海外から商品を輸入したい。自社の商品を海外に輸出したい。など、貿易ビジネスに興味がある方も多いでしょう。ただ、実際に、それを実行する上で障害となる部分は多いです。
例えば、英語によるコミュニケーションが苦手。物流の知識が全くない。自社内に貿易業務に精通した人材がいないなどです。実は、この障害は、外部の貿易代行サービスを活用することで、解決できる場合が多いです。
そこで、この記事では、貿易代行サービスの概要、活用する上でのメリット、サービス例や料金例等をご紹介していきます。
貿易代行サービスとは?
貿易代行サービスとは、貿易業務の一部又は全部を請け負うサービスです。
例えば、インボイス、パッキングリストなどの貿易書類の作成、海外企業とのコレポン(英語交渉)、国際物流業務の手配などです。依頼者は、貿易業務を依頼することで、取引上の課題を解決し、貿易取引を実現できます。
貿易代行を活用するメリット、デメリット
貿易事務代行のメリット、デメリットは、次の通りです。
デメリット
- 依頼方法(代行内容)によっては、貿易取引の知識や経験がいつまでも身につかない。
- 営業上の秘密が筒抜けになる可能性がある。
- 貿易ビジネスの利益が削られる。
メリット
- 自社(自分)がないリソースを補える。
- 外部委託の形になるため、恒常的な人件費は不要
- 日本全国、世界どこからでも代行依頼ができる。(双方とも居住地を選ばない)
- 難しい知識、トラブルになりやすい部分を外部に委託できる。
- 誰でもできる仕事を他者に振ることで、自分の時間を有効活用できる。

天秤にかけて、メリットが大きい場合に利用すればいいと思います!
貿易事務”代行”の範囲と活用する上で必要なこと
貿易業務の「代行」には、様々な意味(業務範囲)があります。この業務範囲は、代行サービスを提供する業者によってバラバラです。また、料金的にも決まった相場がないため、少し不透明な料金になりやすいです。このことから、貿易の代行を依頼するときは、次の2つの注意しましょう!
- 代行サービスの内容と相場観の把握
- 代行業務の把握と貿易で必要なことリストアップ
1.代行サービスの内容と相場観の把握
「代行」という二文字の中に含まれる業務範囲は様々です。まずは、ネット検索などを使い、様々な貿易代行サービスを検索してみましょう。
例えば、仕事依頼サイト(〇ンサーズなど)で、貿易代行、貿易事務代行、海外営業代行、コレポン等のキーワードで検索をすれば、たくさんのサービスが出てきます。各出品者のサービス紹介ページをよく確認し、提供サービスと金額を調べましょう! ただし、これらのサイトで、仕事を請け負っている方は、次のような特徴がある点にも留意しましょう!
- 自分で集客力や営業力がない。
- 企業に属し、副業で行う方が多い。→対応できる時間が非常に限られている。
- 当たりはずれが大きい。ひどい人は、途中で依頼を投げ出す人もいる。
又は、ジェトロなどでは、国際ビジネスマッチングページ(e-Venue)があります。ここでも貿易代行サービスを見つけられます。ぜひ、ご利用ください。
2.代行業務の把握と必要な作業のリストアップ
2つ目は、貿易代行の「代行」が示す業務範囲の可視化、細分化です。一連の貿易業務には、どのような作業があり、「どのような経験、知識、スキルが必要になるのか?」を理解することです。
以下は、輸入業務と輸出業務に必要なことをいくつかピックアップしています。(すべてを網羅しているわけではないため、参考程度にお願いします)
なお、この代行業務の把握と必要な作業のリストアップの重要性は「貿易業務は職域を理解するべき」の記事でも説明しています。よくある間違いは、フォワーダーなどに対して、インボイスやパッキングリストの作成など、あらゆる貿易業務を丸投げすることです。
輸出者は輸入者。輸出者は輸出者のするべきことがあります。それができなければ、足りない部分を貿易事務代行サービスに依頼をする。これが正しい道です。国際輸送業者(フォワーダー)は、貿易業務の何でも屋ではないため十分に注意しましょう!
輸入業務で必要なこと
ステップ | 必要なこと | 対応業者 |
サプライヤーの調査 | サプライヤーの開拓(ネット、見本市など) | 貿易事務代行 |
英語による引き合い | ||
各種見本市の同行 | ||
サプライヤーの交渉 | 商品条件の提示と見積りの依頼 | |
コレポン(英語による交渉) | ||
インコタームズの選定 | ||
売買契約書の作成 | ||
サプライヤーの信用調査 | ||
HSコードの特定 | ||
日本の国内法令の確認と輸入諸税などを含めた原価計算(輸入コスト計算書の作成) | ||
サプライヤーとの契約後 | 納期調整、進捗確認 | |
代金決済の管理 (L/C開設等含む) | ||
梱包やラベル指示 | ||
国際輸送時 | 国際輸送業者の手配 | |
輸入関連書類の請求 | ||
技術的な翻訳(マニュアル作成など) | ||
国内法令への対応(他法令) | ||
国際輸送の実務 | フォワーダー又は通関業者 | |
輸入時 | 税関申告(通関業者の手配) | |
国内配送業者と倉庫手配 | ||
輸入後 | クレームノーティス(国際輸送業者やサプライヤーに対して) | 貿易事務代行 |
輸出業務で必要なこと
ステップ | 必要なこと | 対応業者 |
販売先の開拓 | 販売先の開拓(ネット、見本市など) | 貿易事務代行 |
英語によるオファー | ||
各種見本市の同行 | ||
販売先との交渉 | 商品条件の提示(FOB価格)とコレポン | |
取引企業の信用調査 | ||
インコタームズの選定 | ||
売買契約書の作成 | ||
販売先との契約後 | 納期調整、進捗報告 | |
代金決済の管理 (T/Tなどによる入金確認) | ||
梱包やラベル指示 | ||
国際輸送時 | 国際輸送業者の手配 | |
船積み書類の作成 | ||
EPA書類/原産地証明書などの作成業務 | ||
その他、相手が求める資料の作成 | ||
輸送後 | クレームノーティス(サプライヤーからのクレーム処理) | 貿易事務代行 |

職域を理解し適切な業者に代行を依頼しましょう。貿易業務で必要とする多くのことは、貿易事務代行サービスが対応しています!
貿易代行業者の手数料例
最後に仕事募集サイトで紹介されていた、貿易代行業者の手数料をいくつかご紹介します。なお、サービスの内容、価格等に対する私見は一切排除します。(善し悪しを含めて無視)料金の適正さを含めて、全てご自身の判断でお願いします。
*HUNADEとは一切、関係ないです。
40,000円パック貿易事務代行の内容
- コレポン
- 取引先の開拓
- 貿易事務全般
- 英文契約の作成
- 決済管理
- 技術的な翻訳
30,000円パック貿易事務代行の内容
- 引き合い
- 商品情報
- 取引交渉(価格、インコタームズなど)
- 国際輸送
- 請求書発行や代金回収業務など
- 貿易書類の作成
- 出荷管理
他、パックではなく、ある特定の作業のみを請け負う代行サービスもあります。
- 輸出入りの相談 6,000円
- hsコードの相談 3,000円
- 海外工場や展示会への同行 120,000円
- 英語で電話代行 3,000円
- 海外市場の調査 60,000円
- インボイス、パッキングリスト 作成 3,000円
- 海外メーカーとの問い合わせ 7,000円(一か月間)
- 展示場のアテンド通訳 4時間 10,000円
以上、貿易代行サービスのご紹介でした。最後までお読みいただきありがとうございました。ちなみに、HUNADEでは、輸入通関関連の相談サービスを提供しています。よろしければ、ご利用ください。
まとめ
- 貿易事務代行のメリット、デメリットを理解する。
- プロセス毎に必要な作業やスキルの把握を可視化する。
- 必要な外部人材は、仕事募集サイトで募集をすればいい。
- 但し、仕事募集サイトに登録している方は、副業感覚の方が多いのも事実
- つまり、スキルや経験レベルがバラバラの可能性が高い。


種別 | 積み地 | 揚げ地 | 品目 | 輸送モード |
個人 | ハノイ | 大阪 | 子供靴 | LCL |
個人 | 竜崗区/中国 | 藤沢 | テスター | 相談希望 |
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