VAルール(付加価値基準)の混乱を解決!内製品とは?

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EPA(関税無税で貿易をする仕組み)を利用するには、自社の商品が日本の原産品であることを証明する必要があります。主な証明方法は、CTCルールと、VAルールの2つです。この内、今回は、VAルール(付加価値基準)で証明するときに関係する「内製品(ないせいひん)」についてご紹介していきます。

VAルールと内製品

VAルールとは、商品を輸出するときの価格(FOB)の内、「どれだけ日本で価値を与えているのか?」によって、原産品であるのかを判断する方法です。しっかりと日本の価値が加わっているのかは、明確な基準が設定されています。輸出者は、自社の商品が「この価値基準を超えているのかどうか?」を証明します。

価値基準の目安

価値の基準となる目安は、利用する協定や輸出する商品によって異なります。平均的な目安で申し上げれば、FOB価格(輸出価格)の40%が基準であることが多いです。

輸出価格が100円であれば、40円以上の価値を日本で与えていること。これが付加価値基準の簡単な考え方です。では、この「付加価値」には、どのようなものが含まれるのでしょうか?

付加価値40%に含まれる内訳

原産品であるのかを判断する付加価値には、その商品を製造するときの人件費の他、利益、部材費用などが含まれます。付加価値には、自社工場の人件費や利益などを計上しても良い点が大きなポイントです。なぜ、この人件費がポイントになるのでしょうか?

VAルールで証明するときの付加価値の優先順位

商品の原産性をVAルールで証明するときは、付加価値に加えるべき項目の優先順位が大切です。先ほど、述べた通り、付加価値には、日本側の工場での人件費などを含めることができます。ここで質問です。商品を製造する上で、最も大きな費用は、何だと思いますか? もちろん、人件費ですね。その他、利益部分なども大きいです。

VAルールの最も基本的な考え方は、計上しやすい物を付加価値として積み上げること(積み上げ方式の場合)にあります。積み上げた結果、付加価値の基準を満たさない分を材料などで計上していくこと。これがVAルールによる正しい証明方法の手順です。

  1. 人件費と利益を計上する
  2. 足りない部分を部材で補う。

この1→2の手順の考え方がとても大切です。

ポイント:付加価値は、計上しやすい利益や人件費などから積み上げる。積み上げの結果、足りない部分を部材などで足します。

足りない部分を材料で補うときは、完成品と部品をわけて考えます。

利益などをつみ上げた結果、付加価値の基準を満たせないときは、足りない部分を部材の価値で計上します。いわゆる「日本原産品である部材」の価値を足していくことにより、足りない日本の付加価値を補うようにします。このとき、「完成品」と「部品(内製品など)を分けて考えることが大切です。

ちなみに、完成品とは、部材などを組み合わせて、作った何らかの最終商品のことです。

例えば、自動車であれば、ハンドル、ガラス、エンジン、その他、パーツなどを組み合わせて一つの「完成品(自動車)」ができますね。このときの完成品が自動車であり、その完成品を作るときに使うのが「自動車の部材」です。VAルールで証明するときは、まずは完成品と部品をわけて考えるようにしましょう!

部品とは、合理的なまとまり単位のこと

完成品に含まれる部品には、大きくわけると、次の2つがあります。

  1. 自社で製造した部材
  2. 他社が製造した部材

1の場合は、何らかの大元になる部材から、完成品で使うパーツなどを作る事が考えられますね。この場合の部材のことを「内製品」と言います。一方、2番の場合は、他社が製造した部材(外製品)となります。完成品に使っている部材といっても、内製品と外製品の2つを分けて考えるようにします。

部品とは、ネジ一本のことまでを指すの?

EPA上の部品とは、ネジ一本、一本を指すわけではなく、合理的なまとまり単位で考えることが認められています。例えば、エンジン、バッテリー、ガラスなどの単位のことを言います。

どちらの部材を使っても次の2つの点が重要になります。

完成品に使う部材は、内製品と、外製品の2つがあります。どちらの部材を使っても自由ですが、どちらも次の2つの条件を満たすことが必要です。

  1. 原産部材となるべき価格の根拠を示せること
  2. 部材自体が原産資格割合を満たすこと

1.原産部材となるべき価格の根拠を示せること

部材を計上するのは、完成品の原産資格割合が足りないときでしたね。そのため、部材自体も「計上するべきの価格の根拠」となる資料が必要になります。では、どのような資料がその根拠となるのでしょう?

済産業省の「原産性を判断するための基本的考え方と整えるべき保存書類の例示」の20ページには、次のように書かれています。つまり、社外に向けた請求書、その他、価格の妥当性を証明する書類のことをいいます。

根拠資料:社外向けの請求書などをエビデンスする。

・代替可能な同様の「材料・部品」を購入した場合の価格
・その他第三者が判断した場合に、適正と認められる価格
(市場において適正であると評価することが可能な価格)

2.部材自体が原産資格割合を満たすこと

先ほどから何度も述べている通り、原産品は、必ず完成品と部材にわけて考えるようにします。よろしいでしょうか?

完成品の原産資格割合 と 完成品に使っている部材の原産資格割合 の2つがあります。

部材の内、完成品の原産資格割合(日本で与えた付加価値)に加えるときは、その部材自体が「原産資格割合」を満たすことが重要になります。少し複雑ですね。この関係を示したものが以下の図です。

部材自体の原産割合は、各部材の材料価格(1番の根拠となる資料で算出する価格)と、その材料を製造したときに人件費などから計算します。これにより、原産資格割合を保った部材を使うことなになるため、完成品自体の原産資格割合の一部を構成します。

原産資格割合

ちなみに、他社製品の材料は、原産資格割合を満たせないときに限り原産品として計上します。

例えば、越えなければならない原産資格割合が40%だとします。人件費や自社製品などを合わせても39%にしかならないときは、他社製品を計上します。このような状況になって初めて、他社の原産部材を計上するようにします。なお、他社の部材を原産品として申請するときは「サプライヤー証明書」を記入してもらいます。

サプライヤー証明書は、その部品会社が供給した部材が確かに「日本の原産品であること」を証明する書類です、あなたは、このサプライヤー証明書を一緒に提出することにより、部品として使用している他社の部材の原産品を証明することができます。ただし、ここで注意したいことは、このサプライヤー証明書は、他社にとって負担にしかならないことです。

VAルールの証明は、人件費や利益部分を最初に計上した後、自社製品→他社製品と計上するようにするのは、このような他社の苦労があるからということになります。できるだけ他社に迷惑がかからないように、まずは自社の範囲内で原産資格の付加価値を積み上げていくことが寛容です。

まとめ

・商品を完成品と構成する部材に分解します。
・商品を製造するときの人件費、利益などが原産資格割合を満たすのか?を確認
・満たさない場合は、各部材を計上
・部材を計上するときは、部材自体の価格の根拠になる書類と、部材自体が原産資格割合を満たしていることを確認うする
・他社部材を計上するときは、サプライー証明書により、必要最小限にする。

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