簡易税率とは? たった7つの関税率から選べます!

関税 関税率と関税割当
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海外から商品を輸入するときは、関税と呼ばれる税金を支払います。関税は「何の商品を輸入するのか?」「どこの国から輸入するのか?」「商売目的なのか?」などにより異なる税率が設定されています。また、輸入する額(課税価格)が20万円以下の場合は、少額輸入貨物の簡易税率が適用されます。

いわゆる海外のネットショップなどで商品を購入。その後、国際郵便などで配送されてくる商品は、この簡易税率が適用されます。そこで、この記事では、簡易税率の仕組みを説明した後、個人輸入することが多い品目ごとの簡易税率をご紹介していきます。

関税

少額輸入貨物の簡易税率とは?

簡易税率とは、関税定率法第三条の三で決められている簡易的な輸入税率です。税区分は7つであり、この中に「関税、消費税及び地方消費税」が一緒になっているのが特徴です。輸入する産品の特徴から、最も適切な関税率をかける仕組みです。ただし、この税率は、あなたが決めるわけではありません。税関外郵出張所の税関職員が関税率を決めて課税します。

課税された関税は、一旦、日本郵便が立て替えます。その後、日本郵便は、客先へ荷物を配送するときに、商品と引き換えに、建て替え払いした関税を徴収します。これが海外通販で商品を購入したときの関税の確定と納付の仕組みです。

簡易税率は7区分のみ。関税、消費税、地方消費税が統合されている。

簡易税率の2つの種類

簡易税率には、2つの種類があります。

  1. 入国者の携帯品に関する簡易税率
  2. 少額輸入貨物に関する簡易税率

1番の簡易税率は、海外旅行で帰国したときに、携帯して持ち込むときに適用される関税率です。または、別送品として送付した物に適用される税率です。

一方、少額輸入貨物の簡易税率は、日本にいながら外国の商品を購入(輸入)するときの関税率です。海外ネットショップで商品を購入したときなどは、このケースが当てはまります。先ほどから説明している簡易税率とは「少額輸入貨物の簡易税率」です。

簡易税率が適用される要件

少額輸入貨物の簡易税率は、すべての輸入について適用されるわけではありません。以下、2つの条件をどちらも満たすときに適用されます。

  1. 課税価格の合計額が20万円以下であること
  2. 簡易税率を適用できない貨物ではないこと

1.課税価格の合計額が20万円以下であること

一つ目のポイントは、課税価格が20万円以下であることです。課税価格?と思われた方も多いはずです。課税価格とは、関税率をかける課税母体です。

例えば、関税率は8%、商品の価格は1000円であれば、関税率をかける対象の「1000円」が課税価格です。要は、税率をかける対象となる価格です。ただ、実は、個人使用目的で輸入するときは、この課税価格に少しだけ特例措置があります。それが「0.6がけルール」です。

0.6がけルールとは、個人使用目的に限り、海外で販売されている価格(ネットショップに表示している価格)に0.6をかけて、課税価格を減らせる仕組みです。課税価格が小さくなれば、当然、納めるべき関税額も小さくなりますね? この特例が個人使用目的では使えます。

例えば、アメリカのアマゾンで販売価格が200ドルであれば、200ドル×100円(そのときの公示レート)×0.6で課税価格が決まります。そして、この課税価格に、後述する簡易税率をかけると、あなたが支払うべき関税が確定します。このあたりについて詳しく知りたいときは、以下の記事をご覧下さい。

輸入価格の合計が16666円以下であれば関税はかからない?

■商売目的で輸入するときの注意ポイント
課税価格を小さくする仕組みは、他人に売ることを前提にする商売輸入には適用されません。また、課税価格の対象になる費用も 商品価格 + 送料 + 海上保険代金の合計です。これが20万円以下の場合、商売目的でも簡易税率を適用できます。個人使用目的の場合:海外の小売価格で30万円前後(30×0.6=18万円)
商売目的の場合:海外での価格(卸売価格)+運賃+保険代金=20万円以下の場合

2.簡易税率を適用できない貨物ではないこと

基本的に輸入する価格の合計が20万円以下であるときは、簡易税率を利用できます。しかし、貨物によっては、この簡易税率を適用できない物があります。ニット類、革製品など、関税保護品目が該当します。これらの品目を輸入するときは、簡易税率ではなく一般税率が適用されます。関連記事:簡易税率を適用できない貨物のまとめ

以上、2つの条件をどちらも満たす場合、簡易税率を適用できます。

少額すぎて簡易税率の対象にならないケースも有り!

次の2つの内、どちらかを満たすときは、そもそも簡易税率の課税対象ではないため、関税率を意識するのは不要です。

1.商品単価の課税価格(海外小売価格に0.6をかけた価格)が一万円以下
2.一つの段ボール中の合計課税価格が一万円以下のとき

少額貨物の無条件免税 一万円以下免税ルールに当てはまるケース
輸入する貨物の課税価格(合計)が1万円以下の場合、免税になる理由

逆に簡易税率の基準を超えるとどうなる?

これとは逆に、簡易税率の基準(20万円)を超えるときは、一律15%の関税率が適用されます。

・課税価格の合計が20万円を超えるとき→超える部分に対して、一律15%の税率
・一組(一対)や単品の課税価格が10万円を超えるものは、すべての金額に対して一律15%の税率

簡易税率表

どのような貨物に対して簡易税率ができようできるのかを表にまとめてみました。エビデンスは「関税定率法第三条の三」で決められている「少額輸入貨物に関する簡易税率」の条文と別表です。ちなみに簡易税率を適用できない貨物は「簡易税率を適用できない貨物のまとめ」でご紹介しています。

簡易税率区分 種類 HSコード 関税率
1 スパークリングワイン、シェリー、ポート、強化ぶどう酒

2204.10~2204.29
2205.10
2205.90-2
2208.90-1-2-B-B
2106.90-2-2-D-B
2204.30-2
2206.00-2-1又は2-A もしくは、B-B
2207.10-1-2-B又は2-2
2208.90-1-1-2-A-B又は2-1又は3

70円/L
エチルアルコール及び蒸留酒(フルーツブランデーを除く) 20円/L
飲料製造に使用する調整品でアルコール0.5%を超えるもの、清酒、濁り酒、発酵酒、合成清酒 30円/L
2 トマトケチャップ、トマトソース、アイスクリーム、なめし又は仕上げた毛布(ドロップスキン)、毛皮製衣類と衣類付属品、その他の毛皮製品 2103.20
2105.00
4302.30-1
4303
20%
3 煎ったコーヒー(インスタントコーヒーを除く)、緑茶、一部発酵したお茶(紅茶以外)、ゼラチン商品、にかわ、なめし又は仕上げた毛皮(ドロップスキン以外) 0901.21
0901.22
0902.10
0902.20-2
0902.30(紅茶以外)
0902.40-2-2-2
3503.00-3
4302.11~4302.20
4302.30-2
15%
4 生きている動物や動物からの生産品、食肉、くず肉

水産物(食用・観賞用の水産物)

酪農品全般(バター、ヨーグルト、ケフィア、ホエイ、つばめの巣、卵、天然はちみつなど)

食用の野菜全般(きのこ、スイートコーンなど)

食用の果実・ナッツ類(アーモンド、くるみ、ピスタチオ、マカダミアナット、バナナ、アボガド、オレンジなど)、ショウガ、食用の海苔

魚や肉の調製品(ソーセージ、ハム、缶詰、キャビア、かに、ロブスター、エビなど)

砂糖や砂糖菓子、チョコレート、穀物の調製品(コーンフレーク、ホットケーキミックス、パスター、ビスケット、ワッフル、ラスク、パン、ミルクの調整品(乳児用の調整品)、餅、だんご、せんべい)

野菜や果物の調整品(酢漬け、ジャム、フルーツゼリーなど、果実ジュース、野菜ジュースなど)

各種調味料など(エキス、エッセンス、インスタントコーヒー、酵母、醤油、マヨネーズ、ソース)、D-グルシトール、クエン酸、グルタミン酸、糖類、クエン酸

竹製の串、組み物用の材料、かご細工(竹製、とう製のもの、うちわの部分品など)

絹織物、植物性の紡織用繊維(亜麻、トウ、ジュート、ここやし、ラミー織物、タイマ糸)

メリヤス編み物及びクロセアミ物

衣類や衣類の付属品(メリヤス又はクロセ編み以外)=コート、レインコート、クローク、ウィンドジャケット、スーツ、ジャケット、ブレザー、ズボン、乳児用の衣類、手袋、タイツ、ストッキング、手袋、靴下、スキース-ツ、ネクタイ)

1~4類
7~8類
0910.11-1
0910.12-1
1212.21
16類~20類
21類(1号、2号以外)
2905.44
2918.14
2918.15-1
2922.42-1
2940.00-2
4421.91-1
46類
5007
53類、60類、62類
10%
5 植物の生産品(球根、野菜の苗、切り花など)

各種燃料(石炭、石油、ガスなど)

化学工業品(塩素、炭素、水素、ニッケル、炭酸カルシウムなど)、有機化学品

なめしエキス、ペイント、染料、顔料など(絵具セット、印刷用のインクなど)

精油、香料など(香水、化粧品、歯磨き用品、髭剃り用品、マニキュア、日焼け止めクリーム、シャンプー、ヘアカラー、汗止め)

石鹸、界面活性剤(せっけん、界面活性剤、履物用のクリーム、木製家具の磨き剤、ろうそくなど、潤滑材、歯科用ワックス、磨き剤)

各種化学工業品(殺虫剤、除草剤、バイオディーゼル植物成長剤、消毒など)

プラスチックやゴムの製品(プレスチック製品全般(浴槽、シャワーバス、洗面台、輸送用のプラスチックケース、袋、食卓用品、事務用品、衣類))

毛布関連製品の一部(衣類や衣類付属品、人造毛皮)

しみこませて、塗布した織物類や紡織用繊維製品(ストーブやライターの芯など、粘着テープなど)

傘、つえなど(傘、つけ、ビーチパラソル、傘の骨など)

羽毛製品、人髪製品(羽毛関連製品、人髪、かつら、つけまつげ、つけまゆげなど)、造花

石やセメントなどを材料とする製品(タイル、大理石、砥石、バーミキュライト、ボード、パネル、シート、れんがなど)

ガラス製品(板ガラス、自動車用タラス、食卓、台所用、化粧用、事務用、コップ類、マットなど)

銅製品(工業用の銅、食卓用、台所用の銅製品など)ニッケル関連製品、アルミニウム関連製品、鉛関連製品、亜鉛関連製品、卑金属製品、

卑金属製の工具・用具など(ドリル、つるはし、くわ、フォーク、はさみ、くさび、ショベル、やすり、はさみ、つめきり、かみそり、スプーン、フォーク、バターナイフ、テーブルナイフなど)

各種の卑金属製品(南京錠、ちょうつがい、キャスター、ドアクローザ、金庫、フクなど)

雑品(家具、寝具、腰かけ、事務所で使う金属製・木製家具、台所・寝室で使う木製家具、マットレス、寝袋、ランプ、クリスマスツリー、イルミネーションなど)

おもちゃ全般(三輪車、人形、がんぐ、ぱずる、クリスマス用品、身体トレーニングに使用する物品、ゴルフクラブ、卓球用具、ボール、テニスラケット、釣り竿など)

6類
27類~28類
29類(4号以外)
32類~34類
38類~39類
43類(2号と3号意外)
59類
66類~68類
70類
74類~76類
78類~79類
81類~83類
94類~95類
3%
6 動物性生産品(人髪(加工していない物)、動物の腸、さんご(無加工のもの)など)

鉱物性生産品(天然の砂、石英など)、塩、セメント、プラスター、石灰、医療用ゲル

ゴム関連品(天然ゴム、タイヤ、衣類の付属品、消しゴムなど)

紙製品全般(紙、トイレットペー、カーボン紙、パー、ティッシュ、テーブルクロス、メモ帳、帳簿、日記調、バインダー、アルバムなど)

陶磁製品(れんが、ブロック、タイル、食卓、台所用品など)、卑金属製品、鉄鋼製品、すずの関連製品

5類
25類
3006.70
40類
48類
69類
72類~73類
80類
無税
7 上記1~6以外の製品 上記以外の全て 5%

品目別簡易税率の例示

よく個人輸入される品目の関税率をご紹介します。基本的な考え方として、農産品系の関税率は高い。工業製品系は、安いです。

下の関税率表は、簡易税率を基準にしています。表の中にある品目には、簡易税率表によると、本来は5%の関税率が設定されている物があります。しかし、税関によると、実務上、一般税率で無税の物は、簡易税率でも「無税」を適用しているとのことです。下の関税率表は、この点を含めて記載しています。

×と表記している物は、一般税率を適用します。一般税率は、ウェブタリフで調べます。

【小口・一般共通】衣類 / 服の関税計算ツール

品目 簡易税率(%) 品目 簡易税率(%) 品目 簡易税率(%)
バター × セーター × 電気製品 無税
チーズ 10 衣類(革の有無に注意) 10 スマホ 無税
はちみつ 10 子供服 無税 タブレット 無税
紅茶 無税 ネクタイ 10 ヘッドホン 無税
× テント 5 ホイール 無税
お菓子 10 ダウンコート 10 ロードバイク 無税
砂糖 10 水着 10 コーヒー 8.8~15
チョコレート × サンダル × サングラス 5
ワイン 70円/L スニーカー(革の有無に注意) × メガネ 5
ウィスキー 20円/L ブーツ × 腕時計 無税
タバコ × ランニングシューズ × 時計 無税
エンジンオイル × 登山靴 × ギターアンプ 無税
エッセンシャルオイル 3 スキーブーツ × 楽器 無税
フラワーエッセンス 3 帽子(革の有無に注意) 5 おもちゃ 無税
化粧品 無税 ヘルメット 5 サーフボード 無税
香水 無税 天然石 無税 フィギュア 無税
無税 宝石 × レゴ 無税
プロテイン 3 指輪 × スキー板 無税
ベビーカー 3 ダイヤモンド × 雑貨 無税~5
タイヤ 無税 アクセサリー × 万年筆 5
スーツケース 無税 工具 無税 パソコンパーツ 無税
バッグ × 無税 チャイルドシート 無税
リュック × ナイフ 3 ぬいぐるみ 3
× パソコン 無税 パイプたばこ 5
財布 × バイク 無税 オーディオ 無税
無税 バイクパーツ 無税 スピーカー 無税
ウール 無税~5 ギター 無税 tシャツ ×

簡易税率を適用できない貨物

ミルク、クリーム、豆類、穀物、穀粉、落花生(生)、コンニャク芋、豚と牛の食肉調製品、ココア調製品、ミルクの調製品、調整食料品、たばこ、精製塩、石油、メントール、原皮(毛皮以外)、革製品、繭、生糸、ニット製衣類、履物、身辺用模造細貨類(アクセサリー)、時計革バンド、腰掛の革製部分品

まとめ

個人使用目的で輸入するときや、少額の商売目的で輸入するときは、簡易税率を適用することが多いです。簡易税率は、輸入する貨物の合計課税価格が20万円以下のときに適用できる「簡易的な税率」のことです。一般的な関税率は、数千種類あるところ、簡易税率はたったの7つだけの区分です。そのため、個人的な使用で輸入したいときや、出始めの輸入ビジネスをするときは、とても利用しやすい関税制度になっています。

ただし、この簡易税率を使うときは、次の2つの条件を満たすことが大切です。「1.輸入する商品の合計課税価格が20万円であること」「2.簡易税率を適用できる貨物であること」です。簡易税率を使って輸入するときは、この2つの条件を満たせるように調整することが重要です。

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