国際郵便(EMS)と国際宅配便(FedEx)の違い

郵便 国際郵便(EMS)
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海外のショップで商品を購入すると、配送手段として「国際郵便」か「国際宅配便」を選べます。国際郵便と国際宅配便は「公的配送会社」と「民間配送会社」の違いです。

例えば、アメリカの場合は、USPSがアメリカ合衆国郵便公社(公的配送会社)、UPS、フェデックスなどが国際宅配便(民間配送会社)になります。一見、同じような配送会社に見えますが、実は公的配送会社と民間配送会社で分かれています。これら二つの配送方法は「公益性」「有事の際の荷物の届きやすさ」「関税決定の方法」に違いがあります。

ときどき「今回は関税が発生した。発生しなかった」などと嘆いている人がいます。実は、このような不思議な現象も「国際郵便」と「国際宅配便」の違いから生まれてきます。なぜ、輸送方法によって商品の課税が変わるのでしょうか? 今回は、国際郵便と国際宅配便の違いを説明していきます。

郵便

国際郵便と国際宅配便

国際郵便と国際宅配便の位置づけ

国際郵便と国際宅配便は、日本と海外との間で荷物をやり取りする上で重要です。ある人は、外国の友人へプレゼントをするために使います。また、ある人は、外国のネットショップから商品を輸入するときに使います。国際郵便の配送は、私たちの生活にはなくてはならないものだといえます。実は、そんな国際配送には、大きく分けると、次の2つのネットワークがあるのをご存知でしょうか?

  1. 公的配送ネットワーク
  2. 民間配送ネットワークです。

公的配送ネットワークであれば、郵便。民間配送ネットワークであれば、フェデックス、クーリエ、ヤマトなどがあります。

では、この公的配送会社と、民間配送会社には、どのような違いがあるのででしょうか?

公的配送会社と民間配送会社の違い

公的配送会社の郵便は「万国郵便連合(ばんこくゆうびんれんごう)」という国際機関の下で運営されています。これは、世界中の郵便事業に関するルールをきめて「世界中のどこにいても郵便を届けることができるようにする」ことを目標としている国際機関です。日本では、この万国郵便連合がもとになっている郵便事業を「日本郵政」が担当しています。

万国郵便連合の設立目的として、外務省のホームページでは以下のように記載されています。

UPUは、郵便業務の効果的運営により諸国民の間の通信連絡を増進し、文化、社会及び経済の分野における国際協力に寄与することを目的とし、設立以来国際郵便業務の発展のための中心的な役割を果たしている。

*UPU=万国郵便連合

引用:外務省

この文章をみると、郵便事業の最も大きな目的は「世界中の人同士の連絡を活発化させて、世界全体のさまざまな分野を発展させること」であることがわかります。つまり、利益を優先させるより「発展の手助け」をすることに重きを置いていることがわかります。この考え方がよく表れたのが「2011年の東日本大震や2016年の熊本大震災のとき」です。

当時、道路などのインフラも壊れてしまい、さまざまな混乱が生じていました。この状況下で民間配送会社の大手「Y社」や「S社」は、荷物の配達を停止しました。物流コストや人員、そしてインフラなどの状況を総合的に判断して「配送の停止」を決断されたのだと思います。これは「営利企業」であれば、当然の判断です。

しかし、日本郵政の対応はこれとは別でした。万国郵便連合の精神にのっとり、できる限り配送を続けたのです。

このように万国郵便連合は、地域や社会の発展に協力することを目的としています。当然、利益も求めていますが、それよりも「公益性」を大切にしています。

一方、民間ネットワーク(Y社やS社)などは、あくまで「利益企業」です。利益とコストのバランスをみて配送をきめています。この判断の結果として、民間ネットワークでは「配送を停止すること」が認められています。それでは、これを「貿易の分野」で考えると、どのような違いになるのでしょうか?

公的配送会社と民間配送会社の荷物検査(通関)の違い

公的配送会社と民間配送会社には「公益性」に対する考え方と「何か発生したときの荷物の届きやすさ」に違いがあることがわかりました。さらに、これらとは別に「商品に対する通関の仕組み」まで違います。

例えば、海外のネットショップで商品を購入するときは、配送方法を選ぶ欄があります。この選択のときに「配送料の安さ」と「納品日数」だけで選ぶ人は多いです。しかし、実はもう一つ判断の材料に加えられるものがあります。それが「通関制度の違い」です。もし、あなたがこの違いまでを知っているなると、今とは別の配送会社を選択するようになるかもしれません。

*これより先は、公的配送会社を「国際郵便」、民間配送会社を「国際宅配便」と表します。

これから海外の商品を「国際郵便」で受け取る場合と、「国際宅配便」で受け取る場合の通関制度(税関手続き)の違いを説明していきます。この通関制度の違いを知ることで、「配送会社を選択するさいの判断材料」にできます。

国際郵便の関税を決める手続き

「国際郵便」で運ばれてきた商品が日本に到着すると「税関外郵出張所」にて、税関職員による書類審査と検査(必要なとき)が行われます。

税関の検査はすべての小包に対して行われるわけではありません。書類の簡易チェックで問題がありそうな物に対して検査をします。書類のチェックで問題がない、または、現物検査でも問題がないときは、そのまま通常の手続き(関税を決定)に進んでいきます。

税関検査は、X線検査、麻薬犬検査、開封検査の三種類があります。主な物としては、この三つです。検査をした後に、小包の中にある商品の関税が決まります。国際郵便で運ばれてくる小包の関税は、税関が関税を決めます。したがって、小包の中にある課税価格(関税を計算する母体)の合計が20万円以下の物は、ほぼ自動的に「簡易税率」が適用されます。

次に国際宅配便の通関制度を確認していきましょう!国際宅配便ですから、民間配送ネットワークです。

国際宅配便の関税を決める手続き

「国際宅配便」の小包は、各配送会社の通関士が税関へ荷物の申告を行います。この配送会社には「フェデックス」「DHL」「UPS」「クーリエ」「ヤマト運輸」などがあります。

国際郵便は「税関が関税を決定」します。一方、国際宅配便は、税関に対して「各配送会社の通関士が申告」をします。税関は、各社の通関士によって申告された書類の中に「疑念がある場合」に税関検査を行い、商品の関税を決めます。特に疑念がない貨物は、各社の通関士の申告通りに関税と消費税が納付されて輸入手続きは終了となります。

なお、国際宅配便は、各配送会社の通関士が申告をします。一般的に、小包に入っている商品の課税価格の合計が20万円以下であれば、関税は「簡易税率(簡単な関税の仕組み)」を適用して申告します。

しかし、あらかじめ配送会社に対して「荷物の受取人」や「発送人」からの申し入れがあれば「一般税率(難しい関税の仕組み)」で申告することも可能です。しかし、これは関税制度上は可能なことであって、実際の配送会社がどこまで対応してくれるかはわかりません。もし、あなたが一般税率で輸入したいのであれば、その旨を配送会社に伝えておくようにします。

都市伝説・国際郵便の方が課税をスルーしやすい!?

「同じ商品を輸入しているのに、今回は関税がかかった」という事例があります。これは上記の「税関手続きの違い」も関係しています。

このように関税がかからないケースの原因として以下の二つが考えられます。

ケース1.一万円以下免税ルールの適用

小包あたりの合計の課税価格が一万円以下の場合は免税になるルール(一万円以下免税ルール)があります。もし、あなたが同じ商品を輸入していたとしても、以前よりも商品価格が安くなっていたりすると、1万以下免税ルールによって、関税が免除されて輸入できることがあります。

ケース2.税関が商品の課税を見逃した

これは、厳密にいうとあってはならないことです。しかし、輸入貨物の関税が決まる仕組み上、仕方がないことです。

先ほど申し上げた通り、国際郵便の関税は、税関職員が決めています。日々大量の荷物が運ばれてくる中、税関は、この業務を限られた人員で行います。そのため、本来、課税しなければならない貨物を課税しない「課税モレ」が発生しやすくなっています。

一方、国際宅配便の関税は、各社の通関士が荷物の申告(関税率を決めたり、関税計算をすること)をします。国際宅配便は税関から「通関業の許可」を受けています。これによって、人の貨物に対する関税額を計算して代わりに税関への申告ができます。

税関から通関業の許可を受けている場合「申告内容と貨物が適正である」ことが求められます。これが税関からの配送業者への評価になるわけです。そのため、国際宅配便は、小包の中にある商品などをなるべく詳しく聞き出して、申告内容と商品の中身にズレがないように努めるわけです。

このような事実をふまえると「課税されずに通関されやすい!?」国際郵便を選ぶ人が多い理由がわかります。

まとめ

国際郵便と国際宅配便は、「公益性」に関する考え方の違いがあることがわかりました。これによって災害時の配送に違いがでます。しかし、貿易ビジネスの場合は、それ以上に通関制度(関税がきまる仕組み)の違いによって、支払う関税が変わるのが違いです。

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