日本各地の港を仕事場にするのが「港湾運送事業者」です。一般的に知られている名前は「乙仲」です。
この記事では、一般港湾運送事業と港湾荷役事業の違いについて説明をしていきます。
港湾事業者(一般港湾運送事業と港湾荷役事業)
港湾事業者とは、港の中(港湾施設)で貨物をさばく人です。”捌く”には、広い意味があり、コンテナ船から貨物を積むまたは揚げる事業者から、貨物の検数などをする人まで実にさまざまです。
港湾運送事業者の種類
港湾運送事業者には、2つの種類があります。
- 一般運送事業者
- 港湾荷役事業者
これらの中に
- 一般運送事業者>>無限定、荷主限定(海貨)、個品限定
- 港湾荷役事業者>>無限定、船内荷役事業、荷役事業者、その他
などがあります。順番に説明していきます。
一般港湾運送事業と港湾荷役事業者の違い
一般港湾運送と港湾荷役事業の違いは、元受けと実働部隊です。直接、船会社から依頼を受けるところが一般港湾運送。その依頼をこなすのが「港湾荷役事業者」です。
- 一般港湾事業者
- 港湾荷役事業者
1.一般港湾事業者
1.無限定
一般港湾事業者×無限定は、船会社や荷主を問わず依頼を受けられます。船積み、陸揚げ、荷役などを取り仕切る親分です。コンテナ輸送船の場合は、ガントリークレーンを操作するターミナルオペレーター、CFSでのバンニングや、デバンニングなどを提供しています。
2.個品限定(海貨)
「乙仲」と呼ばれる人の立ち位置です。無限定との違いは、依頼を受けられるのが「荷主のみ」である点です。船会社からの依頼は受けられません。
主な業務:荷主からコンテナを受け取り、ターミナルオペレーターに引き渡すまでの仕事
3.個品限定(新海貨)
定期船で運ばれてくる貨物のみを扱える業者です。
2.港湾荷役事業
1.無限定
船の中の作業と港構内の作業をします。
2.船内荷役事業
船内に貨物を積めたり、陸揚げしたりしています。通称、ステベと言われています。
3.荷役事業
ガントリークレーンがあるエプロンを離れた後のあらゆる荷役作業をしています。
- コンテナをコンテナヤードに搬入する
- CFSをバンニングする(コンテナの中に貨物を入れる)
- マーシャリングヤードの荷捌き
- コンテナヤードからの搬出など
4.その他の事業者
その他、以下のような作業に対して、専門の業者がいます。
- 検数→貨物の個数チェック
- 鑑定事業→船舶事故などが発生したときの鑑定
- はしけ→鉄鋼などの輸送準備
- いかだ→木材の荷捌き検量→輸入貨物の陸揚げなど
コンテナヤード(CY)とコンテナフレイトステーション(CFS)の図解
まとめ
- 乙仲=港湾事業者と考えるのは、半分だけ正解
- 港湾事業者は、もう少し広義な意味がある。
- 一般の荷主は、これらの違いを覚える必要はない。