【他法令の確認】輸出/輸入するときに関係する法律

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日本に輸入したり、海外に輸出したりする場合、税関へ申告をして許可を受けます。この税関の許可を受ける際、商品によっては、税関とは「別の機関の確認」が必要になる場合があります。これを「他法令の確認(たほうれいのかくにん)」と言います。今回の記事では、他法令の概要と、いくつかの商品例をあげて他法令をご紹介します。

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他法令とは?

輸出や輸入をするときは、税関に申告をし許可を受けます。しかし、特定の品目を輸出入するときは、税関の許可を受けるために、他機関の確認が必要になるときがあります。これを「他法令」といい、通関の現場では、他法令の確認などと言います。

例えば、食品関係(食品そのもの、食器、おもちゃ)など、人の口に入る可能性がある貨物は、食品衛生法に基づき厚生省が管理しています。また、肥料や飼料、木材関係は、植物貿易法に基づき農林水産省が担当します。もちろん、輸出するときも他法令の確認はあります。あなたが「何を輸出入するのか?」によって、他法令の確認の有無が変わると覚えておきましょう!

  • 貨物は、危険でないのか?
  • 輸入する食品の安全は?
  • 病害虫の付着は?
税関の許可をもらうために、他法令の確認が必要?=輸出入品ごとに決められている。

他法令の種類

他法令の確認には、どのような貨物が対象になるのでしょうか? 輸出と輸入のそれぞれは、次の通りです。特に関係することが多いのが次の5つです。

  1. 外国為替法(輸出入貿易管理令)
  2. 食品衛生法
  3. 植物防疫法
  4. 家畜伝染病予防法
  5. ワシントン条約

1番の外為法は、武器転用されやすい機械類を輸出するときに規制を受けます。食品衛生法は食べ物類。植物防疫法は、植物。家畜伝染病は、ハムやソーセージなどの肉類。ワシントン条約は、特定の動物や植物を使った様々な産品に適用されます。また、他法令は、必ずしも一つだけ適用されるのではなく、品目によっては、2個、3個と複数の対象になることがあります。

輸入他法令の例示:

  • 食品関連→食品衛生法
  • 皿、調理器具、幼児用のぬいぐるみ→食品衛生法
  • 肉類→食品衛生法及び家畜伝染病予防法
  • 植物→植物防疫法
  • アロマオイル→薬機法

輸出他法令の例示:

  • はちみつ→家畜伝染病予防法
  • 牛肉の枝肉→家畜伝染病予防法及び輸出貿易管理令
  • 観賞用の魚(鯉や金魚以外)→輸出貿易管理令
  • 唐辛子→植物防疫法
他法令は、複数適用される可能性がある。

輸出と輸入の他法令一覧

法令名 代表品目 管轄 必要な通関
外国為替及び外国貿易法 機械類、技術情報など 経済産業省 輸出/輸入
食品衛生法 飲食物、添加物、食器、容器包装、おもちゃ 厚生労働省 輸入
植物防疫法 果物、種、植物 農林水産省 輸出/輸入
家畜伝染病予防法  肉や肉の調製品、みつばち、はちみつなど 輸出/輸入
文化財保護法 美術、骨董、天然記念物など 文化庁 輸出
道路運送車両法 中古自動車 国土交通省 輸出
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 剥製、卵、鳥、鳥の加工品など 環境省 輸出/輸入
林業種苗法 ひのき、すぎ、あかまつなど 農林水産省 輸出
銃砲刀剣類所持等取締法 銃砲・刀剣類(刃渡り15CM以上)、ナイフなど 警察庁 輸入
印紙等模造取締法 印紙 財務省 輸入
大麻取締法 大麻草及びその製品 厚生労働省 輸出/輸入
毒物及び劇物取締法 毒物、劇物 輸入
覚せい剤取締法 覚せい剤、覚せい剤原料 輸出/輸入
麻薬及び向精神薬取締法 麻薬、向精神薬、麻薬等原料 輸出/輸入
あへん法 あへん、けしがら 輸出/輸入
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器等 輸入
肥料取締法 肥料 農林水産省 輸入
水産資源保護法 鯉や金魚類、くるまえびなど 輸入
砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律 砂糖関係 輸入
畜産経営の安定に関する法律 バター、クリーム、チーズ類 輸入
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律 米や麦 輸入
火薬類取締法 火薬類 経済産業省 輸入
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 化学物質等 輸入
郵便切手類模造等取締法 模造の郵便切手 総務省 輸入
アルコ-ル事業法 90度以上のアルコ-ル 経済産業省 輸入
石油の備蓄の確保等に関する法律 原油類、石油 資源エネルギー庁 輸入
農薬取締法 農薬 農林水産省 輸入
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律 ブラックバス、カミツキガメ等 環境省 輸入
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 危険なウィルス類、猿など 厚生労働省及び農林水産省 輸入
労働安全衛生法 有害物等(石綿等) 輸入
狂犬病予防法 犬や猫、あらいぐま、など 農林水産省 輸出/輸入
高圧ガス保安法 圧縮ガスなど。 経済産業省 輸入

情報元:税関、関連記事:輸出するときは他法令も確認しよう!

商品名 HSコード 適用される他法令
漢方 5類、12類など 薬機法(薬事法)、家畜伝染予防法
アロマ 未分類 目的によっては薬機法(薬事法)または植物貿易法
家電 85類 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 食品衛生法など
おもちゃ 95類 食品衛生法
食器 69類、70類など 食品衛生法
肥料 31類など 家畜伝染予防法、植物貿易法
照明 94類、85類など 特になし
洗剤 34類 薬機法(薬事法)
ワイン 22類 酒税法、食品衛生法
木材 44類 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、植物貿易法
はちみつ、ハム、ソーセージなど 家畜伝染予防法

他法令の調べ方

では、自身が輸出入するときは、どのように他法令を調べればいいのでしょうか? 以前までは、関税協会による「他法令データベース」が提供されていましたが、現在は使用ができないようです。そのため、次の方法により他法令を調べます。

  • 輸入の場合:WEBタリフ
  • 輸出の場合:WEB輸出統計品目表

ウェブタリフによる輸入他法令の調べ方

他法令 (1)

他法令 (1)

他法令と税関許可の関係

他法令は、税関の許可を受けるために必要な確認です。

例えば、海外の食品を輸入するときは、まずは食品検疫所に輸入の旨を届け出で確認を受ける。その後、税関に「食品検疫所での確認を終えている旨」を伝えて、輸入申告をします。申告の結果、関税上の問題がなければ、貨物の輸入許可ができます。これが他法令と税関の関係です。この関係を頭に入れておかず、何の準備をせず他法令の確認が必要な貨物を輸入する人がいます。

以前、ある輸入者の方が「赤ちゃん用の歩行器」を輸入するにあたり重大なトラブルに見舞われたことがあります。この輸入者の方は、中国からある商品を継続的に輸入されている方です。有名ブランドのライセンス契約も行っており、輸入者としてはそこそこの実績がありました。そんな輸入者が赤ちゃん用の新製品として「歩行器」を輸入することになりました。

本船により港へ到着する頃、いつもながら輸入申告(予備申告)を行いました。ところがここに大きなトラブルがあったのです。赤ちゃん用の歩行器には「食品衛生法」が適用されるのです。通常、食品衛生法の確認をクリアするために、輸入前から様々な準備をしておく必要があります。しかし、貨物が日本に港へ到着した後にその事実に気がついたのです。

当然、税関の輸入許可を得ることはできず、40フィートのコンテナを三週間ほど、港に留め置くことになりました。もちろん、納期は完全に遅れ、これに加えて港での保管料、コンテナの料金などの請求がすごいです。最終的な請求金額は、35万ほどになったと記憶しています。この事実だけを考えても他法令の確認を怠ると、大きな痛手を追うことがわかります。

他法令の中でも特に注意すべき品目

輸出入する貨物の内、特に次の貨物には、注意が必要です。

  1. 外為関係の貨物
  2. 玩具・乳児用品
  3. ハム、ソーセージなどの食肉関連
  4. 化粧品、サプリ、バスソルトなどの美容関連品

1.外為関係の貨物

  • 小型無線機を輸出する。
  • ○○測定器を輸出する。
  • 漁船を輸出する

など、物品の大小にかかわらず、武器開発につながる産品や日本の産業に致命的な損害を与える可能性がある貨物は、輸出貿易管理の対象です。非常に細かく指定されているため、必ず確認をしましょう!

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2.玩具・乳児用の関連用品

おもちゃや乳児が使う関連用品は「口に入れる可能性」があるため食品衛生法の確認が必要です。しかし、一律にこの規制が適用されるわけではありません。

例えば、輸入する商品の説明部分に「6歳以上を対象にした~」などの表記を加えたり「本体と付属部分が分離しないようにする」などの改良をしたりすることによって、食品衛生法の規制を受けないケースもあります。もし、他法令の規制を受けない貨物のときは、税関に「他法令の非該当証明書」を提出します。これにより、税関の審査が完了しだい、輸入が許可されます。

食品衛生法の規制を受けるか、受けないかは、個々の商品の形状・パッケージによっても異なるため、詳しくは最寄りの食品検疫所に相談します。

おもちゃを輸入するときに注意すること

3.ハム・ソーセージ・食肉関連用品

基本的に口に入れる食べ物は、食品衛生法の適用を受けます。しかし、食べ物の中でも肉関係の製品は「家畜伝染予防法」の適用を受けます。外国のハムやソーセージなどを輸入する方は、家畜伝染予防法の内容をしっかりと確認してください。

4.石鹸、バスソルト、アロマ関連品

東南アジアの国々では、南国特有の果物を利用した石鹸があります。色、形、香りとも日本人の心を掴む製品に仕上がっているため、これを購入して日本で販売したいと考える人が多いです。特に女性は、現地のエステなどの利用がきっかけで「アロマオイルや化粧品関連の輸入ビジネス」を始めやすいです。しかし、この類のビジネスは、かなり慎重になるべきです。なぜなら、化粧品関連用品を輸入する場合は「薬機法」に関係するためです。

基本的に、人の肌に触れる商品は「個人使用目的」と「商売目的」では、輸入するさいの規制の強さに天と地ほどの差があります。これについては「海外で見つけたからといって、化粧品を輸入する起業などを考えないほうが良い理由」で詳しく書いているため、そちらをご覧ください。

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まとめ

税関の審査により輸出や輸入の許可がなされます。この許可を与えるかどうかを審査するときに「税関だけでは審査が難しい」専門分野があります。この分野の審査は、規制対象の根拠になっている法令を管理する専門の機関(厚生省、農林水産省など)が行っています。これを「他法令の確認」といいます。これにより、輸入や輸出をしようとする貨物に問題がないのかを確認するようにしています。

他法令の確認が必要な貨物→担当する機関による確認→確認OK→輸入許可という流れになります。

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