず食品衛生法だけを考えれば良いです。

食品衛生法とは、人に有害な食べ物が口に入らないように規制する法律です。もちろん、これはお茶の輸入にも当てはまります。外国からお茶(食べ物)を輸入するときは、この食品衛生法の基準を満たさなければなりません。したがって、お茶の仕入れ先を調べるときは、この「食品衛生法に合格する基準の物を販売しているのか?」を価格などと合わせて調べる必要があります。

お茶を輸入するときに最も重要な法律:食品衛生法

その他、次のような法律もお茶を輸入するときに関係する可能性があります。

  1. 植物防疫法
  2. 薬機法

1.植物防疫法とは?

外国の植物を輸入するときに、外国の害虫の侵入を防ぐ法律です。お茶に限って言えば、次の基準によって、植物防疫法の対象になるのか、ならないのかが決まります。ポイントはお茶の加工具合です。単なる乾燥状態のときは、植物防疫の対象になります。加熱や虫処理などをした物は対象外になります。

ただ単純にお茶の葉を乾燥させたもの=植物防疫法の対象

十分に加工した物(熱を加える。蒸すなど)=植物防疫法の対象外

2.薬機法とは?

薬や効能に関することを規制する法律です。お茶を輸入するときは「薬効成分がある茶葉に指定されていないのか?」を確認します。茶葉に薬効成分の指定されているときは、薬機法により、輸入できないと考えた方が良いです。

関連記事:輸入できないときのリスクを考えていますか?積戻しと滅却処分

2つのプロセスを理解することが重要

お茶を輸入するときは、大きく分けると、次の2つのプロセスがあります。それぞれのタイミングによって必要になる法律や手続きが変わります。

  1. お茶を輸入するとき
  2. 販売するときの手続き

1.お茶を輸入するときの手続き

「お茶を輸入したい!」ときの業者選びは、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか? いくつかありますが、最も大きなポイントは「日本で必要な書類を用意してくれるのか?」です。

お茶を輸入するときは、税関や食品検疫所に「お茶の内容を説明する資料」を提出しなければなりません。お茶の資料は、基本的に輸出者に作成してもらう必要があります。そのため、あなたは、この資料の提出ができる業者から商品を仕入れる必要があります。

ポイント:日本へ輸入するときに必要になる書類を作成してくれるのか?

お茶の仕入れ先が決まったら、次は日本側での手続きの流れです。お茶を輸入するときは、主に税関、食品検疫所、植物防疫所などが関係します。それぞれの機関の役割は、下に記載の通りです。なお、通関業者と呼ばれる業者を利用すると、輸入手続きを代理で行ってくれます。

所管根拠法意味
税関関税法お茶の関税についての手続きをするところです。
食品検疫所食品衛生法お茶が安全であるのかを確認する所です。
植物防疫所植物防疫法輸入する植物に害虫がついていないのかを確認する所です。お茶の場合は、単純に乾燥させたものを輸入するときは、植物防疫法が関係してきます。一方、熱を加えたり、蒸したりしているものは、その作業の中で「害虫は死んでいる」との前提があり、植物防疫は関係なくなります。

上記1~3の中でも特に重要になるのが「食品衛生法」です。そこで、次にこの食品衛生法で必要になる書類について詳しく説明していきます。

食品衛生法で必要な書類

食品衛生法に基づき必要な書類です。商売目的で輸入するときは、以下の書類をそろえます。

  1. 食品輸入届
  2. 原材料表
  3. 製造工程表
  4. 商品カタログ

1.食品輸入届

食品を輸入するときに食品検疫所に提出する書類です。以下で説明する三つの書類は、この食品届の内容を証明するための付属書類としての意味があります。

2.原材料表

お茶の原材料と添加物の一覧を提出します。(含まれているとき)このとき、農薬に関する基準(0.01pm以下であること)などもチェックされます。

主な観点:カビ、ダニ、残留農薬、着色料、漂白剤、医薬に分類されるもの、酸化防止剤など。

書類の形式&作成する人:形式は決まっていません。また書類を作成する人は、輸出者です。ただし、どうしても難しいときは、輸入者が作成してもいいです。ただし、レターヘッドには、製造者に関する情報(国や所在地、連絡先、会社名など)が必要です、

書類の言語:日本語または英語で作成します。これら以外の言語で作成されている書類は、和訳が必要です。

3.製造工程表

お茶を採取してから、加工するまでの工程を図で説明します。加熱、蒸すなどの工程を経て完成品になるまでの流れを図にします。こちらも決まった形式はございません。原材料表と同じルールで書類を作成します

4.商品カタログ

上記の原材料表や製造工程表の内容を補うために、製品のカタログなどを用意します。こちらも日本語、英語以外で書かれている物は、和訳をしなければらない可能性があります。

以上がお茶を輸入するときに必要になる書類とポイントでした。もちろん、輸入するときは、税関への手続きも合わせて必要です。ただし、基本的に税関は、お茶の安全性を見ているわけではなく、関税徴収の観点での審査となります。したがって、お茶を輸入するときのポイントは、食品衛生法に関する手続きです。

関連記事:知識ゼロからの食品の輸入手続き

販売するときの手続き

無事に税関からの輸入許可を受けられれば、日本国内へ販売しても問題はありません。ここから先は、輸入したお茶を国内販売するときに関係する法律をご紹介していきます。主な物としては、次の4つです。それぞの意味は、次の通りです。

  1. 食品表示法
  2. 計量法
  3. 景品表示法
  4. 健康増進法
法律名規制内容管轄
食品表示法商品につけるラベルの内容を規制するための法律です。消費者庁
景品表示法製品内容を誤認させて販売することを防ぐ法律です。
健康増進法健康に関する効果・効能を誤認させて販売することを防ぐ法律です。
計量法内容量の測り方について決める法律です。経済産業省

また、これらの法律の他、次の2つの点についても十分に注意します。

1.有機やオーガニックは、条件を満たした物だけがうたえる。

輸入したお茶を販売するときに「有機」などの表示をする場合は「有機と表示できる条件」を満たすこと求められます。何でも有機品とは表示できないため、ご注意ください。

2.効果・効能を気軽にうたわない。

「このお茶を飲むと痩せる~」など、何かしらの効果効能をうたうことはできません。日本では、この効果・効能をうたえるのは「薬品」に指定されている物だけです。その他の物を販売するときに、効果効能をうたうと「薬機法違反」になるため、注意しましょう!

お茶を販売するときのリスク対策

ここまでの説明で、お茶を販売するときのポイントをご紹介してきました。これらのポイントと合わせて知っておきたいことは「販売時のリスク対策」です。具体的には、PL保険などに加入して、少しでも販売リスクを下げることを言います。

例えば、あなたは、お茶を輸入して国内販売しているとします。このお茶を飲んだ人に、何らかの体調不良が発生したときは、その責任は輸入者にあります。仮に、あなたがお茶を輸入しているときは、その人の体調が回復するまでの治療費はもちろんのこと、慰謝料などを支払うことになります。これが輸入販売するときの販売リスクです。そこで、この販売リスクを少しでも小さくしてくれる「PL保険」が便利です。

PL保険とは、あなたが輸入した商品が誰かを傷つけてしまったときに、その賠償費用をサポートしてくれる保険です。PL保険は、何らかのことがあったときに役立ちます。ぜひ加入されることをお勧めします。

台湾のお茶屋さんリスト

台湾で卸売りをしてくれるお茶屋さんです。輸入仕入れ先の参考程度にご利用ください。

翠豐茶業行銷有限公司http://www.cuifong.com/
林華泰茶行http://linhuatai.okgo.tw
樂菁慈恩製茶廠https://tea.madeintaiwan.com.tw
樂菁茶業https://www.leqingtea.com.tw

さらに一歩リサーチ・何が求められている?

アマゾンで台湾茶に対する需要を調べてみました。こちらのキーワードをもとにして、日本では、どのような台湾茶が求められているのかを考えてみてください。

茶器薬膳 茶残留農薬黒糖薑母茶
茶梅行天宮 お茶ダイエット凍頂烏龍茶
茶壺健康メイクイ茶(バラ茶)大禹嶺
茶盤効能美人茶林茂森茶行
急須タンブラー便秘林華泰茶行
茶こしに 合う お 菓子百香緑茶(パッションフルーツ味)梨山
甘い お茶ノンカフェイン高山茶永康街 茶
カフェイン水出し白牡丹和昌
天仁茗茶

まとめ

以上、お茶を輸入するときに必要なポイントをご紹介してきました。お茶を輸入するときは、個人用なのか、販売用なのかによって、輸入に関する規制が違います。まずは、どちらの目的で輸入するのかをハッキリさせましょう。販売目的で輸入するときは、輸出者からお茶に関するいくつかの資料を取り寄せて、食品衛生法をクリアできるように準備をする必要があります。

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