「輸入」税関検査とは?費用と仕組みを理解しよう!

税関検査 輸入ビジネス
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海外旅行などから帰国すると、税関ブースがあります。ここで「今回の旅行は観光ですか? それとも仕事ですか?」「カバンを見せていただいても良いですか?」などの質問をされることがあります。他方、一般的な輸入の場合は、通関業者から「税関検査になりました~」との連絡を受けることが多いです。一体、税関検査とは、どのような物なのでしょうか?

そこで、この記事では、税関検査の概要、種類、必要な費用など、主に一般商業輸入時の検査について詳しくご紹介していきます。

税関検査

税関検査とは?

税関検査とは、外国から輸入される商品について、税関職員がその中身を確認することです。税関検査は、関税法67条に規定されている法定行為です。そのため、輸入者側の意向で検査の拒否はできません。また、税関検査にかかる費用は、すべて「輸入者」が負担します。税関は一切負担しないためご注意ください。税関検査が行われるシーンは、次の3つです。

  1. 海外旅行、ハンドキャリーなどの手荷物
  2. 国際郵便などの検査
  3. 一般商業輸入

この内、ここでは3番の一般商業輸入について詳しくご紹介しています。

税関検査の目的

税関検査の目的は、次の三つにあります。早速、専門的な言葉が並んでいます。一つずつ確認していきましょう。

  1. 他法令の該否
  2. 関税分類→納税の適正度
  3. 知的財産権の侵害

1.他法令の該否判定

日本に物を輸入するときは、税関の輸入許可が必要です。基本的に、この輸入許可は、適切な書類と納税をするだけですぐに受け取れます。しかし、ある特定の品目又は、目的をもって輸入するときは、他法令が関係します。他法令とは「他の法令」を意味し、関税法上の許可を与えるために、他の法律の要件が必要な物です。有名な他法令には、次の物があります。

1.食品衛生法
2.家畜伝染病予防法
3.植物防疫法

詳細は他法令のまとめをご覧ください。税関は、これらの他法令の他「輸入禁制品に該当しないのか?」なども合わせて確認します。

2.関税分類の確認

関税分類とは、およそ10000にも及ぶ品目と関税率を一対にする表です。(実行関税率表

例えば…

・桃は、4%
・みかんは、5%
・電気ケトルは1%

のように品目と関税率を紐づけています。(実際はHSコードを使う)輸入者(代理人)は、輸入する商品の内容とこの関税率表を見比べて、適切な関税率を特定し、納税額を計算&納付をしています。すべて輸入者側の自己申告に基づくため「申告内容が正しいのか?」を確認することが必要です。このような確認が「関税分類の確認」に該当します。

輸入する商品に応じて適切な関税率を計算しているのか?→納税をしているのか?

3.知的財産権の侵害

輸入する商品の中に商標権、意匠権など、いわゆる知的財産権を侵害する貨物が含まれていないのか?を確認しています。

以上の三つが税関検査を行う主な目的です。

税関検査をする上で問題になること(税関検査事件)

過去、税関検査は、憲法に定められている「表現の自由」「閲覧禁止」「輸入禁制品」との兼ね合いから争わた事例もあります。そのため、特に「あっち系の画像、絵、写真」などは「表現の自由」との兼ね合いから、すぐに没収とはならず、必ず輸入者側の意見を聞く仕組みを整えています。

1.輸入者は、海外から「そっち系の商品」を輸入しようとした。
2.税関は、この商品は「輸入禁制品にあたるから輸入は認めない」と判断。
3.なぜ、輸入禁制品とわかったのか?→税関が閲覧したからではないのか?
4.それって憲法は禁止ている「表現の自由」や「閲覧禁止」を侵害していない?

という理屈から争われた事件です。結局、税関の行為は「適法」と判断されて決着した物です

検査の種類と方法

税関検査の種類は、次の5つです。最も一般的な物は、4番の検査場での検査です。その他は、貨物が巨大であったり、多かったりと、何か特別な輸送形態にあるときに行われる物です。

  1. 現物検査
  2. 本船検査
  3. ふ中検査
  4. 検査場
  5. 委任検査

また、上記5つの検査には、さらに次の3つがあります。

  1. 見本確認
  2. 一部検査
  3. 全部検査

具体的な検査は?

一般的な税関検査は「大型Xのみの検査」又は「大型X線+開披検査」が多いです。申告内容と実物検査との大幅なズレがあると、コンテナの中身をすべて取り出した後「検数」などの指示が出される場合もあります。ちなみに、下の写真は、大型X線の様子です。このようにコンテナごと大型のX線装置でチェックされます。非常に高精度な仕様であり「傘一本でも見つかる精度があるかも!?」と考えた方が良いです。

・大型X線検査、開披検査(中身をあけること)
・見本検査、抜き取り検査
・全量検査

税関検査 大型X線

大型X線の風景(税関作成の資料を撮影 *税関広報室より撮影&使用許可を受けています。)

「コンテナに入れればバレない!」という安易な意見を鵜呑みにするのはやめましょう!

税関検査になりやすい人

税関検査は、すべてのチェックを職員がするのではなく「ナックス」による自動判定→税関職員による確認などを経て決定します。税関検査の確率や頻度などは、輸入者本人の「輸入実績(後述)」の他、税関自体の強化策、申告件数の数などにより左右されます。ただし、平均的に、次の三つの内、いずれかにあてはまる方は、税関検査にあたる可能性が高いです。

  1. 輸入実績がない人
  2. 輸入原産国、輸出国の違反が多い貨物
  3. 書類内容に疑義を感じるとき

1.輸入実績がない人

輸入実績とは、輸入の経験を指します。税関は、この輸入実績を「輸出入者符号」により管理しています。もし、あなたが輸入が初めてで、輸入の実績がないときは、税関検査にあたる可能性は極めて高いです。要は「怪しい貨物を輸入していないのか?」との疑いの目を向けらるのです。この目が輸入の実績を積み重ねることで少しずつ緩くなっていきます。

審査区分と輸入実績の関係

税関の審査は、すべての輸入者に平等にされているわけではありません。輸入実績がある荷主は、より簡易に行い、輸入実績が少ない荷主をより集中的にチェックします。この審査レベルが数字になっているのが「審査区分」です。もし、輸入許可を持っている場合は、許可書の中にある申告区分を確認してみてください。申告区分をあえて砕けて説明をすると…..

区分1:簡易審査扱い=税関審査なし。搬入と同時に輸入許可
区分2:通常審査=書類をチェック。問題がなければ許可。怪しいと思ったら区分3に落とす。
区分3:税関検査扱い=実際に税関による検査を行う。

例えば、ある人が「私は○○国から××を○○個輸入します。関税額と消費税は○○円で納付完了しています。輸入許可をお願いします!」と税関に申告したとします。もし、あなたが十分な輸入実績がある場合、「区分1」扱いとなり、搬入が上がり次第、輸入許可に至ります。他方、輸入実績がなかったり、過去に違反をしていたりすると「区分2」または「区分3」と表示されて、必要に応じて税関検査を受けます。

関連記事:輸出入者符号(税関発給コード)輸出や輸入をするなら取得!

2.違反事例が多い貨物

「その国から輸入される○○は、輸入違反をしている例が多い。」

hunadeのサービス

「その国へ輸出される○○は、輸出違反をしている例が多い。」

実は、税関が使っているナックスというコンピューターには、日本全国各地の申告データが次々と記録されています。常に輸出入申告のデータが記録されているため、違反事例が高い貨物や国などの傾向をつかめます。税関の検査は、このような巨大なデータを使い「違反率が高い国」や「貨物」を集中的にチェックしています。

3.書類内容に疑義を感じるとき

税関が輸入書類を確認して「疑義=怪しい」と感じる場合、書類と実物があっているのか?を確認します。

例えば、対象貨物の平均的な申告価格から著しく違う価格を申告すると「レンジアウト」により怪しまれます。

税関検査と立ち合いとは?

税関検査は、税関職員が行います。ただし、税関職員「だけ」が検査場にいるのではなく、検査には「立ち合い」が必要です。立ち合いの要件は、その貨物を輸入する人又は、その輸入者の代理人である通関業者です。

輸入申告をした瞬間、あなたの実績により「税関審査のレベル」が変わる。

一般商業輸入における税関検査の流れ

以上が税関検査に関する基本的な仕組みです。最後に一般商業輸入における税関検査の流れを確認していきましょう! 一般商業輸入における実際の税関検査の流れは次の通りです。

  1. 輸入申告
  2. 審査区分3又は区分2から区分3への判定
  3. 検査方法の確定と通知
  4. 検査指定票
  5. 日時、場所、時間を指定して検査
  6. 立ち合いをし、税関職員の質問に答える。
  7. 疑義が強まれば、さらに追加の検査
  8. 合格すれば輸入許可
  9. 貨物の搬出

税関検査のリアルなやり取り例

税関職員による検査は、輸入者の代理人である通関業者が行います。では、実際の立ち合いの現場では、どのようなことが行われているのでしょうか? 一言でいうとカートンのケースマーどの確認、実物の商品と書類内容との相違を確認します。具体的には、税関検査のやり取りは次の通りです。

1.大型X線で検査

税関検査「なんかコンテナの中に怪しい物がある」「X線検査だけではだめだ!コンテナの中もあけるぞ!」

2.検査場….に移動

登場人物の紹介:税関職員A、上屋B(税関お抱えの作業部隊)、通関業者の立会人C、通関業者の営業D

  • A「Bさん、コンテナの中に○○の影があるから取り出して。」Cは様子を見ている。
  • A「Cさん、この貨物は何ですか? 輸入者に確認してください。」
  • C→D「あの..今、○○輸入者さんのコンテナから申告外に貨物がでてきました。荷主さんに聞いてください。」
  • D→輸入者「今、検査をした所、○○がでてきたそうです。心当たりはありますか?」
  • D→C「もしもし、荷主さんは○○って言っています」
  • C→A「●●は○○とのことです。」

上記のような回答の結果、次のような結果になる可能性があります。

  • A「なるほど、今回は○○だから厳重注意な」→輸入許可
  • A「まったく理由にならない。全数検査しろ!」→すべての貨物を取り出してカウントする。
  • A「今回の申告外貨物は金額的にも大きい。よって過少申告加算税を課す」
申告内容と実物に相違がないことが基本。相違があれば、加算税や検数など、本来、負担しなくてもよい費用がかかる。

よくある疑問

税関検査を拒否できる?

税関検査を拒否できません(拒否をしても輸入許可を出す裁量は税関職員にあります)輸入許可を受けない貨物の引き取り=不正輸入

税関検査は何日かかる?

税関検査は一日で終了することが多いです。但し、検査内容によっては、非常に長引くことがあります。

例えば「コンテナの中身を全て取り出した上で数量をチェックしなさい!」と指示された場合は、言うまでもなく多くの時間がかかります。また、税関検査は、検査場とトラックの込み具合にも大きく影響されます。特に昨今は、人度不足によるトラック不足が深刻であり、海外の工場で生産している時点から、日本国内側のドレーを抑える程です。したがって、税関検査になったとしても、すぐにトラックを手配できないなどの理由から多くの日数がかかる場合があります。

税関検査の手数料は?

税関検査自体は、すべて無料です。しかし、通関業者からは「税関検査立ち合い料」の名目で請求されます。この立ち合い料とは、通関業者が税関検査に立ち会う人件費の他、指定検査場へ貨物を移動させる費用、貨物の搬出費用、上屋への下払い費用などが含まれています。

税関検査費用の例:大型X線=10000円前後、+開披検査=5000円前後

なお、この税関検査は、輸入許可前の「外国貨物」に対して行われるため、消費税は非課税です。

許可書の中で税関検査をしたかを判断するには?

輸入許可書の上部の区分に「3K」と表示されています。

税関検査

税関検査でふき取りをしているのはなぜ?

いわゆる違法な薬物の検査をしています。特に大型家具などを輸入するときは、重点的にチェックされます。

税関検査を回避するには?

税関検査は、職員が疑義を感じるときです。また、一般的な輸入であれば、ナックスのシステムが輸入実績や申告に応じて簡易的な判定をしています。したがって、あえて回避する方法をお伝えするなら「正しく申告をして実績をつくること」です。

税関検査の立ち合いは自分がするのですか?

自社通関をする場合を除き、通関業者が代行します。最近は、このような立ち合い専門の業者もいます。

上屋(うわや)とは?

税関検査は、様々な観点から総合的に判断されて決定します。しかし、中には、あまり表ざたにしたくない理由から「税関検査の頻度」を上げているとも言われています。

先ほども説明しましたが、税関検査は、税関職員と上屋さんと呼ばれる会社が行っています。実際、上屋さんが作業したときの費用は、後ほど、請求されます。貿易業界では、この上屋費用が非常に不透明であることで有名です。上屋さんは、税関検査をするほど、儲かります。仮のお話として、税関のOBがこの上屋にいるとすると…いかがでしょうか?

国際郵便の検査はどうするの?

国際郵便の場合、各空港近くにある「税関外郵出張所」が貨物の検査等を担当します。郵便の場合は、直接、税関職員が目視やX線装置などで検査をし関税等を「決定」しています。この決定方法のことを「賦課課税方式」と言います。対して一般商業輸入などは、自ら税関に申告をする「申告納税方式」と言います。

2019年9月現在、税関は、これまで目視で行っていた検査(一部X線検査)を「全量X線検査」に切り替える予定です。(現在は、成田空港のみ)今後は、ますますインボイスと内容物の整合性を厳しくチェックされることになりそうです。

税関検査のため税関へ提示」の意味

小包であっても「輸入してはならない貨物であるのか?」「問題がある貨物ではいのか?」などの観点から審査が行われます。もし、あなたがアメリカ向けの小包でこのような表示になっているときは、アメリカ税関による「荷物の確認」が行われています。この部分を少しでも早くしたいときは、貨物の中身がわかるように、インボイスや税関告知書を付けることです。

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本格輸入ビジネスマニュアル

まとめ

  • 税関検査は輸入実績が乏しい人に集中的に行われる
  • 税関検査は、通関業者を通じて受ける。(自分で立ち会うことも可能)
  • 税関検査の費用は輸入者が負担する。
  • 申告した内容と実物に相違がないようにしよう。
  • あなたの税関からの信用は申告区分でわかる。
  • 税関検査費用は、税関からの請求ではない。
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