革製品の輸入ビジネスマニュアル

革の輸入マニュアル輸入ビジネス
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革の一部又は全部を使用する製品を輸入するときには、高い関税が発生します。一般的な工業製品の関税率が一桁で設定されている中、革関連には、2桁の関税率が設定されています。そのため、革製品を扱うときは、いくつかの注意点があります。

  1. 設定されている関税率をいかに安くするのか?
  2. 規制されている革製品ではないのか?

これら2つを守るために「関税割当(かんぜいわりあて)」、「特別特恵(とくべつとっけい」「EPA(経済連携協定)」、「ワシントン条約」の知識が必要です。そこでこの記事では、革の輸入ビジネスを始めるにあたって、これだけは守っておきたいポイントについてご紹介していきます。

革の輸入ビジネス

革と言えば、バッグやジャケット、ハンドバッグ、財布、サンダルなどに使われています。日々の生活の中には欠かせない存在となっていますね。ただし、革製品の料金に含まれている関税分を確認してみると、高価で特別な存在であることがわかります。以下の図をご覧ください。こちらは、ある革靴に係る関税率を示した物です。赤枠の中には、60%や30%の関税が書かれています。別々の関税率が設定されている理由は、革靴の種類にあります。

例えば、上の赤枠にある60%の関税が設定されている物を輸入するときは、一つ10,000円の物であれば、6,000円の税金がかかることになります。ただし、正確に申し上げると、必ずしも6000円になるのではなく、一足当たり4800円(2足で9600円)と比べて高い方が課税されることになっています。10,000円の革靴であれば、9600円(4800×2)の関税がかかります。つまり、60%どころではなく、ほぼ100%の関税かかることになります。

このような高い関税率が革製品全般にはかけられています。先ほどから申し上げている闇の部分とは、この異様なほど高い関税率のことを指しています。では、なぜこれほどまで高い関税率が設定されているのでしょうか?

革の輸入

画像:ウェブタリフ

関税率が高い理由

関税率が高い理由は、どのような物が考えられるのでしょうか? この理由には、表向きの理由と、真の理由の2つがあると予想しています。まず表向きの理由としては、自然環境や動物保護があります。革製品を作るということは、それだけ動物の命が奪われていることと同じです。人間の単なる物欲で動物の命が奪われることを少しでも小さくする目的で、高額な関税率が設定されていると思います。この点は私も賛成です。ただし、問題は真の理由の方です。

関税率が高い真の理由とは、おそらく「既得権益(きとくけんえき)」だと考えられます。この既得権益は、江戸時代までさかのぼります。その頃、身分制度としていくつか存在していましたね?いわゆる「士農工商」と言われる階級です。歴史の教科書をみると、これ以外にも階級があったことは皆さんもご存知の通りです。その階級に属していた方々が「動物の命を奪う仕事」をさせられていたそうです。

革関連の関税率が高い真の理由は、おそらく、このあたりのことが関係していると予想しています。あくまで予想であるため、実際はどうのかはわかりません。しかし、何らかの意図的な思惑があり、他よりもべらぼうに高い関税率を設定されていることは確かです。このあたりは、あまり深い入りせず「事実を事実」として受け入れた方が賢明です。

ここまでが革製品に関わる準備的な知識になります。ここから先は、実際に革を輸入するときは、どのようなことが関係してくるのかをお伝えしていきます。

革製品を輸入するときに意識する2つポイント

革製品の輸入するときには3つの大きなポイントがあります。それが「合成皮革であるのか、本革であるのか?」「どこの国から輸入するのか」「養殖されているのか」です。

1.合成皮革とは?

名前の通り革に似せている商品です。材質としては、表面部分がポリウレタン、基布の部分がナイロンやポリウレタンなどで作られています。要は「偽物の革」ということです。俗称的には「合皮」とも言います。一方、この合皮以外の革を「本革(本当の動物の革)」と言います。先ほどからお伝えしている革製品にかかる高額な関税とは「本革」についてのお話になります。

もし、本革を使っているときは「それが何の革でできているのか?」が重要になります。できれば、革として使っている動物を学名で把握することをお勧めします。税関への輸入申告のときは、この部分を細かくチェックされるため、証拠を示す書類も用意しておく必要があります。なぜ、そこまで厳しいのかというと、それが後述する「革の規制」に関わってくるからです。

ポイント1.輸入する革は、本革? それとも合皮?

学名を調べるには?

動物の学名を調べたいときは、グーグル検索で「動物名 学名」と検索します。

2.どこの国で作られている?

革製品には、高い関税率が設定されています。しかし、すべての国の革製品の関税率が高いのかというと、そうではありません。革製品を製造した国がどこであるのか?によっても、適用される関税率に大きな違いがあります。

例えば、日本と自由貿易を結んでいるメキシコ製であれば、本来よりも大幅に引き下げられた関税率が適用されます。また、このような自由貿易協定を結んでいない国であっても、経済発展が著しく遅れている国には、特別な優遇税率を適用されることもあります。輸入する革製品が「どこの国で生産された物」かによっても関税率が大きく違うことを覚えておきましょう!

ポイント2.その革製品は、どこで作られている?

3.養殖物か天然ものであるのか?

革製品を輸入するときは「何の動物の革であるのか?」が重要であることがわかりました。実はこの点以外にももう一つ重要な点があります。それが「養殖ものであるのか 天然ものであるのか?」の違いです。後ほど詳しく説明しますが、革の輸入で規制対象になっている動物は「天然物」です。養殖物とは区別して取り扱われるため、この点も確認する必要があります。

ポイント3.その革は天然もの? それとも養殖もの?

革製品の規制

先ほども述べた通り、革製品を輸入するときは「何の革で作られているのか?」かが重要になります。何の革であるのかによって「ワシントン条約(サイテス)」という法律によって規制されるかが変わるためです。

ワシントン条約とは、野生動植物の絶滅を防ぐ目的で制定されている国際的なルールです。ワシントン条約のことを別名「サイテス」とも言います。このサイテスの中には、絶滅危惧種に指定されている動物が具体的なリストで表示されています。このリストに表示されている動物は、商業目的での輸入は禁止されています。もちろん、この規制は動物そのものだけではなく、禁止されている動物の一部を使った商品も対象になります。

このようなルールがあるため、本革を輸入するときには、税関から「それが何の動物の革であるのか?」が厳しくチェックされます。仮にこのワシントン条約に指定されている動物の革を使っているときは、問答無用で輸入不許可となり、全量破棄命令か、積戻し命令が出されます。この場合、輸入者がすべての損失を被ることになります。(後は輸出者側と調整)そのため、革製品を輸入するときは、とにかく「サイテスに該当しないこと」が絶対条件になります。

■サイテスの規制されている例

動物名学名規制対象
クロコダイルCrocodylinae
ニシキヘビPythonidae

革製品の代表例と関税率(税金)

ここまでの説明で、革製品には、どのような注意点があるのかをお伝えしてきました。次に革製品には、どのような種類があり、それらは大体、どれほどの関税率であるのかをご紹介します。関税率を調べるときは「ウェブタリフ」を使います。ウェブタリフの内、41類、42類、64類が革製品に関係してきます。

いずれの商品も「革を使っていない同様の製品」は、関税率が低く設定されています。しかし、製品の一部に革が使われているだけで「革製品」に該当してしまい、一気に高い関税率を適用されてしまいます。

商品名関税率商品名関税率
サンダル8%~手袋10%~
ジャケット10%~16%ベルト16%
バッグ14%財布16%
ブーツ30%または一足4300円のいずれか高い方の税率化粧ポーチ16%

関連記事:革製バッグを輸入するバイヤーは必見!おススメの仕入れ先国一覧

仕入れ先国と革製品の関税率の関係

革製品は、どこの国で作られたかによって、同じ商品であっても関税率が変わります。

例えば、アメリカやイギリス、それにイタリアなどで作られた革製品を輸入するときは、関税率でいうと「WTO税率」と呼ばれる関税が適用されます。一方、これがタイであると「日アセアンEPA」や「日タイEPA」の関税率が適用されます。下の図を見ると、同じ商品であっても、両者には大きな関税率の差があることがわかります。革を輸入するときは「どこの国で生産された物であるのか?」もしっかりと考えておく必要があります。

革 関税率

革製品を安く輸入するための方法

これまでの説明で革製品には、高い関税率が設定されていることがわかりました。では、この高い関税率をどうすれば低くできるのかをご紹介していきます。もちろん、ここで紹介する方法はすべて合法であり、日本政府が公式に認めている物です。その安くする方法とは「1.関税割当制度(かんぜいわりあてせいど)」「2.EPA(経済連会協定」「3.特別特恵」のいずれかを使うことにあります。それぞれについて詳しく説明していきます。

1.関税割当制度とは?

革製品には「関税割当」という関税の仕組みがあります。関税割当とは、日本全体として一定の数量のみを低率の関税を適用して、一定以上の物は高率の関税を適用する仕組みです。

例えば、日本全体で牛乳が100リットル輸入されるとします。この輸入される牛乳には、ある一定の関税率がかかります。しかし、関税割当は、この関税率を一律に決めているのではなく「最初の30リットルまでは、5%の関税を適用する、31リットル以上の部分を20%の関税を適用する」など二段階に関税を設定するようにしています。各輸入者は、この低率で輸入できる部分を割当という形で経済産業省からもらうようにしています。これが関税割当の仕組みです。

では、この関税割当がなぜ重要なのでしょうか。先ほどから述べている通り、革製品には高い関税がかかります。しかし、ある特定の国で作られた革製品には、通常支払うべき関税よりも少ない税金で輸入できます。「EPA税率」や「特別特恵」といわれる税です。ただし、これらの税の優遇措置は、アメリカやイタリアなどの国には適用されません。そのため、関税割当を活用することが重要になります。

関税割当は、どの国の貨物であっても減税される唯一の優遇された税の仕組みです。もし、どの減税措置も適用されない国から革製品を輸入するときは、必ず関税割当を利用できないかを考えましょう!ちなみに、ウェブタリフなどを確認してみると「共通の限度数量内の物」という表記を目にすることがあります。これが関税割当が設定されている貨物になります。

関税割当 HUNADE

関連記事:初心者向け関税割当入門

2.EPA(経済連携協定)を使う

革製品を輸入するきは「日本と自由貿易協定を結んでいる国」から仕入れられないかを考えます。2017年現在、日本は15の国と地域との間に自由貿易に関する協定を結んでいます。この協定が結ばれている国同士は、お互いが設定している関税を他国よりも特別に優遇して適用しています。この優遇する物の中には「革製品」も含まれます。

例えば、日本とタイとの間には「日アセアンEPA」と「日タイEPA」が締結されています。仮に革製品のハンドバッグを仕入れるとすると、アメリカやイタリア産には約16%の関税がかかる一方、タイ製品については「無税」が適用されます。EPAが結ばれているのかどうかによって、ありとあらゆる産品に係る関税率が変わってきます。もし、これから革製品の輸入を始めるときは、これらの国から輸入ができないかを考えてみましょう!

3.特別特恵制度を使う

最後にご紹介するのは「特別特恵制度(とくべつとっけいせいど)」です。いわゆるLDC(後発発展途上国)といわれる国で生産された商品に対して適用される優遇制のことです。一般的によく聞く特恵税率とは異なるため混同しないようにします。基本的に特別特恵制度を使うと、すべての産品の輸入が原則的に無税になります。この制度は、2番のEPAよりも優遇されているため、実は仕入れ先さえ確保ができれば、最も利用価値がある税制度となります。

関連記事:革靴の関税がかからない方法 マレーシアEPA、メキシコ協定がおススメ

まとめ

革製品を輸入するビジネスを始めるときは「どのようにしたら関税を低くできるのか?」をしっかりと考える必要があります。まともに輸入していると、関税だけで競合ライバルに価格面で勝てなくなってしまうからです。ようは、税の仕組みをどれだけ活用して、競争相手より有利な立場に立てるのかがポイントなります。

革製品の関税率を低くする方法は、主に3つあります。関税割当制度を利用する。EPAを利用する。特別特恵を利用するです。これらのうち、いずれかの税制度を活用すれば、少なくても価格の部分で競合他社に引き離される可能性は小さくなります。

まずは副業レベルから輸入ビジネスを始めてみる?

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