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【貿易】Waybillの意味 実際の見本で見方までを解説!



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海外に物を送るときは、誰に向けて、何を送るかを記載します。

例えば、東京に住んでいる人が香港の友人にメロンを送るときは….

  • 発送人欄(物を送る人)=東京の住所を記載
  • 受取人欄(物を受け取る人)=香港の住所を記載
  • 品目欄=メロン

と記載しますね!このように記載することで、正確に物を輸送できます。実は、海上輸送(航空輸送)にも、送付状の役割を持つB/L(船荷証券)があります。船荷証券には、いくつかの種類があり、用途や送り先との関係により使い分けます。

このB/Lの一つに「WAY BILL」があります。WAY BILLとB/Lは、言葉が似ていますが、書類が持つ意味が変わります。この記事では、WAY BILLの意味や役割、見方、Express B/Lとの違いを説明していきます。

WY BILLの意味と役割

B/Lは、貨物を輸送する事業者が「その貨物を確かに預かったこと」を証する書類です。

例えば、荷物を輸送する人(A)が運送事業者B(フォワーダー等)に貨物を預けます。Bは、貨物を預ったら、それを証明するためにAに対してB/Lを発行します。その後、Aは、貨物を受け取る人C(買い手)にB/Lを渡します。(DHL等を使い)

実際に貨物が輸入国側に到着をしました。そこで、Cは、Aから送付されてきたB/LをB(輸入国側の代理店)に差し入れて貨物を引き取ります。つまり、B/Lが貨物の預け入れと受け取りをする重要な役割を担っているのです。これがB/Lが有価証券だと言われる所以です。

貿易取引は、資金リスクと貨物の受け取りリスクを小さくするのが一つの課題です。その意味では、B/Lを貨物の受け渡し方法として、うまくコントロールすることで、資金が支払ったのに貨物を受け取れない、又は、貨物を送ったのに、資金を受け取れないなどのリスクを小さくできます。

しかし、このようなB/Lにもいくつかの欠点があります。その最たるものが「効率性」です。

B/Lを介して貨物の受け渡しをする!=効率が悪い。

B/Lを使った輸送は、必ず輸入国側でB/L(原本)の差し入れが必要です。ペーパーレス化やリードタイム短縮の流れの中で、いまだに紙を使ってやり取りをする仕組みです。さらに、最近の船の速度は、非常に速くなったため、紙のB/Lのやり取りが時代に合わなくなっています。

この状況を少しでも改善するために「サレンダーB/L」や「WAY BILL」を導入しました。貿易者は、上記のいずれかを使う事で、輸入国側でのB/Lの差し入れが不要となり、円滑な貨物のやり取りができます。

次に、B/Lの種類を確認していきましょう!

B/Lの種類

B/L(船荷証券)には、いくつかの種類があります。詳しい解説は「B/L(船荷証券)とは?」をご覧ください。ここでは、非常に簡単な説明をします。まず、B/Lには、次の2つがあります。

  • 通常のB/L(有価証券)
  • WAY BILL(送り状)

通常のB/Lは、有価証券の役割があります。支払い状況により、B/Lの受け渡しをコントロールすることで、貨物の受け渡しができます。他方、WAY BILLは、有価証券の役割はなく、単なる「送付状」です。

例えば、ゆうパックで商品を発送するときに伝票を書きますね! 誰から、誰に対して何を送るのか?という書類です。WAY BILLは、その程度の書類です。

  • B/L=有価証券
  • WAY BILL=単なる送付状

名前は似ていますが、書類の性質は違います。また、WAY BILLには、次の2つの種類があります。

  1. Sea Way Bill(短縮:SWB)
  2. Air Way Bill(読み方:エアウェイビル=AWB)

SEA WAY BILLは、海上輸送における送り状です。他方、AIR WAY BILLは、航空輸送の送り状です。どちらも単なる「送り状」であり、有価証券の意味はありません。また、これらの言葉と関連的に使われるのがハウスB/LやマスターB/Lです。

この違いは、マスターB/LとハウスB/Lをご覧ください。

Way Billの意味

WAY BILLは、単なる送り状です。

「AさんからBさんに○○を送る。」

WAY BILLは、貨物を預けたときに、船会社(フォワーダー等)から発行されます。一般的なB/Lは、書類を受け取ったら輸入国側に送付します。しかし、WAY BILLの場合は、この送付は不要です。

WAY BILLの重要な点は、貨物の荷受人欄(コンサイニー)に記載されている人です。ここに記載されている人が輸入国側で受け取りのサインをすれば、書類原本等は不要で貨物を受けとれます。

  • WAY BILLは単なる送付状
  • WAY BILL内のコンサイニー欄が大切
  • WAY BILLで送付された貨物は、受け取り側で特別書類などは不要

Way BillとExpress B/Lの違いは?各種B/Lとの違い。

ここまでの説明でWAY BILLの規則的な知識をお伝えしました。ここでは、WAY BILLとその他のB/Lとの相違点をご紹介します。

オリジナルB/Lとの違い

一般的なB/Lは、輸出国で発行された原本(オリジナル)を輸入国側に差し出す必要があります。WAY BILLは、この差出は不要です。貨物は、コンサイニー欄に記載されている人がサインをするだけで受け取れます。

サレンダーB/L(Telex Release/元地回収)との違い

サレンダー(元地回収)は、輸出国側で発行されたB/Lをそのまま船会社に預けることです。これにより、B/Lには、サレンダー又はTelex Releaseのスタンプが押印されて、輸入国側でB/Lの差し入れが不要で貨物を受け取れます。B/Lのオリジナルを差し出さない分、業務の省略化ができています。

しかし、サレンダーB/Lの場合は、サレンダーであるにも関わらず、輸入国側でB/L原本を求められたり、業者間の連絡不足により、貨物の受け取りまでに時間がかかったりすることがあります。その意味では、依然、問題が多い仕組みです。

Express B/LとWay Billの違い。

WAY BILLとEXPRESS B/Lは同じです。国によって良い方が違うだけです。

インボイスとの違い。

WAY WILLは、誰が誰に対して貨物を輸送しているのか?を示す送り状です。他方、インボイスとは、誰が誰に「何をいくらで売ったのか?」を示す書類です。単なる送り状と取引価格の根拠を示す書類の違いがあります。

  • WAY BILL=誰が誰に何をどのように輸送してきたか?を証明する書類
  • インボイス=誰が誰に何をいくらで販売したかを証明する書類

日本側の輸入通関では、インボイスとWAY BILLの両方の書類が必要です。

Way Billのメリットとデメリット(リスク)

Way Billを使うメリットとデメリット(リスク)は、次の通りです。

メリット
  • 本店と支店、本社と海外現地法人などの輸送に向いている。
  • WAYBILLの原本が無くても引き取りができる。
  • 最悪、紛失しても「除権決定」の手間がない。
  • 銀行保証、倉庫保管料、余分な保険料との節約につながる
デメリット
  • 航海中の売買など物品を転売ができない。担保力がない。
  • 有価証券ではないため、輸出者は債権を留保できない。
  • L/C決済をするのは難しい。
  • 印紙法上の問題がある。

基本的に、Way billは、リスクを小さくし、輸送の効率化する仕組みであるため、輸送する当事者間の関係では、強いつながりや信頼関係が必要です。

少しでもリスクがある場合は、Way billでの輸送はせず、通常のB/Lの形で輸送する方が良いです。なお、Waybillでは、L/C決済は使用できないです。L/C決済は、B/Lの有価証券性の部分を活用し、決済のリスクを最小化する仕組みだからです。

 
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WAY BILLのメリットとデメリットを把握して総合的に判断しよう!

Way Billと小規模貿易者の関係

WAY BILLの魅力やデメリット等をお分かりいただけたかと思います。メリット、デメリット等を考えた場合、比較的、小規模な取引をしている方は、WAYBILLがあっています。

基本的に、小規模な取引は、T/T決済が主流です。よって、L/Cが使えなくなるデメリットは無関係です。また、ドアツードアとはいわなくても、無駄なプロセスを省きたければ、B/Lの処理は避けたい所です。この意味でもWAY BILLを活用する意味があります。

ただし、WAY BILLを使う上で注意するべきこともあります。それがリスク管理です。送金をしたけれど、貨物が送ってこない。又は、貨物の宛名を途中で変更されたなどです。もちろん、この逆の立場におけるリスクもあります。このリスクを下げるには、次の2つの方法があります。

  1. ペイパルを使う。
  2. アリババのエスクローの仕組みを使う。

どちらも決済に第三者を介在させることで、貿易取引上のトラブル発生時やリスクを小さくします。基本的に取引の省略可を進めるほど、リスクは高まります。よって、上記のリスク回避策を導入する一方、取引先との信頼関係を構築をして、少しでもリスクが小さくすることが大切です。

中国物流の専門家の見解は?

このWAY BILLとリスクについて、専門家では、どのように考えているのでしょうか? 中国物流の担当者は、次のように説明してます。

そうですね!たしかに、WAY BILLは、リスクを小さくする点と利便性をトレードオフしていると考えられます。弊社のDIGISHIP Super Expressに限らず、中国から日本は2~4日間で到着します。BL原本を発行、流通していたら間に合わないため、サレンダーB/L等が発達した経緯があります。

利便性とリスク回避を両立させる

これは、非常に難しいと思います。よって、サレンダーB/LやWAY BILLを取り入れる前の時点で、ある程度、相手の信用調査をしたり、第三者のインスペクターサービスを利用したりして、B/L以外の方法でリスクを低減させるべきだと思います。

サレンダーB/LやWAY BILLでは、取引のリスクをコントールすることは難しいです。

とのことです。やはり、WAY BILLを導入する時点で、ある程度、相手のことを見極めている必要がありそうです。

WAY BILLは、メリット、デメリットがあることを覚えておきましょう!

Way Billのサンプルと見方・見分け方

次に、実際に使われているWAY BILLのサンプルをご紹介します。まずは、通常のB/Lです。

通常のB/L

書面の右上に「BILL OF LADING」の記載がある場合は、通常のB/Lです。

B/L

WAY BILL(EXPRESS B/L)

書類の右側に「WAY BILL」又は「EWXPRESS B/L」などと記載されている場合はWAY BILLです。この中のNON-NEGOTIABLの意味は、流動性がない/有価証券性がないです。

way bill

裏面の約款

こちらは、WAY BILLの裏面約款です。びっしりと文字が記載されています。オリジナルB/Lの場合は、ここに「裏書」等をしますが、WAY BILLは、そのようなサインすら不要です。

Air Way Bill

参考情報として「Air waybill」を紹介します。一般的な航空輸送をするときに発行します。書類の右上に「Air Waybill」の記載が見えますね!

airway bill

Waybillと通関時に必要な書類

Way billで輸送された貨物の通関時に必要な書類は、次の通りです。B/LがWAY BILLになるだけで通常の場合と同じです。

Way billの貨物の受け取り方

最後に、Way billで輸送された貨物の引き取り方法をご紹介します。若干、フォワーダー等によって対応が異なりますが、基本は、アライバルノーティスにサインすれば、それが引換書になります。具体的には、アライバルに記載されている諸費用を支払います。

その後、FAX等で支払い受領の書面を入手します。その引換書と輸入許可書をもって、搬入されている倉庫へ貨物を引き取りに行きます。なお、この辺りの処理は、すべて通関業者が行ってくれるため、ご自身ですることはないです。

よくある疑問

最後にWAY BILLに関するよくある疑問と答えをご紹介します。

WAY BILLを中国語で言うと?

基本的に中国語では、B/LとWAY BILLの明確に使い分けず、どちらも「提単」を使用します。強いて使い分けるなら次の通りです。

  1. 托運単 WAYBILL
  2. 提単 BL

その他の関連用語は?

  • air waybill 空運単
  • house waybill 分托運単
  • non-negotiable waybill 不可转让的托運単
  • master waybill 主托運単

Air way billの追跡例は?

例えば、Fedexの場合は、公式サイトの中に「AWB(番号)」を入力する所があります。

FEDEX AIRWAY BILL

この番号を入力すると、現時点での貨物の処理状況を端末で調べられます。

FEDEX AIRWAY BILL

WAY BILLと印紙税の関係は?

詳細は不明ですが、WAY BILLに記載する内容次第では、印紙税が発生する可能性があります。

所有権移転

よくある勘違いで、B/Lは所有権があるとの考え方があります。しかし、実は、所有権は存在せず、あるのは「処分権」だと言われています。したがって、WAY BILLにも所有権の移転はないです。

裏書の必要性は?

B/Lオリジナルは譲渡の際、裏面に裏書をします。しかし、WAY BILLの場合は、裏書は不要です。

Way Billが対応不可の国もある。

いくつかの国では、WAY BILLを認めない所があります。その場合は、通常のB/Lを使い、やりとりをすることをお勧めいたします。

まとめ

  • WAY BILLは、単なる送付状です。
  • B/Lの有価証券等の機能はない。
  • WAY BILLは円滑な輸送取引をする上で重要
  • 但し、当事者間にそれなりの信頼感が必要
  • 取り引きの円滑化は、リスクとリターンとのトータルで考える。
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