海上コンテナで輸送しようとするときに「一体、どれだけの貨物をのせられるのか?」と疑問に感じます。この答えがしっかりとわからないと、先方へ見積金額を提示するときに、その内容に具体性がなく、根拠がないものと感じられてしまいます。輸出者は、コンテナの中に「どれほどの貨物を詰められるのか」を計算できるようすることが大切です。
そこで、この記事では、海上コンテナに関する基本仕様(スペック)と、コンテナの積載量の計算方法、積載量(計算上と実際)を説明していきます。
海上コンテナには、どれだけの貨物をのせられる?
海上輸送コンテナには、20フィートと40フィートの2種類があります。1フィートは、およそ30センチであるため、20フィートであれば6m、40フィートであれば、12mです。輸出者は、このコンテナの中に好きなだけ貨物を詰められるため、外国に向けて商品を輸送する方法として広く使われています。
輸出者はコンテナの中に好きなだけ貨物を積められます。しかし、コンテナスペースを目いっぱい使うことは難しいいです。なぜなら、実際はパレットにのせたり、商品の形状が違うため、使えないスペースが発生したりするからです。
輸出者は「使えないスペース」を考慮して、コンテナには、どのくらいの貨物を詰められるかを計算します。
コンテナの仕様(スペック)
「どれだけの貨物を詰められるのか」を計算するために、コンテナの仕様を確認します。仕様とは、「詰められる最大重量」「容積」、「縦や横、奥行きの長さ」などです。下の表をご覧ください。
20フィート | 40フィート | |
内側の長さ | 5.8m | 12m |
内側の幅 | 2.3m | 2.3m |
内側の高さ | 2.3m | 2.3m |
コンテナの容積 | 33㎥ | 67㎥ |
最大積載重量 | 30トン | 30トン |
これは、20フィートと40フィートのそれぞれの仕様(スペック)を表しています。この中で特に重要になるのが「コンテナの容積」と「最大重量」です。コンテナの容積とは、空間の広さのことをいいます。
例えば、縦、横、高さの1m四方の空間であれば「1㎥」です。数値上でいうと、20フィートコンテナには、これが約33個ものせられることなります。しかし、この空きスペースは、すべて使えるわけではなく、使えない空間(デッドスペース)が生まれてしまいます。
「デッドスペース」とは?
コンテナの中に貨物を積めるときは、使えないスペースが発生することを覚えておきます。上記で説明をしたコンテナの空容積から、デッドスペース分を引いたのが「実際に使用できるスペース」です。では、このデッドスペースは、どのような理由から発生してしまうのでしょうか。それは次の2つの理由によります。
理由1.パレット積み
コンテナ輸送をするときは、パレットという台を使います。パレットは、1m四方の板であり、この上に商品をのせて運びます。フォークリフトで移動できるため、非非常に使い勝手が良いです。しかし、デメリットもあります。それがパレットを使うことによるデッドスペースです。
理由2.形状(ロール状など)
デッドスペースは、商品の形状にも影響されます。四角のスペースの中に円形の物を入れると、必ず使えないスペースが発生します。
例えば、海外から生地の原反を輸入するときは、ロール状にが一般的です。もちろん、貨物が円形になっているため、デッドスペースが生まれます。もし、貨物が角ばっているときは、角を守る配慮も必要です。このように、物と物が重なる所には、必ず使えないスペースが発生します。
このデッドスペースを考えると、20フィートの最大容量が30㎥だとしても、その70%である「20㎥」ほどしか使えません。
積載できる量(空きスペース)=コンテナの空容量のおよそ70%くらいを目安にした方が良いです。残りの30%は、デッドスペースだと考えておきましょう!
コンテナの空きスペースから、積載できる物量を求める方法
コンテナの空き容積が30㎥であったとしても、実際に使用できる容積は70%前後だと考えると良いです。では、20フィートコンテナに原反(生地)を詰める場合は、どれだけの本数を詰められるかを計算してみます。
計算1.貨物の容積を求める
ますは原反の容積を求めます。原反と言えば円柱状になっているのが普通です。しかし、円柱状になっているからといって、容積を求めるうえで「円柱」としては計算しません。下の図で示す通り、円柱の分だけ、ほかの貨物を積め込めるわけではないからです。そこで、このような場合は、四角柱として計算します。
■計算条件 縦、0.2m 横0.2m 長さ1.2m
計算式 0.2×0.2×1.2=0.048(1本あたりの容積)
これで原反一本あたりの容積がわかりました。次にコンテナの空きスペースを原反一本分で割ります。
計算2.コンテナの空き容積/原反一本分の容積
20フィートの空容積は、30㎥。これに30%のデッドスペースを考えて、実際に使用できる容積を20㎥と見積もります。この20㎥を一本当たりの原反の容積(0.048)で割ると、416本となります。よって、上記の条件であれば、20フィートのコンテナの中に400本余りの原反を積むことができることになります。
今回は、ロール状の原反を想定していますが、どんな物であっても計算方法は同じです。コンテナ詰めするときは、このような考え方でおよその「積載量」を求めるようにしましょう!
重要な計算式:デッドスペースを除いた空きスペース / 一個当たりの貨物の容積(㎥)=積載できる物量
実際の20ftコンテナと40FTコンテナの積載量 m3は?
- 20フィート=23m3前後
- 40フィート=55m3前後
もし、コンテナ単位に換算すると….
- 20フィート:10~20パレット
- 40フィート:20~30パレット
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まとめ
コンテナの中に詰められる貨物量は、コンテナの空き容積-デッドスペース(使えないスペース)/貨物一個当たりの容積で考えます。この計算方式によって、およそどれくらいの貨物を積めるのかがわかります!