種別 | 積み地 | 揚げ地 | 品目 | 輸送モード |
法人 | 名古屋 | インチョン | ウィスキー 300KG | リーファー |
法人 | 東京 | シドニー | 一般雑貨 40FCL×50本/月 | FCL |
法人 | 名古屋 | インチョン | ウィスキー 300KG | リーファー |
法人 | 東京 | シドニー | 一般雑貨 40FCL×50本/月 | FCL |
個人事業主は、青色申告に切り替えることで、年間65万円の控除を受けられます。これは、仮に売り上げが100万円であれば、100-65=35万円の収入しかないとみなされます。そして税金は、この35万円に対して課税されるため、ぐっと下がります。なぜ、青色申告にすると、65万円が控除されるのでしょうか。 答えは「複式簿記」にあります。要はより厳しい基準で帳簿をつけることで65万円の「飴」がもらえます。
実は、通関業者にも、この「飴と鞭」の仕組みがあります。「認定通関業者(AEO制度)です。そこで、この記事では、認定通関業者の基本的な知識、メリットとデメリットなどをご紹介していきます。
認定通関業者
認定通関業者とは、通関業者の内、貨物と書類の両方で法律を遵守する環境を整えている者です。税関長は、各業者から認定通関業者の申請があると、適合基準を満たしているかを審査します。無事に条件を満たしていれば、申請した通関業者を認定通関業者(AEO)とみなします。そして、通関業者は、認定通関業者になることで、自社が取り扱う輸入者または輸出者に対する税関審査、検査などの基準を緩和してもらえます。
要は、通関業者自体が法律上の厳しい基準を満たすことで、その通関業者を通して申告する輸出者や輸入者にも「簡易的な取り扱い」をする仕組みです。
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認定通関業者のAEOの背景
認定通関業者(AEO)の背景は、自由貿易協定(EPA)が関連していると思います。実は、各自由貿易協定には、税関に関する審査時間の短縮について規定されており、共通事項は「できるだけ速やかに税関審査を終えて、リードタイムの短縮につなげるように努力する」ことが盛り込まれています。特に昨今、締結されるEPAは「急送貨物扱い」の項目を盛り込むなど、これまで以上に通関のスピードアップが求められています。
認定通関業者のメリット・デメリット
では、一人の輸出者または輸入者の立場として、認定通関業者を使うには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
デメリット
基本的に認定通関業者を使うデメリットは有りません。強いてデメリットを上げるなら、それは「依頼を受けてもらえない」ことです。通関業界の閉鎖性の記事でも紹介している通り、貿易業界は、何の実績もない貿易者を拒絶する傾向が強いです。特に、AEO業者は、税関から認定を受けているため、様々な部分で輸入者を厳しくチェックします。要は「問題が多い輸出入者の案件」を扱うことで、通関業者自らの責任につながることを嫌います。
このようなことを考えると、すでに貿易実績がある会社でない限り、いきなり認定通関業者に依頼をしても断られる可能性は非常に高いといえるでしょう。
メリット
反対に認定通関業者のメリットは、次の4つです。
- 通関業者の「認定」の力を借りられる。
- 貨物の引取り後に納税申告を行うことが可能
- 保税地域に入れることなく輸出許可
- 税関の申告官署の自由化
1.通関業者の「認定」の力を借りられる。
認定通関業者に依頼をして申告をしてもらうことで、通関業者の「認定のメリット」を受けられます。
例えば、「特例輸入者制度」があります。特例輸入者は、貨物の引き取り後に納税申告が可能になるなど、通常の輸入者よりも優遇扱いされます。もちろん、特例輸入者は、誰でもなれるわけではありません。一定の要件や実績を積み上げる必要があります。しかし、このような認定輸入者にならなくても、認定通関業者に通関の代行をお願いするだけで、特例輸入者と同様の優遇措置を受けられます。
2.貨物の引取り後に納税申告を行うことが可能
通常、外国の貨物を引き取りは、輸入貨物に相応する関税と消費税を支払った後に行います。しかし、認定通関業者を通して輸入申告をすることで、貨物を引き取った後に、納税申告ができます。これは、キャッシュフローを改善する意味でも大きなメリットです。
3.保税地域に入れることなく輸出許可
輸出をする貨物は、原則、保税地域に入れた後、輸出申告をします。認定通関業者×特例保税運送業者を使うことで、保税地域に入れる前に輸出申告ができます。
4.税関の申告官署の自由化
基本的に輸入申告や輸出申告をするときは、貨物が出入りする空港や港を管轄する税関官署に申告する必要があります。
例えば、あなたが東京の会社であり、名古屋港に貨物が入ってくるなら、名古屋の税関に申告をします。しかし、普段、あなたがお付き合いしている通関業者が認定通関業者であれば、日本全国、どこの港や空港であっても同じ税関官署で申告ができます。つまり、あなたとしても、一つの通関業者と取引をするだけで、日本全国の港や空港に関する通関依頼ができます。
いくつかのメリットを上げてきましたが、認定通関業者による最も大きなメリットは「貨物のリードタイムの短縮」だと考えましょう!
初めての通関業者はAEO(認定通関業者)を避けるべき
これから貿易取引を始める人は、どこの通関業者に依頼するか迷うことも多いかと思います。何度も申し上げる通り、通関業者は閉鎖性が強いため、ほとんど断られます。その中でも特に「認定通関業者」への依頼は非常に難しいです。税関の資料によると、2019年現在、全国には、955の通関業者があります。その内、認定通関業者は25%にあたる220です。その他の75%は認定を受けていない通関業者です。
もし、貿易初心者でれば、まずは75%の認定外の通関業業者を使い、実績を積み上げます。その後、認定通関業者に「くらがえする」などが現実的な方法だと思います。または「個人輸入の通関サービス」を使い、自社通関での実績を積み上げた後、認定通関業者に依頼などの方法もあります。いずれの方法も、認定通関業者に依頼する前に実績を積み上げることが重要です。
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まとめ
- 認定通関業者(AEO)は、税関長から特別な認定を受けた通関業者
- 認定通関業者は、税関申告や検査など、ほとんどの部分で簡易的な扱いを受けられる。
- 認定通関業者を使い輸出入申告をすると、自身の実績以上に税関から優遇扱いを受けられる。
- しかし、最初から認定通関業者に依頼するのは困難


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