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革靴の関税がかからない方法 マレーシアEPA、メキシコ協定がおススメ

「革靴の関税はなぜ高いのか?」こんな疑問を感じている方も多いかと思います。日本では革靴を始めとする革製品の関税率が非常に高いです。革靴の場合は、一足あたり4300円もの関税がかかります。海外で安く買ったとしても日本側で高い税がかかり、結局、日本での販売価格と変わらなかったとの想いをした方もいらっしゃるはずです。

しかし、実は、あるポイントを抑えるだけで、革靴の関税率をぐっと下げることができます。もちろん、合法であり、日本政府が認めている法律に基づく方法です。

この記事では、高額な関税が課せられる革靴の関税率を低くするポイントと革靴の関税率が高い諸説をご紹介していきます。



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革靴の関税を削減する方法

革靴の関税は異常に高い。

以下の画像をご覧ください。こちらは、ウェブタリフ(関税率表)の画像です。日本に輸入するさいの様々な品目の税率が記載されています。

表中の革靴の欄を見ると…..

  • 30%又は4300円/一足のうちいずれか高い税率
  • 60%又は4300円/一足のうちいずれか高い税率

との記載があります。簡単にいうと、この定義に当てはまる革靴を輸入しようとするときは、日本政府に対して上記の関税額を支払うことを意味します。(海外で購入代金とは別に、輸入時に日本政府に課税される)

革靴の関税

では、もう一つの例を示します。こちらは「革以外でできた靴」に関する関税率表です。こちらは同じ靴であるもの6.7%~8%の関税が適用されます。

一つ目の「革靴の関税」と、二つ目の「革靴以外の関税(一部)」を比べると、革靴に対する関税が異常に異様に高いことがわかります。

革靴の関税2

原則的に革靴には高い関税がかかる。しかし、それは原則です。この原則から外れる方法が今回お伝えする内容です。

なぜ、革靴の関税は高いのか?

高い理由は諸説あります。少しタブーな部分もある為、ここでは表面的な部分のみを説明します。主な理由は、次の3つと言われています。

  1. 国内産業保護
  2. 歴史的背景
  3. 税収確保
  • 国内の製靴産業(特に革靴メーカー)を海外との競争から守るため
  • 日本の伝統的な靴職人や製造技術を維持する目的
  • 日本では伝統的に、皮革を扱う仕事は●●●されていた
  • 明治時代以降も、皮革産業には●●●●の影響が残存していた。
  • 差別解消と産業育成を同時に進める意図があった。
  • その結果として手厚い保護政策が採用された。
  • 関税による保護も、そうした政策の一環とされる

なお、革製品は、全体的に高額帯の商品でもあるため、安定した税収源として機能している部分もあります。

高い関税がかからない2つのポイントとは?

革靴には、高い関税がかかります。ただし、次の2つのうち、どちらかのポイントを満たすと、関税を無税にしたり、低率にしたりできます。

1.経済連携協定(EPA)の国からの製品であること
2.特別特恵制度(LDC)が設けられている国の製品であること

1.経済連携協定

2017年現在、日本は特定の国との間に、経済連携協定(自由貿易)を結んでいます。この協定の目的は、お互いにかかる関税を撤廃しあい経済を活発にすることです。そのため、この協定を結んでいる国からの商品であれば、品目によって「関税ゼロ」または「低率」で輸入ができます。実は、この品目の中に、この記事でお伝えしている革靴をはじめとした革関連製品が含まれているのです。

この特別な関税制度があると、どのように変わるのでしょうか。

例えば、革製品を輸入する場合をみてみます。下記のように仮の条件を設定します。

・A国とは経済連携協定(EPA)を結んでいる。
・B国とは経済連携協定(EPA)を結んでいない。
・通常の関税:20%(仮定)
・A国とのEPAによる関税:5%

この場合、同じ20000円の革製品を輸入するとしても、A国産には5%の関税、B国産の革製品には20%など、異なる関税率が適用されます。つまり、同じ革製品であっても、それがA国産であれば、1000円の関税額(20000×0.05)を支払うだけです。一方、それがB国産であれば4000円(20000×0.2)の関税を支払わなければならなくなります。「EPAを結んでいる国の生産品であるか」によって適用される関税が大きく異なることがわかります。

革靴(革関連品)の関税はEPAの活用によって無税または、低い関税を適用できる。
革靴に対する関税が有利なEPA締約国は?

現在、日本は15の経済協定を結んでいます。その中で革靴関係に低い税率が設定されているのが「メキシコ」「マレーシア」です。これらの国であれば、「無税」または低率で輸入できます。次におすすめな国が「タイ」「チリ」です。これらの国の革靴は2%前後の低率に設定されています。

2.特別特恵制度(LDC)が設けられている国の製品であること

世界の国の中で特に発展が遅れている国には「特別特恵制度」を設けています。これらの国の商品を購入して、経済発展を後押しするのが狙いです。そのため、日本政府は、これらの国で作られた商品には、原則的に関税をかけないようにしています。もちろん、高い関税率で有名な革製品についても、広く無税が適用されます。(対象外はあり)

特別特恵制度は、こちらに記載しています。

上記の通り、1番または2番の制度を適用できるように輸入すれば、革製品にかかる関税率を大きく削減できる可能性があります。

経済連携協定(EPA)を適用するときの注意点

  1. 対象国の産品であること
  2. 商品を特定するための適切な資料を用意すること

1.EPAの加盟国の産品であること

第一条件は、日本とEPAを締結する加盟国の原産品であることです。

例えば百円ショップで販売されている商品があるとします。これらの商品は、中国産の製品である可能性が高いです。つまり、中国で生産された商品が日本で販売されています。

では、百円均一で売っているこれらの商品を購入して、外国へ輸出したとするとどのようになると思いますか。これはもちろん「中国製」のままです。つまりEPAを適用できるのは「EPAの加盟国内で製造」された商品のみです。この中に「該当の国以外で生産された商品」が含まれるわけではないことに注意しなければなりません。

例えば、イギリスの工場で作られた革靴が経済連携協定(EPA)の加盟国である「マレーシア」で販売されても、これは「域外生産品:加盟国外で生産された商品」として一般の貨物と同じ扱いです。つまり高関税がかかる革靴と同じ扱いです。

一方、イタリアの有名な革靴メーカーが、マレーシアの工場で生産した物に関しては、経済連携協定(EPA)適用の対象品です。(厳密にいうと、さらに細かい「原産地規制:商品の中に使用されている素材の原産地の割合など」があります。)

2.商品を分類するため(関税率を決定するため)に適切な資料が用意すること

同じ革靴であっても用途や材質によって適用される関税が異なる場合があります。例えば、靴の底の材質、甲の材質、用途、くるぶしを覆うかなどの「商品情報」によって分類をします。あなたが輸入する商品は、どのような貨物かを客観的にわかる資料を用意しておく必要があります。革靴は革靴ではないのです。革靴の中にさらに細かい分類が存在します。

国際郵便や国際宅配便でEPAを適用する方法

例えば、20万円以下の貨物を国際郵便や国際宅配便で輸入する場合を考えてみましょう

設定条件

  1. 貨物がEPA締約国の中で生産された商品であること
  2. 国際郵便や国際宅配便でEPA締約国から直送された商品であること
  3. 商品自体、またはインボイスなどに「Made in ○○」の表記が確認できること。 *○○には、EPA加盟国の国名が記載されていること。

また、本来EPAを適用する場合は、特定原産地証明書(貨物の生産地を証明する書類)が必要です。しかし、課税価格の合計が20万円以下の貨物は、この提出が不要です。

EPAの利用で必要になる「特定原産地証明書」が欲しい!何をしたらいいのか?

税関

引用:税関

一般貿易で利用する場合

コンテナやLCLなど、一般的な貿易で革靴の関税を低くする場合は、次の順番で検討しましょう!

  1. LDC(特別特恵)を適用できる革靴でないか?
  2. EPAを適用できる革靴ではないか?
  3. 関税割り当てを適用できる革靴ではないのか?
  4. WTO税率を適用できる革靴ではないのか?

1番から順番に検討していきましょう!なお、一般的な貿易(一回の輸入額が20万円をこえる場合)は、日本に輸入する際に特定原産地証明書が必要です。また、LDCを適用する場合は、インボイスに「MADE IN 国名」及びB/Lの記載内容が対象国から、日本に直送されていることを確認できることが条件です。

まとめ

一般的に革靴に関する関税はかなり高いです。しかし、経済連携協定(EPA)を活用することによって、その税率は無税またはかなり低い税率が適用されます

EPA締約国の中でも革靴に関して最も有利に働くのは、「メキシコ産」と「マレーシア産」です。次に「タイ産」、「チリ産」です。これらの国で生産された「日本人が好みそうな革靴」を仕入れることができれば、あなたの輸入ビジネスはかなり有利です。

【HUNADEマニュアル】初心者向けEPA貿易スタートガイド

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