「原産地規則ポータル」EPAで重要な品目別規則を一発で検索!

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関税ゼロで輸出や輸入する仕組みを「EPA」と言います。EPAを利用すれば、国境をまたぐときにかかる関税がなくなるため、貿易コストを大きく削減できます。仮にあなたが輸入者であるなら、輸入コストを下げられます。一方、輸出者であれば、現地でかかるはずの関税がなくなることにより、間接的に輸出を増やす効果を期待できます。これがEPAを利用するメリットです。

これを聞いて「わが社もぜひ、取り入れたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、EPAを利用するときは「貨物に原産性があるのか?」という注意点があります。産性とは「協定で決められている品目ルールを満たしている物なのか?」ということです。具体的には、各協定で決められている「品目別規則(ひんもくべつきそく」に沿った貨物であるのかが重要です。

貴社が輸出する商品は、品目別規則を満たしていますか? これがEPAを利用できるかどうかの大きなポイントになります。そこで、この記事では、各協定の品目別規則を簡単に検索できる「原産地規則ポータルの利用方法」をご紹介していきます。

原産地規則ポータル

原産品とは、その国で生産された商品であることを意味します。仮に日本であれば、日本で製造された商品が、日本の原産品になります。一方、外国で作っているのであれば、その外国の原産品になります。基本的には、この考えで間違いはありません。しかし、EPAにおける「原産品」とは、一般的な意味とは異なります。

EPAの原産品=各協定で決められている品目に係る規則を満たすもの です。

例えば、日本とタイとの間には「日タイEPA」などが結ばれています。この協定における原産品とは、日本とタイで決めた「品目に係る規則を満たしている物」を指します。たた単純に「日本で生産されただけ~」や「タイで生産された~」だけでは、原産品とはなりません。「協定で決められている品目ルールを満たすのか?」が大きなポイントです。

では、どのように品目別規則を確認すればいいのでしょうか? 実は一昔前までは、各協定の品目別規則は、外務省や経済産業のサイトから確認するしか方法がありませんでした。そのため、情報がバラバラになりがちで、検索をするには、なかなか大変でした。しかし、2017年9月から税関のサイトにおいて「原産地規則ポータル」が開設されたことにより、品目別規則の検索がとても楽に行えるようになりました。

原産地規則ポータルを利用すれば、各協定の品目別規則などを一つの検索画面から調べることができます。リサーチ方法も各協定ごと、品目ごとの条件フィルタをつけて行えます。難しい協定を読み込む必要もなくなりました。そこでこの記事では、この原産地規則ポータルを使って、品目別規則を調べる方法をご紹介していきます。

原産地規則ポータルの使い方

原産地規則ポータルにアクセスします。アクセスすると、以下の画面が表示されます。これが原産地規則ポータルのトップ画面です。EPAのうち、特に原産地規則の情報をメインに紹介している所になります。これまで経済産業省や外務省など、別々のサイトで表示されていた情報をこのページ内で一元的に調べることができます。

原産地規則ポータル HUNADE

トップページの中ほどに「ピックアップ」があります。原産地規則の検索をするときは、下の赤枠部分をクリックします。

原産地規則ポータル HUNADE

早速、各協定の品目別規則を検索をしてみましょう!

こちらが品目別規則の検索画面です。2017年現在、日本は15の国々とのEPAを結んでいます。この画面において、すべての協定における原産地規則を確認することができます。具体的な操作方法は、最初に1番で調べたい協定をチェックします。(複数の選択は不可です。)次に2番の空欄の中に、調べたい品目コード=HSコードを入力します。調べたい協定と品目コードを入力したら検索を押します。

原産地規則ポータル HUNADE

検索結果の画面はどうなる?

こちらが検索結果の画面です。今回は、日シンガポールEPAのコーヒーにおける品目別規則を調べてみました。品目別規則というのは下の赤枠部分のことです。

この品目の場合「第0901.11号 又は 0901.12号の産品への他のの材料からの変更」と書かれています。つまり、外国材料を使って生産してもかまわない。しかし、それを認めるためには、CTCルール(CC変更)の基準を満たすように決められていることがわかります。このような条件を「品目別規則」と言います。品目別規則には、CTCルールの他、VAルール(付加価値基準)、SPルール(加工工程基準)などがあります。

原産地規則ポータル HUNADE

それではもう一つ別の物を検索してみましょう!今度は、日タイEPA、新品のゴムタイヤの品目別規則を確認してみます。この場合も外国の原料を使っていても、日本の原産品にできるルールです。赤枠部分にご注目ください。この商品の品目別規則は、3つあります。これらのうち、いずれか一つの条件を満たすようにすれば、日本の原産品と認められます。

  1. 第4005項から第4011項までの各項の産品への当該各項以外の項の材料からの変更
  2. 原産資格割合が40パーセント以上であること
  3. 使用される非原産材料についていずれかの締約国において化学反応…….

ちなみに上記の1~3をルール名でいうと、以下のようになります。

1関税分類変更基準/CTCルール(CTH)
2付加価値基準/VAルール(閾値40%)
3SPルール/加工工程基準

原産地規則 HUNADE

原産地規則ポータルを利用する上での3つのポイント

原産地規則ポータルを利用するときは、次の3つポイントがあります。「1.HSコードのバージョンの違いに注意します。」「2.品名で品目別規則を探したいときは品目別原産地規則一覧」「3.選択した経済協定にないHSコードは該当しない」

1.HSコードのバージョンの違いに注意します。

EPAにおけるHSコードには「基準年」という考え方があります。2017年現在、日本における輸出入申告はHS2017という最新バージョンを基に行われています。しかし、各協定の品目別規則で示されているHSコードは「各EPAが発行されたときに使われていたHSコード」になります。これを基準年と言います。

日本は、最初の国とEPAを締結してから10年以上になります。このときに締結した国の多くは、東南アジア諸国になります。したがって、東南アジア諸国と結ばれている協定の原産地規則を調べるときは、原産地規則ポータルの検索フォームにも「HS2002のHSコード」を入力する必要があります。オーストラリアであれば、HS2012など、調べる協定ごとに入力するHSコードのバージョンを意識して使い分ける必要があります。

原産地規則ポータル

どうやってバージョンが異なるHSコードを調べるの?

税関が運営する実行関税率表(輸入)輸出統計品目表(輸出)で確認ができます。輸入と輸出の2つがあるため、間違えないようにします。以下の画像の通り、対応するHSコードが記載されています。

2.品名で品目別規則を探したいときは品目別原産地規則一覧

輸出または輸入する商品のHSコードがわからないときは、品目別原産地規則一覧ページから探します。このように品目名から協定ごとに対象のルールを知ることができます。

原産地規則ポータル HUNADE

3.選択した経済協定にないHSコードは該当しない

これは、ポイント1と似ています。各協定は基準となるHSコードのバージョンが異なります。商品に関する原産地規則を調べるときに、調べるHSコードを最新の2017を基準にすると「該当なし」と言われる可能性があります。そのため、必ず各協定で決められているHSコードのバージョンを基準にリサーチなどをすること大切です。

まとめ

EPAを利用して関税ゼロ輸出入をするときは、商品が「協定上の原産品であること」が重要です。ここで言う協定上の原産品とは、品目別規則を満たす物のことを言います。EPAを利用するときは、この品目別規則を調べることが求められます。この品目別規則を調べるときに役立つのが「原産地規則ポータル」です。調べたい協定名と、品目を入力するだけで、各協定、商品ごとに決められている品目別規則を調べられます。

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