海上輸送が遅れる7つの原因や理由を徹底解説!

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    貿易をする上で常に関係するのが「貨物の遅延」です。発注や決済後、指定の期間内に貨物を届けられるのか?(届くのか?)ですね!(例:イギリス→東京) 貨物の遅延は、取引相手との信用に関係してきます。特に副業から本格的な貿易に移行するときに、輸送手段の特徴を理解せず、ついつい貨物を遅延させることがあります。

    主な輸送手段には、次の3つがあります。

    1. 航空輸送
    2. 海上輸送(海上コンテナ借り切りor混載)
    3. 国際宅配(EMS等)など。

    本来、貿易契約時に、貿易建値(通称インコタームズを決めた後)の決定の上、航程スケジュールを確認し、実際の決済~貿易の成約へとつなげます。しかし、実際、その取引を実行するときに、船や飛行機が動かないことが往々にしてあります。=貨物遅延

    そこで、この記事では、輸送手段の代表格である「海上コンテナ船」を例示し海上輸送が遅れる7つの理由と対処方法をご紹介していきます。

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    スケジュールが遅れる大きな要因とは?

    海上輸送に遅れが発生する理由は、以下の7つです。

    1. 荒天による航行不能
    2. 荷役の遅れ
    3. 出港地等での遅れ
    4. 本船の故障
    5. 本船の事故
    6. 海運会社の倒産
    7. LCLサービスの遅れ

    1.荒天による航行不能

    外国貿易船(船会社)の使命は、安全かつスケジュール通りに貨物を国際輸送することです。この使名を守れるのかの一つの要因として、天候は大きく関係してきます。

    例えば、強風、高波、台風などによる天候不順です。本船は、安全を最優先にして運行します。もし、天候などが悪ければ、回復するまでは、港に係留をしたり、比較的、波の影響が小さいと予想される場所で停泊したりします。当然、この間は、船が動かないため、スケジュールは大きくかわります。

    例えば、大型台風に巻き込まれた場合は、その台風が過ぎ去るまでは、運航が難しいです。仮に台風を無視して運航を続ければ、本船沈没(コンテナ自体を海中に滑落させる等)、未曽有の事故を引き起こすでしょう。まずは、安全が第一です。

    因みに、運航上無理をした訳ではないようですが、2020年12月、大型海上コンテナ船(ONE APUS)がハワイ沖で悪天候に見舞われ、海上コンテナを1816個海中に滑落、流出させる事故が起きています。(当時、甲板上のコンテナ崩れを直すために神戸港に入港)

    本船の遅れは、理由に関わらず、荷主に大きな影響を与えます。そのため、船社などは、遅れた場合のスケジュールを回復させるための努力がされています。船社としては、決して「天候不順だから遅れるのは当たり前」とは考えていないでしょう。

    2.荷役の遅れ

    荒天による荷役の遅れも、本船の入出港スケジュールを狂わせます。通常、海上コンテナはガントリークレーン(港に設置のクレーン)を使用し、吊り上げ荷役をしながら本船への積み下ろしをします。クレーン作業の大敵は、風です。港は、何も遮る物がないため、強風の影響を受けやすいです。特に、台風を含めて、一定以上の風速があるときは、安全上の理由から、荷役作業は中断されることが多いです。

    風速1Mの日に1本あたり25トンの海上コンテナを吊り上げるのは安全です。しかし、これが風速40Mにもなれば、コンテナ、本船ともに風の影響を強く受けます。仮に、風の影響で、コンテナを落としたなどの事故が起きれば、スケジュールを守るどころの話ではないです。荷主の貨物が台無しになるのはもちろん、港で働く作業員の人命にも関わります。

    3.出港地~寄港地/積み替え地~入港地各々の港の混雑による原因

    船社のHP等で「港での入港遅延や前航海の遅れ等」というアナウンスを目にしたことはありませんか?

    出港地~寄港地/積み替え地~入港地では、スケジュール通り作業をすべく港湾荷役業者が、常に海上コンテナを本船に積み下ろし作業をしています。この荷役作業の能力は、その港が持つ本船の受け入れ能力とも言い換えられます。

    港の処理能力>本船=この場合は、すんなりと荷役作業が行われます。
    港の処理能力<本船=この場合は、荷役作業の順番待ちをします。

    もし、希望する本船に積み込む海上コンテナの本数が1本だったら・・? 勿論その船は順番待ちをして、尚且つ入港料や着岸料を払ってまでその港に寄港しません。これを本船スキップやポートスキップ、或いは抜港(ばっこう)等と呼びます。

    昨今、寄港地/積み替え地として東南アジアの物流のハブ港となっているシンガポールやプサンなどでは24時間体制の積み下ろし作業が行われています。しかし、昨今の海上コンテナの需要数や、海上コンテナ船の大型化により、一隻に積むコンテナ本数が大幅に増加してきています。その為、世界の港全体として、海上コンテナ積込み~積替え~取り卸しの為の港のハード(CYヤードの面積や、海上コンテナ取り卸しの為のガントリークレーンの数等)の絶対数が足りない状態になってきています。

    また、各々の港で仮蔵置するCYヤードの面積不足も顕著となってきています。これを少しでも解消するために、各国の港湾行政は、CYヤード増強をしています。しかし、仮にその全てを国策として実行しても、港が完成するには10年近い月日がかかるため、現時点の貿易環境を今すぐ解決する手段には至っていないです。




    こういった事を避ける方法は、あくまでPORTtoPORTのダイレクト船に乗せる事が、本船遅れを少なくする一つのポイントです。

    4.本船の故障

    海上コンテナ船は次々と新型大型船が投入されています。しかし、寄港地や、目的港によっては、まだ船齢20年を超える古い船が運行されている航路があります。古い船は、時折エンジントラブル等の故障により運航が停止する事が多いです。

    洋上で修理ができるときは、早期の運航再開もあります。しかし、洋上修理が難しい場合は、タグボートを使い、修理が可能な港までけん引する必要があります。最寄り港で修理をした後、ようやく船の運航が再開されます。この場合、修理に要する時間は予想し難く、最悪、修理が不可能になることもあります。

    船の修理ができないときは、最寄りの港で、何らかの代替え船に積み替えます。ただし、実際は、この代替え船すら、中々、決まらず永遠のごとく待たされることも多いです。過去、私の経験では、輸出地(日本のとある港)で、出航日にエンジントラブルで黒煙を吐き、運航がストップしたことがあります。

    5.本船の事故

    2021年3月に話題になったケースでは、エジプト北部のスエズ運河パナマ船籍の大型海上コンテナ船「EVER GIVEN」でのオペレーションミスによる座礁事件等も記憶に新しいです。それよりももう少し前の2013年6月にも大型海上コンテナ船「MOL COMFORT」がインド洋で座礁し、船自体が折損し、海上コンテナが多数滑落する事故が起きています。

    その他では2009年に韓国船籍の海上コンテナ船「CARINA STAR」が、本邦領海内の玄界灘沖に於いて海上自衛隊護衛艦と衝突する事故が起きています。これは、非常に大きなニュースになったため、ご存じの方も多いと思います。

    このように、洋上や港では大小の事故やちょっとしたトラブルは日々起きており、これらが本船の遅延に繋がっていることが多いです。そのため、海上輸送では、何らかの事故が発生することを前提として「海上保険(マリン保険)」や貿易保険等に加入しておくことが大切です。貿易契約の際には、商取引予算の中に入れておいた方がよいでしょう。

    6.海運会社の倒産

    記憶に新しい所では、韓国企業の船会社で韓進海運が2016年8月に倒産し、洋上に残っていた全ての韓進海運所属の船が全ての国で入港拒否をされる事件が起きています。結果、韓進海運所属本船積載の貨物の流通がすべてストップ、世界中に大きな混乱をもたらしました。

    この事件は2008年に端を発した世界金融危機(サブプライムショック)により海運業全体が世界的に打撃を受けた事。それ以前の2007~8年頃の世界景気が拡大から、各社が大幅に新規造船をした結果、船舶スペースの過剰供給につながったことが原因とされています。

    当時、この過剰供給の影響は、バルチック海運指数(BDI)にもはっきりと表れています。*2008年5月と2009年5月を比較すると、海上運賃が1/3に下落しています。

    その後も先進国の財政危機による景気の先行きが不透明な状況は続き、海上運賃は続落。昨今の「流行病」の影響による運賃の高騰までの間は、海運関連は、ずっと冬の時代が続いていたと考えます。

    ここ数年、船会社の統廃合が多々起きており、深甚な状態に陥る前に手が打たれています。しかし、それとて荷主サイドでは予想は難しく、ほとんどは寝耳に水の状態です。基本的に、船会社側の事情を荷主サイドが理解をして、対処するのは難しいです。よって、荷主側では関与できない事態を想定する意味でも、船会社選びや貿易保険等への加入は必須だと言えます。

    7.LCLサービスの荷役遅れ

    ずいぶん前から海上コンテナ貨物の小口化が進んでいます。これを海上コンテナ混載貨物( LESS THAN CONTAINER LORD:通称LCL)と言います。

    LCLは、輸出港でも輸入港でも、NVOCC(Non Vessel Operating Common Carrier:一般的なイメージではフォワーダー)が1本の海上コンテナを複数の荷主に割り当てて輸送する方法です。

    現在、越境ECを営んでいる方、これから始める方、又は、比較的、小口貨物の貿易をする方には、LCLの方が身近に感じられるかもしれません。昨今、このLCLサービスの利用量が増加しています。

    LCLコンテナ輸送かつ輸入の場合は、本船から海上コンテナの取り卸しを行った後、保税倉庫まで、海上コンテナごと輸送し、保税倉庫内で、デバンニング、各フォワーダーのハウスBL毎に仕訳をし、保税蔵置をします。

    一般的に海上コンテナ一本丸々荷主が借り切るFCL(Full Container Load)よりも、これらの作業工数が増える為、輸入した品物が手元に届くまでに数日のタイムラグが生じます。

    このタイムラグに直結して問題になるのが港内を走るドレージ(コンテナを運搬するトラック)が不足していること。

    実は、海上コンテナをCYヤードからピックアップするには、専用トラック(ドレー)が長蛇の列に並ぶ必要があります。=港からコンテナを引き上げるだけで時間がかかるのです。さらに、LCL輸送の中身を取り出すための保税倉庫は、コンテナヤード近くにあります。

    コンテナをピックするのに、非常に多くの時間を取られる。
    いざコンテナをとっても走る距離が非常に短いので稼げない。
    ドレー会社は、上記の理由から短距離の輸送を嫌がる。
    1~3により、さらにドレーの不足が深刻化する。

    上記に加えて、ドレーを運転するドライバーも不足しているため、実輸送不可能条件まで追い込まれています。当然、このままでは、LCLサービスの維持が不可能な為、現在NVOCC各社では新たな燃油サーチャージとして、¥800/RT(1立米又は1トンあたり)=DRS(DRAYAGE RECOVERY SURCHARGE)を課金してきています。それでも港内ドレージ運賃充当や人材確保、ドレージやシャーシの新規購入には全く焼け石に水です。

    その他、保税倉庫サイドでも新型コロナの関係から、人員配置やシフトが見直され、人員不足に陥っているため、荷物の処理が非常に遅れています。これに加えてケースマークを基準にした仕分けにも大きな時間がかかっています。

    実は、混載貨物の場合、ハウスBL毎の貨物の仕訳には必ず荷札(ケースマーク)を目安に仕訳をします。この仕訳のときに、BL記載のケースマークと、実際の貨物につけられているマークが違うときがあります。この場合、実荷主の特定が中々できず、結果、たった一荷主のケースマークが確認できないだけで、該当の荷主の貨物が入っているコンテナ一本分の保税搬入処理が遅れることになるのです。

    現在、上記の問題を避けるためにも、NVOCCは、LCLサービスを使って輸出入を行う際には、ケースマークを貨物に添付する事を国際輸送受受託の必須条件としています。

    その他、各LCLサービスを引き受けている保税倉庫の面積も物量増加によりひっ迫してきており、前航海の貨物が出庫されないと、入庫できない状況に陥っています。

    これらが一般的にはLCLのスケジュールがわかりにくいと言われる所以です。こういったサービスを利用する場合は、これまでの本船遅れにプラスしてLCL作業を考慮の上、予めスケジュールに余裕を持つことが重要です。

    まとめ

    荒天による本船や荷役の遅れは不確定要素の為、致し方がない。
    本船の故障/事故/倒産/荷役事故も基本的には突発的な出来事の為、避けるのは難しい。
    LCLサービスは常に人員不足とドレージ、庫腹の空きがない等のマン/ハードパワー不足に悩まされており、貨物の輸送スピードアップを行う事が実情不可能な状態に陥っている。その為、LCLを利用する際は、余裕を持ったスケジュールを組む必要がある。

    これにプラスして考えておかなければならない遅延損失については、BL裏面約款という契約文章の中で、事故、遅延損失は船社の責任ではないという一文があり、船社はこの辺りの責務が免責となっています。その為、FCLでもLCLでも余裕を持った貿易スケジュールを組む事、そして貿易保険に加入する事は自身の身を守る為にも必ず考慮に入れておかなければなりませんね。

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