チョコレートを輸入する方法

チョコレートの輸入他法令 食品/薬機/植物
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日本のチョコーレートは、東南アジア、特にフィリピンなどでは大人気です。私の知っているフィリピン人も祖国へ帰るときに、大量のチョコレートを購入しています。毎回、大量のチョコレートを買っているため、そんなに食べられるの?と、ついつい余計な心配をしてしまうほどです。

日本では、数々のチョコレートが販売されています。コンビニやスーパーなどで売られている一般的なチョコから、高級デパートに専門店を構えるほどのブランドチョコまで様々です。やはり同じチョコレートであっても、人によって求める物は様々だと感じます。

そこでこの記事では、日本のチョコレートだけではなく、海外のチョコレートまで食べたくなってしまった方のために「チョコレートの輸入方法」をご紹介していきます。なお、この記事でご紹介している輸入は「商売目的」です。個人的な消費が目的となる輸入であれば、いくつかのステップを読み飛ばすようにしてください。

海外のチョコレートを商売目的で輸入する手順

ある栄養士の方が言うには「ベルギーのチョコレートは、味の面、使用している添加物の面などで、日本産のチョコーレートより優れている」と言います。もし、これが本当であるなら、ぜひ食べてみたいですね。さて、外国のチョコレートを輸入するには、どのような手続きが必要になるのでしょうか。

食品の輸入になるため、一般の貨物より輸入が難しいはずです。また、チョコレートということもあり、外国から輸送されるときは、何らかの保冷が必要であることは想像ができます。この記事では、このあたりの疑問点を少しずつ解消していくように説明していきます。まずは現状のチョコレートの輸入状況を確認します。

海外産チョコレートの輸入状況

2017年現在、日本へ輸入されている外国産のチョコレートは、どのような状況になっているのでしょうか? どこの国から輸入されているのか? およその輸入価格と関税などをご紹介していきます。

チョコレートは、どこからきている?いくらなの?

今回は、チョコーレートを「板チョコ(HSコード:180632100)」に限定して、データを収集してみました。2016年度の一年間で合計55か国からの輸入が行われました。数量が多い順に上位20か国を並べると以下の通りです。

ベルギー、フランス、アメリカ、イタリアの4か国で大きなシェアがあります。これらの後を追うようにマレーシア産があります。マレーシア産になると、ベルギー価格の3分の1ほどとなり、価格面で大きな競争力があります。マレーシア産のチョコレート、どのような物なのでしょうか? 一度、食べてみたいですね。

国名累計第2数量累計金額(千円) 単価(kg)
ベルギー19317483264108¥1,690
フランス17422252215568¥1,272
アメリカ合衆国17352142440672¥1,407
イタリア15952002003798¥1,256
マレーシア1144937640524¥559
アルゼンチン812957475548¥585
ドイツ771798678912¥880
スイス6753811120019¥1,658
スペイン299627276103¥921
シンガポール232516135042¥581
中華人民共和国180809183503¥1,015
ポーランド156880130574¥832
オランダ146441168652¥1,152
メキシコ8188688807¥1,085
オーストラリア7848769106¥880
大韓民国7729167582¥874
チェコ6570266732¥1,016
ベトナム6058554615¥901
タイ4252626866¥632
コロンビア4223741531¥983
英国3180766622¥2,095

チョコレートの関税は、どれくらいかかる?

外国のチョコレートを日本へ輸入するときは、関税(税金)を支払わなければなりません。板チョコレート(詰め物なし)の関税は、WTO税率で10%になります。多くのチョコレートは、この10%がかかると考えていいです。特恵関税は設定なし、特別特恵は無税。その他、日スイスEPAや日オーストラリアEPAを適用して輸入すれば、わずかに関税削減効果があります。

特恵関税とは?
発展途上国の商品について、通常の関税率よりも下げること

特別特恵とは?
発展途上国の中でも著しく発展が遅れている地域の商品については、原則無税措置をとる制度です。

EPAとは?
経済連携協定=お互いの国でかけている関税を原則撤廃していくことを目指す制度です。2017年現在、日本は15か国と締結中。日スイスEPA=日本とスイスの協定 日オーストラリア=日本とオーストラリアの協定を指します。これらの協定を制度を使って輸入すると、大きな関税削減効果があります。

ここまでが海外産チョコレートに関する基本的な知識です。次にこのチョコレートを輸入するときは、どのような法律が関係してくるのかを確認していきましょう。

輸入するときの規制。どんな法律と関係するのか?

チョコレートを輸入するときに関係する法律は「1.関税法(かんぜいほう)」「2.食品衛生法(しょくひんえいせいほう)」「3.食品表示法(しょくひんひょうじほう)」の3つになります。この他、法律ではありませんが、チョコーレートを国内販売するときの業界の独自ルールなども存在します。(食品表示法に関連)このうち、1番と2番は、輸入する「とき」に関係する法律です。一方、3番は、輸入した「」の販売時に関係してくる法律です。タイミングによって、関係してくる法律が異なります。

ちなみに、個人使用目的で輸入する場合は、1番の関税法だけが関係してきます。しかし、16666円免税ルールなどもありますので、多くの場合は、関税すら関係しないこともありえます。(関税なし、消費税だけがかかることもあります。)

1.関税法とは?(輸入するときに関係)

チョコレートに関する税金(関税)を徴収するための根拠となる法律です。先ほども説明しましたが、日本へ板チョコレートを輸入するときは、おおむね10%の関税がかかります。仮に一つ100円のチョコレートであるなら、10円が支払うべき関税となります。

2.食品衛生法とは?(輸入するときに関係)

先ほどの関税とは別のお話として、食品衛生法があります。これはチョコレートが「食べ物として安全であるのか」を審査するための基準となる法律です。輸入者は、外国産のチョコレートに関する資料(試験成績書など)を提出して、食の安全性について証明をしなければなりません。輸入者によって証明された書類は、各地の食品検疫所(厚生省の関連機関)で審査されて、輸入の可否が決定されることになります。

2-1.食品衛生法で必要になる書類は?

食品衛生法をクリアするために必要な書類は、食品試験成績書と加工工程書です。これらの書類は、現地で取得することが大前提ではありますが、日本側でとる場合が多いです。特に加工工程書を頼んでも、現地の製造工場が対応してくれる可能性は低いです。そのため、輸入者が現地の状況を聞いて、それを書面で起こして提出する方が多いです。

2-2.食品衛生法に基づく検査について

食品輸入届を出すと、ある一定の確率で食品検査になります。これは税関が行う税関検査とは異なるためご注意ください。食品検査には、命令検査、自主検査、モニタリング検査の3つがあります。どの検査に当たるのかは、その時の運によるため、誰にも分りません。詳しくは、食品輸入検査をご覧ください。

3.食品表示法(輸入後、販売時に関係)

無事に食品の輸入許可が下りたとしても、すぐに販売はできません。なぜなら、この時点においては、チョコレートに関する成分表示が英語のままであるからです。成分表示とは、砂糖が何グラム~、ココアパウダーが何グラム~、カロリーは●●など、裏面部分に書いてある情報のことを言います。

外国の食品を輸入して販売するときは、これらの表示をすべて日本語にしなければならないという法律があります。これが三つ目の「食品表示法」です。ただし、チョコレートに関しては、この表示方法を業界で統一して決めています。詳しくは「日本チョコレート・ココア協会」のサイトをご確認ください。

(1) 種類別名称 (なお、チョコレート以外のもので、商品名にチョコレートを意味する文字を使用している場合は、商品名と同一視野内に種類別名称を明りょうに表示する)
(2) 原材料名 (食品添加物以外の原材料と食品添加物を区分して多いものから順に表示)
(3) 内容量
(4) 賞味期限
(5) 保存方法
(6) 原産国名
(7) 事業者の氏名又は名称及び住所
(8) ココアバターの重量百分比 (ココアパウダー及び調整ココアパウダーについて)
* 上記以外に、事故品を取り替える旨の表示、アレルギー物質を含む原材料の表示、分別回収のための識別マークの表示が必要です。

引用元:日本チョコレート・ココア協会

チョコレートを輸入するまでのステップ

これまでの説明してきた内容を基にして、実際にチョコレートを輸入するまでの具体的なステップをご紹介していきます。

  1. チョコレートの輸入状況を把握する。
  2. 仕入れ先を見つける
  3. 商品を発送してもらいます。
  4. 日本税関の通関
  5. 商品を受け取る
  6. ラベルなどを貼り付ける
  7. 客先へ納品

1.チョコレートの輸入状況を把握します。

これまで説明してきた内容となります。輸入しようとするチョコレートのHSコード(税番号)を調べます。輸入するチョコレートのHSコードがわかったら、財務省統計局のサイトから「輸入数量、国名、輸入価格」などのデータをダウンロードします。これでおよその輸入状況の把握ができます。さらに、このとき販売先もしっかりと考えておくことが大切です。

輸入ビジネスの肝は、しっかりとした出口戦略にあります。輸入することが目的ではなく、販売をして換金するまでがビジネスになります。そのため、この出口がないまま輸入をしてしまうと、在庫地獄に陥る可能性が高いです。必ず売り先を調べることが大切です。

2.仕入れ先を見つける

仕入れ先を見つける方法は、ジェトロの「引き合いデータベース」を使ったり、アリババなどの商用サイト使うことで探せます。もちろん、これらを使って輸入できる数量は、最小購入数がとても大きいです。

小さい輸入をしたいのであれば、BUYMA(バイマ)などを使って、現地の人から発送してもらったり、現地で営業しているネットショップから仕入れたりする方法もあります。ただし、バイマやネットショップから購入する場合は「小売ベースでの利益」がのっていることに注意しないといけません。

3.商品を発送してもらいます。

外国から日本に向けて商品を発送してもらいます。コンテナを使って国際輸送するときは、コンテナの内部温度が50度~70度になります。そのため、通常のコンテナを輸送すると、ドロドロに溶けてしまい商品価値がなくなってしまいます。そこで、この問題を解決するために「リーファーコンテナ」を使います。

リーファーコンテナは、指定の温度を保ったまま国際輸送する方法です。下は冷凍帯から、上は20度くらいまで好きな温度を指定できるため、冷蔵品や冷凍品の鮮度を保ったまま輸送できます。ある一定の量を輸入するのであれば、リーファーコンテナを使って輸送することを考えてください。

リーファーコンテナほど大量の荷物は輸入しないというのであれば、ドアツードアの国際宅配会社へ「クール便扱い」で輸送してもらうことになります。どの会社を使ったとしても、必ず低温で輸送することが条件になります。

4.日本税関での手続き

商業輸入で輸入する場合は、通関業者と呼ばれる業者へ一任して、食品検疫所への食品届提出から税関への輸入申告までを代行してもらうのが一般的です。輸入者であるあなたは、通関で必要になる書類を用意するだけで、あとは輸入許可になるのを待つだけとなります。

ポイント:自分で通関する場合は、税関への申告と食品検疫所への申請の2つを行うことになります。

個人的な目的で少量を輸入するのであれば、そのままご自宅へ商品が発送されてきて、配達員に関税などを支払って終わりという流れの場合が多いです。もし、税関の方で貨物が留められたら、送られてくるハガキに従って鉄続きをすれば、比較的簡単に輸入許可が得られます。

5.商品を受け取る

商業輸入した場合:コンテナの状態で許可されてくるため、それをどこかの倉庫へ保管する必要があります。コンテナのまま指定の倉庫まで移動する→デバン(コンテナから物を出す作業)→倉庫へ搬入となります。そのため、温度設定されている倉庫を借りておく必要があります。

個人的使用(少量の商業輸入含む)で輸入する場合:玄関先へ貨物が届くはずです。その後の保管は、どうするのかを決めておきましょう。

6.ラベルなどを貼り付ける

既述の通り、外国の食品は栄養成分を日本語へ直す必要があります。通常、この作業は日本語のラベルを作成しておき、チョコレートの外側パッケージに貼り付けるようにしています。この作業は、日本側でおこなってもいいですし、あらかじめ海外でおこなってもいいです。どちらがコスト的に良いのかを考えてご判断ください。必ず国内販売するタイミングまでの間で、日本語ラベルを貼り付けなければなりません。

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7.客先へ納品

日本語ラベルの貼り付けが終ったら、客先へ納品です。ご自分で販売されるのであれば、ショップへの出品などができることになります。必ず表示ラベルを貼り付けてから販売をすることがポイントです。

チョコレートの輸入まとめ

チョコレートを輸入するときは関税法と食品衛生法の2つの法律が関係してきます。また、輸入許可後に国内へ販売するときには、食品表示法に従わなければなりません。チョコレートやカカオの輸入に関しては「業界による自主規制」があるため、こちらの表示方法に従うようにしましょう。

チョコレートに限らず何かを輸入するときは「出口戦略」がとても大切です。輸入は誰でもできます。ただし、輸入した物を換金できなければビジネスとは言えませんね。

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