FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)のメリット・デメリット

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外国の商品を日本へ運ぶときは、海上コンテナを利用することが一般的です。航空輸送と比べても、運べる量やかかる輸送コストの関係から、コンテナ単位で輸送する方が都合が良いからです。また、コンテナを利用することで、荷揚げ(船に上げる作業)や荷下ろし(船から降ろす作業)の時間を短縮する効果があります。それだけではありません。

実は、コンテナ輸送は、貨物へのダメージを防止したり、輸入申告から許可までの時間が短くしたりする効果もあります。これは、輸出国から貨物を安全に、できるだけ早く運びたいニーズにこたえるものでもあります。コンテナ輸送には、このようなメリットがあるため、今日の国際物流においては、コンテナを使った大量かつ低価格での輸送が中心になっています。

そこでこの記事では、貿易輸送を行うときに重要になる「コンテナ輸送(FCL)」と「混載輸送(LCL)」のメリットとデメリットをお伝えします。それぞれの特徴を知ることによって、あなたの貿易に合った最適な輸送方法を選択できるようになります。

コンテナ輸送と混載輸送

まずは、FCL(コンテナ輸送)の輸送方法について説明をします。

FCLとはなにか?

FCLは、英語のFull Container Load(フルコンテナロード)の略です。これはコンテナのスペースを「一人の荷主が独占して輸送する方法」になります。コンテナは「長さ」や「高さ」によって、以下の三種類があります。

1.20フィートコンテナ
2.40フィートコンテナ
3.40フィートのハイキューブコンテナ

1フィートは約30センチです。

1フィートという聞きなれない単位がでてきました。メートル法に慣れている私たちは、少し混乱します。しかし、輸入実務の現場では、よく出てくる単位なので覚えておきましょう。

1フィートは約30cmです。これをメートルに換算するときは「3」で割ります。つまり20フィートのコンテナは20/3=約6~7メートル、40フィートのコンテナは40/3=約12~3メートルです。20フィートと40フィートは、コンテナの「長さ」の違いを表しています。

コンテナ

 

40フィートには、コンテナの「高さ」によって2種類あります。

1.ノーマルタイプ

2.ハイキューブタイプ

これらはコンテナの高さが異なります。ハイキューブタイプの方がより背が高い商品を運ぶことができます。

40フィーと

このように、コンテナにはさまざまなタイプがあります。基本的にどのタイプのコンテナを使うかは、輸出者が決めます。あなたから特別な申し込みがない限り「長さ」や「物量」によって、適切な輸送方法を選んでくれます。それでは、FCL(コンテナ輸送)について基本的なことを理解した上でメリット、デメリットを紹介します。

FCLの2つのメリット

メリット1.貨物にダメージがつきにくいです。

最も大きな特徴が「貨物へのダメージが少ない」点です。この理由は、コンテナによる輸送と、混載による輸送の違いを知ればわかります。先ほど述べた通り、FCL(コンテナ輸送)はコンテナのスペースを一人の荷主が独占的に使います。

例えば、20フィートコンテナであれば、20フィート分を丸々使用できます。独占的に使用できる権利があるわけですから、このスペースをどのように使ってもいいわけです。

一方、混載便の場合は20フィートや40フィートのスペースを他の荷主と分け合います。そのため、多少強引でも無理やり詰め込み「合積み」してしまうことがあります。そのため、貨物同士がぶつかり合ってしまい貨物にダメージが発生します。これは海上の波によって大きく船が揺れたときに、コンテナの中身がどうなるかを考えれば想像に容易いです。

メリット2.搬入(船から荷物を下ろすこと)が早いです。

港に船が入港すると船会社と提携をしている専門の業者がコンテナを船から港に下ろします。コンテナを下ろすと、ナックス(オンラインで税関とつながっているシステム)に「コンテナを船から下ろしたこと」を報告します。これを「搬入」と言います。

輸入実務の現場では「搬入がいつ上がるのか」がとても重要です。なぜなら基本的に税関への輸入申告は「搬入が上がってから」行うことになっているからです。つまり「搬入が上がる時間が早い方」がそれだけ輸入許可が早くなります。(貨物の引き取りが早くなる)

なぜ、コンテナ輸送すると、搬入が上がるのが早いのでしょうか? FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)の搬入までの流れは、以下の通りです。

FCL(コンテナ輸送)の搬入が上がるまでの流れ

1.船の入港日:コンテナを港に下ろす。
2.入港日の翌日:搬入があがる。

LCL(混載輸送)の搬入が上がるまでの流れ

1.船の入港日:コンテナを港に下ろす。
2.入港日の翌日:デバン(コンテナから荷物を出す作業)
3.入港日の翌々日:搬入があがる。

両者の流れを見比べるとLCLには「デバン作業」があることがわかります。FCLとLCLの決定的な違いは、このデバンの有無です。FCLはこのデバン作業がないので搬入が早く上がります。

関連記事:「搬入があがる」とは?

FCLのデメリット

反対にFCLのデメリットは、以下の二つです。

デメリット1.積み荷の量が少ないときに割高になる

FCLは20フィートや40フィートのコンテナスペースを独占的に使って輸送します。そのため、積み荷が少ないとスペース分が有効利用されない、いわゆる「デッドスペース」となります。

これを防止するために、あらかじめ貨物の量に応じたコンテナを選択しなけければなりません。もし、あなたの貨物が20フィートにも満たない量であるならLCL(混載輸送)を検討します。しかし、このLCL(混載輸送)と20フィートのうち、どちらを選択すればいいのか迷う時があります。

一般的な例として貨物の量が「7㎥」あたりがFCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)の境です。ここを基準に考えれば、ある程度の判断はできます。もし、納期を優先したいのであれば、少しくらい貨物が少なくてもFCLを選びます。逆に安さだけを求めるのならLCL(混載輸送)での輸送にこだわればいいです。

デメリット2.ドレージでの配送手配が必要

FCLで輸入する場合、コンテナのまま貴社の倉庫などに輸送します。このとき、コンテナは「ドレー」という専用のトラックで運びます。もし、あなたがFCLで輸入するときは、必ず「ドレーのお金がかかる」ことを頭に入れておかなければなりません。

ドレーは「ラウンド料金」という特殊な料金体系をとります。これは「港から出発して、港へ戻るまで(ラウンド)の料金を依頼者が支払う」ことを意味します。

別なものに例えると、●●駅でタクシーに乗り指定の場所に降りる。このとき、●●駅から指定の場所までのタクシー代金を支払うことはもちろんのこと、タクシーが指定場所から●●駅まで戻る料金までを支払うことと同じです。一往復を一つの料金としています。

ここまででFCLのメリット・デメリットをお伝えしました。それでは次にLCL(混載輸送)についての説明をしていきます。

LCL(混載輸送)とはなにか

LCLは、20フィートや40フィートのコンテナのスペースを他の荷主と分け合う輸送方法を言います。これを図で表すと以下の通りです。

LCL2

コンテナのスペースには満たない量の貨物を輸送するときに最適な方法です。LCLは、荷物を取りまとめて一つのコンテナにしている「フォワーダー」が手配します。もし、あなたが輸入者であれば、その作業は輸出国側のフォワーダーが行います。あなたが輸出者であるなら、日本のフォワーダーへ依頼をしてLCLによる輸出を行います。

LCLがどのような輸送方法かわかってきたところで、メリット・デメリットを説明しています。

LCLのメリット

LCLのメリットは、以下の二つです。

1.輸送代金がコンテナより安いです。

2.自分の貨物量にあった輸送ができます。

コンテナでの輸送はある一定の貨物量がある人にとっては、料金が「割安」になります。逆に、一定以下の物量である人は「割高」となります。これを解決するのがLCL(混載輸送)です。

LCLは貨物の量に応じた料金を支払えばいいので、コンテナよりも安く輸送できることが特徴です。また、積み荷が少量でも輸入できる点も良い所です。例えば、「本棚」一つを輸入するとします。これをFCLとして20フィートコンテナに入れると、当然コンテナの中はスカスカです。FCLは、コンテナのスペースを一人の荷主が占有するので、このようなことになります。

この問題を解決するのがLCL(混載輸送)です。これは、一つのコンテナの中を他の荷主と分け合うので、きわめて少量の貨物でも輸入できます。少量の荷物を輸入したい人は、間違いないくお勧めする輸送方法です。先ほど、FCLとLCLを使い分ける境として物量が「7㎥」と述べました。この境とは別のものとして「LCLと国際郵便などとの境」があります。

例えば、国際郵便(EMS)などで送付できる重さは上限が30KGです。「国際郵便の制限一杯に荷物を入れて輸入する場合と、LCLで運んだ場合」でどちらが安いかを考えると、ここに二つ目の境があることがわかります。当然、LCLの方がたくさんの荷物を割安で輸入できます。

LCLのデメリット

では、最後にLCLのデメリットです。混載輸送(LCL)は少量の荷物であっても輸入ができる、さらにコンテナ輸送よりかは輸送料がかからないことが分かりました。しかし、この反対にデメリットもしっかりと存在します。実は、LCLで運ぶ際のデメリットとして輸入貨物に対するダメージがあります。このダメージの原因として次のようなことを考えられます。

1.輸出倉庫にてダメージ

あなたがLCLで商品を輸入する場合、輸出国の倉庫にて仮置きれます。これはコンテナの中に荷物を詰める前の段階です。このように仮置きされているときに作業者によってダメージがつけられる可能性があります。

2.船の輸送中にダメージ

LCLは他の荷主と合積みします。そのため、基本的にコンテナの中は、ギュウギュウに入っています。コンテナ船は洋上を渡ってきますので、大波によって船の船体が大きく揺れることがあります。このようなとき、コンテナの中にある貨物と貨物がぶつかり合って傷つく可能性があります。

3.LCL(CFSチャージ)が発生する

CFSで輸送すると、日本側で貨物を受け取るときに、一立方メートルあたり4000円ほどのチャージが発生します。

例えば、5M3の貨物であれば、4000×5=20000円です。そのため、コンテナ単位の輸送か、コンテナ未満の輸送で迷ったときは、日本側でかかるCFSチャージの部分を含めて検討することが重要です。このチャージを忘れてしまい、闇雲にLCLでおくると、輸入者側のクレームにつながる可能性があります。

まとめ

FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)のメリット・デメリットをお伝えしました。それぞれの輸送方法で一長一短があります。求めている配送品質、納期、通関速度など総合的に考えて選択することをお勧めします。

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