知識ゼロからの食品の輸入手続き

食品輸入 他法令 食品/薬機/植物
この記事は約32分で読めます。

食品を輸入するときは、税関の許可を受けるために、厚生労働省から「食の安全確認」を受けます。税関は、輸入予定の食品の安全性の確認がとれた後、輸入許可をします。もし、食品に何らかの問題があれば「全量破棄」などの命令を出します。

そこで、この記事では、食品の輸入手続きに関する基礎知識をご紹介していきます。

関連記事:食品表示法入門

  1. 海外の食品を輸入したい!
    1. 超初心者向けレベル・食品輸入の全体像
      1. 相談先と手続き方法
      2. 食品届の申請と税関手続き
      3. 小規模食品輸入の実例
    2. 「一般レベル」食品の輸入に必要な手続きと資格
    3. 食品届とは?
      1. 1.「食品」の定義に当てはまること
        1. こんな物も食品届の対象
      2. 2.商売目的で輸入すること
        1. 個人使用にはならない例:
      3. 3.食品届が不要な食品や物
    4. 輸入食品を考える4つのポイント
      1. 1.食品の規格基準に合っている?
      2. 2.添加物、農薬、放射能の使用基準
        1. 主なチェック項目
        2. 農薬成分例
        3. 放射線、カビなど
      3. 3.検査強化リストにされていない?
      4. 4.過去、食品衛生上の問題を起こしていない?
    5. 食品を輸入を実現するための流れ
      1. 1.輸出者に依頼して資料を取り寄せる。
        1. 取り寄せる資料の代表例
          1. 1・成分リスト(INGREDIENTS LIST)
          2. 2.製品の製造工程フロー図(Food Production Flow Chart)
          3. 3.商品パンフレットや完成品の写真
      2. 2.食品検疫所と税関に事前相談する。
        1. 適切な相談先は?
        2. 通関業者による代行手続きや相談もできる。
      3. 3.食品検疫所による事前審査
      4. 4.輸入審査&税関検査(食品検査)
        1. 1.命令検査
        2. 2.自主検査(指導検査)
        3. 3.モニタリング検査
        4. 食品検査する人と費用は?
        5. 食品検査に不合格になると?
      5. 5.輸入許可と貨物の引き取り
        1. 食品届の提出から輸入許可までの流れ
      6. 6.食品表示法への対応(輸入許可後の販売準備)
        1. 1.食品表示法への対応
        2. 2.PL保険の加入
    6. 食品輸入の王道とは? 小さく初めて実績を積む
    7. よくある疑問
      1. Q.輸入代行と手続き代行の違いとは?
        1. 1.輸入代行
        2. 2.食品手続きの代行
      2. Q.食品輸入時の関税率は?
      3. Q.消費税と軽減税率は適用
      4. Q.登録検査機関とは?
      5. Q.食品輸入のセミナーはありますか?
        1. Q.輸入食品の確認ポイントは?
      6. Q.食品を輸入するときの3つのリスクを知りたい!
        1. 1.違反が多い食品ではないか?
        2. 2.過去、食品衛生法違反をしている製造者ではない?
        3. 3.貿易条件や貿易保険でリスクを小さくする。
      7. Q.結局、輸入食品の安全性はどうなの?
      8. Q.食品を輸入するときの資格や免許はいる?
      9. Q.相談ができるところはどこ?
      10. Q.お勧めの本は?
      11. Q.配送別・食品輸入の手続きをする人は?
    8. メリットとリスクを検討するべし!
    9. HUNADEが提供する食品輸入向けのサービス
    10. まとめ

海外の食品を輸入したい!

海外の食品を輸入して日本国内に販売するときは、どのような手続きが必要なのでしょうか? まずは、食品を輸入するために必要な資格や手続きを確認していきます。

この記事は、約20000文字で構成しています。また、内容等も幅広く取り扱っているため、記事の前半と後半に分けて紹介しています。前半は、超初心者向けの解説、記事の後半は一般レベルの解説をしています。ご自身のレベルに応じてお選びください。

超初心者向けレベル・食品輸入の全体像

海外から「食品」「商売目的」で輸入するときは、食品検疫所に「食品届」が必要です。このとき、次の2つの観点で考えます。

  1. 何が食品に該当するのか?
  2. 商売目的とは何か?

食品とは、食品の他、食品に触れる全ての容器、包装物等を指します。例えば、次の物が食品です。

  • 食べ物
  • 食品を入れる容器
  • 食品が触れる可能性がある機械類
  • 幼児向けのぬいぐるみ

特に幼児向けの品目は見落としやすいので要注意です。また、商売目的とは「自分自身が輸入して食べる目的以外」の全てが該当します。業務用はもちろんのこと、サンプル品でも多数に配ることが前提の場合は食品届が必要です。

輸入時に食品届が必要であるのかは、上記2つの観点で考えましょう!

相談先と手続き方法

食品届は、輸入地を管轄する食品検疫所が担当します。ここでは、輸入前の「事前相談」から、実際の申請や検査等まで、様々な問い合わせができます。

「こういう食品を輸入したい!」と考えたら、まずは「輸入できる食品か?」を検討することからスタートします。その検討のステップで最初に相談するべき所が「食品検疫所」です。もしくは、お付き合いがある通関業者やミプロなどでも良いでしょう。

■要チェック→輸入予定の食品は、輸入基準を満たす物なのか?

実際に食品の輸入手続きをするときは、直接、ご自身で食品検疫所に申請をするか、通関業者に代行を依頼できます。通関業者に依頼する場合は、通関料の他、別に手数料(食品届申請料)が発生します。また、どちらの場合も、輸入者が食品届に必要な書類を準備をします。

食品届の申請と税関手続き

食品が届く七日前の時点から、輸入地を担当する食品検疫所に対して、食品届の申請ができます。できるだけ早めの手続きがポイントです。食品届を申請すると、書類審査が行われて、必要であれば、他の書類を求められたり、食品に対して実施検査が行われたりします。

少し難しく聞こえますが、審査官の指示通りに書類をそろえていけば、クリアできます。ただし、初回輸入は、必ず小規模にします。万が一、輸入不許可でも、最小限のダメージになるからです。

この他、税関に対して輸入申告をします。つまり、税関と食品検疫の2つの機関から審査を受けます。税関は、関税徴収の観点。食品検疫所は、食品安全の観点から審査をします。

税関の審査と食品の審査の2つが終わると、輸入許可が下りて、輸入食品を受け取れます。なお、どちらの申請手続きも通関業者に依頼をすれば、代行してくれます。

小規模食品輸入の実例

では、実際の食品輸入の流れを確認してみましょう! 一つの方法として国際郵便を使い食品の輸入をするときの流れを紹介します。

  1. 気になる食品が見つかる。
  2. 食品検疫所にざっくりと輸入可否を確認
  3. ある程度okであれば、海外サイトに問い合わせをして、食品届に必要な情報を取得する。
  4. 輸出者に成分リストや製造工程書などを作成してもらい、食品検疫所に相談をする。
  5. 検疫所と相談をしながら、書類を仕上げる。
  6. 貨物到着の七日前から、輸入地を管理する検疫所に「食品届」を提出する。
  7. 貨物到着後、実際に検査や追加資料の提出などの審査される。
  8. 検査が決まれば、指定分析機関に依頼をする。
  9. 分析結果が出て基準を満たせば食品届申請は終了
  10. 同時に税関から輸入許可が下りる。

いかがでしょうか? 以上が食品を輸入するための簡単な流れです。より詳しく知りたい方は、ここから先の記事をご覧ください。専門機関に相談を希望する方は、通関業者又は、ミプロが便利です。

HUNADEの問い合わせ先はこちら!

「一般レベル」食品の輸入に必要な手続きと資格

特別な品目(酒)を除き、食品を輸入する上で必要な資格はありません。商売目的なのか? 個人使用目的なのか? の線引きをすることで、誰でも輸入はできます。

商売目的とは、輸入した食品により一円でも利益を上げる行為。一方、個人使用目的とは、有償・無償問わず、ご自身だけが楽しむ輸入です。また、無償であっても、多数の人に配る物も食品届の対象です。判断のポイントは….

「仮に有害な食品であっても、自分が被害を受けるだけで済むのか?」

です。ここに分岐点があり、基本は個人使用目的か、商売目的に線引きがあります。

この記事は、商売目的での輸入を前提にします。

食品の輸入手続きは…..

  1. 海外の食品製造者から必要な書類(原料表など)を仕入れて、
  2. 日本側の輸入地を管轄する食品検疫所に上記の書類と食品届を提出し、
  3. その後、食品検疫所の確認が済んだら、税関からの輸入許可がおりる。

という流れを辿ります。以降の文章でこれらの詳しい説明をしていきます。

食品検疫所の確認が終わる(許可が出る)→税関の許可が出る→荷物を引き取れる。

食品届とは?

海外の食品を輸入するときは、その安全性について十分に確保しなければならないと規定されています。また、食品の輸入者とは、実際に日本に食品を輸入する者であり、関税法95条の税関事務管理人対象外とされています。

第三条 食品等事業者(食品若しくは添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること若しくは器具若しくは容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売することを営む人若しくは法人又は学校、病院その他の施設において継続的に不特定若しくは多数の者に食品を供与する人若しくは法人をいう。以下同じ。)は、その採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、販売し、不特定若しくは多数の者に授与し、又は営業上使用する食品、添加物、器具又は容器包装(以下「販売食品等」という。)について、自らの責任においてそれらの安全性を確保するため、販売食品等の安全性の確保に係る知識及び技術の習得、販売食品等の原材料の安全性の確保、販売食品等の自主検査の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

根拠法の引用元:E-GOV

また、食品届の必要性については、次の条文が根拠になっています。

第二十七条 販売の用に供し、又は営業上使用する食品、添加物、器具又は容器包装を輸入しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、その都度厚生労働大臣に届け出なければならない。

根拠法の引用元:E-GOV

これらの根拠法に基づき、食品を輸入する場合は…..

税関に対して「私は○○国から○○を○○個輸入。日本で禁止されている食品添加物も含まれておらず安全です。税関の輸入許可を受けるために「確認」をお願いします!」と、書類上で伝えます。

さらに、食品検疫所に対して「○○の国から○○を輸入予定。食品の成分リストと加工工程は次の通りです。審査をお願いします」=これが食品届

と、2つの機関に申請をして、審査を受ける必要があります。両方の審査に合格すると、税関から「輸入許可」がでて、食品を輸入できます。

ただし、食品の輸入=「食品届(他法令の確認)」ではないです。以下、3つの観点により必要性がかわります。

  1. 輸入する食品が食品衛生法上の「食品」の定義に当てはまること
  2. 商売目的で輸入すること(不特定多数の方に無償で配ることも該当)
  3. 食品届が不要な食品

1.「食品」の定義に当てはまること

食品衛生法の「食品」とは、次の内、いずれかに当てはまる物と定義されています。この定義から外れる物は食品届の提出は不要です。例えば、医薬・医療機器、医薬部外品に該当する物などです。

食品衛生法の対象 意味
すべての食べ物 口に入れるすべての食べ物を指します。ただし、医薬品、医療機器、有効性及び安全性の確保等に関する法律に含まれる物は除外される
添加物 食品を製造・加工をするときに添加する物
器具 飲食物を入れる器。又は製造、加工、運搬、保管、陳列などをするときに食品に触れる可能性があるすべての器具や機械。(除外:農業・水産業における食品の採取の用器具)
容器包装 食品・添加物を入れ、又は包んでいる物。
おもちゃ 食品衛生法第62条第一項に規定する物
1.乳幼児が口に入れる可能性がある物→ぬいぐるみなど
2.乳幼児用アクセサリー、ブロックがん具、ボール、ままごと用具、知育がん具、つみき、電話がん具、人形、うつし絵、起き上がり、おめん、折り紙、がらがら、動物がん具、人形、粘度、乗り物がん具、風船、粘土など
食品衛生法の規制は、加工方法、商品の表示方法、デザイン、包装、売り場のポップなど総合的に判断される点がポイントです。
こんな物も食品届の対象
  • 食器類
  • 絞り器
  • コーヒーメーカ、ジューサーなどの「食品が振れる場所」
  • 水筒のゴムパッキン
  • 幼児向けのぬいぐるみ
  • 食品を入れる容器(プラスチックなど)
  • 幼児が使う歩行器の電話など(とれるかどうか)

食品が触れる可能性、幼児が口に含む可能性がある全ての物が対象になると考えましょう

2.商売目的で輸入すること

上記の「食品」の定義に当てはまる物でも輸入目的が「個人使用」のときは規制の対象外です。

  • 個人使用=自分自身で食べるために輸入すること。かつ使用範囲が限定されていること
  • 商売目的=規模・金額の大小に関わらず、販売するために輸入すること
個人使用にはならない例:
    • 無償で知人にあげる。
    • 友達と共同で輸入する。
    • 不特定多数の人に無料・有料で配布

3.食品届が不要な食品や物

その他、食品届が不要なケースには、次の物があります。

  1. 乳幼児以外を対象とするおもちゃ
  2. 添加物、器具、容器包装、おもちゃの「原材料」
  3. 食品衛生法4条の器具及び容器包装に該当しない機械、器具、容器
  4. 食品として販売しないことが明らかな食品
  5. 例1.個人用、試験研究、社内検討、展示用、サンプル品
  6. 例2.10キロ以下の食品
  7. 例3.輸入された全量が再輸出される物
  8. 例4.医薬品、医薬部外品
  9. 例5.輸入貿易管理令別表1に規定された食品
  10. 原塩(食用でない岩塩)、食用油脂(製造工程を経ることが前提)、コプラ、粗糖、粗留アルコール(製造用)、糖蜜、麦芽、ホップ
食品届が不要なときは「確認願い」を提出します。

輸入食品を考える4つのポイント

ここまでの説明で食品とは何を指すのか? また、食品届が必要なケースを確認してきました。ここから先は、輸入食品を検討するポイントを確認していきましょう!

  1. 食品の規格基準に合っている?
  2. 添加物の使用基準、医薬に該当する成分は含まれていない?
  3. 厚生省の監視強化リストに入っていない?
  4. 食品の製造者が過去に衛生上の問題を犯していない?

1.食品の規格基準に合っている?

まず日本で食品に定めている「規格基準」にあうことが条件です。つまり、「食品の体をなしているのか?」という観点で考えます。具体的には、一般成分規格と個別成分規格の2つで考えます。

詳しくは厚生省の規格基準をご覧ください。

2.添加物、農薬、放射能の使用基準

一般的に、食品の中には、様々な添加物が含まれています。これらの添加物は、日本では禁止にしていたり、使用量が制限されていたりするものがあります。また、医薬に分類される成分もNGです。

輸入予定の食品成分と次のリストを照合します。この確認の結果、「単なる食べ物」であることを証明します。また、このときの注意点は、パッケージなどに効果や効能を標榜すると、一発でアウトになるため、あわせて注意します。

主なチェック項目
    • 食品の中に禁止されている添加物は入っていない?
    • 認められている添加物でも、その使用基準を守っている?
    • 成分の中に「医薬」に該当する物は含まれていない?
    • 食品の展示スペース、ポップ、パッケージなどに、効果や効能を標榜していない?
    • 残留農薬の基準は規定以下?(0.01ppm以下)(指定食品のみ)
    • 放射線やカビの混入は?(指定食品のみ)

その他、品目別の審査ポイントはこちらをご覧ください。

農薬成分例
2,4,5-T クマホス ジメトリダゾール フラルタドン
イプロニダゾール クロラムフェニコール ダミノジッド プロファム
オラキンドックス クロルプロマジン ニトロフラゾン マラカイトグリーン
カプタホール クロルスロン ニトロフラントイン メトロニダゾール
カルバドックス ジエチルスチルベストロール フラゾリドン ロニダゾール
放射線、カビなど
食品例 基準値
ミネラルウォーター類 10Bq/kg
原料に茶を含む清涼飲料水
飲用に供する茶
乳児の食品 50Bq/kg
上記以外の食品 (乳等を除く。) 100Bq/kg

3.検査強化リストにされていない?

厚生省は、日本に初めて輸入される食品や、過去の食品検査において食品衛生法を違反している可能性が高い物について、輸入の監視強化をしています。食品を輸入するときは「監視強化対象の国または、商品ではないのか?」なども確認します。もし、監視対象になっていると、命令検査が輸入の都度必要になったり、モニタリング検査にあったりする可能性が高いです。

監視強化対象になっている食品は「輸入食品監視指導計画」の中で詳しく紹介されています。

輸入する食品は、検査強化リストに含まれていないか?

4.過去、食品衛生上の問題を起こしていない?

食品検疫所は、過去の輸入データをすべて記録しています。そのため「この製造者の食品は、食品衛生法に違反している可能性が高い」ことを把握しています。仮にその監視対象の製造者が作った食品を輸入しようとすると、後述する命令検査やモニタリング検査に当たりやすくなります。外国から食品を輸入するときは「誰が製造しているのか?」も重要です。

違反情報の把握は、厚生省の違反事例発表のページで確認できます。。

食品を輸入を実現するための流れ

ここから先は、さらに具体的に食品の流れを確認していきましょう。全体の流れは、次の通りです。

  1. 輸出者に依頼して資料を取り寄せる。
  2. 食品検疫所と税関に事前相談する。
  3. 貨物到着&審査
  4. 輸入審査と税関検査(食品検査)
  5. 輸入許可と貨物の引き取り
  6. 食品表示法への対応

1.輸出者に依頼して資料を取り寄せる。

外国の食品を輸入するときは、輸出者より次の3つの資料を取り寄せます。具体的には、レターヘッドに、輸出国側の製造者・包装者の名前、所在地、会社または工場名などを英語で記載してもらいます。レターヘッドとは、外国の書類で一般的である「書類上部に記載する部分」を指します。

  1. 成分リスト(原材料リスト)
  2. 製品の製造工程フロー図
  3. 製品完成形の写真

しかし、実際の所、何らかの理由によって、製造工程表や原材料表などの書類を入手できないこともあります。そのときは、輸出者などから十分に情報を仕入れた後(裏付け資料を取り寄せるなど)日本側で作成することも認められています。ただし、輸入者側が作成したときは、その旨がわかるように、輸入者の氏名、社印などを合わせて書類中に記載します。

取り寄せる資料の代表例

資料は、フォーマットも決めらておらず、輸出者ごとに違います。もし、輸出者が「資料フォーマットが欲しい」と言われた場合は、輸入者側でフォーマット(エクセルなど)を作成し、それに記入、捺印後、返送してもらうことが多いです。

  1. 成分リスト(原材料リスト)
  2. 製品の製造工程フロー図
  3. 製品完成形の写真
1・成分リスト(INGREDIENTS LIST)

成分リストの中に食品に使っている原材料や添加物を一覧でまとめます。添加物の場合は、化学式を含み、その内容量(割合)等も記載する必要があります。仮に香料が含まれているときは「何の香料なのか?」まで説明します。また、原材料の一部の中に、加工品があるときは、その加工品の原材料も一覧にします。つまり、親>>子>>孫のように、含まれるすべての原材料を記載します。

Ingredient list

2.製品の製造工程フロー図(Food Production Flow Chart)

どのような工程を経て食品が完成品になるのか?この流れを説明した資料が製造工程フロー図です。例えば、絶対、滅菌処理をしなければならないのに、その工程が一切されていないなど、工程の中に不十分な点がないかを確認されます。

Food Production Flow Chart

3.商品パンフレットや完成品の写真

完成品の写真は、どのような包装紙にくるまれており、どのようなパッケージになっているのか?を説明する資料です。また、補完する資料として、商品を説明するパンフレットなども有効です。

以上、3つがどんな食品に対しても必要な資料です。この他、衛生証明書や食品試験成績書などもございます。輸入する食品ごとに異なるため、詳しくは検疫所に確認しましょう。どの食品でも輸出者との交渉時に、資料を用意できるのか?を含めて確認することが重要です。

2.食品検疫所と税関に事前相談する。

食品の輸入をするときは、食品検疫所及び税関、その他、動物検疫所、植物検疫所などがあります。これらは、輸入品目により異なります。

例えば、単なる加工食品であれば、食品検疫所と税関のみです。これが生鮮食品になると、食品検疫所、植物防疫所および税関が関係します。多くは食品検疫所と税関のみで足りますが、その他の機関も関係する可能性があることを覚えておきましょう!

適切な相談先は?

相談先の機関は、それぞれ「輸入地を所管する官庁」です。

例えば、名古屋港に運ばれてくる食品を輸入する場合は、名古屋食品検疫所と名古屋税関に相談や申請をします。それぞれの機関の役割は、次の通りです。関連記事:他法令の確認とは?

機関名(公的機関) 役割 根拠法
税関 関税に関する徴収 関税法
食品検疫所(厚生省) 食品の安全性の審査 食品衛生法
植物検疫所(農林水産法) 病害虫に関する審査 植物防疫法・家畜伝染病予防法
通関業者による代行手続きや相談もできる。
もし、ご自身で相談や手続きをするのが面倒な場合は、通関業者に依頼をすれば、すべて代行してくれます。

3.食品検疫所による事前審査

食品届出書は、貨物到着の7日前から事前に提出ができます。わからない点があれば「事前輸入相談」などを活用して、できるだけ事前に簡易チェックをします。

実際に貨物が到着してからの手続きをすると、万が一のトラブルの際に大きな痛手を負います。食品検疫所は、輸入者から提出された食品届や関連資料に目を通して、輸入を認めるのか判断します。このとき、書類上では判断が難しいときに、食品検査をします。

食品検査のときは、輸入者が費用を負担して、食品検疫所の指定検査機関に成分分析(後述)をお願いします。この成分分析の結果は、食品検査機関から食品検疫所に通知されます。通知された内容に問題がなければ、食品検疫所から「食品輸入の届け出済証」が発行されます。輸入者は、この発行された食品輸入届出済証を税関へ提出します。

4.輸入審査&税関検査(食品検査)

税関及び食品検疫所は、それぞれ輸入検査をする可能性があります。税関は、関税徴収の観点、食品検疫所は、食品安全上の観点で検査をします。これらは、関連機関が調整をして、同時に行うことが多いです。食品検査には、次の三つがあります。

  1. 命令検査
  2. 自主検査(指導検査)
  3. モニタリング検査
1.命令検査

日本に輸入したときに「違反率が高い食品について定めている検査」です。命令検査に指定されている物を輸入するときは、輸入の度に必ず検査を受けなければなりません。これは、輸入者が過去にどれだけの実績があったとしても関係ありません。検査をするかの判断基準は「命令検査対象の貨物であるか」の一点だけです。ここに入っていれば、必ず検査対象です。

この事実を踏まえると、まずは輸入する物が命令検査にあたる貨物であるかを確認する必要があります。もし、命令検査の対象貨物である場合は「検査費用を支払っても」ビジネスとして成立するのかを考えてください。命令検査に指定されている貨物は「全量破棄命令」が下されるリスクも大きいと言えます。

2.自主検査(指導検査)

初回に輸入する場合や、ある一定の頻度につき、食品検疫所から「貨物の検査をするように指導」されます。指導と書いてありますが、強制だと考えてください。自主検査を行う場合は、次の二つの方法があります。

  1. 本貨物による検査
  2. 外国検査機関による検査」です。

いずかの方法で検査を行い「検査成績書」を入手します。輸入者は、この成績書を提出することによって、次回以降、同じ食品を輸入するさいに、検査成績書を提出すれば、食品審査が緩和されます。

3.モニタリング検査

これは、日本へ輸入されている食品の情報を国が把握するために、スポット的な検査をするものです。他の2つの検査のように貨物を留める力はありませんので、仮にモニタリング検査になったとしても、そのまま貨物を日本の国内市場へ流すこともできます。

ただし「モニタリング検査になったら、貨物を留めておいた方が良い理由」で説明することになりかねないため、試験結果前の貨物の搬出は、おやめになった方がいいです。

根拠法:食品衛生法28条

食品検査する人と費用は?

食品の輸入検査は、多くの場合、食品検疫所(厚生省)の指定検査機関が見本を持ち出し許可を得て保税地から持ち出し、分析して、日本の食品の規格基準に合致するのかを確認します。

食品検査の費用の内、モニタリング検査は、無料でできます。国が統計データを取得する目的のため、その費用までを輸入者が負担する必要はないからです。輸入者が負担する検査は、命令検査または、自主検査のどちらかの検査です。

どちらの場合も検査自体は、食品検疫所がするのではなく、食品検疫所から認定を受けている分析業者が行います。検査費用は、検査する貨物と、検査項目によって異なります。もし、食品検査になったときは、分析業者へ依頼をして、必要な費用を聞きます。ちなみに、この食品検査は、通関業者経由で頼むと、マージンをのせられる可能性があるため、ご自身で指定されることをお勧めします。

食品検査機関に電話をして「〇〇の国から、○○という商品を輸入したら、●●検査になった」と伝えれば、必要な費用などを教えてくれます。通関手続きを業者に依頼するなら、見本持ち出し許可などの手続きに関して、自分が手配した食品検査機関と連絡を取り合うように伝えます。そして、食品分析代金の請求書は、通関業者経由ではなく、あなたの会社へ直接請求してもらうようにします。これで無駄なマージンを防げます。

無事に食品に関する検査が終わると、登録検査機関から食品検疫所に試験結果が送信されます。食品検疫所は、この試験結果が食品の規格基準に適合していれば、食品届け出済証を発行して、食品届を終えていることを証明してくれます。あとは、この書類を税関に提出すれば、他法令の確認(食品届)ができ、輸入許可に至ります。

参考情報:
・お肉を輸入するさいの自主検査は、一件当たり2万円~5万円
・日本食品分析センターさんなどは、この検査費用をざっくりとホームページで公開

食品検査に不合格になると?

食品の検査を受けた結果、食品衛生法の基準を満たさない場合は、どのようになるのでしょうか。大きく分けると、次の三つの内、いずれかを選択します。

    1. 積戻し又は破棄すること
    2. 食用以外の用途に使用すること
    3. 保税中に処理加工をして、食品衛生法上、適法な物にすること

積戻しとは、輸出国にそのまま返送すること。破棄とは、食品を「ゴミ」として処分することです。(専門の業者による処分)その他、食品衛生法上の要件に合致するように加工する等の方法もございますが、かけられるコストと時間などの関係から「全量破棄」をする場合が多いです。つまり、食品を輸入する場合の最悪のパターンは「商品代金+船賃+破棄代金」の負担です。

5.輸入許可と貨物の引き取り

税関は、この食品輸入届出済を受けとると、関税徴収に関する審査が終わった段階で「輸入許可」を出します。これが食品届の提出~税関が輸入許可を出すまでの全体的な流れです。

ここまでの流れのおさらいは次の通りです。

食品届の提出から輸入許可までの流れ
    1. 税関へ輸入申告+食品検疫所へ食品届の提出
    2. 食品検疫所の審査を受ける。必要があれば現物調査
    3. 現物調査になったら、輸入者の負担で分析機関で成分を分析
    4. 成分分析の結果は、食品検疫所へ通知される。
    5. 分析通知の結果、食品の安全性が確認されたら、届け出済証が発行される。
    6. 税関は、届け出済証の確認+関税徴収に関する審査が終わると、輸入許可を出す。

6.食品表示法への対応(輸入許可後の販売準備)

食品の輸入許可が下りると、いよいよ輸入食品を国内販売できます。ただし、食品類を国内販売するときには、いくつ守るべき法律やルールがあります。以降は「輸入許可後」のお話です。

  1. 食品表示法/景品表示法
  2. PL保険
1.食品表示法への対応

日本国内で食品を販売するときは「食品表示法」を守る義務があります。食品表示法とは、輸入食品の裏側に貼り付ける以下のラベルのことです。原材料名、アレルギー、輸入者情報などを表示して、誰でも簡単に確認ができるようにします。

食品表示法

また、この食品表示と合わせて気を付けることは、薬機法や景品表示法です。薬機法とは、医薬に指定されている物以外について「効果や効能」を標榜(広告)することを禁止する物です。

例えば、サプリメントのパッケージ部分に「これを飲めば、筋肉をつける効果がある」などと表記することです。また、この薬機法とは別に、本来よりも誇大に表示をして、消費者に誤認を招く可能性がある物は「景品表示法」の規制を受けます。

商品の広告方法、パッケージの文言等もすべて規制の対象であるため、十分な確認が必要です。

知識ゼロからの食品表示法

2.PL保険の加入

商品の販売によって、誰かにケガや病気にさせてしまったときは、その商品を製造した人に責任がいきます。これは「製造物責任法」通称、PL法と言います。輸入食品の場合は、食品を輸入した物が製造者となり、製造物責任法の義務を負います。

例えば、日本には認められていない添加物を含む食品がが発見された場合、市場に流した食品を全量回収する命令が出される可能性があります。回収にかかる費用、返金保証など、とても大きなお金がかかりますね!これを補償するのが「PL保険」です。

食品輸入の王道とは? 小さく初めて実績を積む

食品の輸入ビジネスを始めるときは、必ず小さく初めて大きくすることが重要です。弊社では、食品関連のサポート業務をしていますが、全く実績がない状態で、いきなり20フィートや40フィートで食品を持ってくる方がいらっしゃいます。

そんな方々からの依頼内容を見ると「またか…」と感じます。食品の輸入は、必ず「小さく」始めることが重要です。それは、様々な原因により「輸入不許可」になる可能性が高いからです。特に輸入実績が全くない方は、非常にリスキーです。

食品の輸入は、まずは少量で「輸入実績」を積み、その後、少しずつ規模を拡大することが王道です。様々なリスクを考えても、やはり、これが一番お勧めの方法です。この記事をご覧になっている方は、ぜひ、この部分をお忘れにならないようにお願いします。

小さく初めて輸入実績を積む。その後、少しずつ規模を拡大していくべき!

よくある疑問

Q.輸入代行と手続き代行の違いとは?

ご覧いただいた通り、輸入手続きは非常に複雑です。おそらく簡単にはできないはずです。となると、すぐに思いつくのは「代行」です。ただし、代行には、次の2つの意味があるため注意しましょう!両者は明確に違います。

  1. 輸入代行
  2. 食品手続きの代行
1.輸入代行

輸入代行とは、A、Bの人物がいたとしましょう。BがAに対して輸入代行を依頼した場合は……

  1. Aが日本に輸入する(輸入者)
  2. BがAから買い取る(国内転売)

この場合、Bは輸入といいつつも、実態はAから国内転売を受けた形です。したがって、この場合、Aが輸入者となり、輸入品に対するすべての責任を取る必要があります。したがって、この形での輸入代行は、商品的な品質がしっかりしていないと、成り立ちにくいです。

2.食品手続きの代行

他方、食品手続きの代行を確認してみます。Aが輸入者。その手続きを通関業者Bに依頼したとしましょう。この場合は、次の形になります。

  1. AがBに食品届の代行手続き依頼をする。
  2. Bは、輸入者Bの名前で食品届及び輸入申告をする。
  3. Aを輸入者として許可が下りる。
  4. 以降、Aが輸入者の扱いとなり、製造物責任法の責任を負う。

一般的な食品の輸入代行は、2番の食品手続きの代行を意味します。あなたの考えている代行と違う場合は、今一度、よく確認をした方が良いと思います。ちなみに、食品手続きの代行を依頼する場合でも、食品届に必要な各種資料を用意するのは輸入者であるあなたです。

あなたは、代行の意味を正しく理解していますか? 同じように感じる場合でも、実は責任等が全く違います。この点を確実に理解するようにしましょう!

Q.食品輸入時の関税率は?

食品を輸入関税は、高めに設定されています。基本的に、日本は、工業製品には低い関税をかける一方、食品系には高い関税率を課してます。食品を輸入するときは、高い関税率を含めて輸入原価を算出します。積極的に特恵関税EPA(自由貿易協定)を使っていきましょう!。

2020年3月現在のEPA締約国一覧
シンガポール マレーシア タイ インドネシア ブルネイ
アセアン全体 フィリピン ベトナム インド モンゴル
オーストラリア メキシコ チリ ペルー スイス
CPTPP(TPP11) 日欧EPA 日米貿易協定
今後増えるかもしれない!?
カナダ ニュージーランド RCEP FTAAP

Q.消費税と軽減税率は適用

輸入食品にも関税の他、消費税が課せられます。また、消費税は、食品表示法に規定する「食品(人の飲食用)」に該当する物は、8%の軽減税率が適用されます。

Q.登録検査機関とは?

食品の成分等を分析する機関のことです。厚生労働省が「検査をする基準を満たす機関」として定めた所であり、大きく分けると日本の登録検査機関と外国の検査機関の2つがあります。登録検査機関によって分析・発行された証明書を使い、食品届を申請するときの添付資料とします。

  • 日本の登録検査機関
  • 外国の登録検査機関

どちらを使うかは、輸出者と輸入者の取り決めによります。詳細:登録検査機関一覧 なお、通関業者、登録検査機関、輸入者の関係は、次の通りです。

  1. 輸入者が通関業者に食品届を依頼。
  2. 通関業者が登録検査機関に分析を依頼。
  3. 通関業者が食品検疫所に食品届申請、税関に見本持ち出し許可申請をする。
  4. 見本持ち出し許可を与えられた機関が保税地域から貨物を抜き取る。
  5. 分析機関が貨物を分析する。
  6. 分析書として発行が完了する。
  7. 食品検疫所に分析書を提出して問題がないことを確認する。
  8. 食品検疫所から「確認済証」が発行される。
  9. 税関から輸入許可が下りる。

Q.食品輸入のセミナーはありますか?

ミプロ等が主催するセミナーが便利です。詳細:貿易のセミナー情報まとめ

Q.輸入食品の確認ポイントは?
主な製品 対象製品例 ポイント
食品全般に適用される観点 指定外添加物の使用、使用可能な添加物の規定量以下、医薬成分の含有。有害・有毒物質の含有、腐敗、微生物による汚染 添加物は、自然由来の成分、禁止されている成分、許容範囲の成分の3つに分類されます。
個別基準にあう? 清涼飲料水、食肉製品、冷凍製品など 食品の内、ある一定の物については、具体的な成分規格が決まっています。
農産物やその加工品 アフラトキシン、パツリンなどのカビ毒 穀類、豆類、香辛料、ぶどうジュース等
有害植物による自然物の除去 シアン配糖体 未熟な果物に含まれている
放射性物質汚染 きのこ、ベリー類濃縮品、ハーブなど キノコ類は、放射性物質を貯めこみやすい農産物です。
O157などの微生物の有無 生食用の野菜
残留農薬 仕入れ先と打ち合わせを行い、日本で禁止されている農薬使用をやめてもらったり、使用回数の削減をしてもらったりします
遺伝子組み換え食品 とうもろこしなど
品質や鮮度などを誤認させる添加物の使用 生野菜 何らかの添加物をつけることにより、品質が悪い物を「良い物」にみせかけていないのかがチェックされます。
0157などの大腸菌 トナカイ肉、ビーフエキス
放射性物質 生産している場所が汚染地域でないことお
衛生証明書の不備 食肉、食肉製品一般
狂牛病 狂牛病が発生している国や地域の肉ではないこと 狂牛病は、家畜伝染予防法にも関係してきます。仕入れる所が狂牛病発生地域であるのかを確認します。洗浄国と非洗浄国とは?狂牛病の発生状況とは?
動物の残留農薬、医薬品、添加物の使用状況

品質や鮮度を誤認させる添加物の使用

着色など
水産物関連 生食用かきの成分規格と加工基準

腸炎ビブリオなどの病原体の有無

貝毒の有無 貝類
有毒フグの混入 輸入が認めれている種類であるのか?
シガテラなどの毒魚ではないか? ハタ、ブダイ、カマス
ヒスタミン 着色など アレルギー症状の原因になる物質
健康食品における観点 医薬成分の含有 サプリメントを輸入する人はチェック!サプリの中に「医薬品成分」が含まれているとアウトです。サプリメントは、単なる食品であることが大前提です。
添加物における観点 指定外添加物ではないか?
規格基準に適合しているのか?
器具、容器、包装、おもちゃ 規格に適合しているのか? 対象年齢にも注意 口に入れる可能性がある物が対象になります。食器、ぬいぐるみ、幼児用具、容器、包装などです。

*上記の表は、厚生省のホームページを参考にして作成しました。

Q.食品を輸入するときの3つのリスクを知りたい!

次の三つの観点でリスクを小さくしましょう!

  1. 違反が多い食品であるかをチェック
  2. 過去、食品衛生法違反をした製造者ではないか?
  3. 貿易保険、貿易条件でリスクを小さくする
1.違反が多い食品ではないか?

海外からくる食品は、品目によって食品衛生法に違反する率が違います。それをまとめた物が「食品衛生法違反事例」です。このリストの中で、どこの国から来た、何という商品から、○○を検出したなどの事例が掲載されています。まずは、このリストの中に、輸入予定の食品が掲載されていないかを確認してみましょう。

違反事例が多い食品は、食品検疫所側もおのずと警戒の目を光らせるということになります。

2.過去、食品衛生法違反をしている製造者ではない?

商品を製造している会社が「過去に食品衛生法違反をしているのか?」を調べることも有効な手の一つです。実は、厚生省のホームページには、食品衛生法の違反をした事業者は、すべて公にさらされています。(内容例:日本側の輸入者、海外のシッパー(輸出者)、製造者、どんな商品か?どのような問題があったのかなど)

この食品衛生法違反リストは、毎年データとして記録されています。(さかのぼっていけば、平成12年まで確認することができます。)このリストを数年間だけ確認するだけで、同じような違反を何度も繰り返している業者(輸出国側の工場など)が分かってくるはずです。つまり、食品輸入時のリスク回避は、この表を頼りにして行います。

具体的には、仕入れたい商品が見つかったら、リストからその製造者を探します。ここで名前が見つかれば、過去に衛生法違反をしている業者ということになります。該当しないようなら、検索方法を工夫してみます。もしかすると、検索文字を短縮するとヒットするかもしれません。この作業をできれば、過去5年分ほどはさかのぼって調べた方が良いです。これだけで、問題がある製造者かどうかを少しだけ判断できます。それだけではありません。

このとき、あなたが輸入する商品名でも検索してみましょう。過去に起きた違反事例が掲載されている可能性があります。過去に違反事例があるということは、その部分を重点的にチェックされるというになります。

3.貿易条件や貿易保険でリスクを小さくする。

貿易は、必ず契約書や保険によって、万が一のリスク回避策を考えておくことが大切です。

輸入する食品に問題が発生した原因を細かく考えると「製造方法に問題があった」ことと「輸送途中に問題(例:温度管理)があった」の2つにわけられます。輸入時に問題があった~といったとしても、どこのタイミングで発生したのかを追求しなければ責任の所在が不明なままです。

食品衛生法違反が発生した→契約書で決めている対処方法や補償を適用する→貿易保険でカバーできないのか?を考えるようにしてください。要所、要所で分けて考えることがポイントです。

関連記事:輸入できない→積戻しと滅却処分とは?

Q.結局、輸入食品の安全性はどうなの?

日本に輸入される食品の内、実際に検査されているのは、10%以下だと言われています。また、検査をする食品検疫所のスタッフは、全国で400名程しかいません。この2つの事実を考えると、安全かどうかは、何となく推測ができますね。

輸入食品の安全性 リスク、デメリットを暴露!

Q.食品を輸入するときの資格や免許はいる?

食品を輸入するだけでは、特に免許等は不要です。(お酒は別)輸入した商品を国内で販売するときに免許が必要な食品があります。

例えば、食肉や乳製品、鮮魚などがあります。これらの製品は、各市町村の保健所から販売許可を受ける必要があります。

セロから覚えるお酒の輸入ビジネス

Q.相談ができるところはどこ?

各地にある食品検疫所、ミプロなどでも相談できます。

Q.お勧めの本は?

日本輸入食品安全推進協会がリリースしている「食品輸入マニュアル―食品を安全に輸入するために」の本が良いと思います。

Q.配送別・食品輸入の手続きをする人は?

海外から食品を輸入するときは、様々な輸送方法があります。大きく分けると次の二つです。

  1. 国際郵便(宅配便)のドアツードア配送(玄関先まで配送する輸送)
  2. 海上コンテナを使った大口配送(日本の港までの輸送)

一般的には、商業目的で輸入するときは、コンテナ配送を使います。一方、個人目的の輸入は、国際郵便や国際宅配便などを利用します。それぞれの特徴は、以下の通りです。

輸入方法 手続きをする人 主な特徴
一般輸送(FCL、LCLなど) 基本は通関業者(個人も可能) ○○港までや〇〇空港までという輸送方法です。貿易条件によりますが、基本的には個人宅に配送するわけではありません。

輸入価格の合計が20万円以上のときに利用する輸送方法です。海上、航空ともに温度管理されたコンテナにより輸送します。

大量の貨物を運ぶときは、船便。少数、かつ販売単価を高くできる物は航空輸送を選びます。

食品の輸入届は、通関業者経由で行うことが基本です。ただし、後述する輸入届出に必要な資料は、輸入者が用意します。

国際宅配便、国際郵便 国際宅配会社に所属する職員、日本郵便の職員と税関職員 個人宅に配送する貿易条件(DDUまたはDDP)を基本とします。

配送重量に制限はなく、お金さえ支払えば、どれだけでも輸送してくれます。ただし、一般輸送に比べると、商品価格に占める輸送料が高くなりがちです。

国際郵便は、全国各地にある外郵便において、税関職員により審査が行われます。国際郵便による重量は、上限30キロまでです。

食品の輸入届は、追加の料金を支払うことにより、宅配会社の職員が行ってくれます。(業者によっては受けてくれないことも多い)ただし、後述する輸入届出に必要な資料は、輸入者が用意します。

少量食品輸出向け!リーファーコンテナ(混載)サービス9選

メリットとリスクを検討するべし!

ご自身で食品を輸入できれば、商売の幅がぐっと広がります。すでに述べている通り、食品に含まれる物は、食べ物だけではなく、口にくわえる、含める可能性がある器具等も含まれます。

例えば、食器などもその対象です。食品届を必要とする商材を扱うことによって、誰でも輸入ができる商品を扱うよりも、参入障壁を高くできます。そのため、もしかすると、少数の人しか手を付けていない輸入分野を発見することになるかもしれません。これがメリットです。

逆にデメリットやリスクといえば「全量破棄」です。食品衛生法で決められている「食品の規格基準」に合わない商品は、輸入ができません。もし、日本の港まで持ってきてしまったら、輸入商品の破棄はもちろんのこと、送料なども含めてすべてが損失です。これが食品を扱う上での最大のリスクです。

輸入食品の安全性 自由貿易(FTA)時代に知るべきこと
食品の輸入通関には、どんな費用(検査料)がかかるのか?

HUNADEが提供する食品輸入向けのサービス

個人・小規模事業向け輸入コンサルサービス(通関代行)

「EPA/対比表の作成支援」化粧品・食品のHSコード特定サービス

まとめ

海外の食品を輸入する場合の手続きをお伝えしてきました。商売目的で輸入する場合、厚生省へ「食品輸入届」を提出して、その確認を受けます。これを税関が確認すると、輸入許可に至る仕組みです。食品に関する税関の許可は、厚生省や農林水産省からの確認を受けた上で出されることを覚えておきます。また、食品の輸入許可を受けるにあたり重要なことは「食品検査」です。

この検査には、命令検査、自主検査、サンプリング検査の3種類があります。どの検査になったとしても、食品の安全性基準に問題があると判断されると「全量破棄」などの厳しい命令が下されます。食品を輸入する人は、最悪なケースとしてこのようなリスクもあると考えておくべきです。

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