日本へぬいぐるみを輸入するときの関税率とHSコード、食品届に関する注意点を説明します。
ぬいぐるみの輸入関税とHSコード
ぬいぐるみ(人形)の関税
- HSコード:9503.00.000
- 基本税率及びWTO税率:基本無税
- EPA:韓国・中国産、オースト産を除き無税
関税率の決定要因は原産国のみ
関税率表上では、ぬいぐるみは「人形」と表現されています。関税率の決定要因は「原産国」です。基本税率から無税のため、EPAや特恵等の適用を考えなくてもいいです。(逆にEPAを適用すると関税が発生する可能性=中国産等)
以下は、税関で聞かれることが多いポイントです。
- 人間の形を模した物か?動物の形をしている?
- ぬいぐるみの中に詰め物をしている?
- 紡織用繊維の織物製またはプラスチック製のもの?
- 卑金属製かプラスチック製?
幼児向けぬいぐるみを輸入するときの注意点
幼児向けのぬいぐるみ
は、口に含むことを前提として「食品衛生法」の対象です。この点、見落としやすいので注意しましょう!
日本国内へ「ぬいぐるみ」を輸入する際は、税関への手続きと、厚生省への手続きの二つが必要です。
では、ここで幼児向けぬいぐるみの定義を確認します。
幼児向けのぬいぐるみとは?
厚生省や日本玩具協会の文章では、幼児向けのぬいぐるみを次のように定義しています。
その該当性は「一般消費者が乳幼児(6歳未満の小児)向けのおもちゃと認識して乳幼児に与える蓋然性の高いもの」かどうかによる。(Q1-1)
「6歳以上」といった対象年齢の記載など、乳幼児向けでない旨が製品に明瞭に表示されているものは、「指定おもちゃ」に該当しないとして扱ってよい。
なお、乳幼児が容易に手にとって口に接触することが想定しがたい大きさ又は重量のぬいぐるみであれば、指定おもちゃの範囲に含まれないものとして扱って差し支えありません。
要点
- ぬいぐるみが指定おもちゃに含まれるか?
- 含まれる場合でも大きさや重量等が一定以上か?(大人用)
- 販売する際の表記方法が幼児を対象としてないか?
例えば、大きさの要件を満たす物として「大きなクマのぬいぐるみ」があります。これであれば、幼児が口にできません。また、重いぬいぐるみも同じ理由から外れます。このように幼児が簡単に「持ち歩けない」「口にできない」大きさや重さのぬいぐるみであれば、規制対象外です。
また「ぬいぐるみの販売時に6歳以上を表記する」ことでも規制から外れます。
例えば、おもちゃ売り場でぬいぐるみが販売されていたとします。このとき、売り場の棚などに「ぬいぐるみは、六歳以上を対象としています」と表記したり、ぬいぐるみのタグに「対象年齢が6歳以上」であることを表記したりすることです。
上記の二点のうち、どちらかを満たす場合、ぬいぐるみの輸入には、食品届けが不要(食品衛生法の対象外)は不要です。
しかし、これらの条件を満たしているからといって、必ずしも規制の対象にならないわけでありません。
例えば、ぬいぐるみのタグに「対象年齢が六歳以上」と表記しているにも関わらず、実際にぬいぐるみを確認すると、あきらかに乳幼児を対象としているような「態様(姿)」をしているなどです。この場合は、規制の対象になりますので注意が必要です。
まとめ
今回は、ぬいぐるみの輸入関税・HSコード、その他の注意点を紹介しました。幼児向けのぬいぐるみには、食品衛生法による規制が行われています。このような商品を輸入する場合は、通常とは異なる手続きが必要であることを覚えておきます。
もし、通常の輸入と同じように考えていると、かなり痛い目に遭います。厚生省の食品に関する確認ができていないと、税関の許可が下りません。したがって、港(保税地域)にて長期間にわたり留め置く必要が出てきます。当然、それらの費用は、すべて輸入者が負担しなければなりません。
ぬいぐるみの輸入については、関税よりも「食品衛生法の対象になるのか」をしっかりと調べるようにしてください。
- HSコード:9503.00.000
- 基本税率及びWTO税率:基本無税
- EPA:韓国・中国産、オースト&ニュージー産を除き無税
- 幼児向けのぬいぐるみは、食品衛生法の対象
- 規制対象外となる条件は、大きさ、重量・販売方法等
- 知識ゼロからの食品の輸入手続き
- 食品を輸入するときに関係する法律
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