【輸入】食品表示法の基礎知識 考えるポイント

食品表示法他法令 食品/薬機/植物
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海外から食品を輸入し、日本国内で販売するときは「食品表示法」に従います。食品表示法は、輸入食品に限らず、日本国内で食品を販売するときに適用される法律です。食品の裏面部分に、名称、原材料、輸入者等を表示し、販売する食品の内容と責任の所在を明確にします。

この記事では、食品表示法の基礎知識、罰則、輸入者としてするべきことをご紹介していきます。なお、今回の食品表示法は、輸入許可のことであり、「輸入許可」とは違うため注意しましょう!

食品表示法

目的

まずは食品表示法の目的です。これは、一条に記載されています。

この法律は、食品に関する表示が食品を摂取する際の安全性の確保及び自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保に関し重要な役割を果たしていることに鑑み、販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の譲渡を含む。以下同じ。)の用に供する食品に関する表示について、基準の策定その他の必要な事項を定めることにより、その適正を確保し、もって一般消費者の利益の増進を図るとともに、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)、健康増進法(平成十四年法律第百三号)及び日本農林規格等に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)による措置と相まって、国民の健康の保護及び増進並びに食品の生産及び流通の円滑化並びに消費者の需要に即した食品の生産の振興に寄与することを目的とする。

引用元:e-gov

簡単にまとめると次の通りです。

  • 消費者が食品を選ぶときに正しい判断ができるようにする
  • 食品衛生法、健康増進法、JAS法などを包括して運用する。

食品表示法の役割は、一般消費者が食品の内容を正しく理解して、購入の判断ができるようにすることです。一昔前、毒入り餃子事件等などがありました。あの偽装事件を引き起こさないために、食品を提供するすべての事業者に法的拘束力をもって適切な表示を義務付けています。

輸入と食品表示の関係

輸入食品の場合、輸入許可をもって外国貨物から内国貨物に変化します。このとき、この食品の輸入者が製造者、これをそのまま販売をすれば、製造兼販売者の扱いです。ではなく、輸入者が食品を輸入後、日本国内で第三者に販売をした場合は、その買取業者が販売者です。

食品表示は、この製造者と販売者を区別して考えます。

  • 輸入者=製造者(PL法の製造物責任者)
  • 輸入者から買い取る人=販売者
  • 輸入&販売の場合=製造者も販売者も同じ。
  • 輸入と販売者が違う場合=製造者の欄に輸入者、販売者の欄に販売者

食品表示の規制内容

では、食品表示法をさらに詳しく確認していきましょう!まずは、記載するべき項目に注目です。ちなみに、食品表示は、輸入食品の裏側にあるこのシールです。

食品表示法

別にシールを貼り付けている

海外から輸入した食品を日本国内で販売する場合は、食品の内容を誰もが簡単に確認できるようする義務があります。また、食品表示の項目は、食品、生鮮食品、事業者間取引など、食品や取引ケースにより変わります。詳細は「食品表示基準」をご覧ください。

例えば、次の項目を表示します。

食品表示の項目例

  • 名称
  • 保存の方法
  • 消費期限又は賞味期限
  • 原材料名
  • 添加物
  • 内容量
  • 栄養成分
  • 輸入者の営業所住所
  • 原産国

消費者庁のガイダンス資料

食品表示の方法 ラベル表示とは?

実際の食品表示への対応は、三つほどあると思います。輸入者は、これらの中から、都合がいい方法で食品表示義務を果たします。ちなみに、この食品表示の部分を「ラベル」ともいいます。

  1. 別に食品表示部分だけをシールに貼り付ける。
  2. 化粧箱や透明な外装袋に印刷
  3. パッケージデザインの中に組み込まれているタイプ。

ラベルの面積やフォントサイズなどの決まりも厳格

なお、この食品表示ラベルの面積や文字の大きさは、すべて「食品表示基準」に従います。特にアレルギー表示や添加物、賞味期限に関する規定は非常に重要です。

例えば、今から26年ほど前。私が小学生だったころのお話です。当時の担任がエビのアレルギーがあったのですが、あやまってスープの中に含まれていた物を食べてしまい、大騒ぎになったことがありました。急にもがき苦しみ、救急車で運ばれたことを今でも鮮明に覚えています。

アレルギー反応は、非常に重視するべきことです。食品を輸入する方は、必ず、このアレルギー有無について細かく確認しましょう!

フォントサイズ

フォントサイズは、JISZ8305の8ポイント以上。ただし、表示面積がおおむね150平方センチメート以下の物、蓋などの別箇所に表示する物は、JISZ8305の5.5ポイント以上でokです。根拠法:食品表示基準 第八条9項

ワインのラベル表示例
品名ワイン
内容量750ml
アルコール分裏ラベルに記載
原産国フランス
添加物酸化防止剤
輸入者及び引き取り先株式会社 abc
大阪府大阪市○○区○○町
紅茶のラベル表示例
名称紅茶(ティーバッグ)
原材料名茶(紅茶)/香料
内容量○○g(2g×5袋)
賞味期限右下部に記載
保存方法直射日光…….
原産国名スリランカ
輸入者株式会社 abc

食品表示の管轄と輸入者のするべきこと

食品表示法の一義的な管轄は、消費者庁。実務的な対応は、各市町村等の保健所です。では、実際に食品表示法に対応するときは、どのようなプロセスで進めていけばいいのでしょうか?

ここで今一度、情報を整理しておきましょう!

食品表示法の義務は「日本国内で食品を販売する人」です。逆にいうと、輸入後、日本国内で販売しなければ、(個人的に食べるだけ。)食品表示の義務はありません。一方、相手に関わらず、販売すする場合は、表示義務があります。

例えば、Aが輸入者、Bに国内販売。Bがネットショップなどで販売する場合は….

  • AからBの販売=食品表示基準10条の「業務用加工食品」の表示義務
  • Bから一般消費者への販売=食品表示基準3条の「一般加工食品」の表示義務

が発生します。販売する相手が「業務用なのか?」「一般消費者なのか?」がポイントです。また、業務用と一般用の表示基準は、一般加工食品の方が厳しいです。つまり、輸入者(A)が貼るべき表示ラベルと、販売者(B)が貼るべき表示ラベルには違いがあるのです。

結局、表示ラベルはどうすればいいの?

では、実際の現場のお話として、輸入者Aの立場になり、Bに販売する場合は、表示ラベルは、どのようにするべきなのでしょうか? これは、あなたの「顧客への考え方」が影響します。

例えば、AからBの時点では、法律上、業務用の食品表示で足ります。ただし、Bの立場になると、その先に一般向けの販売があります。よって、Bは表示ラベルを業務用から一般向けのラベルに貼り替えなければなりません!

この手間を考えると、基本的には、輸入者が日本国内で一般向けに販売ができるように、食品表示ラベルを整えるべきです。これがユーザーファースト、相手の立場にたったビジネスです。

表示ラベルを貼り付けるタイミング

輸入者として表示ラベルを貼り付けるタイミングを考えてみましょう!主に次の三つがあります。

  1. 輸入許可後のタイミング
  2. 輸入許可前×日本側保税地
  3. 輸入許可前×輸出国側(サプライヤー)

現実的な部分で考えれば、1番又は3番のタイミングになるはずです。

例えば、3番の方式で貼り付ける場合は、輸出者との打ち合わせのタイミングで、日本側のラベルを貼り付けるように指示します。もしくは、パッケージデザインに組み込むなども検討します。

どのような方法でも、輸入者側から適切な指示を出し、日本側の国内法令に準拠できるように指示するのがポイントです。例えば、ラベル表示であれば、表示面積とフォントサイズの関係も決まっています。それらの全ての準備をして輸出者(メーカー側)に依頼します。

もし、日本側から、表示ラベル等を輸送する場合は、EMS等を使い、輸出国側に送ります。なお、このラベルには、次の2つにより、日本側の輸入申告で加算するべきか?が変わります。

  1. 日本の国内法や輸入法令を満たすためのラベルのみを輸送する場合→加算する必要なし。
  2. 表示義務の他、何かしらの付帯部分が含まれている場合→加算する。

何かしらの付帯部分とは、パッケージのデザインと一緒に、食品表示法の部分も合わせて一体になっている物などを指します。この場合は「法的要件を満たすためのラベル」とはいえず、「副資材」の扱いになるため、日本輸入時には、加算するべき費用に該当します。

輸入申告価格に加算するべき費用→ ラベルの作成代金及びEMSの送付代金

表示するべき事項がわからない場合は?

もし、輸入品につき、表示するべき事項がわからない場合は、近所のスーパーに行き、輸入商品に貼ってある裏のラベルを参考にしましょう!まさに、これが表示するべき事項の答えです。

食品の輸入前に食品表示に関するチェックはある?

食品表示規制は、日本国内で食品を販売する者の義務ではありますが、どこかに申請をして、確認等を受けるものでないです。つまり、新しく食品を輸入する場合でも、それを事業所の所在地を管轄する保健所等に確認する必要はないです。

実際に、輸入した商品を国内で販売する前までに、必要な表示基準を満たすラベルを貼り付けるだけで完了します。ただし、日本国内で販売されている食品は、適宜、スーパーの棚等でチェックしているため、表示義務違反をすることは危険です。

違反事例と罰則

食品表示法に関する罰則は、食品表示法17条~あたりに規定されています。

例えば、食品表示基準に従って表示しなかった者は…

  • 二年以下の懲役
  • 又は二百万円以下の罰金
  • もしくは、両方

とされています。

食品表示法の代行サービス

ここまでの内容を通して、輸入した食品を国内販売に対応させるには、意外に面倒だと感じた方も多いでしょう。実は、この食品表示を代行するサービスがあります。なお、以下に示す業者様は、HUNADEと一切関係はありません。

善し悪しも含めて、一切、存じ上げていないため、実際の利用は、ご自身の判断と責任でお願いします。「検索サイトで検索したら見つかった!」ただ、その程度のお話です。したがって列記する順番自体も一切意味はございません。

  • 株式会社わきあいあい
  • 株式会社オージーフーズ
  • 合同会社 Office H&Y

よくある疑問

最後に食品表示のよくある疑問をご紹介していきます。

その他の食品表示法に対応するラベル例は?

クリックすると拡大します。

食品表示項目の内、除外できるケースは?

食品表示法の内、一部の表示事項を除外できるのは、11条に該当する場合のみです。

ケース除外できる表示項目
業務用の酒類を販売する場合原材料名 アレルゲン 原産国名
レストランなどで提供する食品原材料名 食品関連事業者の名称や住所など 原料原産地名 原産国名
容器包装に入れないで販売する(肉、魚など)保存の方法 消費期限又は賞味期限 製造所や加工者の所在地など

Q.食品表示法の条文の要約

3条消費者基本法の具現化の一環であることを明文
4条内閣総理大臣は、アレルギー、原材料、消費期限など、表示するべき基準を定めなければならないと規定。厚生労働大臣と農林水産大臣に関する規定もあり。
5条表示のない食品の販売をしてはならないと規定
6条既定の表示義務を果たしていない事業者に対して、指示ができると規定
7条内閣総理大臣等は、表示義務違反に対して指示や命令をしたときは、その旨を公表する
8条内閣総理大臣は、表示義務違反者に対して帳簿や物件、従業員への質問ができる。また、サンプル調査をする上で対象の食品を無償で没収できると規定。
9条農林水産大臣は、立ち入り検査や質問等を独立行政法人農林水産安全技術センターに委任できると規定。

Q.添加物のキャリーオーバー

加工作業で添加物を使っても、最終完成品後の検査で、添加物として検出しない状態のこと

Q.添加物の簡略名

添加物の簡略名はこちらのサイトをご覧ください。

Q.業者間取引は?

業者間取引の場合は、食品表示基準10条の「業者間取引の表示義務」があります。

Q.立ち入り検査

食品法に関する違反公表、立ち入り検査等の手順は「内閣府」が資料を発表しています。

Q.お勧めの本

アマゾン等で「食品表示法」と検索すると、様々な本が出てきます。

Q.食品表示の資格はありますか?

食品表示検定と呼ばれる資格があります。

Q.猶予期間

食品表示法は、食品衛生法、JAS法、健康増進法の3法を一元的に運用する物です。この新表示基準への移行期間(猶予期間)は、2020年3月31日/2022年3月31日までです。

まとめ

  • 食品表示法は、一般消費者の安全性を保護するための存在する。
  • 日本国内で食品を販売する人は、食品表法を順守する必要がある。
  • 輸入品の場合は、輸入許可後、第三者に販売する時点で表示義務が発生する。
  • =通関の審査とは関係ない。
  • 販売先が小売り向けなのか?業務用なのか?で表示項目が変わる。
  • 輸入食品の食品表示ラベルは、日本側の他、相手国側でもできる。
  • 相手国側で表示ラベルを貼り付ける場合は、副資材として課税価格に加える可能性もあり。
  • 食品表示ラベルは、輸入品ごとに細かく決められている。
  • 表示する内容がわからないときは、カルディに行き、輸入されている品目を参考にする。
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