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保険契約が利益移転と認定 社長に第二次納税義務が課された事例と実務上の注意点【答申第119号】

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保険契約と第二次納税義務の注意点

会社が契約した保険の変更が「役員への利益移転」とされ、社長に第二次納税義務が課された事例を解説します。貿易実務者が知るべきリスクと予防策をわかりやすくまとめました。

事例の資料:関税等不服審査会関税答申119号

事案の背景と経緯

ある会社(B社)は、輸入申告に間違いがあり追加の関税や加算税を払うことになりました。しかし期限までに納めず、滞納状態となりました。

この会社の社長(Aさん)は、会社名義で養老保険を契約しており、受取人は社長本人でした。会社は「年金開始日を早める」「満期保険金を受け取る」という手続きを行い、結果として社長が直接保険金を受け取りました。

税関はこれを「会社の財産が社長に移った」と判断し、国税徴収法39条に基づいてAさんに第二次納税義務を課しました。社長は不服として審査請求を行いました。

審査会の判断と結論

審査会は次のように判断しました。

  • 保険契約の変更によって、会社の財産(解約返戻金を受け取れる権利)が失われ、社長が利益を得た → 「第三者に利益を与える処分」に該当する。
  • 行為は納期限の「1年前の日」以後に行われていた。
  • 差押えなどをしても滞納分を全て回収できない不足(徴収不足)が生じていた。
  • この不足は処分が原因で生じた。

結論:税関の処分は適法。社長の審査請求は棄却。

実務者が知っておくべきポイント

  • 保険契約も対象になる
    税金を滞納している時に、役員や株主へ利益を移す行為は「利益移転」と判断されやすいです。
  • 特殊関係者はリスクが大きい
    社長や大株主が相手の場合、第二次納税義務を避けるのは難しくなります。
  • 基因性の考え方
    「その行為がなければ徴収不足は起きなかったか」で判断されます。
  • 形式より実質が優先
    経営判断の一部だとしても、滞納中に個人へ資産を移すと「詐害的」と見なされやすいです。

法令要件と本件の整理表

要件法的根拠本件での判断
無償譲渡等の処分国税徴収法39条保険契約の繰上げと満期金受取変更
1年前の日以後同条行為の時期が該当
徴収不足の存在同条差押後も不足あり
処分との因果関係通達39条関係処分が不足の原因と認定

類似事例との比較

  • 平成22年裁決例:保険料払込行為を「無償譲渡」と認定。
  • 平成29年大阪高裁判決:譲渡は登記など効力発生日で判断。

本件は「保険契約の変更で役員が利益を得た」として、形式より実質を重視している点が特徴です。

貿易実務者のチェックリスト

  • 滞納状態で役員や株主に資産を移していないか?
  • 保険や資産契約の変更に合理的な理由があるか?
  • 「納期限の1年前ルール」を意識しているか?
  • 法人と役員個人の財産をきちんと分けているか?

実務へのインパクトと予防策

典型シナリオ

「輸入申告の誤り → 追徴課税 → 滞納 → 保険契約変更 → 第二次納税義務」

予防策:

  • 輸入申告の正確性を高める
  • 資金繰り・担保設定を早めに整える

対応策:

  • 滞納中に保険や資産を動かす前に専門家に相談する

まとめ

この事案では、会社が契約した保険の手続きが「役員への利益移転」と見なされ、社長個人に第二次納税義務が課されました。

貿易実務者は、次の点に注意する必要があります。

  • 滞納中の資産処分は厳しく見られる
  • 特殊関係者への利益移転はリスクが高い
  • 法律は形式ではなく実質で判断される

実務では、財務判断と税務リスクを常にセットで考えることが重要です。

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