インコタームズの内、CPTをご紹介していきます。CPTは、次の2つのポイントがあります。
- 危険負担は、輸出国側の運送人に引き渡すと切り替わる
- 輸出者は、輸入国までの輸送費を負担する
危険負担と費用負担の切り替わりポイントが違うため注意しましょう!
インコタームズ・CPT
CPTの費用負担と危険負担の切り替えは、次の通りです。売り手と買い手の範囲は色で示しています。
CPTの特徴
ポイント:売り主は、輸入国までの運送費用を負担する。但し、危険負担は、輸出国側の運送人に引き渡したら切り替わる。
- 引き渡しと危険負担時期
- 費用負担
- 保険契約
- CPTの注意点
1.引き渡しと危険負担の移転時期
CPTは、売り手が輸入地までの輸送費用を負担する取引条件です。ただし、危険負担の切り替えポイントは、売り手が用意した運送人に貨物を引き渡したときです。費用負担と危険負担の分岐点は違うため注意が必要です。
例えば、売り手であるAさんは、フォワーダーBさんに依頼をして、輸入地までの輸送契約(買い手と合意した地点を仕向け地とする)をします。輸送当日、フォワーダーBさんが手配したトラックが貨物を引き取りに来ました。売り手Aさんは、引き取りに来たドライバーに貨物を渡します。ここが危険負担の切り替えポイントです。これ以降の部分は、売り手が輸送費用等を負担しますが、危険負担は、買主が負担します。
2.費用負担
危険負担 | 分岐点 | 売り手側の運送人に引き渡すとき |
費用負担 | 分岐点 | 売り手が輸入地までの運送費用を負担する。 |
輸出国内輸送費 | ||
輸出通関費用 | ||
その他、輸出関連費 | ||
海上保険 | ||
海上運賃 | ||
輸入通関 | ||
輸入国側の関税・消費税 | ||
輸入国の国内費用 | ||
契約手続き | 輸送や海上保険など | 輸送:売り手 保険:買い手 |
備考 | 売買契約書に、危険負担が切り替わるポイント、輸送地における荷下ろし費用の取り扱いを決めておく。 |
*仮に売り主が仕向け地の荷卸し費用を負担したとしても、買主と合意がない以上、請求はできない。
4.CPTの注意点
CPTは、売買契約書の中に、正確な「引き渡し地点」及び「仕向け地」を記載します。引き渡し地点は、輸出国で売り手が運送人(売り手が手配)に荷物を引き渡す所です。他方、仕向け地とは、売り手が手配する運送人との輸送契約上の目的地です。売買契約書には、これら2つの地点を明確にしておきます。売買契約書に記載をしておかないと、売り主にとって都合が良い場所を指定されてしまいます。
CPTの活用例
CPTは、輸出国側の運送人に引き渡すと危険負担が切り替わります。では、実際にCPTはどのように活用されているのでしょうか?
例えば、コンテナにバンニング(コンテナに貨物を積めること)後、コンテナターミナルに輸送するときは…
バンニング後、ドレーの運転手にコンテナを引き渡したときが危険負担の切り替えポイントです。もし、あなたが買い手であり、そこまでの危険負担をしたくないときは、売買契約書の中に引き渡し場所を「TOKYO ○○ CONTAINER TERMINAL」と記載します。これにより、危険負担は、TOKYO ○○ CONTAINER TERMINALに搬入したときに切り替わります。
まとめ
- CPTの危険負担は輸出国側のコンテナターミナルが多い。
- 売り手は、輸入地までの輸送費を負担する。
- 買い手は、海上保険代金を負担する。
- 買い手は売り手に対して「おんぼろ船に乗せないよう」に指示をする。
- 売買契約書に引き渡しポイントと仕向け地を記載する。
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