BL(船荷証券)の約款を知ろう!船会社の責任はどこまで?

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    国際間の輸送をするときは「船荷証券」を基にして、貨物の所有権をやり取りします。B/Lの裏面をみると、英語の文章がぎっしりと書かれています。この部分が「約款(やっかん)=約束事」であり、本日お伝えする船会社の運送責任や荷送り人(私たち荷主)の責任を明確化します。

    そこで、この記事では「B/Lの約款」についてご紹介していきます。この記事を理解すると、貨物事故などが起きた際、船会社から「いくらまで補償してもらえるのか?」「いつまでに申し立てをすればいいのか?」がわかります。

    船荷証券の約款を把握しよう

    船荷証券(B/L)の裏面には、びっしりと英文が書かれています。ここは、船会社と荷送り人に関する責任や手続き上の注意点などを明確にしています。(ヘーグ・ヴィスビー・ルール)日本では、このヘーグ・ヴィスビー・ルールの内容を反映して「国際海上物品運送法」として運用しています。

    国際貿易をする人は、B/Lを使っているため、本来は、この約款に書かれている内容を把握する必要があります。しかし、ご存知の通り、実務上でB/Lの約款を読み解く機会はほとんどありません。といいますか、そこまで時間がありません。そこで、この記事では、B/Lの裏面にある約款のサマリーをご紹介していきます。

    B/Lの約款には、どのようなことが書かれているの?

    下記の文章は「国際海上物品運送法」の内容を引用し、その上で「個人が読み取った内容」を記載しています。私は法律の専門家ではありません。条文を正しく読み取るように努力をしていますが、解釈違いをしている可能性もございます。こちらで紹介する内容は、参考程度にとらえていただき、詳細は法律家またはジェトロさんにお聞きください。

    国際海上物品運送法

    国際海上物品運送法は、第一条~二十二条までが定義されています。この内、個人的に大切だと感じた条文のみをご紹介していきます。

    第一条 法律の趣旨や目的

    船積地や陸揚げ港が「本邦外」を指定しています。=日本と外国を行き来する船に対して適用される法律です。

    第二条 条文の「定義」

    条文に出てくる様々な言葉「船舶、運送人、荷送人、一計算単位」の定義を説明しています。

    • 一計算単位=SDR=IMFの特別引き出し権=153.45円(2019年3月28日現在)=SDR
    • 運送人=船会社など、荷送り人=荷主

    第三条 運送人(船会社など)の責任範囲

    運送人がどのような場合に賠償責任を負うのか。負わないのかを説明しています。

    賠償責任を負うパターン:

    自己や使用する者が運送品の受け取り、船積み、積み付け、運送、保管、荷揚げ、引き渡しのときに損傷や滅失したとき

    賠償責任を負わないパターン

    船長、海員など、その他運送人の使用する物の「航行」に起因する行為または、火災により生じた損害

    第四条 上記3条の他、運送人が責任を負わなくてもよいパターン

    下記の11項目に該当する場合は、運送人は責任を負わなくても良いとされています。

    1.海上における特有の危険
    2.天災
    3.戦争や暴動
    4.海賊
    5.裁判上の差し押さえ、検疫上の責任
    6.荷送り人や運送品の所有者の行為
    7.ストライキなどに起因する損害
    8.海上における人命や財産の救助(共同海損
    9.運送品の特殊な性質
    10.運送人の荷造りの不完全 ケースマークの不備
    11.起重機(クレーン車)の欠陥など

    第六条 船荷証券の交付と引き換えに関する注意事項

    運送人は、荷送人に対して「こういうタイミングで船荷証券を発行しなさい」

    または、荷送り人は「船荷証券がないと貨物を引きとれない」

    などの注意事項が記載されています。

    第十一条 危険品はしっかりと申告しなさい。無申告の物は、捨ててもOK

    運送人は、引火性や爆発物などの危険品を知らずに積載したときは、いつでも破壊して無害化する権利があります。つまり、荷送人は、危険品であることを隠して輸送させたときは、いつ、貨物が捨てられても文句は言えないです。

    第十二条 運送品に何らかの損傷などが発生したときのクレームができる期間

    運送人の輸送により、貨物に対して何らかの損傷が発生したときの対処方法を示しています。

    • クレームをいれるタイミング:運送品を受け取ったとき又は、受け取り日から三日以内
    • 方法:貨物の損失または損傷状態を書面にして通知する(クレームノーティス)
    上記の期間を過ぎた後のクレームは受け付けない=運送品は無事に引き渡されたと解釈する。

    第十二条の二 運送品に関する損害賠償の額を定義しています。

    運送品の損害額は、次のように定義されています。この記述をもって「運送人の責任」ではなく、あくまで損害額の算定をするときの基準です。

    荷揚げされるべき地及び時における運送品の市場価格(商品取引所の相場のある物品については、その相場)によつて定める。ただし、市場価格がないときは、その地及び時における同種類で同一の品質の物品の正常な価格によつて定める。

    引用元:e-Gov

    第13条 運送人が負う責任限度額を規定しています。

    運送人の責任は、一包または一単位につき、いずれか多い方を「限度額」にします。あなたの貨物を下の2つの式で計算した結果、多い方の金額が運送人から得られる限度額です。(実際、海上保険を入っているときは、この部分は保険会社が代位求償します。)

    1. 一計算単位の666.67倍の金額=約102,160円(2019年3月28日現在)
    2. 滅失、損傷または損失/延着した運送品の総重量につき、1KG×(2SDR)の金額
    運送品A 20万円 重量150キロ
    運送品B20万円 800キロ

    運送品Aの場合
    666.67SDR=約102000円 と 46000円(150×2SDR)よって、1番の計算式が適用される。
    =上限の102000円が補償の限度額

    運送品Bの場合
    666.67SDR=約102000円 と 245000円(800×2SDR)よって、2番の計算式が適用される
    =上限の20万円(商品自体の価格が限度)が補償の限度額

    関連記事:船会社の倒産 インコタームズとフォワーダー

    第13条の3項 一包または一単位の定義

    上記、13条における一包または一単位の定義を説明しています。条文では、次の通りに記載されています。B/L上に運送品の個数や容積または重量が記載されていない限り「20フィートコンテナ1本でいくら~」とざっくりと算定するとしています。

    3 運送品がコンテナー、パレットその他これらに類する輸送用器具(以下この項において「コンテナー等」という。)を用いて運送される場合における第一項の規定の適用については、その運送品の包若しくは個品の数又は容積若しくは重量が船荷証券に記載されているときを除き、コンテナー等の数を包又は単位の数とみなす。

    引用元:e-Gov

    第13条の5項 一包または一単位の「みなし定義」の除外規定

    一包または、一単位のみなし定義は、船荷証券に必要な事項が記載されているときは適用しないとしています。つまり、B/Lの書面上にしっかりと個数や価額等を明記していれば、責任範囲の対象をさらに明確にできます。

    5 前各項の規定は、運送品の種類及び価額が、運送の委託の際荷送人により通告され、かつ、船荷証券が交付されるときは、船荷証券に記載されている場合には、適用しない。

    引用元:e-Gov

    第十四条 運送人に対する責任を追求できる期間

    運送品に関する運送人の責任は、運送品が引き渡された日から、一年以内に裁判をしないと消滅します。

    第十五条 この法律を無効にするための「特約」を設ける制限

    第3条~5条、8条、9条、12条など、これらの規定に制限かつ、荷送り人に不利益な特約を設けることは禁止しています。

    第十八条 上記15条の適用除外項目

    第15条の特約禁止は、生動物の運送及び甲板積の運送には、適用しない=特約を設けてもよい。

    以上、国際海上物品運送法に関するサマリーでした。貿易をする上でB/Lは非常に重要な存在です。貨物輸送取引をスムーズにするためにも、国際海上物品運送法の内容を今一度、確認されることをお勧めします。

    ヘーグ・ヴィスビー・ルールの一例は?

    仮に船が沈んだ場合の補償は、ヘーグルールでは、次の通りです。

      • 1梱包又は、1単位あたり限度額と重量当たりの限度額を併用する。
      • 1梱包(単位)あたり、666.67SDR 又は、1キロあたり2SDRのいずれか高い方を採用する。

    B/Lに中身の個数が記載されている場合は、それぞれの個数単位で検討。記載されていない場合は、コンテナを一つの単位として考えます。

    まとめ

    • B/Lの裏面に書かれている約款は、運送責任と義務などを記載している。
    • 日本には、ヘーグ・ヴィスビー・ルール内容を反映した「国際海上物品運送法」がある。
    • 国際海上物品運送法には、運送者の責任限度額を明確にしている。
    • 荷送り人(荷主)は、運送による損傷を発見したら、受け取り日から三日以内にクレームノーティスを作る。
    • 荷送り人は、運送人に対して法的な訴えをするときは、貨物の引き渡し日から一年以内に行う必要がある。
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