国際郵便(EMSなど)の金額欄には「N.C.V」と書いてはいけない理由

NCV国際郵便(EMS)
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国際郵便などの送り状(ラベル)には、自分の住所、梱包する商品などを「英語」で記載します。記入するときに悩むのが「商品の金額」です。

無料でプレゼントする場合、金額欄は、どのように記載すれば良いのでしょうか? 無料でプレゼントするわけですから「0円」と記載すればいい気がします。0円の代わりに「N.C.V」と記載しても良さそうですね。一体、どちらが正解なのでしょうか?

そこで、この記事では、無料の貨物を送るときの金額欄に記載するべき価格をご紹介していきます。

無料(プレゼント)であっても本来の価格を記載

ラベル

 

送り状の金額欄には、相手に対して無料で貨物を送るときであっても「貨物本来の価格」を書くことになっています。貨物本来の価格とは、貨物の「価値」のことです。この場合における貨物の価格とは、貨物そのものの価値が問われているため、それを「無料」であげるのか? それとも「有料であげるのか?」は重要ではありません。

その貨物は、一体、いくらの価値があるのか? を正しく記載することが重要です。

例えば、海外にいる友人に荷物を送ります。送る荷物は、女性用のズボン、帽子などです。これらを無料でプレゼントするとします。この場合、これら商品の金額は「女性用のズボンが5,000円、帽子は1,000円」するのが正しい記載方法です。無料でプレゼントするからといって「N.C.Vや0円」と記載してはなりません。

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相手に無料でプレゼントしても、貨物自体の価値はかわりませんね。新品であれば「新品の価格」があり、中古であれば経過年数や状態に応じた「中古の価格」が存在するからです。

金額欄に無料(N.C.V)と書いてはいけない理由

輸入 問題

無料の商品であるのに、なぜ「本来の価格」を記載しなければならないのでしょうか。この理由として次の三つがあります。以下は、税関外郵出張所(国際郵便などに対する通関を取り仕切る税関)の職員からの回答となります。

  1. 税関は「N.C.V」と記載する貨物に疑いの目があります。
  2. 税関検査の確立があがります。
  3. 税関から価格の問い合わせがあるため、遅くなりやすいです。

1.N.C.Vに疑いの目

外国の商品が入ってくるときは、商品に応じた関税がかかります。税関の仕事は、この関税の徴収にあります。この関税は、商品の価格に対して何パーセントと課税されるため、金額欄がとても重要になります。仮に金額欄にN.C.Vと記載されている場合、税関は関税の徴収が正しくできません。むしろ「関税をごまかすためではないか?」と疑ってしまいます。これをさけるため、金額欄には「貨物の価値」を記載するようにします。

2.税関検査の確立が上がります。

海外から国際郵便が届くと「国際交換局」で荷物などの取り扱いがなされます。この中に「税関外郵出張所」があります。ここで荷物に対する検査や関税の徴収などが行われています。外郵便出張所には日々膨大な貨物が到着するため、すべての貨物に対して税関検査を行うことは不可能です。したがって、怪しいと思われる荷物から優先的に検査を行行っています。

上記でも述べましたが、ラベルの金額欄に「N.C.V」だけ表記されている物は、疑いの目で見られます。もちろん、税関検査によって貨物の内容を確認する確率が必然的に高くなります。

3.税関の価格問い合わせによる時間的なロス

到着した貨物の送り状(金額欄)が「N.C.V」となっている場合は、税関としても関税を徴収するべきかを判断できません。そこで、税関は商品の価格を「荷物の受取人」に対してハガキなどで行います。問い合わせが行われている間、そのまま貨物は留め置かれることになります。商品の到着が遅くなるのは、このような商品価格の特定に時間がかかるためです。

以上の三点の事実をふまえると、国際郵便のラベル(送付状)の中にある金額欄には、「N.C.V/No Commercial Value(商用価値なし)」と記載するべきではありません。NCVと記載すると、その分だけ、手間と時間を浪費してしまいます。

結局、金額欄は、どのように記載すればいいの?

貨物の金額欄には「貨物本来の価格」または「本来の価格から適切な値引きをした価格」を記載してください。このときの価格とは、Priceではなく、Value(価値)の方です。以下の説明を参考にして記入して下さい。なお、例1と例2は「GIFT」、例3は「商用見本」にチェックが入れるようにしましょう。

例1~3のインボイスには「No Commercial value for Customes Purpose Only」の表記を加えています。これは、金銭のやり取りはないけれど「通関用にあえて値段(商品本来の価値)を記載するなら~」という意味になります。

例1:日本の小売店で20,000円相当のアクセサリを購入して、海外の友人に送付する場合 このときの価格は「小売店での購入価格」になります。

No Commercial Value for Customs Purpose Only

品名数量金額
ACCESSORIES1JPY 20,000

例2:日本の小売店で10,000円相当の帽子を購入して自分が使用した中古品をプレゼントします。これを海外の友人に送付する場合、このときの価格は「感覚」になります。経過年数と状態を参考にして、適正な価格を「自分」で決めます。まさに感覚です。どれだけ使ったのか?経過している年数をもとに妥当な価値を考えてみてください。

No Commercial Value for Customs Purpose Only

品名数量金額
HATS(USED)1JPY 1,000

例3:日本の会社が海外の会社へ商品見本を提供します。このときの価格は「自社で販売している価格に近い数字」です。例:原価など

No Commercial Value for Customs Purpose Only

品名数量金額HSコード原産国
Whetstone(Sample)1JPY 50,0006804.10JAPAN

記載する金額に関する注意点

なぜ、これほど貨物の金額が重要なのでしょうか? 実は、貨物の金額は、税関が行う関税に関する計算の他、貨物にかけられている保険の計算にも使われます。

国際郵便など貨物を送ると、一定額の範囲内の補償であれば、自動的に保険がつきます。万が一、貨物が紛失や壊されてしまったときに補償してくれるため、とても安心ですね。この補償の計算根拠になるのが、書類に記載している「貨物の金額」です。

保険金の支払い対象になるのは、送付状に記載した「金額」に+αです。そのため、ここに「0円」等の記載していると、万が一貨物の補償を求めることになったとしても「0円(N.C.V含む)」が補償金額の基準になってしまいます。このような理由から、送付状に記載する金額をN.C.Vにすることはお勧めできません。

まとめ

EMSや国際小包などの送り状やインボイスなどに記載する「商品金額欄」に「N.C.V」と書いてはいけません。この表示は「商用的価値はなし」を示すものであり、適切な商品価値を示す物ではないからです。

例えば、お店の店員に「この商品はいくらでしょうか? 」という質問をしたとします。この質問に対して「商用的価値はなし(N.C.V)」などと答えが返ってきたら意味がわかりませんね。本来であれば「1,000円」や「2,000円」といった「具体的な数字」が答えとして適切なことが分かります。世の中には「N.C.V」などという価格は存在しません。

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