輸入割当と関税割当の違いとは?

この記事は約4分で読めます。

関税割り当ては、ある一定の数量までは、低率の関税率を適用して、一定量以上になると、通常の関税率に戻す仕組みです。二段階の関税率が設定されていることによって、国内産業保護と、国内価格の安定の2つの目的を達成できます。表面的には、効率的な制度だと感じます。

さて、関税割当について調べると、同時に「輸入割当(ゆにゅうわりあて)」という言葉を目にすることがあります。関税割当と聞いたら、今度は、輸入割り当てです。似た言葉であるため、少し混乱される方も多いはずです。実は、これらの2つの割当は、同じ「割当」という言葉が使われていてもまるで意味が違うため注意しなければなりません。

関税割当は、ある商品について低関税と高関税の二段階の関税率を設定しているだけであり、輸入自体を制限していません。一方、輸入割当は、関税率の話ではありません。日本へ「自由に輸入できない物」を指定して、輸入自体を規制する仕組みのことす。そのため、輸入割当で指定されている商品を輸入するときは、決められた条件をすべて満たす必要があります。

そこで、この記事では、輸入割当と関税割当の違いを詳しく説明していきます。

関税割当と輸入割当

輸入割当と関税割当の違いを知るために、まずはこれらがどのような関税制度なのかを詳しく説明していきます。

関税割当とは?

関税割当は、革靴、皮革製品、それに農産物や動物から作られた製品(バター)などの品目について、本来よりも低い関税率を適用する制度です。しかし、この低い関税率が無制限で適用されると、国内産業にダメージがあります。

そこで、低率で輸入できる量を「具体的な年間数量」によって決めています。この数量のことを「割当枠(わりあてわく)」と言い、この割当枠内にかかる税率を「一次税率」と言います。そして、この数量を超えた部分については、元通りの関税率(二次税率)がかかるようになっています。

このような二段階の仕組みがあることによって、国内産業を保護しつつ、国内価格の安定を図るようにしています。これが関税割当制度です。さらに詳しく知りたい場合は「関税割り当ての仕組み」の記事をご覧ください。次に輸入割り当ての仕組みをご紹介します。

関税割り当て HUNADE

輸入割当とは?

輸入割当とは、ある一定の品目について、その輸入を禁止している物を「限定的に解除」する事です。この規制の対象になっている品目を「非自由化品目」と言います。主な対象品は、水産物やモントリオール議定書附属書に定める規制物質です。もし、輸入割り当てに指定されている品目を輸入する場合は、経済産業省より「輸入割当」を受けることが必要です。では、さらに具体的に見ていきましょう。

下の表をご覧ください。これらが輸入割当の対象になっている物の一覧です。さばやいわしなど、私たちの食卓には欠かせない大衆魚が並んでいますね。日本で獲れたものを優先的に消費してもらうために、非自由化品目にして、外国産の流入をコントロールしています。

hunadeのサービス
にしん たら さば いわし
あじ さんま ホタテ いか
食用の海苔(手巻き寿司) 食用の海草(こんぶ) あまのり属の海草など 海草の調整品

ちなみに、モントリオール議定書で規制されている物質とは、オゾン層を破壊する物質のことを指します。

輸入割当で最も大切なポイントは「基本的に輸入を禁止している。でも、ある一定の輸入数量までは、輸入を許可している。」禁止の中に「許可」があるイメージです。

輸入者は、この許されている部分(黄色の部分)を経済産業省から割当ててもらいます。この許可(割当)のことを「輸入割当」と言います。つまり、輸入割当品目に指定されている物は、経済産業省から輸入割り当てを受けない限り、輸入ができないことになります。

輸入割当

ここまでの説明で関税割り当てと輸入割り当ての仕組みを説明してきました。では、関税割り当てと輸入割当の決定的な違いは、どこにあるのでしょうか?

輸入割当と関税割り当ての違い

輸入割当は、基本的に禁止されている品目の輸入を一定数量以下に限り許可する物です。一方、関税割当は、一定の数量以下の品目について低率の関税を課し、それ以上の物には通常の関税をかける仕組みです。どちらも一定の数量というのが基準になっていることがわかります。では、これらの決定的な違いは何になるのでしょうか。それが「一定の数量以上になっても輸入できるか、できないか」にあります。

先ほども述べた通り、関税割当は、一定の数量以上であると、高い関税率に切り替わります。もちろん、関税率が高くなってしまいますが、輸入できる量に上限があるわけではありません。一方、輸入割当の場合は、一定の数量以上になると「輸入が禁止」になってしまいます。どれだけ高い関税を支払ったとしても、輸入自体が完全に禁止になってしまうのです。

関税割り当ては、一定数量以上でも輸入可能。対して輸入割り当ては、輸入禁止になることが最大の違いです。

関連記事:輸入できないときのリスクを考えていますか?積戻しと滅却処分

まとめ

輸入割り当てと関税割り当ては、どちらも一定の数量を基準として何からの規制を行う物です。この2つは、同じ数量を基準としていますが、数量以上になっても輸入できるのか、輸入禁止になるのかで大きく異なります。輸入割り当ては、輸入禁止になり、関税割り当ては、高い関税を支払えば輸入ができます。

FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録

【HUNADE公式パートナー】

転送サービス

[スポンサードリンク]


通関代行・対比表作成支援、輸送見積もり等
お問い合わせはこちら!
タイトルとURLをコピーしました