知識ゼロからの食品の輸入手続き

食品輸入他法令 食品/薬機/植物
この記事は約38分で読めます。

食品を輸入するときは、税関の許可を受けるために、厚生労働省から「食の安全確認」を受けます。税関は、輸入する食品の安全性の確認がとれた後、輸入を許可します。もし、食品に何らかの問題があれば「全量破棄」などの命令を出します。

そこで、この記事では、食品の輸入手続きに関する基礎知識をご紹介していきます。

  1. 海外の食品を輸入したい!
    1. 超初心者向けレベル・食品輸入の全体像
      1. 相談先と手続き方法
      2. 食品届の申請と税関手続き
      3. 小規模食品輸入の実例
    2. 「一般レベル」食品の輸入に必要な手続きと資格
    3. 食品届とは?
      1. 1.「食品」の定義に当てはまること
      2. 2.商売目的で輸入すること
        1. 個人使用にはならない例:
      3. 3.その他、食品届が不要なケース
      4. 4.食品届が必要な意外な物
    4. 食品衛生法 3つのポイント
      1. 1.食品の規格基準に合うこと
        1. 一般成分規格と個別成分規格の3つのポイント
          1. 1.添加物とは?
          2. 2.残留農薬とは?
        2. 含まれていると一発アウトな成分例
          1. 3.放射線やカビの混入
      2. 2.検査強化リストにされていないこと
      3. 3.過去、食品衛生上の問題を起こした製造者ではない?
    5. 食品輸入に関係する相談・申請機関と法律
      1. 食品届の相談は、食品検疫所へ
    6. 食品届の流れ 事前申請~食品届出済証の発行
      1. 食品届の提出から輸入許可までの流れ
    7. 配送別・食品輸入の手続きをする人
    8. 食品輸入に必要な書類
      1. 書類を用意する人
      2. 添付する資料の例示
      3. その他、輸入食品届け出と一緒に提出する書類例
      4. 食品検疫所がチェックするポイントは?
        1. 輸入食品の確認ポイント
    9. 食品検査 3つの種類
      1. 1.命令検査
      2. 2.自主検査(指導検査)
      3. 3.モニタリング検査
      4. 食品の輸入検査でチェックされる内容例
      5. 見本持ち出し許可とは?
    10. 検査機関と費用
      1. もし、不合格になると…
    11. 実際の検討手順
      1. 1.他法令の確認が必要であるのかを確認
      2. 2.関係する機関に規制、必要書類、手続きを確認
      3. 3.日本側で必要な資料を輸出者(製造者)へ依頼
        1. Food Production Flow Chartの例(製造工程表の例)
        2. Ingredient listの例(原材料表のリスト例)
      4. 4.日本に食品が到着
      5. 5.食品に関する検査が完了したら….
      6. 6.輸入許可
    12. 食品の輸入許可後(販売)
      1. 1.PL保険
      2. 2.食品表示法
      3. 3.特定商取引法
      4. 4.JAS法
      5. 5.景品表示法
    13. 食品輸入の王道とは? 小さく初めて実績を積む
      1. 関連疑問:輸入代行と手続き代行の違いとは?
        1. 1.輸入代行
        2. 2.食品手続きの代行
    14. よくある疑問
      1. Q.食品輸入時の関税率は?
      2. Q.消費税と軽減税率は適用
      3. Q.登録検査機関とは?
      4. Q.食品輸入のセミナーはありますか?
      5. Q.食品を輸入するときの3つのリスクを知りたい!
        1. 1.違反が多い食品ではないか?
        2. 2.過去、食品衛生法違反をしている製造者ではない?
        3. 3.貿易条件や貿易保険でリスクを小さくする。
      6. Q.結局、輸入食品の安全性はどうなの?
      7. Q.食品を輸入するときの資格や免許はいる?
      8. Q.相談ができるところはどこ?
      9. Q.お勧めの本は?
    15. メリットとリスクを検討するべし!
    16. HUNADEが提供する食品輸入向けのサービス
    17. まとめ

海外の食品を輸入したい!

海外の食品を輸入して日本国内に販売するときは、どのような手続きが必要でしょうか? まずは、食品を輸入するために必要な資格や手続きを確認していきます。

この記事は、約20000文字で構成しています。また、内容等も幅広く取り扱っているため、記事の前半と後半に分けて紹介しています。前半は、超初心者向けの解説、記事の後半は一般レベルの解説をしています。ご自身のレベルに応じてお選びください。

超初心者向けレベル・食品輸入の全体像

海外から「食品」「商売目的」で輸入するときは、食品検疫所に「食品届」が必要です。このとき、次の2つの観点で考えます。

  1. 何が食品に該当するのか?
  2. 商売目的とは何か?

食品とは、食品の他、食品に触れる全ての容器、包装物等を指します。例えば、次の物が食品です。

  • 食べ物
  • 食品を入れる容器
  • 食品が触れる可能性がある機械類
  • 幼児向けのぬいぐるみ

特に幼児向けの産品は見落としやすいので要注意です。また、商売目的とは「自分自身が輸入して食べる目的以外」の全てが該当します。業務用はもちろんのこと、サンプル品でも多数に配る前提の物は食品届が必要です。

輸入時に食品届が必要であるのかは、上記2つの観点で考えましょう!

相談先と手続き方法

食品届は、輸入地を管轄する食品検疫所が担当します。ここでは、輸入前の「事前相談」から、実際の申請や検査等まで、様々な問い合わせができます。

「こういう食品を輸入したい!」と考えたら、まずは「輸入できる食品か?」を検討することからスタートします。その検討のステップで最初に相談するべき所が「食品検疫所」です。もしくは、お付き合いがある通関業者やミプロなどです。

■要チェック→輸入予定の食品は、輸入基準を満たす物なのか?

実際に手続きをする場合は、直接、ご自身で食品検疫所に相談をするか、お付き合いのある通関業者に代行を依頼できます。通関業者に依頼する場合は手数料が発生します。また、どちらの場合も、輸入者が食品届に必要な書類を準備をします。

食品届の申請と税関手続き

食品が届く七日前の時点から、輸入地を担当する食品検疫所に対して、食品届の申請ができます。できるだけ早めの手続きがポイントです。食品届を申請すると、貨物に対して実地検査。又は、追加書類の提出を求められる可能性があります。

一見すると難しそうに感じますが、食品審査官の指示通りに書類をそろえていけば、クリアできます。ただし、初回輸入は、必ず小規模にします。万が一、輸入不許可でも、最低限のダメージになるからです。

食品検疫所に対して食品届の申請をするのと同時に、税関に対して輸入申告をします。つまり、税関と食品検疫の2つの機関から審査を受けます。税関は、関税徴収の観点。食品検疫所は、食品安全の観点から審査をします。

税関の審査と食品の審査の2つが終わると、輸入許可が下りて、輸入食品を受け取れます。ちなみに、税関への輸入申告と食品届の代行を希望する場合は、通関業者に依頼ができます。

小規模食品輸入の実例

例えば、国際郵便を使い、海外から商売目的で食品を輸入する場合は、次のような流れをたどります。(単なる一例)

  1. 気になる食品が見つかる。
  2. 食品検疫所にざっくりと輸入可否を確認
  3. ある程度okであれば、海外サイトに問い合わせをして、食品届に必要な情報を取得する。
  4. 入手した情報を使い、製造工程書などを作成する。
  5. 成分リストや製造工程書などを作成して、食品検疫所に相談をする。
  6. 検疫所と相談をしながら、書類を仕上げる。
  7. 貨物到着の七日前から、輸入地を管理する検疫所に「食品届」を提出する。
  8. 貨物到着後、実際に検査や追加資料の提出などの審査がされる。
  9. 検査が決まれば、指定分析機関に依頼をする。
  10. 分析結果が出て基準を満たせば食品届申請は終了
  11. 同時に税関から輸入許可が下りる。

いかがでしょうか? 以上が食品を輸入するための簡単な流れです。より詳しく知りたい方は、この続きをご覧ください。専門機関に相談を希望する方は、通関業者又は、ミプロに相談しましょう!

HUNADEの問い合わせ先はこちら!

「一般レベル」食品の輸入に必要な手続きと資格

特別な品目(酒)を除き、食品を輸入する上で必要な資格はありません。商売目的なのか? 個人使用目的なのか? の線引きをすることで、誰でも輸入はできます。

商売目的とは、輸入した食品により一円でも利益を上げる行為。一方、個人使用目的とは、有償・無償問わず、ご自身だけが楽しむ輸入です。この違いにより、食品衛生法の扱いが変わります。

あなたの輸入は、商売目的? 個人使用目的ですか?

この記事は、商売目的での輸入を前提にします。

食品の輸入手続きは…..

  1. 海外の食品製造者から必要な書類(原料表など)を仕入れて、
  2. 日本側の輸入地を管轄する食品検疫所に上記の書類と食品届を提出し、
  3. その後、食品検疫所の確認が済んだから、税関からの輸入許可がおりる。

という流れを辿ります。以降の文章でこれらの詳しい説明をしていきます。

食品検疫所の確認が終わる(許可が出る)→税関の許可が出る→荷物を引き取れる。

食品届とは?

食品届とは、輸入者(貨物を輸入する人=関税法95条の税関事務管理人は対象外)が各地の食品検疫所に対して申請することです。具体的には「私は○○国から○○を○○個輸入。日本で禁止されている食品添加物も含まれておらず安全です。税関の輸入許可を受けるために「確認」をお願いします!」と、書類上で伝えます。=他法令の確認)食品を輸入するときは、検疫所からこの「他法令の確認」を受けた後、税関から輸入許可を受けます。

ただし、食品を輸入するといっても、必ずこの「他法令の確認(食品届)」が必要になるわけではありません。以下の2つの観点により、食品届が必要であるのかが変わります。

  1. 輸入する食品が食品衛生法上の「食品」の定義に当てはまること
  2. 商売目的で輸入すること(不特定多数の方に無償で配ることも該当)
  3. その他、食品届が不要な貨物
  4. 食品届が必要な意外な物

1.「食品」の定義に当てはまること

食品衛生法の食品とは、次の内のいずれかに当てはまる物と定義されています。

食品衛生法の対象意味
すべての食べ物口に入れるすべての食べ物を指します。ただし、医薬品、医療機器、有効性及び安全性の確保等に関する法律に含まれる物は除外される
添加物食品を製造・加工をするときに添加する物
器具飲食物を入れる器。又は製造、加工、運搬、保管、陳列などをするときに食品に触れる可能性があるすべての器具や機械。(除外:農業・水産業における食品の採取の用器具)
容器包装食品・添加物を入れ、又は包んでいる物。
おもちゃ食品衛生法第62条第一項に規定する物
1.乳幼児が口に入れる可能性がある物→ぬいぐるみなど
2.乳幼児用アクセサリー、ブロックがん具、ボール、ままごと用具、知育がん具、つみき、電話がん具、人形、うつし絵、起き上がり、おめん、折り紙、がらがら、動物がん具、人形、粘度、乗り物がん具、風船、粘土など
食品衛生法の規制は、商品の表示方法、デザイン、包装、売り場のポップなど総合的に判断される点がポイントです。

2.商売目的で輸入すること

上記の「食品」の定義に当てはまる物でも輸入目的が「個人使用」のときは規制の対象外です。

  • 個人使用=自分自身で食べるために輸入すること。
  • 商売目的=規模・金額の大小に関わらず、販売するために輸入すること
個人使用にはならない例:
  • 無償で知人にあげる。
  • 友達と共同で輸入する。
  • 不特定多数の人に無料・有料で配布

3.その他、食品届が不要なケース

その他、食品届が不要なケースには、次の物があります。

  1. 乳幼児以外を対象とするおもちゃ
  2. 添加物、器具、容器包装、おもちゃの「原材料」
  3. 食品衛生法4条の器具及び容器包装に該当しない機械、器具、容器
  4. 食品として販売しないことが明らかな食品
  5. 例1.個人用、試験研究、社内検討、展示用、サンプル品
  6. 例2.10キロ以下の食品
  7. 例3.輸入された全量が再輸出される物
  8. 例4.医薬品、医薬部外品
  9. 例5.輸入貿易管理令別表1に規定された食品
  10. 原塩(食用でない岩塩)、食用油脂(製造工程を経ることが前提)、コプラ、粗糖、粗留アルコール(製造用)、糖蜜、麦芽、ホップ
食品届が不要なときは「確認願い」を提出します。

4.食品届が必要な意外な物

食品届が必要な物は、食べ物以外にも様々です。意外な物も対象になるため注意します。

  • 食器類
  • コーヒーメーカ、ジューサーなどの「食品が振れる場所」
  • 水筒のゴムパッキン
  • 幼児向けのぬいぐるみ
  • 食品を入れる容器(プラスチックなど)
  • 幼児が使う歩行器の電話など(とれるかどうか)

食品が触れる可能性、幼児が口に含む可能性がある全ての物が対象になると考えましょう!少しでも怪しいと感じた場合は、必ず食品検疫所に相談をします。

食品衛生法 3つのポイント

貨物の内「食品届が必要」とされる物を輸入する場合は、次の三つのポイントがあります。

  1. 食品の規格基準にあうこと
  2. 厚生省の監視強化リストに入っていないこと
  3. 食品の製造者が過去に衛生上の問題を犯していないこと。

1.食品の規格基準に合うこと

ま日本で食品に定めている「規格基準」にあうことが条件です。具体的には、食品添加物や加工方法などに関するルールです。この規格基準は、大きく分けると次の2つです。

  1. 一般成分規格
  2. 個別成分規格

一般成分規格は、食品全般にかかる基準です。一方、個別規格とは、それらの一般から、具体的な品名ごとに定める規格です。具体的には、氷菓、食肉及び鯨肉、生食用食肉、食鳥卵などです。つまり、個別の規格基準が定められている食品は、その個別規格を守ります。それ以外の食品については、一般の成分規格を守ります。

■ポイント:輸入する食品は、個別規格がありますか? それとも、一般規格ですか? 厚生労働省の対象ページで確認しましょう!

個別規格

一般成分規格と個別成分規格の3つのポイント

一般成分規格と個別成分規格は、次の3つがポイントです。

  1. 添加物
  2. 残留農薬
  3. 放射線やカビ混入
1.添加物とは?

日本には、加工食品などの中に入れても良い添加物と、入れてはいけない添加物の2つがあります。外国では認められている添加物でも日本では禁止されている物も多いです。また、あわせて「医薬」に分類される成分にも留意します。

仮に食品の中に、医薬に分類される成分を含んでいると「薬機法」の規制を受けます。この場合は、ほぼ輸入は不可能です。

→食品中に「医薬」に分類される成分を含まないこと

これも非常に重要です。では、医薬か食べ物かの判断は、どのようにすればいいのでしょうか? それは、厚生省が定める「食薬区分リスト」を使用します。このリストと食品の成分を照合し、医薬成分が含まないことを確認します。

重要チェックポイント

  • 日本で禁止の添加物は含まないいか?
  • 食薬区分リストの内、医薬に分類される成分は含まないか?
2.残留農薬とは?

輸入する食品には「日本で禁止されている農薬成分が含まれないのか?」「日本で認めている農薬成分が規定の数値以下であるのか?」が問われます。基本的には、残留農薬には、一発でアウトになる禁止農薬と、規定の数値以下であれば問題ない農薬に大別されます。残留農薬は、すべて「ポジティブリスト」の中に規定されています。

含まれていると一発アウトな成分例
2,4,5-Tクマホスジメトリダゾールフラルタドン
イプロニダゾールクロラムフェニコールダミノジッドプロファム
オラキンドックスクロルプロマジンニトロフラゾンマラカイトグリーン
カプタホールクロルスロンニトロフラントインメトロニダゾール
カルバドックスジエチルスチルベストロールフラゾリドンロニダゾール

 

一律、0.01ppmです。これを超えると、輸入禁止扱いです。

3.放射線やカビの混入

福島第一原発での事故をきっかけに、食品の中に含まれる放射線量の基準が設けられました。具体的には、食品ごとに次の基準があります。

食品例基準値
ミネラルウォーター類10Bq/kg
原料に茶を含む清涼飲料水
飲用に供する茶
乳児の食品50Bq/kg
上記以外の食品 (乳等を除く。)100Bq/kg

2.検査強化リストにされていないこと

厚生省は、日本に初めて輸入される食品や、過去の食品検査において食品衛生法を違反している可能性が高い物について、輸入の監視強化をしています。食品を輸入するときは「監視強化対象の国または、商品ではないのか?」なども確認します。もし、監視対象になっていると、命令検査が輸入の都度必要になったり、モニタリング検査にあったりする可能性が高いです。

監視強化対象になっている食品は「輸入食品監視指導計画」の中で詳しく紹介されています。

輸入する食品は、検査強化リストに含まれていないか?

3.過去、食品衛生上の問題を起こした製造者ではない?

食品検疫所は、過去の輸入データをすべて記録しています。そのため「この製造者の食品は、食品衛生法に違反している可能性が高い」ことを把握しています。仮にその監視対象の製造者が作った食品を輸入しようとすると、後述する命令検査やモニタリング検査に当たりやすくなります。外国から食品を輸入するときは「誰が製造しているのか?」も重要です。

違反情報の把握は、厚生省の違反事例発表のページで確認できます。

あなたの輸入する食品の製造者は大丈夫?問題が多い製造者の食品は監視が強化されている。

食品輸入に関係する相談・申請機関と法律

日本へ食品を輸入するときは、税関とは別に、食品検疫所、植物防疫所、動物検疫所などの機関から確認を受けます。(他法令の確認)税関は、輸入者が他法令の確認を受けたことがわかると輸入許可を出します。この手続きは、輸入する物が単なる食べ物なのか? お肉なのか? 植物なのか?によっても申請先がかわります。

例えば、お肉の関連製品を輸入するときは、食品検疫所に加えて、家畜伝染病予防法の観点から動物検疫所に確認を受けます。果物であれば、食品検疫所と植物検疫所から確認を受けます。輸入する食品によって申請先が違う。または複数になると覚えておきましょう!【他法令の確認】輸出/輸入するときに関係する法律

機関名(公的機関)役割根拠法
税関関税に関する徴収関税法
食品検疫所(厚生省)食品の安全性の審査食品衛生法
植物検疫所(農林水産法)病害虫に関する審査植物防疫法・家畜伝染病予防法

食品届の相談は、食品検疫所へ

食品届に関する相談は、取引する通関業者にもできますが、より正確性を高めるために、輸入地を担当する食品検疫所に対して行います。

例えば、名古屋港に船で入ってくる場合は「名古屋食品検疫所」、セントレア(中部国際空港)に入ってくる貨物は「中部空港食品検疫所支所」が担当します。もし、管轄がわからない場合は、どこかの検疫所に電話をすればOKです。

食品届などの必要書類を作成後、事前相談を経て輸入に望みます。食品届けのひな形は、食品検疫所のサイト内にあります。ご自身で申請するときは、食品検疫所のサイトからひな形をダウンロードして提出してください。もし、食品届を通関業者などに任せるときは、食品届の記入は不要です。

食品届(その他の他法令も)等は、必ず自分でするの?→通関業者が代理で提供しています。その場合は、通関手数料の他、一件5000円~10000円の食品届代行料などを請求されます。

食品届の流れ 事前申請~食品届出済証の発行

食品届は、貨物到着の7日前から事前に提出ができます。わからない点があれば「事前輸入相談」などを活用して、できるだけ事前に簡易チェックをします。

実際に貨物が到着してからの手続きをすると、万が一のトラブルの際に大きな痛手を負います。食品検疫所は、輸入者から提出された食品届や関連資料に目を通して、輸入を認めるのか判断します。このとき、書類上では判断が難しいときに、食品検査をします。

実地検査のときは、輸入者が費用を負担して、食品検疫所の指定検査機関に成分分析(後述)をお願いします。この成分分析の結果は、食品検査機関から食品検疫所に通知されます。通知された内容に問題がなければ、食品検疫所から「食品輸入の届け出済証」が発行されます。輸入者は、この発行された食品輸入届出済証を税関へ提出します。

税関は、この食品輸入届出済を受けとると、関税徴収に関する審査が終わった段階で「輸入許可」を出します。これが食品届の提出~税関が輸入許可を出すまでの全体的な流れです。

食品輸入の流れ

食品届の提出から輸入許可までの流れ

  1. 税関へ輸入申告+食品検疫所へ食品届の提出
  2. 食品検疫所の審査を受ける。必要があれば現物調査
  3. 現物調査になったら、輸入者の負担で分析機関で成分を分析
  4. 成分分析の結果は、食品検疫所へ通知される。」
  5. 分析通知の結果、食品の安全性が確認されたら、届け出済証が発行される。
  6. 税関は、届け出済証の確認+関税徴収に関する審査が終わると、輸入許可を出す。

配送別・食品輸入の手続きをする人

海外から食品を輸入するときは、様々な輸送方法があります。大きく分けると、国際郵便(宅配便)のドアツードア配送(玄関先まで配送する輸送)と、海上コンテナを使った大口配送(日本の港までの輸送)です。一般的には、商業目的で輸入するときは、コンテナ配送を使います。一方、個人目的の輸入は、国際郵便や国際宅配便などを利用します。それぞれの特徴は、以下の通りです。(商業ベースでも小包を使う場合はあります。)

輸入方法手続きをする人主な特徴
一般輸送(FCL、LCLなど)基本は通関業者(個人も可能)○○港までや〇〇空港までという輸送方法です。貿易条件によりますが、基本的には個人宅に配送するわけではありません。

輸入価格の合計が20万円以上のときに利用する輸送方法です。海上、航空ともに温度管理されたコンテナにより輸送します。

大量の貨物を運ぶときは、船便。少数、かつ販売単価を高くできる物は航空輸送を選びます。

食品の輸入届は、通関業者経由で行うことが基本です。ただし、後述する輸入届出に必要な資料は、輸入者が用意します。

国際宅配便、国際郵便国際宅配会社に所属する職員、日本郵便の職員と税関職員個人宅に配送する貿易条件(DDUまたはDDP)を基本とします。

配送重量に制限はなく、お金さえ支払えば、どれだけでも輸送してくれます。ただし、一般輸送に比べると、商品価格に占める輸送料が高くなりがちです。

国際郵便は、全国各地にある外郵便において、税関職員により審査が行われます。国際郵便による重量は、上限30キロまでです。

食品の輸入届は、追加の料金を支払うことにより、宅配会社の職員が行ってくれます。(業者によっては受けてくれないことも多い)ただし、後述する輸入届出に必要な資料は、輸入者が用意します。

少量食品輸出向け!リーファーコンテナ(混載)サービス9選

食品輸入に必要な書類

外国の食品を輸入するときは、食品届と、上記で説明した1~3の観点を説明する資料を用意します。もちろん、必要になる書類は「どんな食品を輸入するのか?」によっても異なります。一般的な事例で説明すると、加工食品を輸入するときは、次の資料が必要です。(1~3は必須、4以降の書類については、輸入する食品によって必要かどうかが変わります。)

  1. 食品届
  2. 製造工程表
  3. 商品説明欄
  4. 衛生証明書
  5. 試験成績書
書類名主な目的
食品届食品を申請するために必ず提出する書類です。
原材料表(成分表)原材料・添加物を含めてすべてリスト化します。仮に香料が含まれているときは「何の香料なのか?」まで説明します。また、原材料の一部の中に、加工品があるときは、その加工品の原材料一覧も作成する必要があります。つまり、親>>子>>孫のように、含まれるすべての原材料を記載します。
製造工程表原材料をどのような工程を経て製品化(パック化まで)するのかを示す書類です。例えば、コーヒー豆であるなら、コーヒーの採取から、焙煎、最後のパックまでの一連の流れを書面にします。ちなみに、単なるコーヒー豆であれば、食品衛生法の対象外です。
商品説明書商品について説明しているパンフレットなど
衛生証明書フグ等、一部の商品を輸入するときに必要
食品等試験成績書個別規格が定められている食品を輸入するときに必要です。

書類を用意する人

原材料表、製造工程表、商品説明書、衛生証明書などは、すべて輸出者に用意してもらう書類です。つまり、輸入者であるあなたが食品を仕入れるときは、輸出者に対して「日本側で必要になる書類を用意してくれるのか?」をあらかじめ確認しておきます。また、輸出者に原材料表や製造工程表を作成してもらうときは、次のポイントがあります。

すべての書類のレターヘッドに、製造者・包装者の名前と所在地、会社名または工場名などを英語で記載してもらいます。レターヘッドとは、外国の書類で一般的である「書類上部に記載する部分」のことを言います。この書類の作成を輸出者にお願いします。

しかし、実際の所、何らかの理由によって、製造工程表や原材料表などの書類を入手できないこともあります。そのときは、輸出者などから十分に情報を仕入れた後(裏付け資料を取り寄せるなど)日本側で作成することも認められています。ただし、輸入者側が作成したときは、その旨がわかるように、輸入者の氏名、社印などを合わせて書類中に記載します。

添付する資料の例示

輸入する食品が……

ケース例必要書類
生鮮食品の場合(肉・野菜・魚介類)・輸出者と包装者のそれぞれの情報(社名、住所、加工地、生産地など)

・添加物を使っている商品の内容を説明する資料

・必要に応じて輸出国側で発行される衛生証明書など

加工食品の場合(レトルト製品、お菓子などを含む)・製造者に関する情報(社名、所在地、製造場所)などを確認できる資料

・原材料表(添加物等を含めてすべての材料を一覧化)

・製造工程表(製品が出来上がるまでの流れを書いた図)

・個別規格が定められている食品は、試験成績書

その他、輸入食品届け出と一緒に提出する書類例

対象品目等添付書類
「獣畜(牛、馬、豚、めん羊、山羊、水牛)」及び「家きん(鶏、あひる、七面鳥)」の肉及び臓器並びにこれを原料とした食肉製品輸出国政府機関の衛生証明書
ふぐ輸出国公的機関の魚種及び採取海域等に関する衛生証明書
シアン化合物含有雑豆誓約書
タール色素製品検査申請書
輸出国公的検査機関の検査を受けたもの「輸出国公的検査機関リスト」収載機関の検査成績書
加工食品等で初めて輸入されるもの製造者名の記載された商品説明、又は輸入者が確認の上作成した書類
同一食品等の継続輸入1年以内に実施した登録検査機関の自主検査成績書又は行政検査に合格した際の輸入届出書の写し
生食用カキ輸出国政府機関の衛生証明書
ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、韓国、カナダ、アイルランド
牛肉加工品等(BSE病関係)牛肉加工品等の牛由来の原材料の原産国に係る報告(ゼラチン含む)

引用:公益財団法人 日本輸入食品安全推進協会

関連記事:韓国からの輸入品 食品は大腸菌だらけで危険!?

これで食品検疫所に提出する書類の用意が完了しました。それでは、いよいよ食品検疫所に食品届と関連資料を提出します。食品届は、食品を輸入する七日前から提出できます。なるべく早く許可等を欲しいときは、7日前からの事前届け出制度を活用することをお勧めします。

食品検疫所は「輸入する国、食品、初回輸入か?、監視強化商品か?」など、様々な観点から「書類審査だけで良いのか?」「検査をして現物を確認した方が良いのか?」を判断していきます。この判断の結果、現物検査をすることになったら、輸入者は食品検査を受ける義務があります。

検査費用は、モニタリング検査以外は、すべて輸入者の費用負担で行うことになっています。つまり、あらかじめ、これらの検査費用も輸入原価に含めておくことが賢明といえます。

食品検疫所がチェックするポイントは?

主なポイントは、使用している添加物と規格基準への合致です。通常、加工食品などには、添加物が含まれています。この添加物には、天然由来の物、指定成分の物、禁止成分の物などがあり、認めていない添加物が含まれていないことを確認します。

  • 禁止添加物が含まれている→輸入禁止
  • 薬効成分のある物質→薬機法の対象

清涼飲料水などは「規格基準」など決められおり、基準から外れている物は、輸入ができません。以上の2つの観点から、まずは輸入食品の「成分リスト」を取り寄せることが必要です。

ポイント:まずは、輸入予定の食品成分リストを作ることからスタートします。
輸入食品の確認ポイント

食品全般に適用される物以外にも個別の品目種別ごとに重点的にチェックされるものがあります。

例えば、農産品全般であれば「残留農薬」「遺伝子組み換え」「カビ」などが大きなポイントです。残留農薬であれば、禁止されている農薬が使われていないのか? 認められている農薬であっても基準以下(0.01ppm)に抑えらえているのかが問われます。

健康食品(サプリメント含む)の輸入も注意します。サプリなどの輸入時は、やはり薬効成分の有無がカギです。基本的には「単なる食べ物」であることを前提とし、それを立証します。このとき、食べ物と薬効成分化を判断する物が「食薬区分リスト」です。

主な観点対象製品例ワンポイント
食品全般に適用される観点有害・有毒物質の含有
腐敗していないか?
微生物による汚染
指定外添加物の使用添加物は、自然由来の成分、禁止されている成分、許容範囲の成分の3つに分類されます。
使用可能な添加物の規定量以下
規格基準にあっているのか?清涼飲料水、食肉製品、冷凍製品など食品の内、ある一定の物については、具体的な成分規格が決まっています。
農産物やその加工品における観点アフラトキシン、パツリンなどのカビ毒穀類、豆類、香辛料、ぶどうジュース等
有害植物による自然物の除去シアン配糖体未熟な果物に含まれていることがあります。
放射性物質汚染きのこ、ベリー類濃縮品、ハーブなどキノコ類は、放射性物質を貯めこみやすい農産物です。
O157などの微生物の有無生食用の野菜
残留農薬仕入れ先と打ち合わせを行い、日本で禁止されている農薬使用をやめてもらったり、使用回数の削減をしてもらったりします。
遺伝子組み換え食品とうもろこしなど
品質や鮮度などを誤認させる添加物の使用生野菜何らかの添加物をつけることにより、品質が悪い物を「良い物」にみせかけていないのかがチェックされます。
畜産物やその加工品における観点0157などの大腸菌
放射性物質トナカイ肉、ビーフエキス生産している場所が汚染地域でないことお
衛生証明書の不備食肉、食肉製品一般
狂牛病狂牛病が発生している国や地域の肉ではないこと狂牛病は、家畜伝染予防法にも関係してきます。仕入れる所が狂牛病発生地域であるのかを確認します。洗浄国と非洗浄国とは?狂牛病の発生状況とは?
動物の残留農薬、医薬品、添加物の使用状況は大丈夫か?
品質や鮮度を誤認させる添加物の使用着色など
水産物における観点腸炎ビブリオなどの病原体の有無
生食用かきの成分規格と加工基準を満たすのか?
貝毒の有無貝類
有毒フグの混入輸入が認めれている種類であるのか?
シガテラなどの毒魚ではないか?ハタ、ブダイ、カマス
ヒスタミンアレルギー症状の原因になる物質
健康食品における観点医薬成分の含有サプリメントを輸入する人はチェック!そのサプリメントの中に「医薬品成分」が含まれていると輸入はできません。サプリメントは、単なる食品であることが大前提です。
添加物における観点指定外添加物ではないか?
規格基準に適合しているのか?
器具、容器、包装、おもちゃ規格に適合しているのか? 対象年齢にも注意口に入れる可能性がある物が対象になります。食器、ぬいぐるみ、幼児用具、容器、包装などです。

*上記の表は、厚生省のホームページを参考にして作成しました。

食品検査 3つの種類

食品検査には、次の3つの検査があります。

  1. 命令検査
  2. 自主検査(指導検査)
  3. モニタリング検査

命令検査や自主検査は、貨物を港に留め置いたまま受けます。モニタリング検査は、国が統計上のデータを取得する目的で行うため、港に貨物を留め置いて試験結果を待つ必要はありません。ただし、何らかの悪い結果がでると、市中に出した製品をすべて回収する必要があるため、リスク的なことを考えて留め置くことが一般的です。以下は検査の種類です。

1.命令検査

日本に輸入したときに「違反率が高い食品について定めている検査」です。命令検査に指定されている物を輸入するときは、輸入の度に必ず検査を受けなければなりません。これは、輸入者が過去にどれだけの実績があったとしても関係ありません。検査をするかの判断基準は「命令検査対象の貨物であるか」の一点だけです。ここに入っていれば、必ず検査対象です。

この事実を踏まえると、まずは輸入する物が命令検査にあたる貨物であるかを確認する必要があります。もし、命令検査の対象貨物である場合は「検査費用を支払っても」ビジネスとして成立するのかを考えてください。命令検査に指定されている貨物は「全量破棄命令」が下されるリスクも大きいと言えます。

2.自主検査(指導検査)

初回に輸入する場合や、ある一定の頻度につき、食品検疫所から「貨物の検査をするように指導」されます。指導と書いてありますが、強制だと考えてください。自主検査を行う場合は、次の二つの方法があります。「1.本貨物による検査」「2.外国検査機関による検査」です。いずかの方法で検査を行い「検査成績書」を入手します。輸入者は、この検査成績書を提出することによって、次回以降、同じ食品を輸入するさいに、検査成績書を提出すれば、食品審査が緩和されます。

3.モニタリング検査

これは、日本へ輸入されている食品の情報を国が把握するために、スポット的な検査をするものです。他の2つの検査のように貨物を留める力はありませんので、仮にモニタリング検査になったとしても、そのまま貨物を日本の国内市場へ流すこともできます。ただし「モニタリング検査になったら、貨物を留めておいた方が良い理由」で説明することになりかねないため、試験結果前の貨物の搬出は、おやめになった方がいいです。

根拠法:食品衛生法28条

関連:【食品の輸入】3つの自主検査 命令検査とは?

食品の輸入検査でチェックされる内容例

抗菌性物質抗生物質、合成抗菌剤、ホルモン剤
残留農薬有機リン系、有機塩素系、カーバメイト系、ピレスロイド系
添加物保存料、着色料、甘味料、酸化防止剤、防ばい剤
病原性微生物O26,O103,O104,O111,O121,O145,O157
成分規格成分規格で決められている項目に合致しているのか?
カビ等アフラトキシン、デオキシニバレノール、パツリン
遺伝子組み換え食品安全性が確認されていない遺伝子組み換え食品
放射線照射放射線の有無

見本持ち出し許可とは?

食品検査に関連する仕組みとしては、見本持ち出し許可申請があります。これは、すでに日本の保税地域に保管されている貨物(輸入許可前)を分析検査等をするために、輸入許可前に持ち出す仕組みです。(許可を受けず持ち出すと不正輸入となり、外為法違反)通関業者に依頼して、税関に対して見本持ち出し許可の申請をしてもらいます。審査の結果、見本持ち出し許可になれば、分析検査の担当者が貨物をピックアップして、分析センターに持ち帰り成分検査をします。

検査機関と費用

食品検査の費用の内、モニタリング検査は、無料でできます。国が統計データを取得する目的のため、その費用までを輸入者が負担する必要はないからです。輸入者が負担する検査は、命令検査または、自主検査のどちらかの検査です。

どちらの場合も検査自体は、食品検疫所がするのではなく、食品検疫所から認定を受けている分析業者が行います。検査費用は、検査する貨物と、検査項目によって異なります。もし、食品検査になったときは、分析業者へ依頼をして、必要な費用を聞く形です。ちなみに、この食品検査は、通関業者経由で頼むと、マージンをのせられる可能性があるため、ご自身で指定されることをお勧めします。

食品検査機関に電話をして「〇〇の国から、○○という商品を輸入したら、●●検査になった」と伝えれば、必要な費用などを教えてくれます。通関手続きを業者に依頼するなら、見本持ち出し許可などの手続きに関して、自分が手配した食品検査機関と連絡を取り合うように伝えます。そして、食品分析代金の請求書は、通関業者経由ではなく、あなたの会社へ直接請求してもらうようにします。これで無駄なマージンを防げます。

無事に食品に関する検査が終わると、登録検査機関から食品検疫所に試験結果が送信されます。食品検疫所は、この試験結果が食品の規格基準に適合していれば、食品届け出済証を発行して、食品届を終えていることを証明してくれます。あとは、この書類を税関に提出すれば、他法令の確認(食品届)ができ、輸入許可に至ります。

参考情報:
・お肉を輸入するさいの自主検査は、一件当たり2万円~5万円
・日本食品分析センターさんなどは、この検査費用をざっくりとホームページで公開しています。

もし、不合格になると…

食品の検査を受けた結果、食品衛生法の基準を満たさない場合は、どのようになるのでしょうか。大きく分けると、次の三つの内、いずれかを選択します。

  1. 積戻し又は破棄すること
  2. 食用以外の用途に使用すること
  3. 保税中に処理加工をして、食品衛生法上、適法な物にすること

積戻しとは、輸出国にそのまま返送すること。破棄とは、食品を「ゴミ」として処分することです。(専門の業者による処分)その他、食品衛生法上の要件に合致するように加工する等の方法もございますが、かけられるコストと時間などの関係から「全量破棄」をする場合が多いです。つまり、食品を輸入する場合の最悪のパターンは「商品代金+船賃+破棄代金」の負担です。

実際の検討手順

食品を輸入するにあたり、最低限必要になる知識をお伝えしてきました。ここから先は、実際に食品を輸入するときの手順をご紹介していきます。以下の観点で検討すると、通関上の手続きがスムーズにいきます。

  1. 他法令の確認が必要なのか?
  2. 関係する食品検疫所や植物検疫所に規制、必要書類、手続きを確認
  3. 日本側で必要な資料を輸出者(製造者)へ依頼します。
  4. 実際に商品を輸入します。貨物が到着したら自主検査へ
  5. 自主検査の結果がでたら、食品輸入届を提出します。
  6. 輸入許可

1.他法令の確認が必要であるのかを確認

食品を輸入すると決めたら、それにはどのような法律が適用されるのかを把握しましょう。【他法令の確認】輸出/輸入するときに関係する法律

2.関係する機関に規制、必要書類、手続きを確認

輸入する貨物が到着する地を管轄する食品検疫所などに必要書類や手続きの流れを確認します。このとき、次のようなことを整理して伝えると良いです。

  1. どこの国から何を輸入するのか?
  2. それは、どのような加工がされているのか?

この2つの情報を伝えて、まずは「食品検疫が必要な食品なのか?」を確認して下さい。また、このとき、あわせて命令検査の対象になっているのか?も確認しておきましょう!もし、食品届が必要であると言われたら、何の書類が必要になるのかを聞きます。

3.日本側で必要な資料を輸出者(製造者)へ依頼

2で必要だと分かった資料を輸出者側へ伝えます。もし、どうしても輸出者側で作成できないのであれば、輸入者側で作成します。ただし、作成するときは、しっかりとした情報のリサーチが必要です。 必要な資料例:Food Production Flow Chart、Ingredient list

Food Production Flow Chartの例(製造工程表の例)

Food Production Flow Chart

Ingredient listの例(原材料表のリスト例)

Ingredient list

4.日本に食品が到着

日本に食品が到着します。一般貨物であれば、到着の七日前から食品届を提出しておくことができます。食品検疫所に食品届を提出した結果、食品検査になったときは、指定分析機関で食品分析をしてもらいます。

5.食品に関する検査が完了したら….

4の検査を終えると、食品成績書が発行されます。この書類を食品検疫所に提出して問題がなければ、食品届はクリアします。税関に提出するための食品届け出済証が発行されます。

6.輸入許可

輸入者は、5で発行された食品届出済証を税関に提出します。すでに税関審査が終わっていれば、食品は、輸入許可です。

食品の輸入許可後(販売)

食品の輸入許可が下りると、いよいよ輸入食品を国内販売できます。ただし、この国内販売をするときは、次の4つの点に注意します。

  1. PL保険
  2. 食品表示法
  3. 特定商取引法
  4. JAS法
  5. 景品表示法

1.PL保険

商品の販売によって、誰かにケガや病気にさせてしまったときは、その商品を製造した人に責任がいきます。これは「製造物責任法」通称、PL法と言います。実は、輸入食品にもこのPL法の考え方が適用されます。つまり、輸入食品を食べたことにより、何らかの被害が発生したときは、その被害補償は、輸入者がすべてを追わなければならないという考えです。

例えば、あらためてよく分析したら、日本には認められていない添加物などが発見されたなどがあります。このようなときは、市場に流した食品を全量回収する命令が出される可能性があります。回収にかかる費用、返金保証など、とても大きなお金がかかることは、誰が考えてもわかります。そのため、この部分については、必ずリスクを小さくすることを考えておく必要があります。その具体的な方法が「PL保険」です。

「PL保険」輸入した商品の責任は誰にある?

PL保険に加入していれば、輸入した貨物から発生する諸問題を補償の対象にしてくれます。万が一のときに、とても役立つため、かならずPL保険を検討するようにしましょう!

2.食品表示法

輸入した食品を販売するときは、商品の内容、原材料、原産国などの情報が「日本人でも簡単に理解できる」ように示しておく必要があります。とても簡単にいうと、商品を説明する資料や商品に貼るラベルをしっかりと日本語で作成することが求められています。ラベルの中で説明する内容は、それが小売り用なのか? それとも卸売り用なのか? によっても異なってきます。詳しい内容は「消費庁」のサイトをご覧ください。

3.特定商取引法

インターネットで商品を販売するときは、販売者に関する情報(販売責任者名、住所、氏名、電話番号など)をすべて公開する必要があります。

4.JAS法

主に農林水産物を販売するときに守るべき法律です。この中には「オーガニック」「有機」などの表示は、一部の認定者しか使うことができない などの細かいルールがあるため、気になる方は、一度、詳しく調べられることをお勧めします。

5.景品表示法

商品やサービスの内容について、実際の物より、著しく誇大に見せかけて消費者を欺くことを防止する法律です。

例えば「飲むだけで〇〇キロ痩せる!」の表現は、典型的な違反例です。この場合は「痩せる~」と表現しているため、効果・効能をうたうことを禁止する「薬機法」にも違反しています。

食品輸入の王道とは? 小さく初めて実績を積む

食品の輸入ビジネスを始めるときは、必ず小さく初めて大きくすることが重要です。弊社では、食品関連のサポート業務をしていますが、全く実績がない状態で、いきなり20フィートや40フィートで食品を持ってくる方がいらっしゃいます。

そんな方々からの依頼内容を見ると「またか…」と感じます。食品の輸入は、必ず「小さく」始めることが重要です。それは、様々な原因により「輸入不許可」になる可能性が高いからです。特に輸入実績が全くない方は、非常にリスキーです。

食品の輸入は、まずは少量で「輸入実績」を積み、その後、少しずつ規模を拡大することが王道です。様々なリスクを考えても、やはり、これが一番お勧めの方法です。この記事をご覧になっている方は、ぜひ、この部分をお忘れにならないようにお願いします。

小さく初めて輸入実績を積む。その後、少しずつ規模を拡大していくべき!

関連疑問:輸入代行と手続き代行の違いとは?

ご覧いただいた通り、輸入手続きは非常に複雑です。おそらく簡単にはできないはずです。となると、すぐに思いつくのは「代行」です。ただし、代行には、次の2つの意味があるため注意しましょう!両者は明確に違います。

  1. 輸入代行
  2. 食品手続きの代行
1.輸入代行

輸入代行とは、A、Bの人物がいたとしましょう。BがAに対して輸入代行を依頼した場合は……

  1. Aが日本に輸入する(輸入者)
  2. BがAから買い取る(国内転売)

この場合、Bは輸入といいつつも、実態はAから国内転売を受けた形です。したがって、この場合、Aが輸入者となり、輸入品に対するすべての責任を取る必要があります。したがって、この形での輸入代行は、商品的な品質がしっかりしていないと、成り立ちにくいです。

2.食品手続きの代行

他方、食品手続きの代行を確認してみます。Aが輸入者。その手続きを通関業者Bに依頼したとしましょう。この場合は、次の形になります。

  1. AがBに食品届の代行手続き依頼をする。
  2. Bは、輸入者Bの名前で食品届及び輸入申告をする。
  3. Aを輸入者として許可が下りる。
  4. 以降、Aが輸入者の扱いとなり、製造物責任法の責任を負う。

一般的な食品の輸入代行は、2番の食品手続きの代行を意味します。あなたの考えている代行と違う場合は、今一度、よく確認をした方が良いと思います。ちなみに、食品手続きの代行を依頼する場合でも、食品届に必要な各種資料を用意するのは輸入者であるあなたです。

あなたは、代行の意味を正しく理解していますか? 同じように感じる場合でも、実は責任等が全く違います。この点を確実に理解するようにしましょう!

よくある疑問

Q.食品輸入時の関税率は?

食品を輸入関税は、高めに設定されています。基本的に、日本は、工業製品には低い関税をかける一方、食品系には高い関税率を課してます。食品を輸入するときは、高い関税率を含めて輸入原価を算出します。積極的に特恵関税EPA(自由貿易協定)を使っていきましょう!。

2020年3月現在のEPA締約国一覧
シンガポールマレーシアタイインドネシアブルネイ
アセアン全体フィリピンベトナムインドモンゴル
オーストラリアメキシコチリペルースイス
CPTPP(TPP11)日欧EPA日米貿易協定
今後増えるかもしれない!?
カナダニュージーランドRCEPFTAAP

Q.消費税と軽減税率は適用

輸入食品にも関税の他、消費税が課せられます。また、消費税は、食品表示法に規定する「食品(人の飲食用)」に該当する物は、8%の軽減税率が適用されます。

Q.登録検査機関とは?

食品の成分等を分析する機関のことです。厚生労働省が「検査をする基準を満たす機関」として定めた所であり、大きく分けると日本の登録検査機関と外国の検査機関の2つがあります。登録検査機関によって分析・発行された証明書を使い、食品届を申請するときの添付資料とします。

  • 日本の登録検査機関
  • 外国の登録検査機関

どちらを使うかは、輸出者と輸入者の取り決めによります。詳細:登録検査機関一覧 なお、通関業者、登録検査機関、輸入者の関係は、次の通りです。

  1. 輸入者が通関業者に食品届を依頼。
  2. 通関業者が登録検査機関に分析を依頼。
  3. 通関業者が食品検疫所に食品届申請、税関に見本持ち出し許可申請をする。
  4. 見本持ち出し許可を与えられた機関が保税地域から貨物を抜き取る。
  5. 分析機関が貨物を分析する。
  6. 分析書として発行が完了する。
  7. 食品検疫所に分析書を提出して問題がないことを確認する。
  8. 食品検疫所から「確認済証」が発行される。
  9. 税関から輸入許可が下りる。

Q.食品輸入のセミナーはありますか?

ミプロ等が主催するセミナーが便利です。詳細:貿易のセミナー情報まとめ

Q.食品を輸入するときの3つのリスクを知りたい!

次の三つの観点でリスクを小さくしましょう!

  1. 違反が多い食品であるかをチェック
  2. 過去、食品衛生法違反をした製造者ではないか?
  3. 貿易保険、貿易条件でリスクを小さくする
1.違反が多い食品ではないか?

海外からくる食品は、品目によって食品衛生法に違反する率が違います。それをまとめた物が「食品衛生法違反事例」です。このリストの中で、どこの国から来た、何という商品から、○○を検出したなどの事例が掲載されています。まずは、このリストの中に、輸入予定の食品が掲載されていないかを確認してみましょう。

違反事例が多い食品は、食品検疫所側もおのずと警戒の目を光らせるということになります。

2.過去、食品衛生法違反をしている製造者ではない?

商品を製造している会社が「過去に食品衛生法違反をしているのか?」を調べることも有効な手の一つです。実は、厚生省のホームページには、食品衛生法の違反をした事業者は、すべて公にさらされています。(内容例:日本側の輸入者、海外のシッパー(輸出者)、製造者、どんな商品か?どのような問題があったのかなど)

この食品衛生法違反リストは、毎年データとして記録されています。(さかのぼっていけば、平成12年まで確認することができます。)このリストを数年間だけ確認するだけで、同じような違反を何度も繰り返している業者(輸出国側の工場など)が分かってくるはずです。つまり、食品輸入時のリスク回避は、この表を頼りにして行います。

具体的には、仕入れたい商品が見つかったら、リストからその製造者を探します。ここで名前が見つかれば、過去に衛生法違反をしている業者ということになります。該当しないようなら、検索方法を工夫してみます。もしかすると、検索文字を短縮するとヒットするかもしれません。この作業をできれば、過去5年分ほどはさかのぼって調べた方が良いです。これだけで、問題がある製造者かどうかを少しだけ判断できます。それだけではありません。

このとき、あなたが輸入する商品名でも検索してみましょう。過去に起きた違反事例が掲載されている可能性があります。過去に違反事例があるということは、その部分を重点的にチェックされるというになります。

3.貿易条件や貿易保険でリスクを小さくする。

貿易は、必ず契約書や保険によって、万が一のリスク回避策を考えておくことが大切です。

輸入する食品に問題が発生した原因を細かく考えると「製造方法に問題があった」ことと「輸送途中に問題(例:温度管理)があった」の2つにわけられます。輸入時に問題があった~といったとしても、どこのタイミングで発生したのかを追求しなければ責任の所在が不明なままです。

食品衛生法違反が発生した→契約書で決めている対処方法や補償を適用する→貿易保険でカバーできないのか?を考えるようにしてください。要所、要所で分けて考えることがポイントです。

関連記事:輸入できない→積戻しと滅却処分とは?

Q.結局、輸入食品の安全性はどうなの?

日本に輸入される食品の内、実際に検査されているのは、10%以下だと言われています。また、検査をする食品検疫所のスタッフは、全国で400名程しかいません。この2つの事実を考えると、安全かどうかは、何となく推測ができますね。

輸入食品の安全性 リスク、デメリットを暴露!

Q.食品を輸入するときの資格や免許はいる?

食品を輸入するだけでは、特に免許等は不要です。(お酒は別)輸入した商品を国内で販売するときに免許が必要な食品があります。

例えば、食肉や乳製品、鮮魚などがあります。これらの製品は、各市町村の保健所から販売許可を受ける必要があります。

セロから覚えるお酒の輸入ビジネス

Q.相談ができるところはどこ?

各地にある食品検疫所、ミプロなどでも相談できます。

Q.お勧めの本は?

日本輸入食品安全推進協会がリリースしている「食品輸入マニュアル―食品を安全に輸入するために」の本が良いと思います。

メリットとリスクを検討するべし!

ご自身で食品を輸入できれば、商売の幅がぐっと広がります。すでに述べている通り、食品に含まれる物は、食べ物だけではなく、口にくわえる、含める可能性がある器具等も含まれます。

例えば、食器などもその対象です。食品届を必要とする商材を扱うことによって、誰でも輸入ができる商品を扱うよりも、参入障壁を高くできます。そのため、もしかすると、少数の人しか手を付けていない輸入分野を発見することになるかもしれません。これがメリットです。

逆にデメリットやリスクといえば「全量破棄」です。食品衛生法で決められている「食品の規格基準」に合わない商品は、輸入ができません。もし、日本の港まで持ってきてしまったら、輸入商品の破棄はもちろんのこと、送料なども含めてすべてが損失です。これが食品を扱う上での最大のリスクです。

輸入食品の安全性 自由貿易(FTA)時代に知るべきこと
食品の輸入通関には、どんな費用(検査料)がかかるのか?

HUNADEが提供する食品輸入向けのサービス

個人・小規模事業向け輸入コンサルサービス(通関代行)

「EPA/対比表の作成支援」化粧品・食品のHSコード特定サービス

まとめ

海外の食品を輸入する場合の手続きをお伝えしてきました。商売目的で輸入する場合、厚生省へ「食品輸入届」を提出して、その確認を受けます。これを税関が確認すると、輸入許可に至る仕組みです。食品に関する税関の許可は、厚生省や農林水産省からの確認を受けた上で出されることを覚えておきます。また、食品の輸入許可を受けるにあたり重要なことは「食品検査」です。

この検査には、命令検査、自主検査、サンプリング検査の3種類があります。どの検査になったとしても、食品の安全性基準に問題があると判断されると「全量破棄」などの厳しい命令が下されます。食品を輸入する人は、最悪なケースとしてこのようなリスクもあると考えておくべきです。

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