EIRとは?コンテナ自体のダメージを証明する書類

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    コンテナ輸送されてくる貨物には、ダメージが発生することがあります。主な原因は、次の2つです。

    1. 輸出国側の作業による影響
    2. コンテナ自体の問題による影響

    この記事では、2番のコンテナ自体の問題に関係する「EIR(機器受け渡し書」について詳しくご紹介していきます。もし、「到着した貨物がずぶ濡れになっていたときの対処方法」を知らない方は、この記事が役に立ちます。

    EIRの意味とは?

    外国から商品を輸入するときは、コンテナに貨物をつめて運びます。この輸送方法を「コンテナ輸送」と言います。コンテナ輸送で使われるコンテナは、実は輸入者や輸出者のものではありません。船会社のコンテナを借りて輸送しています。

    コンテナは借り物である」 この前提を知った上で、以降の文章をお読み下さい。

    EIRとは?

    EIRを一言で説明すると「コンテナ自体のダメージ記録書」です。コンテナターミナルから「出す」とき、または「入れる」ときのぞれぞれで「コンテナ自体にダメージがないのか?」をチェックします。これは「コンテナは借り物である。」という考え方とつながります。

    「借り物であるからこそ、荷主は、コンテナにダメージを与えてはならない。」このダメージの有無をチェックするために、コンテナを出すときと入れるときの状態を見比べて「差異」を確認しています。万が一、差異が見つかれば、荷主の所で「ダメージを与えたのではないか?」と判断して、必要な対策を取ります。

    それでは、具体的にどのような形でEIRが発行されるのかを確認してみましょう!

    EIRが発行されるタイミングとポイント

    今、あなたは○○国へ貨物を輸出するとします。このとき、貨物を輸出するまでのプロセスは、次の通りです。

    1. 船会社に予約をする。
    2. ドレー会社に頼み、バンプールから「空のコンテナ」を引き取ります。
    3. コンテナターミナルのゲートで搬出チェックを受けます。→「空のコンテナ」
    4. バンニング場所にて、空のコンテナに貨物を積めます。
    5. コンテナターミナルのゲートで搬入チェックを受けます。→「実入りのコンテナ」
    6. 再び、実入りの貨物をコンテナヤードに戻します。
    7. 本船に積み込まれます。

    今回のEIRは、上記1~7のステップの内、3、5に関係する書類です。

    どこで入手するのか?

    まずは3番のプロセスを確認してみましょう。予約後、船会社が保管しているバンプールから「空のコンテナ」を引き取ります。このとき、ターミナルのゲートを出るときに、複数名の検査員により「空コンテナ」のチェックを受けます。床面、壁などの穴が開いていないか? 床面がひどく汚れていないか? などです。何か問題があれば、EIRに記入します→「EIR/OUT」

    →このとき「コンテナシール」が発行される。

    次に5番のプロセスです。荷主の施設でバンニングした実入りのコンテナをターミナルに入れるタイミングです。このときもコンテナターミナルのゲートにいる複数名の検査員により「何らかのダメージが発生していないか?」を確認します。→「EIR/IN」

    このように搬出するときと搬入するときにEIRを発行して、それら2つに「差異がないのか?」を確認しています。

    輸入の場合は?

    輸入の場合も同じ仕組みです。実入りのコンテナがコンテナターミナルから出されるときに「EIR / OUT」、空になったコンテナが返ってきたときに「EIR /OUT」が発行されます。こちらも輸出と同じく、入りと出の「差異」を確認して、コンテナ自体の損傷の責任を明確にしています。

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    EIRが必要な理由は?→コンテナ自体のダメージ

    輸出者は、コンテナを船会社から借りた上で、その中に商品を詰めて輸出します。輸入地に到着したコンテナは、輸入者によって商品が出された後に、船会社へ返却されます。貿易で利用されるコンテナは、この一連の流れを繰り返します。つまり、同じコンテナを再利用しているため、どこのタイミングでコンテナにダメージが加わったのか?を明らかにするのが重要です。

    なぜ、コンテナのダメージがそこまで大切なのでしょうか? これは、コンテナに入れる貨物にダメージを与えることにつながるからです。ちなみに、洋上において、コンテナ内部の気温はどれくらいあるのかをご存知でしょうか?

    様々なデータがありますが、およそ60度~70度にも達します。海上輸送中のコンテナは、考えているよりも劣悪な状況におかれています。そして、この劣悪な環境があるがゆえに、コンテナに穴が開き、そこから大量の海水が入ることがあります。

    ご存知の通り、コンテナの中身は、輸入許可を受けた後、コンテナを開けるまで分かりません。そのため、このダメージは、何が原因で、どのタイミングで発生しているのか?を特定する必要があります。これを確認する一つの方法として「EIR」があります。

    例えば、輸入許可になったコンテナをデバンした結果、貨物がずぶぬれになっているとします。このとき、真っ先に疑うのは「コンテナの穴」です。では、この穴は、どのタイミングで空いたのか? それを確認するのが「実入りコンテナを搬出したときのEIR OUT」です。

    関連:LCL貨物の場合のダメージはデバンニングレポートを確認

    EIRとは、コンテナ自体のダメージを記録する書類。ターミナルの入りと出の状態を記録することで「その差異」を証明します。

    EIRの取り寄せ方とサンプル

    以下がEIRのサンプルです。注目する点は、書類の下にあるダメージ個所です。こちらに何らかのダメージがないかを確認します。このEIRは、後ほどの保険の求償請求でも必要になるため、保存しておきます。また、EIRの取り寄せは、通関業者または、CYオペレーターに頼むとできます。

    EIR 機器受け渡し書

    EIRの図参考:貿易実務完全バイブル 著者:黒岩章 P110

    EIRの限界・目視による見逃しもある。

    輸入時にダメージが発生した場合は、EIRによって「ある程度」知ることができます。しかし、EIRは検査人の目視チェックを基本としているため、「見逃している可能性」があります。そのため「EIRに目立った外傷はない」と書かれていたとしても、そのまま鵜呑みにする必要もありません。

    実際に貨物を目の前にして、現実的に被害が発生しているので、これを写真や証拠品によって立証していきます。

    EIRは目視によるチェックを基本としているため、ダメージを見逃している可能性を否定できない。

    EIRと保険求償、関税の払い戻しの関係

    実際に輸入した貨物がダメージを受けていた場合「保険求償」と「関税の負担」について、どのような行動をすればいいのを説明します。

    保険求償

    輸入貨物にダメージが発生しているときは、EIRの請求とは別に、すぐに海上保険会社に連絡をします。また、できるだけ現状のままにしておき、証拠写真をあらゆる角度から撮影します。特にコンテナ自体に穴などが開いている場合は、その関係性を示す写真などを撮影しておきます。ダメージがなお進行中で、貨物を移動しなければ、さらに多くの商品が被害を受けると考えられる場合は、保険会社に連絡をして指示を待ちます。

    保険求償に関わる重要なことであるため、保険会社の指示によらない作業は厳禁です。勝手な自己判断で行動すると、保険の支払われない可能性があるためご注意ください。書類の準備ができたら、船会社に対して「クレームノーティス」を出し、輸送事故が発生したことを宣言します。

    海上保険とは?貿易のリスクを小さくしたい!

    関税の払い戻し

    輸入許可を受けて関税の支払いをしている物で、貨物の損傷などにより使えなくなった物は、関税の払い戻し制度があります。損傷した貨物が「どこにあるのか?」によって、適用できる戻し税制度が違います。

    1.輸入許可後、保税地域から引き取っているとき

    関税定率法20条の「違約品等の再輸出又は廃棄の場合の戻し税等」規定により、輸入時に納めた関税は戻される場合があります。

    2.輸入許可後、保税地域に貨物があるとき

    関税率定率法10条の「変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等」を利用できる可能性があります。いずれにしろ、ダメージ貨物の分の関税を取り戻せるかも知れません。貴社が取引をしている通関業者へ調べてもらうようにしましょう。

    貨物にダメージが発生したときの減免税とは?

    まとめ

    輸入したときに、水漏れなどのダメージがある場合は、EIRによって「コンテナ自体が損傷していないのか」を調べるようにします。EIRは、コンテナの外傷を証明するための重要な書類です。輸入者は、このEIRに書かれているコンテナ自体のダメージ情報と、コンテナの中身に対するダメージを見比べるようにします。もし、EIRにダメージがないと書かれていたとしても、目視による検査であることからダメージを見逃している可能性もあります。

    このような理由からEIRは、船会社の責任を立証するというより、保険金請求のための準備的な位置づけであると考えてください。

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