例えば、日本で生産された産品をマレーシアへ直送する。 この場合、マレーシア税関は、日本からの貨物として関税の免除を適用してくれます。しかし、日本→中国→マレーシアの場合、第三国(中国)を経由するため、免税の恩恵を受けられません。
しかし、実務上、シンガポールの倉庫に一時保管をして、そこから東南アジア全域に配送することもありますね。このとき、役立つのが「Back to Back CO」です。
そこで、この記事では、EPAを活用するときに、第三国を経由しても、貨物の原産性を保てる「Back to Back CO(連続する原産地証明書)」の仕組みをご紹介していきます。
- 日アセアン協定など、Back to Back COを認めている自由貿易がある
- Back to Back COは、第三国の税関が発効する証明書
- Back to Back COを利用すれば、第三国に保管しながら適宜、輸出ができる。
第三国の倉庫から搬出して、関税の免税特典をうける方法
EPA(自由貿易)は、第三国を経由すると、原産性(貨物が原産品であること)が失われます。つまり、日本から輸出するときに、しっかりと書類を用意していても、第三国を経由すると、輸入国側で関税の免除を受けられなくなる可能性があります。しかし、東南アジア方面に貨物を輸出している方は、シンガポールの倉庫へ一括で納入した後、東南アジア各国へ注文数に応じで配送したい方も多いはずです。
このような場合、どうすればいいのでしょうか? 上記の場合、シンガポールは第三国であるため、直送条件を満たすことができない?と感じてしまいます。しかし、EPAには、上記のように第三国を経由しても、原産性を保つことができる便利な仕組みがあります。それが「Back to Back CO」です。
Back to Back COとは?
Back to Back COは、輸出国と輸入国との間に位置する第三国の税関(上記でいえば、シンガポール)が、「この貨物は、中継国において何の加工もしていない」と証明することです。輸入者は輸入国申告をするときに、第三国が発行したBack to Back COと特定原産地証明書を合わせて提出することで、関税の免除を受けられます。
ただし、Back to Back COを受けるための絶対的な条件は「一切の加工をしていないこと」です。つまり、輸送上やコスト上の問題から、第三国の倉庫で保管して、そこから適宜、輸出していく。でも、貨物自体には、一切の加工をしていない。これがBack to Back COを利用するための条件です。
Back to Back COを受けるには?
では、実際、Back to Back COを受けるには、どのようにすればいいのでしょうか?
例えば、日アセアン協定の加盟国である日本、シンガポール、ベトナムで考えてみましょう。日本から輸出した後、シンガポールの倉庫で保管、適宜、ベトナムへ輸出される流れです。よって、それぞれの立場は、次の通りです。
- 日本・輸出国
- シンガポール・中継国
- ベトナム・輸入国
Back to Back COの流れ
- 日本において特定原産地証明書を取得します。
- シンガポール税関において、1の特定原産地証明書を提出します。シンガポール税関は、シンガポール国内において、ただ単に保管をしているだけ。何の加工もしていないことを確認した後、「Back to Back CO」を発行します。需要状況により、適宜、ベトナムへ輸出していきます。(分割輸出可能)
- 輸入者は、輸入申告時に、ベトナム税関に対して、日本から発行された特定原産地証明書と、シンガポール税関から発行されたBack to Back COを提出します。これにより、日本からベトナムへ直送されたときと同じように、免税を受けられます。
よくある疑問・ただ単に積み替えのときは?
船の航路上の問題などから、シンガポールなどで積み替えをすることがあります。この場合は、Back to Back COではなく、「通しB/L(スルーB/L)」を提出すれば、輸入国側で関税の免税を受けられます。
まとめ
- EPA(自由貿易)の原産性は、輸出国から輸入国へ直送することで保たれます。(原則)
- ただし、次の2つの内、いずれかに当てはまるときは、直送は不要です。
- 1.本船の都合により、積み替えれるとき=スルーB/Lを提出
- 2.第三国で倉庫保管をするとき=Back to Back CO
- Back to Back COは、ただ単に保管されているだけ、何の加工もしないことが条件です。
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法人 | 大阪 | 高雄/台湾 | プラスチック製品 | 40フィート |
個人 | 東京 | バンコク | 日本酒 250kg | リーファー |
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