世界から関東方面に海上輸送するときは、東京揚げなのか? 横浜揚げが良いのか?迷います。東京港と横浜港は、約40km程度。距離だけで判断すれば「どちらでもよい?」と感じますね!
そこで、この記事では、東京港と横浜港の違いと特徴についてご紹介していきます。
東京港と横浜港と諸外国との港との関係
東京、横浜港は、京浜工業地帯を支える重要な港です。もちろん、京浜地区だけではなく、日本全体の玄関港としても有名です。(京浜工業地帯の港一覧:川崎、横須賀、千葉、木更津)
この関東の港に拮抗する港が西の玄関口である「神戸港」です。神戸港は、神戸大震災までは、日本の西の玄関口どころか、東アジア全体の玄関口としても有名でした。ところが、大震災の影響と、日本政府の無策ぶりにより、今では、他のアジア諸国の格下の港扱いです。
いわゆるメガキャリアは、日本の港を次々と去り、上海、プサン等へ就航地を変更。東京、横浜等を含めて、日本の港は全体的に没落。今では、上海、シンガポール、プサンからのフィーダー船で貨物を輸送するケースが多くなっています。
日本の港の没落ぶりがとまらない。
東京港と横浜港の違いとは?
東京港と横浜港の違いは、没落する日本という小さな島の「最大と称する港の違い」に過ぎないお話だと考えるべきです。とはいえ、輸出や輸入をする上では、両港の違いを知ることは、別の意味で重要であることは事実です。ぜひ、覚えておきましょう!
東京港と横浜港の違いをまとめた文献によると、両港には、次の特徴や機能があるようです。文献の中から、ときの政府の意向、関東大震災、埋め立て地や公害問題等の発生等が、両港の存在意義や役割等を左右してきたようです。
- 東京港と横浜港の距離は約40KM程度
- お互いに商機能を持つ
- 交錯輸送が行われている。
- 関東大震災により両港の立ち位置が変わる。
- 横浜港に本社を置く商社は中小零細が多い。
- 東京港は大型タンカーの乗り入れが禁止されている
- 横浜港は輸送機械や石油精製工場が多い。
実際の輸出入と東京港、横浜港
では、実際に輸出入をする者として、東京港と横浜港の違いを確認していきましょう!つまり、これは、次のようなケースを想定しています。
海外の輸出者(輸入者)と交渉をする際、CIP YOKOHAMA(この逆もあり)で見積もりを取るべきなのか? それとも CIP TOKYO の方が良いのか?
ということですね! この答えは、船の入港パターンと危険品や重量物に左右されます。
基本的に、船の入港パターンは….
- 東京港
- 横浜港
の順番です。これは、消費地に近い東京港に、より迅速に貨物を入れるためです。つまり東京は「輸入港」としての位置づけです。一方、横浜港は、東京の次の寄港地であるため、すぐに貨物を出せる「輸出港」として利用することが多いです。
例えば、関東近辺に貨物を「輸入」するときは、売り手に対して「CIP TOKYO PORT」の価格を求めます。他方、どこかの国に輸出するときは、買い手に対して「FCA YOKOHAMA」又は「FOB YOKOHAMA」の価格を提示します。
危険品や重量物の対応の可否でも考える
もちろん、輸入時に横浜、輸出時に東京でも問題はないです。但し、この場合は、東京港ならではの危険品や重量物規制に気を付けます。基本的に、東京港は、街中に港があるため、危険品等の輸出入に対応が難しいです。
一方、上記の東京港と横浜港の違いの文献にも書かれている通り、横浜港周辺は、重化学工業が発達しているため、危険品や重量物などの輸出入に対応しやすいです。
搬入やデバン速度は差はなし
「東京港と横浜港における搬入やデバン速度の違いは発生するのか」
この答えは、基本的に「ノー」です。HDSをかけたり、予備申告をしたりしていれば、貨物の引き取りまでの時間は変わりません。ただし、他の地方港と比べると、段違いに物量が多いため、ドレーや港が込みやすいのは事実です。特に数年前に発生したトラックドライバー不足やオリンピック特需の際は、港機能がマヒするくらいの状況でした。
例:中国で商品を生産するときに、日本側のドレーを予約するイメージです!それほど、日本側の荷受けや荷捌きが困難な状況でした。
こうした状況をふまえて、昨今は、各フォワーダーは、地方港の活用に活路を見出し「地方港出しの混載サービス」等を積極的に提供するようになっています。
まとめ
- 東京と横浜港は、輸入の東京、輸出横浜
- 東京港は、一大消費地に最も近い。
- そのため、危険品や重量物への対応が難しい。
- 一方、横浜は、重化学工業が発達している。
- よって、危険品や重量物への対応をしやすい。