通関業者を100%信じるべきではない理由 2つをチェック

注意 輸入ビジネス
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輸入ビジネスのポイントは、日本側の関税のコントロールにあります。日ごろからHUNADEは、EPA/FTAの活用による積極的な関税削減をおススメしています。この他、特恵関税制度特別特恵関税制度などを使うことで、日本に輸入するときの関税を大きく削減できます。

輸入ビジネスの成功の可否=日本側の関税削減にある

といっても過言ではありません。

さて、多くの輸入者さんは、日本に商品を輸入するときに自社通関をせず、通関業者に依頼されるはずです。通関業者に依頼をすれば、輸入申告書の作成から税関検査の立ち合い、配送手配までを一気に引き受けてくれるため便利です。しかし、実は、そんな通関業者を使う上で忘れてはならないことがあります。それが通関業者への過信です。そこで、この記事では、通関業者を過信することによるデメリットをご紹介していきます。

注意

通関業者を100%信じてはならない理由

自社にて輸入通関をすれば、通関手数料や取り扱い手数料などを省けるため、ある一定のメリットがあります。しかし、多くの場合、通関業務は、通関業者に任せた方がコスト的に安い場合が多いです。ただし、通関業者に任せるといっても100%依存するわけではありません。実は、気づかないだけで、通関業者でも様々なミスがあります。これらミスが起きやすいポイントを中心に説明していきます。

輸入者にとって困ることは?

輸入者にとって、輸入ビジネスで困ることは、納税額の増加です。当初予定していた税金(関税や消費税)よりも多くを納めれば輸入原価が大幅に上がります。輸入原価が上がれば、販売価格も上がるため、その分、国内販売の利益部分が削られます。では、輸入における税金は、どのような要素で収める税金の過不足が発生するのでしょうか?主なポイントは、次の2つです。

  1. 輸入申告価格
  2. HSコードの正当性

輸入申告価格とは、輸入する商品の価格です。日本へ輸入するときには、特別な調整をした価格(CIF)を課税価格とする仕組みがあります。課税価格とは税金をかける対象の価格です。

例えば、一つ100円の商品、これに5%の税率をかけると5円が税金です。そして、このときの「100円」が課税価格です。当然、この課税価格が一つ1000円、一つ10000円と上がるほど、同じ率の税金(5%)を乗じても納めるべき税金が変わります!だからこそ、輸入申告価格(課税価格)がいくらになるのか?が重要です。

HSコードの正当性とは、輸入する商品が適切な税率区分に該当することです。一般的な輸入は、申告納税方式(自ら税関に対して申告すること)であるため、自ら該当するHSコードを調べた上で計算をします。通関業者は、適切な商品区分を特定して、適切な関税額と消費税額を算出することが仕事です。(税関が決めるわけではありません。)そのため、このHSコードの区分の適切さも重要です。

輸入するときに支払うべき税金は、上記2つのポイントが大きく関係します。この2つの内、どちらかに修正等が入ると、あなたが納めるべき税金は上下に変化します。特に、対象の輸入価格が大きいほど、その振れ幅は非常に大きくなることを覚えておきましょう。

通関業者にもミスがあることを前提とする

納めるべき税金に変化があると、輸入者は大変です。ただ、こんなことを言うと「通関業者はプロだからミスなんかあるわけではないだろ!」との声が聞こえてきそうです。しかし、ここではっきりと断言しましょう。ミスは、十分に有り得ます。私のクライアントも「個人輸入なのに課税価格を商用で申告したミス」を経験していますし、他の方でも税番区分が適正でなかった等のミスを聞いたことがあります。

このような事例から、あなたは、通関業者に依頼をしたとしても、それを100%信じるべきではないのです。

特に注意するべき2つのミス

通関業者のミスの内、特に注意するべきポイントは、次の2つです。

  1. 個人輸入における申告価格
  2. 税番(HSコード)

1.個人輸入における申告価格

もし、あなたが「個人使用目的」で輸入をしている場合、かつ、通関業者にお願いをするときは、必ず輸入許可書の申告価格の欄をチェックしましょう。個人使用目的の輸入は、特例的な措置により、次のように計算します。

輸入許可書

■個人輸入の関税と消費税の計算式

海外の小売価格×0.6×関税率=納めるべき関税額
(海外の小売価格×0.6+関税額)×0.1=納めるべき消費税

税金の対象となる価格は、海外の小売価格を0.6倍した価格のみです。これ以外の費用(運送費や保険代金)等は、含めず計算します。

例えば、海外のネットショップで100万円相当の家具を購入したとしましょう。この場合の申告価格は、次の通りです。

100万円×0.6=60万円(課税価格=申告価格)

もし、輸入許可後に発行される許可書をチェックして、この課税価格(申告価格)の欄が海外小売価格の0.6倍になっていないときは、通関業者のミスだと考えた方が良いです。何度も申し上げますが、この特例は「個人使用目的の場合」のみです。規模の大小に関わらず、商売目的の輸入は適用除外です。

*消費税は、地方消費税の2つを分けて計算します。ただし、それらの合計が10%であることは同じです。そのため、説明では、これを簡易的に「0.1」としています。

2.税番(HSコード)

一般商業輸入をしている方は、主に税番(HSコードの所属)が適正であるのか?を確認した方が良いです。ご存じの通り、関税率は、商品が所属する区分によって、5%、8%と変化します。仮にこの税区分が誤ったままずっと申告されていたらいかがでしょうか? その場合は、次の通りです。(ここでは、混乱を避けるために、あえて消費税の計算を省いています。)

例:「課税価格100万円 通関業者は、8%区分の所で申告をしていた。すでにそれを30件ほど行っている。しかし、念のため、税関に所属区分を教示してもらったら、本来は5%の区分だった。」というケースの場合の被害額を計算してみましょう!

通関業者の計算の場合=100万円×0.08=8万円 これが30回で240万円を納税
税関の税区分で再計算をした場合=100万円×0.05=5万円 これが30回あるため、150万円を納税

つまり、たった3%違うだけで、およそ90万円もの関税差が生まれるのです。この場合は、税関に「納めすぎている」ため、そこまでのおとがめは有りません。しかし、これが逆の場合、つまり本来よりも少ない納税額のときは、ケースによって過少申告加算税または重加算税が課されます。

このような事例でもわかる通り、すでに通関業者に依頼をして多数の輸入実績がある場合でも、通関業者だけを信じるのは非常に危険です。本当に正しい税番で申告しているのか?を確認する意味でも、輸入許可後に税関監査官に確認にいくのが良いです。できれば、輸入をする前の時点で「税関の事前教示制度」を受けておきます。事前教示制度を受けておけば、あらかじめ税関が決定した税番区分を使い、輸入申告ができます。

輸入許可書をもらったらチェックしよう!

通関業者から輸入許可書が届いたら、少なくても申告価格と税区分の2つをチェックしましょう。もし、少しでも不安がある場合は、輸入許可書と実際の商品や商品カタログ等をもって税関に尋ねると良いです。

輸入許可書

納付額に過不足がある場合の対応方法

税関等に相談に行った結果、関税等に過不足が発生した場合は、通関を担当した通関業者に「修正申告」または「更正の請求」のどちらかを行ってもらいます。修正申告は、本来納めるべき税金よりも少ない場合。更正の請求は、本来の税金よりも多い場合の手続きです。

  • 修正申告=本来の税額より少ない場合
  • 更正の請求=本来の税額よりも多い場合(関税更正請求書(税関様式C-1030)

なお、通関業者は、各手続きをするときに手数料を徴収する可能性があります。ただし、明らかに通関業者のミスによる場合は、手続きをするための手数料は払えないと突っぱねても良いです。特に個人使用目的の課税価格は、海外小売価格を0.6倍することは、通関業者の完全なミスです。通関業者側のミスに起因する修正に手数料を支払う義務はありません。もし、どうしても手数料を請求するといってきたら、管轄する税関にクレームをいれましょう。

特にAEOの認定を受けている通関業者は、上記の一言を言うだけで引き下がる場合が多いです。結局、通関業者とは、税関長から通関業の許可を受けて営業をしているため「お上」のいうことは絶対です。対して輸入者は、納税者です。納税者の立場であれば、主張するべきことは主張するのが当然です。

まとめ

  • 人は誰でもミスがある。通関業者の手続き内容を100%信じるのは危険
  • 納税額は、申告価格と税区分により簡単に上下する。
  • 輸入者は、申告価格と税区分が適正であるのかをチェックする必要がある。
  • 仮に納税額が変わる場合は、修正申告または更正の請求をする。
  • もし、通関業者のミスに起因した修正でれば、手数料の支払いを拒否しよう。
  • それでもごちゃごちゃ言ってきたら、税関にクレームを入れればいい。
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