【貿易準備】リアルタイム口座の開設 メリットは?

この記事は約7分で読めます。

海外で商品を購入。これを日本に輸入するときは、関税や消費税が発生します。(関税定率法14条の無条件免税等の規定に該当する場合を除き)関税及び消費税の納税者は、その貨物を日本に輸入する人、つまり「輸入者」とされています。

実は、貿易業界では、この「輸入者が納税をするべき」との原則が崩れていて、なぜか通関業者等が関税や消費税等を立て替える習慣があります。おそらくですが、2021年現在でも行われているはずです。もちろん、これは、ビジネス的にはあり得ないです。

やはり、輸入者は、自らの責任と資金の下、輸入に関わる税金を支払うべきだと考えます。そして、これを実現するのが、今回ご紹介する「リアルタイム口座」です。

そこで、この記事では、これから貿易業を起業する方に向けて、リアルタイム口座のメリットやデメリット、申し込み方法から活用方法などをご紹介していきます。

リアルタイム口座とは?

[スポンサードリンク]

リアルタイム口座とは、輸入者が支払うべき関税や消費税を直接、輸入者の口座から引き落とす仕組みです。最初に利用申し込みをすれば、あとは、輸入申告毎に諸税が自動的に引かれます。

リアルタイム口座=輸入者の諸税を輸入者の口座から引き落とす仕組み

以上がリアルタイム口座のすべての説明です。非常に簡単ですね! これから、貿易を始める方は、必ずリアルタイム口座を設定しましょう。この口座を設定していないと、通関業者やフォワーダー等に依頼を受けてもらいにくいです。(この理由は後述)

リアルタイム口座とは、輸入者が支払うべき諸税を輸入者の口座から引き落とす仕組みです。

リアルタイム口座のデメリット

リアルタイム口座のデメリットは、次の4つです。

  1. 納付書が発行されない。
  2. 納期限の延長申請をする場合は、ダイレクト方式を使えない。
  3. 対応する金融機関が限られている。

リアルタイム口座のメリット

メリットは、次の4つです。

  1. 関税や消費税の納付が自動的にできる。
  2. リアルタイム口座を開設しても、輸入申告毎に納付方法を選べる。
  3. 一般口座なので、不足したら現金を入れるだけで使える。
  4. フェデックス等でも利用ができる。
  5. 通関業者やフォワーダー等が依頼を受けてくれやすくなる。

例えば、通関業者等に関税や消費税の立替払いをお願いしている場合、一般的には、輸入許可日から5営業日以内に支払うことが多いです。結局、数日違いで支払うため、資金管理上からも、自分の口座から直接引き落とされた方が良いです。口座残高が不足しても、口座に現金を入れれば、すぐに反映される点も大きな魅力です。

また、小規模輸入をされている方に多いのがフェデックスやDHL等のインテグレーターです。これらの業者を利用すると、支払う金額によっては、半月ほど後に、輸入税の請求書が送られてくることがあります。(忘れたころに関税と消費税の立替分の請求書が届きます。)こちらも資金管理が難しいですね!

そこで、リアルタイム口座を利用します。口座を利用すれば、輸入申告日(許可日)と同時に関税や消費税が引き落とされるため、資金的な管理がしやすくなります。

また、5番目の通関業者やフォワーダーが依頼を受けてくれやすくなる点も重要です。実は、貿易業界は、新しく始める人の依頼を中々、受けてくれないことが多いです。

例えば、通関代行を希望する場合でも、10社に依頼して、3社ほどが依頼を受けてくれるかどうかです。お金を支払えば、依頼を受けてくれるわではないです。この点は、かなり冷淡です。

では、なぜ、業者は依頼を受けてくれないのでしょうか? いくつかある要因の一つが「資金リスク」です。既述の通り、通関業界は、関税等を立て替える習慣があります。つまり、新規荷主で素性がわからない人の資金を立て替えたくない。これを資金リスクととらえています。

よって、この部分を考えるなら、新しく貿易を始める人は、業者側のリスクととらえている部分を小さくするためにも、リアルタイム口座を開設しておくことが重要だとわかります。これによって、業者側が懸念する資金リスクの部分が除外されて、あなたの依頼を受けてくれやすくなります。

延納制度との違いは?

リアルタイム口座と延納制度の違いは「キャッシュフロー」です。ご存じの通り、延納制度は、担保を差し出し、その範囲において関税等の納税を延期できる仕組みです。関税や消費税等の支払いを延期できることは、その分だけ資金の流動性が高まることを意味します。

他方、リアルタイム口座は、輸入申告(輸入許可)のときに、指定の口座から税金が差し引かれます。これは、延納時よりも手元資金がなくなり、資金の流動性が下がることを意味します。よって、キャッシュフローを改善する目的なら、延納を選んだ方が良いと言えるでしょう。

申込みから利用までの手順

リアルタイム口座の申し込みから利用までの流れを確認していきましょう。リアルタイム口座を利用する上で関係する機関は、次の三つです。

  1. ナックスセンター
  2. 税関
  3. 金融機関

まずは、税関から「税関コード」を取得します。その後、「関税等のリアルタイム口座振替方式(ダイレクト方式)による納付申出書」に取得した税関コードを記載します。これをナックスセンターに郵送して手続きを完了させます。

申込みから利用ができるまでの期間は、約2週間から3週間です。なお、登録手数料等は不要です。個人様、法人様とわず、誰でも利用できます。対応する金融機関のリストは、次の2つのリンクをご確認ください。

  1. 銀行
  2. 信用金庫
登録完了後の利用方法

無事にリアルタイム口座が開設できたら、取引をする通関業者やフォワーダーに下記の情報を伝えします。これによって、輸入申告に関わる諸税を自らの口座から引き落とせます。

金融機関コード(4桁)+支店コード(3桁)+口座番号(7桁)の計14桁

以上がリアルタイム口座に関する説明です。

スモール貿易者にとってのリアルタイム口座とは?

最後に、貿易起業家とリアルタイム口座の意味を確認していきましょう。 記述の通り、長年、貿易業界では、輸入者の関税や消費税を通関業者が立て替える悪しき習慣がありました。立替の言葉から、特に疑問を感じない方も多いでしょう。しかし、実際は、立替金がないと、商売が成り立たない輸入者が多い。つまり、資金的にヤバい輸入業者が多いのです。

立替金を別の視点でとらえれば、「人のお金のタダノリ」とも言えるでしょう。実際、通関業者が立替金に対して利子等を請求することはないです。

例えば、10,000円の立て替えてもらったら、5日以内に10,000円を返せばいいのです。非常に問題ですね!でも、これがなぜか、業界のスタンダードになっているのです。お金には、常に利子が発生し、他人の物を取得した場合は、元本とは別に利子を支払うのが普通です。

実際、官庁等が請求する税金等でも、納めすぎが発生した場合は「過誤納金」の仕組み(還付加算金)により、納付した税金とは別に利子に相当する物が支払われます。公共機関でも、税金の取りすぎは、人の財産の不当占有として、そこに利子が支払われるのです。

一方、貿易業界は、どうでしょう。1万円の立替金が発生したら1万円を返せばいいだけとの考え方が蔓延しています。完全に利子の考え方が欠落しています。フリーATMとも言えますね!しかも、実際は、この立替金すらまともに返済できない輸入者が多いです。

私自身、通関時代には、この立替金の回収を支店長等から、せかされていたことを今でもよく覚えています。立替金を「タダで借りられるお金」と勘違いしているようです。

やはり、輸入者自身の諸税は、自身が直接払うべきです。立替金を当てにしたキャッシュフローは愚の骨頂です。ただ、別に立替金を使わなくても自己資金でできる。でも、使えるなら、使ってしまえ!のごとく、戦略的に立替金を利用するならいいと思います。

  1. 立替金がなければ、商売が成り立たない→ 愚の骨頂
  2. 自己資金で納税はできる。でも立て替えてくれるなら…→ 戦略的利用ならOK

これから貿易を起業する方は、ぜひ、この悪しき習慣に染まらず、自らの力でキャッシュフローをコントールしていただきたいと思います。それを実現するためにも、リアルタイム口座が必要です。

まとめ

  • リアルタイム口座を使うと、関税や消費税の納税を口座引き落としにできる。
  • 貿易業界の悪しき習慣「立替制度」を利用しないようにしよう。
  • キャッシュフローを改善したい場合は、延納制度を利用すること
FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録登録済の記事を確認

[スポンサードリンク]





hunadeのお問い合わせページ
国際輸送
見積依頼
お問い合わせ先 目次へ戻る
Chinese (Simplified)EnglishJapanese
error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました