自動車部品や金属製品を輸出する際には、サビや衝撃による損傷に留意します。特に海上輸送は、湿気や塩害の影響を受けやすく、腐食のリスクが高いです。また、重量物でもあるため、固定方法を誤ると荷崩れや破損の原因となります。
自動車部品・金属製品の国際輸送
サビ・湿気対策
自動車部品や金属製品は、空気中の湿気と触れることで錆びやすいため、防錆対策を施します。防錆油を塗布することで金属表面をコーティングし、酸化を防ぎます。さらに、防錆紙、防錆フィルムで密閉包装することで湿気の侵入を防ぎます。
乾燥剤の使用も効果的です。密閉された梱包内に乾燥剤を配置することで、湿度を一定に保ち、サビの発生を抑えられます。特に海上輸送では、コンテナ内の温度変化による結露が発生しやすいため、湿気を吸収するシートや特殊な包装を併用すると、より効果的です。
最新の防錆対策
気化性防錆剤を含む特殊な包装材料が開発されています。これらは複雑な形状の部品にも容易に適用でき、長期間の防錆効果を発揮します。
参考情報:大和化成株式会社の気化性防錆剤「VERZONE ® 」ベルゾン
衝撃対策
輸送中の衝撃による損傷を防ぐため、梱包には耐衝撃性の高い材料を使用します。小型の部品は、個別に発泡スチロールやクッション材で包み、振動の影響を受けにくくします。エンジンや大型部品のような重量物は、木枠梱包を採用し、輸送中の揺れや衝撃を最小限に抑えます。
貨物の固定には、パレットとラッシングベルトを使用します。さらに、輸送中の揺れを吸収するために、緩衝材やバンド固定を活用すると、より安全な輸送が可能になるでしょう。
木枠梱包の注意点
国際貿易では、木製梱包材に関する厳格な規制があります。これは害虫の国際的な拡散を防ぐためで、輸出前に特定の処理が必要です。(国際基準ISPM No.15)
梱包方法の選択
梱包方法は、輸送手段や製品の特性に応じて適切に選択します。小型部品は、強化ダンボール+内部に緩衝材を入れて輸送することで軽量化と衝撃吸収を実現できます。一方、大型部品は木枠梱包を行い、パレットに固定することで、荷崩れを防ぎます。
防錆対策が必要な金属製品は、防錆油と密閉包装を併用することで、長期間の輸送にも耐えられる状態を維持できます。特に海上輸送では、輸送中の湿気や塩分を考慮し、バリア梱包を採用することが推奨されます。
バリア梱包とは?
金属蒸着フィルムを用いた包装方法です。この方法は、水分や酸素の侵入を極めて効果的に防ぎ、長期保管や海上輸送時に特に有効です。
適切な輸送手段の選び方
自動車部品や金属製品の輸送方法は、FCL(コンテナ貸切輸送)、LCL(混載輸送)、航空輸送のいずれかを選択します。
FCL
FCLは大量輸送に適しており、一括輸送によるコスト削減が可能です。また、コンテナ単位での管理ができるため、貨物の保護がしやすく、湿気対策もしやすいです。
LCL
LCLは小ロットの輸送に適しており、費用を抑えながら輸送が可能です。しかし、他の貨物と混載されるため、貨物の汚損や衝撃リスクが高くなります。適切な緩衝材や梱包材を使用することがポイントです。
航空輸送
航空輸送は、納期を短縮したい場合に最適です。特に高付加価値の部品や、迅速な供給が求められる製品に向いています。ただし、重量制限があるため、大型の部品や大量輸送には向きません。
まとめ
自動車部品や金属製品の輸送では、サビ対策として防錆油や密閉包装を活用し、湿気の侵入を防ぐことが重要です。また、輸送中の衝撃を防ぐため、発泡スチロールや木枠梱包、パレット固定を適用し、安全な輸送を実現します。
輸送方法としては、大量輸送にはFCL、小ロットにはLCL、短納期が求められる場合は、航空輸送が適しています。それぞれの方法に応じた適切な梱包を施し、輸送中のリスクを最小限に抑えることが求められます。


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