TPP11(アメリカを除く自由貿易協定)は、2018年12月30日に発効されることが正式に決まりました。日本としては、アセアン諸国に続く、二つ目の多国間EPAであり、今後も発効される見込みである「日欧EPA」と合わせて注目するべき貿易協定です。
TPP11は、これまでのEPAよりも関税削減の対象品目を増やしているのが特徴です。いわゆる「聖域」の部分を含めて、関税などの障壁をなくしている点に要注目です。そこで、この記事では、そんな聖域の一つだった「天然はちみつ」の関税撤廃予定についてご紹介していきます。
TPP11と天然はちみつの関税
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[HU-H2]TPP11と天然はちみつの関係性を説明する前に、まずは蜂蜜の定義を復習しておきましょう!関税分類上、はちみつには、次の2つがあります。
- 天然はちみつ
- 人造はちみつ
天然とは、蜂蜜以外何も入っていない無添加のものです。甘さを増すため、香りをつけるために、何かを添加すると、それらは天然はちみつの定義からは、外れます。一方、人造はちみつとは、天然とは逆です。何らかの物を添加した蜂蜜をさします。純正蜂蜜と混ぜ物蜂蜜の区別と考えましょう!
天然はちみつと人口はちみつの違いとは?
では、この天然であることと、人造であることの違いは、どこにあるのでしょうか? 関税分類上、天然はちみつは、0409に該当します。一方、人口の蜂蜜は「1702」です。いわゆる加工品の分類エリアに該当します。そして、この分類の違いにより、輸入時の関税と必要書類に違いがでてきます。
品目 | 関税率 |
天然はちみつ | 25.5 |
人造はちみつ | 50%または、25円/kgのうち、いずれか高い税率 |
基本的に、はちみつの関税率は、人造はちみつの方が高いです。そのため、輸入者は、関税率が低い「天然はちみつ」として輸入しています。ただし、もちろん、天然はちみつとして無条件に輸入できるわけではありません。実際に、天然はちみつとして輸入するときは、日本税関に対して、現地国で発行された「成分分析書」を提出する必要があります。
TPP11ではちみつの関税はどうなる?
ここからが本題です。TPP11では、天然はちみつ、人造はちみつの関税は、削減されるのでしょうか? TPP11の譲許表(関税を削減する予定を示した表)によると、天然はちみつの関税は、2025年4月1日づけで完全撤廃される見込みです。また、天然はちみつに、砂糖や香料などを添加した「人造はちみつ」は、2028年4月1日付で関税が撤廃されます。
TPP11の加盟国の中には、ニュージーランドがあります。ニュージーランドといえば、マヌカハニーが有名です。もしかすると、2025年ごろになると、今よりもかなりお値打ちなマヌカハニーを購入できるかもしれませんね。そういえば、私のクライアントさんにジョージア産の天然はちみつを扱っている方がいます。よろしければ、ご検討ください。
まとめ
- はちみつには、天然と人造の2つがあります。
- 関税は、人造の方が高いです。
- これまでのEPAは、蜂蜜商品を関税削減の対象外や関税割当を設定していた。
- TPP11では、2025年と2028年に関税が完全撤廃される見込みです。
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