海外の企業や知人へ果物を発送するときは「クールEMS(国際スピード郵便)」がお勧めです。普通の貨物と同じように、箱に入れて、専用ラベルに記入するだけで、相手先の玄関(外国)まで届けられます。ただし、実際、クールEMSを使って、果物を送るときは、植物防疫法と呼ばれる法律の規制を受けます。
植物防疫法とは、日本の果物(植物)を送ることで、相手先の国の生態系を壊すことを防ぐ法律です。そのため、日本から果物(植物)を送るときは、発送する前に、植物防疫法にともなう検査を受けることになります。検査後、何も問題がなければ、無事にEMSを使って、相手先に発送する流れになります。
そこで、この記事では、外国へフルーツを輸出するときに必要になる「植物等輸出検査申請書」の書き方を説明していきます。
海外へ果物を発送!植物検査申請の書き方
目次
日本の植物(野菜や果物)を海外へ発送するときは「植物検疫(しょくぶつけんえき)」を受ける必要があります。植物検疫は、港や空港の近くに設けられている「植物防疫所」で受けられます。EMS等を使って国外へ植物を発送するときは、次のような流れをたどります。
- 植物検疫所へ連絡をする。
- クールEMSの予約をする。
- 植物検疫所で検査を受ける。
- 植物等輸出検査申請書が必要になります。
- クールEMSの窓口へ行く
- 発送完了
上記1~6の流れによってEMSを使って植物を送ることができます。詳しくは「【海外】EMSを使って植物(果物)を発送する方法」をご覧ください。
植物等輸出検査申請書はどのようなときに必要なのか
以下の図をご覧ください。こちらは、日本から発送できる果物と発送先の国の一覧です。表中の二重丸の物は、特に制限なく、国外に発送でき果物です。それ以外の物(Qや△など)については、検査を受けなければ発送できないなど、特別な条件が付いています。
つまり、外国へ果物を輸出するときは、
発送する国 と 発送できる果物 が細かく決められているのです。あなたが輸出しようとしている果物は発送できそうですか? 送る果物と、発送先の国をよくチェックしましょう!
再度、上記の表をご覧ください。この中で「Q」と表示されている物があります。このQは、植物検疫証明書の添付が必要なものです。これが「植物検疫を必要とする果物」です。
例えば、左列のタイをご覧ください。その後、視線を動かすと「柿(カキ)」があり「Q」と表示されていますね、つまり、タイへ柿を発送するときは「植物検疫証明書の添付」が必要です。それでは、植物検疫の仕組みがわかりましたので、実際に、植物輸出検査申請書の書き方を説明していきます。
植物等輸出検査申請書の書き方
早見表によると「Q」に指定されている物は、輸出検疫証明書を添付すれば発送ができます。輸出検疫証明書の発行を受けたいときは、各地方にある植物防疫所へ出向き「植物検疫」を受けます。植物検疫では、相手国で禁止されている「虫などが果物についていないか」を検査します。この検査のときは「植物等輸出検査申請書」に必要事項を記入して提出します。
検疫に合格すると「輸出検疫証明書」が発行されます。この証明書が発行されたらクールEMSを取り扱っている郵便局へ出向き、発送手続きを行います。実際に、EMSで発送するときは、「記号および番号」「積載港名」などの情報は「NONE」まは「空欄」にしておきます。学名と書かれている部分には、植物の学名を入れます。(調べ方は後述)
以下の画像が完成形です。積載予定月日の欄は、EMSの発送日です。基本的に特定原産地証明書やインボイスなどを作成している方は、それらが全て揃うタイミングでの発送です。そのため、この部分は空欄にしておき、後日、日付が確定してから作成し直します。記入が終わり次第、植物検疫所へFAXを送り事前チェックを受けておきましょう。
植物の学名を調べる方法
海外へ植物を発送するときは「カキ」や「スイカ」といった一般的な名称ではなく「学名」を記載します。植物の学名を調べるときに便利なのが植物学名検索サイトです。このサイトを使うと、一般的な植物の名前で入力をするだけで、対象の植物の学名を表示してくれます。
例えば、「トウガラシ」の学名を調べてみます。以下の検索語の所にトウガラシを入力します。その後、下にある「検索」を押します。
以下の図が検索結果です。基本的には一番上になる「標準」を選択すればいいです。何か特別なトウガラシである場合は、それらに対応する物を選んでください。
もし、植物がヒットしなければ….
グーグル検索でも探すことができます。グーグルの検索まどの中に「唐辛子 学名」などと入力をします。
植物等輸出検査申請書は、所定の申請書類をダンロードした後、パソコンで作成できます。パソコンで作成できたら、押印をして検疫所に提出します。では、これで申請書の用意ができましたので、実際に、植物検疫所へ行くことにします!
次の記事:植物(果物)を輸出 植物防疫所における植物検査をレポート
まとめ
海外へ植物を発送するときに必要になる「植物検査申請書の書き方」をご紹介しました。実際にこの検査申請書は植物防疫所の方に向けてファックスまたはEメールで送付すると、書類上に不備がある点を修正するように伝えてくれます。したがって、あまり難しく考えなくてもいいと思います。
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