大型機械・重量貨物の輸出ガイド：FCL vs LCLと梱包のコツ

>>記事の一覧はこちら

カテゴリの一覧

大型機械や重量物を国際輸送するときは、サイズや重量によって輸送方法が大きく制限されます。

FCL（コンテナ貸切輸送）とLCL（混載輸送）のどちらを選択するか？….

はコストやリードタイム、安全性と関係します。当然、大型貨物であるため、破損や転倒、湿気によるサビの発生等のリスクもあります。したがって、これらのリスクをできるかぎり小さくする梱包戦略も重要です。

そこで、この記事では、機械・重量貨物の輸送手段を比較し、最適な梱包方法について解説していきます。

この記事の目次を開く

機械・重量貨物の国際輸送：課題と最適な梱包方法

機械・重量貨物の国際輸送：課題と最適な梱包方法

機械・重量貨物の輸送における課題

機械や重量貨物を輸送する際には、輸送の目的地、貨物のサイズ・重量、輸送コスト、納期を考慮します。

重量貨物は、特殊な取り扱いが必要になることが多く、港湾の荷役設備や輸送経路の確認が欠かせません。また、輸送中の衝撃や振動、水濡れによるサビ、盗難のリスクを抑えるため、梱包や貨物の固定方法にも細心の注意が必要です。

重量貨物の場合、法定重量制限を超えないようにすることが重要です！

FCL（コンテナ貸切輸送）の特徴と適性

FCLは、大型機械や重量貨物の輸送に適しています。他の荷主の貨物と混載されないため、安全性が高く、振動や衝撃リスクを最小限に抑えられるからです。特に、一体型の工作機械や高額な産業機械の輸送に適しています。

FCLでは、通常の20ft・40ftコンテナに加えて、オープントップコンテナ（天井が開いたコンテナ）やフラットラックコンテナ（側面・屋根のないコンテナ）を利用することもあります。これにより、大型機械や特殊形状の貨物にも対応できます。ただし、港湾によっては、特殊コンテナの取扱いに制限があります。

海上コンテナの種類サイズ、内寸、㎥（容積）など

LCL（混載輸送）の特徴と適性

LCLは、小型の機械や部品類の輸送に適しており、FCLを利用するほどの貨物量がない場合に有効です。他の貨物と混載することで輸送コストを抑えています。

しかし、混載のため積み替えの回数が多く、衝撃や水濡れのリスクも高いです。特に精密な機械部品などは、緩衝材や防水梱包を施すことが求められます。

また、重量貨物の場合、混載可能なフォワーダーが限られるため、輸送可能な重量やサイズを事前に確認しておきましょう。LCLはコスト面では魅力的ですが、貨物の損傷リスクがあるため、十分な梱包と貨物の固定が不可欠です。

大型、超重量物の輸送には、RoRo船輸送や重量物専用船、超重量貨物トレーラーなどの選択肢も検討する価値があります。

重量貨物の輸送で発生するリスクと対策

機械や重量貨物の輸送では、破損や転倒、湿気、盗難などのリスク対策が必要です。重量物は荷役時の衝撃を受けやすく、輸送中に荷崩れが起こる可能性があるため、しっかりとした固定が求められます。また、海上輸送では湿気によるサビの発生を防ぐため、防湿梱包も重要です。

貨物の固定には、木枠梱包や金属フレームなどが有効です。貨物のサイズや形状に合わせて、カスタムメイドの梱包を施すことで、安全性を高められます。また、輸送中の姿勢を保持するために、貨物には「天地無用」「重心位置」などの表示を明記し、適切な取り扱いが行われるようにします。

最適な梱包方法

機械や重量貨物は、貨物の特性に応じた適切な梱包を選びます。代表的な梱包は、次の３つです。

強化ダンボール
木枠梱包
金属フレーム梱包

１．強化ダンボール

小型の機械部品であれば、強化ダンボールを使用したパレット固定が有効です。強化ダンボールは軽量でありながら高い耐久性を持ち、コスト削減もできます。

２．木枠梱包

中型の機械や重量物の場合、木枠梱包が一般的です。木枠は貨物を完全に覆うため、衝撃や外部からの圧力から貨物を保護できます。また、防水シートや防湿フィルムを併用することで、湿気対策を強化できます。

３．金属フレーム梱包

大型の機械や特殊形状の貨物には、金属フレームと耐候カバーを使用する方法が有効です。フラットラックコンテナで輸送する場合は、金属フレームで貨物を固定し、耐候カバーで防水・防塵対策を行います。これにより、長距離輸送でも貨物の安全を確保することが可能です。

機械・危険品の輸出梱包とは？

まとめ

機械・重量貨物の輸送では、貨物のサイズ・重量・輸送環境を考慮し、最適な輸送方法を選択することが重要。
FCLは安全性が高く、大型機械の輸送に適しているが、コストがかかる。
LCLは混載によるリスクを軽減するために強固な梱包が求められる。
梱包戦略として、強化ダンボール、木枠、金属フレームを適材適所適材適所で使い分けることが重要。
輸送ルートや港湾の設備、通関要件を事前に確認し、適切な梱包と輸送計画を立てることで、コスト削減とリスク管理の両立が実現できる。

中小企業の輸出ガイド

中小企業の輸出手続きと国際輸送の完全ガイド

この記事をお気に入りに登録

輸出梱包記事

航空フォワーダー向けお役立ち情報

プロが解説シリーズ

輸出入と国際輸送の手引き

１．取引先を探す。

２．契約交渉をする

＞＞もっと見る

６．貨物の受け取り方法

７．通関

８．特別な通関制度

予備申告
輸入許可前引き取り承認
納期期限の延長
海上小口簡易申告制度
特例輸入者制度

カテゴリ一覧

輸出・海外販路

ベトナム貿易

輸入

関税計算ツール

国際輸送

貿易コラム

タイ貿易

中国貿易

他のカテゴリを見る

タグとまとめ記事

記事を検索