サプライヤー証明書の注意点を解説!ひな形もダウンロード可能

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    サプライヤー証明書とは、商品に含まれる原材料部分の原産性を証明する書類です。具体的には、原材料のメーカー最終完成品のメーカーに対して「自社の商品が原産であること」を証明する書類です。そして、最終完成品のメーカーは、サプライヤー証明書を最終完成品の原産資格割合の一部を証明する書類として使います。

    今回は「サプライヤー証明書」の概要、発行するときの注意点などをお伝えしていきます。なお、サプライヤー証明書を不正に取得すると「検認」によって、関税免除の取り消しがなされる可能性があります。その場合、特定原産地証明書のペナルティが発生します。

    サプライヤー証明書とは?

    サプライヤー証明書とは、ある商品の中に含まれる原材料を「日本の材料」と「外国の材料」に分けた後、日本の材料について「日本の原産品であることを証明する」書類です。

    サプライヤー証明書の作成は、原料を納入している企業が行います。また、具体的な利用方法は、最終品の生産者が以下のようなワークシートを作成した後、これを証明する書類として保存しています。このシートを「原産性を証明するワークシート」と言います。

    サプライヤー証明書 hunade

    • サプライヤー証明書を要求する人=最終完成品を製造している人
    • サプライヤー証明書を提出する人=最終完成品の原料を供給している人

    原産性を証明するワークシートは、最終完成品の生産者が作成します。使っている原料を一行ごと記入していきます。この原料の中に「日本の原産品」があれば、それを証明するためにサプライヤー証明書を添付しています。左の赤丸内にあるのが原材料部分です。右側の四角の中に書かれているのがサプライヤー証明書の詳細部分です。

    例えば、バネという商品であれば、そのエビデンスとして「●●興産が発行しているサプライヤー証明書を保存しています!」と伝えます。もちろん、このサプライヤー証明書は、同じサプライヤーが作っている原料品であれば、まとめて一枚の紙に書くことができます。

    もし、原料のサプライヤーが違うのであれば、当然、別のサプライヤー証明書を用意しなければなりません。各サプライヤーごとに別のサプライヤー証明書を用意すると覚えましょう!

    車や化粧品であれば?

    車であれば….

    • タイヤ
    • ブレーキ
    • ハンドル
    • オイル
    • エンジン

    などがありますね。また、化粧品であれば…

    • グリセリン
    • BG
    • ベンチレングリコール
    • スクワラン
    • カルボマー

    などがあります。要は、完成品と、それを構成する部材(原材料)の関係です。そして、この部材をさらに一つ一つ考えると、様々な会社が製造しています。

    例えば、自動車であれば、

    • タイヤは、株式会社A
    • ブレーキは、株式会社B
    • ハンドルは、株式会社C
    • オイルは、株式会社D
    • エンジンは、株式会社E

    これらの会社を「サプライヤー」と言います。そして、このサプライヤーが提供する部品について「協定上の原産品であること」を証明するのが「サプライヤー証明書」です。まずは、この完成品、部材、サプライヤー、そしてサプライヤー証明書の関係を頭に入れておきます。

    • 完成品は、部材(部品・原料)をまとめて一つにした物→車、完成品の化粧、食べ物など
    • 部材は、完成品を構成するための一つの原料→ ケーキでいえば、小麦粉、卵、牛乳など
    • この部材を供給する業者をサプライヤー、そして、このサプライヤーが供給した部品に原産品であることを証明するのがサプライヤー証明書

    サプライヤー証明書の見本

    サプライヤー証明書の見本は、次の通りです。

    サプライヤー証明書

    1.生産者情報

    ここで言う生産者とは、サプライヤー証明書の発行をお願いする方です。原材料を仕入れて最終完成品にしているメーカー、つまり原産品判定を受けたい人のことを言います。ある商品を分解すると、完成品として最後の製造を行う最終生産者と、その完成品を作るための原材料を製造している生産者の2者がいることがわかります。あくまで最終完成品の生産者からの視点です。

    サプライヤー証明書は、原材料の生産者から完成品の生産者へ宛てられる「原産を証明する書類」です。つまり1番に入るのは最終完成品の生産者の名前になります。

    2.サプライヤーの氏名

    原材料の供給をしているサプライヤーに関する情報を書きます。

    3.協定名

    どの国との協定を使うのかを書きます。例えば、日本とタイとのEPAを使うのであれば「日タイEPA」「日タイ経済連携協定」となります。以下の7番の判定基準などは、ここで記入する経済協定で決めらている内容が基準になります。

    4.品名

    原材料名(日本語)/原材料名(英語)と書きます。

    5.製造番号や型番など

    製造する原材料の製造番号や型番号などを書きます。

    6.HSコード

    原材料が該当するHSコードを書きます。このHSコードは、税関や通関業者などで調べてもらうようにしましょう。

    7.判定基準

    上で決まったHSコードで決められている原産基準を書きます。この基準は、各協定の本文三章付近にある一般規則や品目別規則で調べることができます。この基準の中には、CC(二桁変更)、CTH(四桁変更)、CTSH(6桁変更)、RVC40%などのルールがあります。どの基準をもって原産品として判断したのかを書きましょう。多くの場合、CCやCTHとなるはずです。

    8.生産場所

    その原材料(完成品)は、どこの工場で生産したのかを書きます。実際に商品を製造している工場の住所、工場名などを書きます。もし、生産を委託しているときは、その委託先の工場に関する情報を書きます。

    特定原産地証明書とサプライヤー証明書の関係

    次にサプライヤー証明書と、特定原産地証明書の関係を説明します。記述の通り、特定原産地証明書を取得するときは、原産性資料を用意する必要があります。この原産性資料とは、輸出する商品が「本当に日本の原産品であるのか?」を証明するものです。より具体的に言えば、CTCルールで証明するときは、対比表。VAルールで証明するときは、ワークシートです。

    特定原産地証明書を取得する人は、これらどちらかのルールを使い証明します。このとき、対比表やワークシートの中に含まれる部材(原料)を「原産材料」として申請するときに必要になるのがサプライヤー証明書です。非原産として申請すれば不要です。

    原産性とは何か?

    ここで一つの疑問が生まれてきます。特定原産地証明書の「原産性とは何か?」です。原産と書かれているため、日本で製造されていれば良いのでしょうか? または、全て日本の原材料だけで作れば良いのでしょうか? 残念ながら、どちらもEPAの原産性の定義には当てはまりません。EPA上の原産性とは、品目ごとに決められている「原産性ルールを満たす物」を言います。

    例えば、口紅を輸出するとします。このとき、口紅の特定原産地証明書を取得するときは、口紅に定められている原産性条件を満たすようにします。もちろん、この原産性ルールは、何の商品を。どこの協定を使うのか?によって、細かく決められています。仮に、日本とタイとの協定上における口紅の原産性ルールを調べてみると….以下のように定義されています。

    第三三〇二・一〇号から第三三〇六・一〇号までの各号の産品への当該各号が属する項以外の項の材料からの変更、
    原産資格割合が四十パーセント以上であること(第三三〇二・一〇号から第三三〇六・一〇号までの各号の産品への関税分類の変更を必要としない。)又は、
    使用される非原産材料についていずれかの締約国において化学反応、精製、異性体分離の各工程若しくは生物工学的工程を経ること(第三三〇二・一〇号から第三三〇六・一〇号までの各号の産品への関税分類の変更を必要としない。)。

    引用元:原産地規則ポータル 関連記事:原産地規則ポータルの使い方

    内容を見ると、少し難しく感じられますね。ただ、今は内容を理解しようとするのではなく、原産性とは、品目ごとに決められている原産性条件をクリアする物だと覚えておきましょう。逆に言うと、この原産性ルールを満たさない限り、日本の工場で生産したとしても、EPA協定上の原産品にすることはできません。

    「原産」が持つ2つの意味

    EPA上の原産とは、品目ごとに決められている原産性ルールを満たすことです。そのため、特定原産地証明書を取得するときは、まずは原産地規則ポータルなどを使って、協定で定められている原産性ルールを確認することからスタートします。また、このとき、忘れてはならないのが、この原産には次の2つの意味が含まれていることです。

    1. 完成品の原産性
    2. 完成品を構成する部材の原産性

    完成品の原産性とは、口紅であれば、口紅全体を考えることです。一方、部材の原産性とは、その口紅を構成する原材料が原産性を満たしているのか?を確認することです。この記事のテーマにしているサプライヤー証明書は、後者の原材料の原産性を証明するための書類です。

    サプライヤー証明書の問題点

    何らかの商品の特定原産地証明書を取得するときは、基本的に、原材料をすべて『非原産』として申請して、必要な分だけを「原産」にすることが一般的です。このようにすることで、原産部材として申請するときに必要になる「部材メーカーからのサプライヤー証明書」が不要になるからです。

    下の表のように、必要最低限だけ原産品として申請します。必要最低限だけがポイントです。とはいえ、ルール上、どうしても原産性部分を必要になることもあります。この場合は、部材(原料)を供給している所からサプライヤー証明書を取得して、部材自体の原産性を証明します。しかし、このとき、一つ大きな問題点があります。それが、部材メーカーがサプライヤー証明書を発行するときに、部材自体の原産性を確認しないまま発行してしまうことです。

    少し頭が混乱しそうですね。ここでおさらいをしておきましょう! まず、特定原産地証明書を取得する人は、完成品全体の原産性を立証することが求められます。完成品の全体の原産性です。この原産性を利用するときは、多くの場合、使っている原料を非原産として申請をして、なるべくサプライヤー証明書を取り寄せないようにしています。

    しかし、ケースによっては、原材料についてもサプライヤー証明書で原産性を証明する必要がでてきます。(CTCであれば、HSコードが変更しない。かつデミニマスや累積でも救済不可のとき。VAルールであれば、原産資格割合が足りないときなど)完成品の製造者は、部材メーカーからサプライヤー証明書を取得して、完成品全体の原産性をクリアします。

    つまり、特定原産地証明書を取得する人が、部材の供給者にサプライヤー証明書を発行してもらうときは、供給者に対して、協定上のルールを伝えて、原産品としての定義を満たしているのか?を確認してもらう必要があります。仮に、完成品をCTCルールで証明しているのであれば、サプライヤーに対して「対比表(サプライヤー用)」などを渡して、判定してもらいます。

    一方、完成品をVAルールで証明しているのであれば、部材自体もVAルールで決められている閾値(しきいち=およそ40%)を超えていることを確認してもらいます。サプライヤーは、この対比表(サプライヤー用)の結果をもって、原産品であれば、サプライヤー証明書を発行する流れになります。

    特定原産地証明書を取得する人→ 原材料を『原産品」として申請する物のサプライヤー証明書を取り寄せます。

    部材のサプライヤー → サプライヤー証明書を要求している人から原産性ルールを聞き、それに基づき、自社の供給部材が原産性があるのか?を判定します。判定後、原産性が確認できれば、サプライヤー証明書を発行します。逆に言うと、原産性の確認をしていないのに、むやみにサプライヤー証明書を発行してはいけないということです。

    もし、サプライヤー証明書の根拠があやふやなまま発行していると、輸入国政府から行われる「検認作業」のさい、誤りが指摘されて、原材料の原産性が否認される可能性があります。原材料の原産性が否認されると、完成品に対する原産性も否認されることになり、つまり、これまで免税扱いになっていた関税も徴収さます。もちろん、この徴収は遡及的に行われ、かつペナルティが加算されます。

    サプライヤー証明書を受け取る人が発行主に対して確認するポイント

    このような事実をふまえると、特定原産地証明書を取得する人がサプライヤー証明書を受け取るときは、次の2つの点を確認しなければならないことがわかります。

    1. サプライヤーに対して、協定上の品目ルールを伝えているのか?
    2. サプライヤーは、対比表(サプライヤー用)などで原産品を確認した後、サプライヤー証明書を発行しているのか?

    根拠に基づきサプライヤー証明書を発行しているのか?が重要です。間違ってもサプライヤー証明書という紙一枚だけを書けばいいと考えてはいけません。証明書を発行するには、発行するだけの根拠が必要です。その根拠を対比表(サプライヤー用)で確認します。

    そして、特定原産地証明書の取得する人は、サプライヤーに対して、完成品は、どちらのルールで証明しているのか?を伝えます。どちらのルールとは、CTCルールまたは、VAルールのことです。サプライヤーは、これらのルールに沿って、自社の商品(部材)に対する判定を行った後、サプライヤー証明書を発行します。

    サプライヤーがサプライヤー証明書を発行するときの正しいフロー

    サプライヤー証明書

    サプライヤー証明書のダウンロード

    サプライヤー証明書のひな形を作成しました。この資料は、経済産業省が公開する「EPAの保存すべき資料の例示」を参考にしています。よろしければ、ご自由にお使いください。ただし、二次配布等はおやめください。

    サプライヤー証明書をダウンロードする!

    まとめ

    • サプライヤー証明書を受け取ることで、原材料に対する原産性を証明できます。
    • サプライヤー証明書を発行するときは、原産の根拠を示す書類が必要です。
    • 特定原産地証明書を取得する人は、サプライヤーに対して、原産ルールを説明して、協定上の原産品であることを確認してもらわなければなりません。
    • このようなわずらわしさから、基本的に部材を非原産として申請して、必要最低だけ原産品として申請するのが一般的です。
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