【EPA】品目別規則にHSコードがないときはどうする?

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EPAを利用した関税面で有利な輸出をするときは、商品の輸出側が原産地を証明する書類(特定原産地証明書)を用意します。仮に日本からEPA輸出をするときは、日本商工会議所で発行された書類を相手(輸入者)に渡すと、相手国で免税や減税を受けられます。ポイント:特定原産地証明書を用意するのは、輸出側となります。

特定原産地証明書を取るときに関係するのが「品目別規則(ひんもくべつきそく)」です。これを一言で説明すれば「どのような物を原産品とみなすのか?」を決めているルールです。EPAは、協定上の原産品であるのかによって、関税の免除を受けらるのかが決まります。

例えば、日ベトナムEPAにおける原産品とは、日本またはベトナムで製造された商品です。その他の国で生産された商品は「非原産品」となり、関税削減などのメリットを受けられません。EPA上、その協定の原産品であるのかは、きわめて重要なポイントです。そして、この原産品の定義が書かれているのが品目別規則です。

EPAは、協定上の原産品であるのか?が重要です。そして、この原産品の定義が書かれているのが品目別規則です。つまり、一にも二にも、この品目別規則に合致しているのかが大きなポイントになります。しかし、商品によっては、品目別規則などに書かれていない物があります。そこで、この記事では、この品目別規則にかかれていない商品の原産性ルールの調べ方をご紹介していきます。

品目別規則 HUNADE

品目別規則にHSコードがない!? 適用外なの?

特定原産地証明書は、輸出者側が用意するべき書類です。最近では「突然、バイヤーから要求されること」も多くなり、日本とEPAを結んでいる国へ輸出しているときは、いつでも発行ができるように準備をしておく必要があります。ここで言う準備とは、特定原産地証明書の取得に関する企業登録や、原産性を証明する基礎資料の用意することを言います。

実は特定原産地証明書を取得できる人は「原産品の証明」ができる人に限られます。原産品の証明とは、輸出する商品が協定国の商品であることを証明することです。この証明をするにあたり最も大切なことが「どのような品目を原産地とみなすのか」です。要は協定と関係がない国の商品が関税の恩恵を受けられないようにしています。この条件を具体的にまとめている書類が「品目別規則」です

下の図をご覧ください。これは日ベトナムEPAの品目別規則です。緑色が商品の「HSコード(品目を数字で表す世界共通番号)」です。赤色が緑色のHSコードに対応する「原産地の定義」を示しています。下の場合であれば、CCレベルの変更(CTCルールにおける類の変更要求)を満たせば、日本又はベトナムの原産品にできます。特定原産地証明書とは、この品目別規則を満たすものに対して発行される特別な証明書類です。

関連記事:日本とEPAを結んでいる品目別規則リンク集 CTCルールとは?

品目別規則 ベトナム

品目別規則に載っていない場合があり!

EPAを利用するためには、特定原産地証明書が必要です。この証明書は、品目別規則に沿った原産品に対して発行されます。

品目別規則を満たさない=特定原産地証明書は発行不可=関税ゼロ貿易は難しいです。

そのため、EPAを活用して輸出するときは、まずは品目別規則がどのように定義されているのか?を確認することからスタートしていきます。しかし、この品目別規則を確認しても自社の商品に該当するコードが見当たらないときがあります。

例えば、33類の香水についての品目別規則を確認してみましょう。下の画像は「ベトナムの品目別規則」です。これを上から順番に確認していくと、31類までは見つけることができます。しかし、31類から32類へ切り替わる所で、いきなり35類に飛んでしまいます。この場合、いくら探しても32類~34類までの記述を探すことはできません。これが品目別規則で定義されていない部分です。

ベトナム 品目別規則 HUNADE

 

品目別規則で確認ができない=協定本文の一般ルールを確認しましょう

では、品目別規則に記載されていないときは、どのようにすればいいのでしょうか? もしかして、品目別規則に記載されていない=協定の適用ができないことになるのでしょうか? ご安心ください。実は、品目別規則に載っていない商品は、一般規則の中に記載されています。

一般規則とは、品目別規則と同じく「原産品の定義」を示している規則のことです。具体的には、各EPAの協定本文、第三章あたりに定義されている原産地規則のことです。この第三章を上から見ていくと、以下のような記述を見つけることができます。これが一般規則です。

・次条に定める計算式を用いて算定する当該産品の原産資格割合が40%以上の産品であって、生産の最終工程が当該締約国において行われたもの

・当該産品の生産に使用されたすべての非原産材料について、当該締約国において統一システムの関税分類の変更であって、四桁番号の変更が行われたもの

引用元:経済産業省

つまり、品目別規則に定義されていない商品は、一般規則を適用することになっています。

「1.一般規則:協定本文の第三章」「2.品目別規則:付属書2」

■一般規則と品目別規則を設けているEPA協定
日アセアン協定、日スイス協定、日ベトナム協定、日インド協定

協定書の見方

下の画像をご覧ください。こちらは、日ベトナムEPAに関する書類一式です。これらの書類一つ一つにそれぞれの意味があり、確認する内容によって見るべき書類が異なります。今回のように「どのような物を原産品とみなすのか?」の定義を知りたいときは、本文の第三章の原産品定義と、付属書2の品目別規則を確認します。

一般規則 HUNADE

 

これらEPA書類を確認したいときは、経済産業省のEPA協定リンク集が便利です。記事の下の方にある協定部分をクリックします。

HUNADE

日ベトナムEPAの本文から一般ルールを調べてみましょう!

この記事の冒頭で日ベトナムEPAの品目別規則を確認した所、32類~34類までの記述がありませんでした。そこで協定本文の第三章あたりに書かれている一般規則を確認します。まずは、経済産業省のサイトへアクセスします。確認したい協定をクリックします。

Hunade

 

以下の目次が出てきます。原産品に関する一般協定が書かれているのは、第三章の「原産地規則」の中にある第二十四条、第二十五条、第二十六条などになります。日ベトナムEPAであれば、35ページあたりから説明が始まっています。

Hunade

 

この部分をすべて見ると、品目別規則にのっていない商品の原産品に関するルールがわかります。32類~34類の品目の輸出は、この一般規則が適用されます。ちなみに、日ベトナムEPAにおける32類~34類の商品を外国産の材料を使って製造する場合は、以下の2つのルールが使えることになっています。(一般規則)

  1. 関税分類変更基準(CTCルール)を使うときは、CTHレベル(4桁変更レベル)を満たすこと。
  2. 付加価値基準を使うときは、閾値(しきいち)が40%を下回らないようにすること

Hunade

まとめ

  • EPAを適用できるのかは、協定上の原産品であるのかで決まります。
  • 協定上の原産に関するルールは、一般ルールと品目別規則に定義されています。
  • 日アセアンEPA、日ベトナムEPAで原産性ルールを確認するときは、品目別規則と一般規則の2つを確認します。
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