おもちゃを輸入するときの規制とは!?

この記事は約10分で読めます。

海外からおもちゃを仕入れる場合は、食品衛生法(しょくひんえいせいほう)の規制を受けます。食品といえばオリーブ油や海外製のお菓子が思い浮かびます。しかし、ここでいう食品とは食べる食品ではありません。口に含む可能性がある物を総称して「食品」としています。

これらの「食品(おもちゃ)」は、一体誰が食べるのでしょうか。今回は、輸入おもちゃに対する食品衛生法を詳しく解説していきます。

輸入おもちゃに食品衛生法が関係する理由

食品衛生法とは、私たちの口に入る食べ物や”入る可能性がある食べ物”を管理するための法律を言います。管理している所は、おなじみの「厚生労働省」です。もし、海外から食品を輸入する場合は、税関の許可を受けるにあたり「厚生省の確認」が必要になります。今回は、そのような食べ物ではなく、通常であれば「食べない物に関する規制」です。

それは乳幼児を対象としたおもちゃです。乳幼児は、目の前にある口に入りそうな物は「何でも口に入れる」可能性があります。そのため、大人がいう食品だけではなく、乳幼児が口に含んでしまう可能性がある「食品(おもちゃ)」についても輸入規制の対象にしています。

この内容を記載しているのが以下の厚生省の文章になります。

指定おもちゃは、食品衛生法の趣旨として、手にしたものを口に入れたり、舐めたりする行動を一般に示す乳幼児*1 における、おもちゃ(に起因する衛生上の危害の防止を図る観点から指定されています。すなわち、食品衛生法の対象となるおもちゃ(指定おもちゃ)の基本概念としては、乳幼児の遊び道具のうち、口に接触することをその本質とするおもちゃ(→Q2-1)のほか、手に持って遊ぶ(玩弄がんろうする)ことで乳幼児が自ずと口に接触する(口に入れたり、舐めたりする)*2 ことが考えられるものが対象範囲となります。

資料配布元:厚生省

指定おもちゃと輸入許可の関係

海外から商品を輸入する場合は、税関の輸入許可を受ける必要があります。しかし、乳幼児が使う可能性がある「おもちゃ・グッズ」などについては、税関の許可を受ける前に厚生省「確認」をうける必要があります。このときのポイントは、明らかに乳幼児を対象としていない貨物ではない限り、厚生省の確認を必要とすることです。

例えば「成人用の歩行器」があるとします。成人用ですから、少なくても製品の高さが1mほどあることは予想できます。これを乳幼児が使う可能性があると考えるのは無理があります。

では「幼児用の歩行器」はいかがでしょうか。この場合、そもそも幼児が使うことを想定しているので「指定おもちゃ」に該当する可能性が十分にあります。そのため、税関は厚生省の「確認」を求めます。もし、貨物が「指定おもちゃ」に該当しないのであれば「厚生省の非該当証明書」を税関に提出することによって、輸入許可にいたります。

指定おもちゃに該当すると判断された場合は、貨物に対する食品検査証明書などの客観的な資料を厚生省に提出します。厚生省は、提出された資料や検査などをもとにして「確認済み」の情報を出します。厚生省からの確認済情報と税関の審査が完了していれば輸入許可となります。

つまり、輸入しようとする貨物が「指定おもちゃ」にあたるかどうかによって、輸入許可に至るまでの道のりが大きく変わります。また、税関の「許可」と厚生省の「確認」は密接な関係があることがわかります。

指定おもちゃになる二つの大原則

先ほどから「指定おもちゃ」という言葉が出てきます。これは、どのような定義になるのでしょうか。大きな定義としては、以下の二つです。

1.口に接触することをその本質とする物
2.手に持って遊ぶことで自ずと口に接触する物

1番の「口に接触する~」というのは、例えば風船を作る際のストローなどが考えられます。この製品は、そもそも口に接触しないと使うことができません。二番の「手にもって遊ぶ~」というのは、フィギュアの人形などが考えられます。これらは、口に接触するのが前提ではないにしろ、極めて高い確率で口に含む可能性があります。これは、みなさんの実体験でもわかるはずです。

おもちゃを輸入するにあたり「この貨物は、指定おもちゃに該当するのか、しないのか」と悩むことが多いです。しかし、大前提として上記の二つの観点で考えてみると、なんとなく判別ができるようになります。

では、もう少し具体的に「指定おもちゃ」に該当する条件をケースごとに確認していきます。「指定おもちゃ」に該当するかどうかは、以下の手順で確認していきます。

1.「指定おもちゃになる二つの大原則」を確認する。わからなければ2番へ

2.「指定おもちゃに該当する条件」を確認する。わからなけらば3番へ

3.「指定おもちゃに該当しない条件」を確認する。

このように1~3を順に考えていくと「指定おもちゃに該当する」かどうかがわかります。

食品衛生法の「指定おもちゃ」に該当する条件

すでに指定おもちゃになる二つの大原則を説明しました。ここからは、指定おもちゃに該当する条件を紹介します。条件ごとに参考例も記載していますのでご覧ください。

1.商品のパッケージなどに対象年齢が六歳未満と表記されているのか

最初に確認することは輸入予定の商品パッケージなどに「対象年齢が未満」になっているかです。

実は指定おもちゃに該当するかどうかの判断は、商品その物の形状だけではありません。商品を包んでいるパッケージ、商品カタログ、売り場での売り方など総合的に判断されます。その中で最も大きなポイントとして、商品のパッケージに書いてある「対象年齢」が重要になります。これが「対象年齢・六歳未満」と表示されている場合、指定おもちゃに該当します。

ポイント:商品のパッケージを確認します。そこに「六歳未満」と書いてあれば該当します。

2.乳幼児がおもちゃとして遊べるように開発されているのが明らかである

これは主に人形などのことを言っています。人形といっても動物であったり、人間の形をした物であったり形はさまざまです。中には、アニメなど架空のキャラクターをモチーフにした物まであります。これらはすべて数十センチの物であるため幼児の遊び道具となりやすく、それだけ口に入れる可能性も高くなります。したがって指定おもちゃに該当します。

その他、「乳児が使う前提」に開発されている「ボール」なども指定おもちゃの対象です。小さなボール、柔らかいボールなど対象は結構広いです。しかし、同じようなボールに属するものであっても、そもそも乳児を対象としていないものは、規制の対象ではありません。

例えば、テニスボールなどがあります。これは、部屋などに転がしておけば乳児が口に入れる可能性があります。しかし、このような偶発的な出来事までを想定していません。したがって、テニスボールなどは「指定おもちゃではありません」

参考貨物:人間や動物モチーフにしたフィギュア

ポイント:人形など何かに模した商品、ままごと、乳児用のボールなど、幼児向けに開発された商品は規制対象です。乳幼児が口にいれる可能性があったとしても「偶発的」なことまでを想定して規制をしていません。

3.口に入れて使うことを前提にしているのか

おもちゃの中には、そもそも口と接触をしなければ使えない物があります。それらはすべて規制の対象になります。対象となる商品としては以下のような例があります。おしゃぶりはまさに「なめまわす」ことが前提です。ストロー、ハーモニカーなどは、商品と口が接触することによって楽しむことができるものです。

参考貨物:おしゃぶり、シャボン玉遊びのストロー、ハーモニカーなど。

ポイント:口と接触することが前提の貨物です。

乳幼児向けに遊ぶものであることが外観から明らかである

幼児が手に取って遊べるような「ぬいぐるみ」などがあります。このような物は「口に入れる可能性」があります。しかし、すべてのぬいぐるみが対象になるわけではありません。室内に飾ることが前提となるぬいぐるみなどは規制の対象外となります。

参考貨物:幼児が手に取って遊べるほどのサイズのぬいぐるみなど。

ポイント:同じ商品であっても幼児が手に取って自由に遊べるか、遊ばないかで扱いが変わります。

食品衛生法の「指定おもちゃ」に該当しない条件

ここまでの説明で指定おもちゃに該当する条件をお伝えしました。もし、「指定おもちゃに該当するかの判断」ができない場合、ここから先の指定おもちゃに該当しない条件を参考に判断をしていきます。なお、税関から指摘を受けた場合は「指定おもちゃに該当しない確認」を厚生省から受けなければなりません。

おもちゃの定義に当たらないもの

そもそも論として「おもちゃの定義」に当てはまらないものがあります。例えば、アニメの登場人物がきているドレスを模した服などがあります。これらは「衣料品」に該当するため「指定おもちゃ」の対象ではありません。しかし、このドレスに何かしらの「アクセサリー」などがついていて、これを単体として遊べる場合は、規制の対象になります。

参考貨物:アニメの中で登場するキャラクターの服を模した物(コスプレ)など。

ポイント:おもちゃの定義から外れている貨物は、規制の対象外になります。

商品のパッケージなどに対象年齢が六歳以上と表記されているか

先ほど対象年齢が六歳未満と表記されている貨物は「指定おもちゃ」の対象になるとお伝えしました。これとは逆で、貨物のパッケージに「六歳以上が対象」と表記されている場合は、規制の対象になります。

ポイント:商品を梱包箱などに「六歳以上対象の貨物」と書かれている場合は、規制の対象外です。

何かに固定されて使う物なのか

おもちゃの中には、天井などにセットして使うものがあります。これらは「指定おもちゃ」の対象外になります。たとえば、天井などにぶら下げて、乳児の頭上でクルクルと回転する物があります。このような物は、乳児の手が届くことはないので、規制にはなりません。しかし、もしこれが手の届く範囲に固定して使うものであれば、規制の対象になります。

参考貨物:メリーなど

ポイント:乳児の手の届かないところで固定して使うものは規制の対象外になります。

本体と付属品(アクセサリーなど)は固定されているか

乳幼児の歩行を助ける「ハイハイ」と呼ばれる商品があります。これは、規制の対象ではありません。しかし、このハイハイに「何かがついている」場合は、規制の対象になります。

例えば、電話の受話器を模した物がついていたりする場合です。この場合、受話器の部分とハイハイの本体部分が固定されていて、簡単には切り離すことができなければ規制の対象外です。しかし、ただ単にヒモのような物でつながっている場合は、規制の対象になります。

参考貨物:乳幼児用の歩行器

ポイント:本体とは別にある付属物が「固定されているか」「固定されていないか」で対象かどうかが変わる。ここでいう固定とは、簡単に取り外しができないような構造を言います。

乳幼児向けに遊ぶものではないことが外観や常識的な使い方からして明らかである

一般的な使い方や外観などから幼児が使わない貨物は規制の対象外です。例えば、空にあげる凧、屋外で走らせるラジコンカーなどがあります。これらは、一見、幼児用の商品に見えます。しかし、屋外で凧を上げる幼児や、ラジコンカーを走らせている幼児を目にする可能性は極めて低いと考えます。したがって、常識的な使い方から幼児が使わない貨物=規制対象外となります。

参考貨物:凧揚げの凧、屋外ラジコンカー、将棋などのボードゲーム、巨大なぬいぐるみなど

ポイント:一般的な使い方からして幼児が使わないと思われるものは規制の対象外です。

実用性があり、幼児が遊ぶことを本質としていない

実用性がある商品は、規制の対象外です。例えば、帽子等は寒さを防ぐために実用性があります。しかし、動物やキャラクターを模したおめん、動物の耳、カチューシャなどは、実用性というより「幼児が遊ぶ目的」のほうが強いです。このような商品は規制の対象になります。

規制対象外貨物の参考例:折り紙、人形、風船など。あえて幼児用と記載していないかがり対象外です。
規制対象貨物の参考例:キャラクターを模したお面、動物の耳、カチューシャなどの遊びで使うような物

ポイント:幼児が遊ぶことが目的になっている貨物は規制の対象です。しかし、寒さを防ぐなどの「実用的な商品」は規制の対象外です。

体全体を使って遊ぶおもちゃである

幼児が体全体を使って楽しむような商品は規制の対象外です。たとえば、三輪車、木馬、ジャングルジムなどがあります。これらは、幼児が中に入ったり、乗ったりして楽しむものです。このような物は規制の対象外になります。

参考貨物:三輪車・木馬・ジャングルジム、滑り台、ブランコなど、幼児が中に入って遊ぶ物は含まれない。

ポイント:幼児の体と同じ、または体より大きい貨物は規制の対象外になります。

まとめ

おもちゃを輸入するときは、「食品衛生法の規制」を受ける場合があります。その規制の目的は「乳幼児が誤って口に入れた場合の安全性を確認」することです。規制はおおむね六歳未満の貨物を対象としています。この規制の対象になるかならないかで輸入許可に至るまでのプロセスが大きくことなります。そのため、どのようなおもちゃが「食品衛生法の対象になるのか」を把握することが必要です。

できることなら商品の開発段階から食品衛生法の対象貨物にならないように設計をすることが望ましいです。

FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録登録済の記事を確認

【HUNADE公式パートナー】

転送サービス

[スポンサードリンク]



hunade

Translate »
タイトルとURLをコピーしました